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ミルキーウェイに選ばれた恋人一組
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〈令和7年7月7日〉
7が揃っていて何だか、良いことがありそうな日。
天の川ってミルキーウェイっていうそうで、由来はギリシャ神話が関係しているのだとか。
欠は最初に聞いた時、美味しそうな飴しか頭に思い浮かびませんでした笑
短いお話ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
______________________________________
7月7日は、織姫と彦星が1年に1度会える特別な日だという言い伝えがある。
うちの国では過去にメルヘン好きな王族でも居たのか、その年に国の中で1番、恋に溺れている噂されている恋人一組が選ばれて、当日はパレードで織姫と彦星の役をしなければならない。
これまでは他人事だったこのお祭り行事、なんと今年は僕が選ばれる羽目になった。
本日、いつものように王城にある研究室で引きこもり...基、仕事をしていたら、今年の織姫と彦星に選ばれたと通達され腰を抜かした。
恋人がいない僕がなぜ選ばれたのか理解ができず、おずおずとその点を確認すると、相手は僕が昔通っていた学園の後輩であり、現在は騎士団に勤めているリファスらしい。
「リファス...とは...付き合っていない」と口篭りながらも伝えると、「喧嘩でもされているんですか」と笑われた。他の人にも確認したが何故か当然のように付き合ってると思われていた。
もう僕には対処しきれない問題であったので、研究に熱中にしているとリファスがいつものように勤務終わりに迎えにきた。
「先輩、迎えにきましたよ」
「う、うん」
「ほら、帰りましょ」
いつものように手を繋がれ、いつものように食事からお風呂まで世話を焼かれ、同じベットで横になって、リファスに抱きしめられた時に、やっと恋人同士がしそうな行動をしているのではと気づいた。いや、むしろ介護...??
「...あの、リファス」
「なんですか、先輩?」
「うん、いや、えっと、織姫と彦星...」
「ああ!先輩それで今日は帰り道から少し上の空だったんですね。先輩、7月7日まで3ヶ月ぐらいあるので、その間に何か対策を考えましょう」
「う、うん」
「大丈夫ですよ、先輩。俺がついています」
背中を一定のリズムでトントンと叩かれると、段々と意識が遠のいっていった。
「おやすみなさい、先輩」
「ん、おやすみ...」
瞼が完全に閉じた後、パッと目覚めたと思ったら朝になっていた。横で寝ていたリファスがこちらを見ていて、ニコッと朝から輝くような笑顔を向けられた。ま、眩しい...。
「おはようございます、先輩」
「...おはよう。リファス」
「先輩、俺、昨日のこと考えてたんですけど、ウェディングベールのようなものをつけるのはどうでしょう?人からの視線が少し遮られるかなって」
「な、なるほど。いいかも」
「それに...」
リファスが僕の腰を手で引き寄せてグッと顔が近づいた。
「先輩の可愛い姿、俺が独占したいですし」
おでこに何かが掠めた。いや、何かじゃない。リファスが僕のおでこにキスをした!!
「????」
「さ、先輩、仕事に遅れちゃいますよ」
「え、ちょっと、え??」
「お祭りまでの3ヶ月でもっと仲良くなりましょうね、先輩」
「ふふふ」と嬉しそうに笑うリファスに僕の頭はクラクラしたし、身体はなんだか急激に熱くなった。
おでこへのキスは恋人...?いや、子供扱い??え、本当にどういうこと??
