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第一章 はじまりの町
1話 チート神の前髪をつかんでチートをつかんだ
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【スキル・を獲得しました】
んっ!? 何が!?
頭に変な声がしたかと思った瞬間。
突風が右から左へ巻き起こった。
――うわっなんだ!?
万年Fランク冒険者としてうだつの上がらない生活をしていた俺、ケルビン十五歳は、余りの暇を持て余し、雨の中で蛇拳の練習をしていたのだ。
蛇拳とは、ジャッキー・〇ェンでお馴染みの、蛇を体現した拳法である。
左手の先を右肘の下に置き、右手で蛇の口を模し空をパクッと摘まんだ瞬間に奇跡が起こったのだ。
【あなたの性質から最適のスキルが選択されます】
また頭の中に声がした。
マジか……えっマジで!?
俺、チート神の前髪掴んじゃったの!?
俺は呆然としながらも、これから起こるだろう素晴らしい奇跡に興奮していた。
チート神とは、その名の通り、チート(それはもうすごいスキル)を授けてくれるという、この世におけるとてもありがたい神である。
チート神からチートを授けられた者は、その能力を活かしてSランク冒険者となったり、貴族(領地持ち)になったり、と出世間違いなしのラッキーマンなのだ。
なので当然、皆がチート神から何とかチートを貰いたいと思っている。
そりゃそうだ。
だが事はそう簡単ではない。
チートを貰える確率は恐ろしく低いのだ。
ではどうすれば貰えるのか。
それはチート神の前髪を掴む事だと言われている。
だがチート神は恐ろしいスピードで移動しているので、狙って掴むのは不可能だろう。
そもそもハッキリと姿を見た人もいないのだ。
嘘か本当かわからないが、チートを掴んだ人の証言では、たまたま偶然掴んだとか、寝ていた仙人みたいな老人だったとか、幼女だったとか、亜人のセクシーお姉さんだった。など色んな噂はあるのだが真相はわからない。
ただチートを貰った者は、いきなり突風のような物が起こった。
と言うような噂が、かなりの割合を占めていたのだ。
さっきも実際に突風が巻き起こった。
俺が……本当にマジか。
チートを貰えることになるなんて。
【解析が完了しました】
頭の中でまた声が聞こえた。
おっ何だ!
何をくれるんだ?
【ケルビンさんのスキルは、【絶対領域】です。この領域内では何でもあなたの望む通りになります。では、今後の人生をお楽しみください】
ボワンッと体が光った気がした。
えっ絶対領域?
何でも望み通りになるの?
すごくない?
何かすごい気がするけど。
どこの領域なの?
この後はいくら問いかけても返事はなかった。
まあ、使えば分かるだろう。
とりあえず、試してみる事にした。
「発動!」
それらしい言葉を言ってみた。
するとホワンと、右手の手のひらの部分を覆うような、小さな薄い黒い領域が現れた。
「ちっさ!」
思わず言葉が出た。
全然領域じゃねーじゃん。
領域ってもっと広いんじゃないの? せめて家のような大きさとか、倉庫のようなとかの大きさじゃないの?
これ、手の平だけじゃんか。
その後も色々と気を入れてみたり、振ったりして見たが大きさは変わらなかった。
しかも結構疲れるのだ。
魔力でも消費しているのか。
しょうがない。
この大きさのまま、何か望むか。
うーん。
剣は大きさ的に無理だしな。
とすれば……拳用武器か。
ごついナックルをイメージする。
するとイメージした通りのナックルが現れた。
「うひょーすげー!」
イメージを変えて色んな形にして遊んでみたが自由自在だった。
これはいい。
今使っている、木の槍と解体用ナイフよりはよっぽど破壊力がありそうだ。
流石チート。
しかし、出しっぱなしは疲れるので、必要な時だけ出す事にした。
ふふふ。こ れなら、その辺のモンスターどもも一発で倒せるに違いない。
雨は相変わらず降っているが関係ない。
俺はチートなのだ。
興奮が収まらない俺は、さっそく町を出て外の狩場へ移動した。
道を外れて、林の中に入って行く。
ここはいつも行くソロ用の狩場で、半魔の角ウサギが出る場所なのだ。
いつもは木の槍を使いながら、慎重に戦闘している。
一番弱いと言われる角ウサギだが、それでも魔物には変わりなく、こちらもダメージを負いながら、なんとか一匹倒すのがせいぜいだ。
今日はいつもと違うところを見せてやる。
そう気合を入れると、さっそく角ウサギがこっちを見つけ走ってきた。
全力で角ウサギが跳ねる。
「食らえ、発動!絶対領域パーンチ!」
ドカッ!
ギャン!
飛び込んできた角ウサギの角ごと、俺の右ストレートが粉砕した。
「すげー!」
一発KOだ。
俺は余りの威力に呆然とする。
そこには角が粉々になって死んでいるウサギがいた。
うーむ、角ウサギは角がメインの買い取りなのだがな……。
んっ!? 何が!?
