悪役令嬢は終わりから始まる~記憶戻るの遅いよ~

朋 美緒(とも みお)

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4章;悪役令嬢は、冒険者「アカネ」になる

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<フィンドラス王国>
クランドール伯爵家執務室
書類に走るペンの音が響いている

コンコンコン

ドアをたたく音

「ご主人様、ミストラル様がお見えです」
「・・・分かった」

ペンをペン立てに立て、書類を書類箱に入れると
眼鏡をはずし、こめかみを指で押さえた

応接室ドアを開けると黒いドレスに黒の大きなショールを掛けた老女が居た

「エレオノール・フォン・クランドール伯爵様お久しぶりでございます。」
「うむ、フィオナが居ないから封印をかけなおすことも無くなったのだがどうされた?」
「はい、少し気になることがありまして、大丈夫ですか?大分憔悴なさっているようだが」
「フィオナが死んだと言われて大分精神的にまいってる・・・妻はすっかり寝込んでしまった」
「フィオナ様の名誉回復はどうされるのですか?」
「回復はしたい・・・が、気力が・・・」
「フィオナ様は生きておられる、そう言ったらどうされます?」
「!何を!・・・根拠がお有りなのだな?」
「はい、ミレーヌ様もお呼びになりませんか?一緒に聞いていただきたい」

メイドに妻を呼びに行かせた、しばらくして顔色の悪いミレーヌが応接室に入ってきた
ミレーヌもフィオナの無実を信じていたいつも厳しくしてたが本当にこの夫婦はフィオナを溺愛していたのだ
もう少し違う接し方をしていれば母親には見捨てられたと勘違いしなかったものを

「先日私ミッシェル・ブラウニ男爵令嬢に呼ばれまして邸宅を訪れましたの」
「なんでまたあの女!ミストラル様を?」
「王太子との婚約が進まないのを王と王妃に聞いてほしかったようですわ、王宮魔導師の私に」
「なんと的外れな、愚かなことを・・・」

ミレーヌは呆れてため息をついた

「確かに王宮魔導師ですが王陛下にそのようなこと私が聞けるはずもありません、きっぱりとお断りいたしました。」
「焦っているようだな、邪魔なフィオナが居なくなったからすぐ婚約できると思ってたんだろう、王や王妃に魅了の魔法は効かないからな」

ミッシェル・ブラウニ男爵令嬢は王に自分の魅了が効かない理由が解らなくて焦っていた
自分より上の魔法使いに効かないことを知らないのである。
もちろんミストラルにも使っていた国一の魔法使いに効くわけがなかった

「そこでとんでもない物を見ましたの、フィオナ様の封印の腕輪の付いた左手がオブジェのように飾られていたんです」
「!なんだと!あの小娘ぶっ殺してやる」

伯爵にまわりに負の魔力があふれる

「フィオナ様は生きておられる確信いたしました。」

伯爵の負の魔力が小さくなった

「切り取られても手はとても美しく生きているようでした。フィオナ様の魔力が切れてない証拠です。」
「ああ、フィオナ手をなくしてさぞかし痛かったろうに・・・」

泣き崩れるミレーヌ

「もっと早く封印は解いておくべきだったと思います」
「しかし、言い伝えが」
「フィオナ様が黒魔女の生まれ変わりでも、あの方が我々や民を害することなどありましょうか?あの優しく聡明な方が」
「ミストラル殿はいつもそう仰っていたな、」
「そうすればこのような事態は避けられたのではと、ミッシェル・ブラウニ男爵令嬢の悪意もっと早く気が付いていたのではと」
「いまさらだな」
「そうです、いまさらですでも生きていらっしゃる、それは確かです」

クランドール伯爵はそれからフィオナの無実の証拠とミッシェル・ブラウニ男爵令嬢の悪事の証拠集めを再開したのだった。














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