心臓がバクバクと今までにない速度で動いていた。これからの3ヶ月、無事に過ごせるのだろうか。
________________________________________
お読み下さりありがとうございました。
そういえば、今日ふと、七夕の短冊に願いを書くのって何故かなと思い、織姫様と彦星様が空から見てる?天の川が神秘的だから?と考えていました。
ネットで調べると、七夕は元々は、乞巧奠(きこうでん)という中国の行事で、機織りや裁縫の上達を祈る風習から始まったのだとか。
欠の予想は大外れでしたが、七夕のことをより知れて何だか良い日。7のパワーかもしれません笑
もう、30分ほどで七夕が終わりの時間ですが、皆様がよい七夕を過ごされますように。
7が揃っていて何だか、良いことがありそうな日。
天の川ってミルキーウェイっていうそうで、由来はギリシャ神話が関係しているのだとか。
欠は最初に聞いた時、美味しそうな飴しか頭に思い浮かびませんでした笑
短いお話ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
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7月7日は、織姫と彦星が1年に1度会える特別な日だという言い伝えがある。
うちの国では過去にメルヘン好きな王族でも居たのか、その年に国の中で1番、恋に溺れている噂されている恋人一組が選ばれて、当日はパレードで織姫と彦星の役をしなければならない。
これまでは他人事だったこのお祭り行事、なんと今年は僕が選ばれる羽目になった。
本日、いつものように王城にある研究室で引きこもり...基、仕事をしていたら、今年の織姫と彦星に選ばれたと通達され腰を抜かした。
恋人がいない僕がなぜ選ばれたのか理解ができず、おずおずとその点を確認すると、相手は僕が昔通っていた学園の後輩であり、現在は騎士団に勤めているリファスらしい。
「リファス...とは...付き合っていない」と口篭りながらも伝えると、「喧嘩でもされているんですか」と笑われた。他の人にも確認したが何故か当然のように付き合ってると思われていた。
もう僕には対処しきれない問題であったので、研究に熱中にしているとリファスがいつものように勤務終わりに迎えにきた。
「先輩、迎えにきましたよ」
「う、うん」
「ほら、帰りましょ」
いつものように手を繋がれ、いつものように食事からお風呂まで世話を焼かれ、同じベットで横になって、リファスに抱きしめられた時に、やっと恋人同士がしそうな行動をしているのではと気づいた。いや、むしろ介護...??
「...あの、リファス」
「なんですか、先輩?」
「うん、いや、えっと、織姫と彦星...」
「ああ!先輩それで今日は帰り道から少し上の空だったんですね。先輩、7月7日まで3ヶ月ぐらいあるので、その間に何か対策を考えましょう」
「う、うん」
「大丈夫ですよ、先輩。俺がついています」
背中を一定のリズムでトントンと叩かれると、段々と意識が遠のいっていった。
「おやすみなさい、先輩」
「ん、おやすみ...」
瞼が完全に閉じた後、パッと目覚めたと思ったら朝になっていた。横で寝ていたリファスがこちらを見ていて、ニコッと朝から輝くような笑顔を向けられた。ま、眩しい...。
「おはようございます、先輩」
「...おはよう。リファス」
「先輩、俺、昨日のこと考えてたんですけど、ウェディングベールのようなものをつけるのはどうでしょう?人からの視線が少し遮られるかなって」
「な、なるほど。いいかも」
「それに...」
リファスが僕の腰を手で引き寄せてグッと顔が近づいた。
「先輩の可愛い姿、俺が独占したいですし」
おでこに何かが掠めた。いや、何かじゃない。リファスが僕のおでこにキスをした!!
「????」
「さ、先輩、仕事に遅れちゃいますよ」
「え、ちょっと、え??」
「お祭りまでの3ヶ月でもっと仲良くなりましょうね、先輩」
「ふふふ」と嬉しそうに笑うリファスに僕の頭はクラクラしたし、身体はなんだか急激に熱くなった。
おでこへのキスは恋人...?いや、子供扱い??え、本当にどういうこと??
心臓がバクバクと今までにない速度で動いていた。これからの3ヶ月、無事に過ごせるのだろうか。
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お読み下さりありがとうございました。
そういえば、今日ふと、七夕の短冊に願いを書くのって何故かなと思い、織姫様と彦星様が空から見てる?天の川が神秘的だから?と考えていました。
ネットで調べると、七夕は元々は、乞巧奠(きこうでん)という中国の行事で、機織りや裁縫の上達を祈る風習から始まったのだとか。
欠の予想は大外れでしたが、七夕のことをより知れて何だか良い日。7のパワーかもしれません笑
もう、30分ほどで七夕が終わりの時間ですが、皆様がよい七夕を過ごされますように。
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