頭に変な声がしたかと思った瞬間。
突風が右から左へ巻き起こった。
――うわっなんだ!?
万年Fランク冒険者としてうだつの上がらない生活をしていた俺、ケルビン十五歳は、余りの暇を持て余し、雨の中で蛇拳の練習をしていたのだ。
蛇拳とは、ジャッキー・〇ェンでお馴染みの、蛇を体現した拳法である。
左手の先を右肘の下に置き、右手で蛇の口を模し空をパクッと摘まんだ瞬間に奇跡が起こったのだ。
【あなたの性質から最適のスキルが選択されます】
また頭の中に声がした。
マジか……えっマジで!?
俺、チート神の前髪掴んじゃったの!?
俺は呆然としながらも、これから起こるだろう素晴らしい奇跡に興奮していた。
チート神とは、その名の通り、チート(それはもうすごいスキル)を授けてくれるという、この世におけるとてもありがたい神である。
チート神からチートを授けられた者は、その能力を活かしてSランク冒険者となったり、貴族(領地持ち)になったり、と出世間違いなしのラッキーマンなのだ。
なので当然、皆がチート神から何とかチートを貰いたいと思っている。
そりゃそうだ。
だが事はそう簡単ではない。
チートを貰える確率は恐ろしく低いのだ。
ではどうすれば貰えるのか。
それはチート神の前髪を掴む事だと言われている。
だがチート神は恐ろしいスピードで移動しているので、狙って掴むのは不可能だろう。
そもそもハッキリと姿を見た人もいないのだ。
嘘か本当かわからないが、チートを掴んだ人の証言では、たまたま偶然掴んだとか、寝ていた仙人みたいな老人だったとか、幼女だったとか、亜人のセクシーお姉さんだった。など色んな噂はあるのだが真相はわからない。
ただチートを貰った者は、いきなり突風のような物が起こった。
と言うような噂が、かなりの割合を占めていたのだ。
さっきも実際に突風が巻き起こった。
俺が……本当にマジか。
チートを貰えることになるなんて。
【解析が完了しました】
頭の中でまた声が聞こえた。
おっ何だ!
何をくれるんだ?
【ケルビンさんのスキルは、【絶対領域】です。この領域内では何でもあなたの望む通りになります。では、今後の人生をお楽しみください】
ボワンッと体が光った気がした。
えっ絶対領域?
何でも望み通りになるの?
すごくない?
何かすごい気がするけど。
どこの領域なの?
この後はいくら問いかけても返事はなかった。
まあ、使えば分かるだろう。
とりあえず、試してみる事にした。
「発動!」
それらしい言葉を言ってみた。
するとホワンと、右手の手のひらの部分を覆うような、小さな薄い黒い領域が現れた。
「ちっさ!」
思わず言葉が出た。
全然領域じゃねーじゃん。
領域ってもっと広いんじゃないの? せめて家のような大きさとか、倉庫のようなとかの大きさじゃないの?
これ、手の平だけじゃんか。
その後も色々と気を入れてみたり、振ったりして見たが大きさは変わらなかった。
しかも結構疲れるのだ。
魔力でも消費しているのか。
しょうがない。
この大きさのまま、何か望むか。
うーん。
剣は大きさ的に無理だしな。
とすれば……拳用武器か。
ごついナックルをイメージする。
するとイメージした通りのナックルが現れた。
「うひょーすげー!」
イメージを変えて色んな形にして遊んでみたが自由自在だった。
これはいい。
今使っている、木の槍と解体用ナイフよりはよっぽど破壊力がありそうだ。
流石チート。
しかし、出しっぱなしは疲れるので、必要な時だけ出す事にした。
ふふふ。こ れなら、その辺のモンスターどもも一発で倒せるに違いない。
雨は相変わらず降っているが関係ない。
俺はチートなのだ。
興奮が収まらない俺は、さっそく町を出て外の狩場へ移動した。
道を外れて、林の中に入って行く。
ここはいつも行くソロ用の狩場で、半魔の角ウサギが出る場所なのだ。
いつもは木の槍を使いながら、慎重に戦闘している。
一番弱いと言われる角ウサギだが、それでも魔物には変わりなく、こちらもダメージを負いながら、なんとか一匹倒すのがせいぜいだ。
今日はいつもと違うところを見せてやる。
そう気合を入れると、さっそく角ウサギがこっちを見つけ走ってきた。
全力で角ウサギが跳ねる。
「食らえ、発動!絶対領域パーンチ!」
ドカッ!
ギャン!
飛び込んできた角ウサギの角ごと、俺の右ストレートが粉砕した。
「すげー!」
一発KOだ。
俺は余りの威力に呆然とする。
そこには角が粉々になって死んでいるウサギがいた。
うーむ、角ウサギは角がメインの買い取りなのだがな……。
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