ロンクの冒険

shinko

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第一章

9話 最終話

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「私がペア冒険者になって……それもいきなりDランクなんてすごいわね」

 泊まった宿の部屋で夕食をとりながらジュースで乾杯する。

「そうだなぁ、不意打ちとは言えD+ランクのボスを倒せたんだもんなぁ」

 その功績が認められて、俺達はいきなりDランクベテランに昇格した。

 十三歳の新人にしてはとびっきり破格の評価だった。

 新しいダンジョンを発見して、そこから出てこられた事も評価されたのだろう。


 ジュエルの町の二人で銀貨二枚200ドロルもする高級な宿に宿泊してお祝いしていた。

「ロンクのおかげね、それに指輪に助けられたわ。食料と水が無かったらきっと……私達ダメだったでしょうね」

 そうだよな、いくら強くても水と食料がなければ三日ともたない、この指輪に助け……あれっ!?

「あっ!? ないっ!? いつの間にか指輪がない!?」

「えっ!? うそっ!?」

 いつの間にか【ギフトの指輪】が消えていたのだ。

 昨日はあったはずなのに……。

 あまりのショックにしばらく呆然としていたが、リーズが優しく微笑んで俺にこう言った。

「ロンク……その、もしかしたらあの指輪、役目を終えて消えたんじゃないかしら」

「役目……」

「うん、指輪はおじいさんのものだったんでしょう、きっとロンクが一人前になるまで守ってくれるためにあったのよ。もうロンクは一人前以上になった。だから役目を終えた指輪は消えたんじゃないかしら」

 諭すようにリーズが俺に話してくれた。

 そうかもしれない……。

 リーズの言葉がスッと心に入った気がした。

 急にじいちゃんが言っていた言葉が浮かんできた。


「ロンク……これさえあれば生きてはいける」


 うん……そうだよな。


 今は指輪がなくても生きていける自信がある。

 リーズもいるしメラミスもいる。

 ショートソードも装備もある。

 じいちゃん形見の大袋もここにあるのだ。


 そうか……そうだったのか。


 俺は急に涙が出てきた。

 視界がにじんで溢れてきた。

 
 リーズがそばに来て俺をぎゅっと抱きしめてくれた。

 優しく甘い柔らかな香りだ。温かくて嬉しい気持ちに包まれた。

 しばらく俺は泣き続けた。


「ロンク……」

「ありがとう……リーズ、そうだな、リーズの言う通りだと思う。指輪は役目を終えたんだ。じいちゃん、大魔導師様、今までありがとう。これからは自分の力で生きていきます」

 リーズを抱きしめながら、心をこめて今までのお礼を言った。

「うん、私も一緒に頑張るわ」

「ああ、ありがとうリーズ、これからよろしくな」


 まるでそれに答えるように、メラミスのネックレスもキラリと光ったような気がした。
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