118 / 130
番外編
カイネス博士はキメラを見たい
しおりを挟む
──ある日の、カフェ・ティニにて。
「神話生物にキメラという生き物がいるではないか」
カイネスは紅茶をかき混ぜながら唐突に言った。
「……いち科学者として、私はあの生物の内臓が見たいのだ……ッ!」
ガタッ、と隣の席でレイスが椅子を蹴って立ち上がる。
「発言全てがこえぇよ博士」
「ふむ? 私としては至極まっとうな動機だが?」
「いや“内臓が見たい”がまっとうな科学動機ってどこの邪神の発想だよ」
テーブルを挟んだサタヌスが笑う。
「じゃあさ、捕まえりゃいいじゃん。嫉妬界ってキメラいるの?」
レイスが煙草に火をつけながら答える。
「この辺の魔物、だいたい“感情ベース融合”だからな。
頭が嫉妬で羽がトラウマとかだ」
「…………」
沈黙。
カイネスの手元で紅茶のスプーンが止まる。
博士はゆっくりと椅子から滑り落ち、床に崩れ落ちた。
「……いないのか……純正の……キメラは……この地には……」
そのまま床に横たわり、顔を覆って動かない。
「え、博士?」
「マジでショック受けてるじゃねぇか。てか寝るな、ティニで寝るな」
「……我が研究人生において……これほどの絶望があっただろうか……」
「重ッ!命かけてんの!?キメラそんなに欲しいの!?」
──だが、次の瞬間。
「…………」
博士の目が、カチリと音を立てるように見開かれた。
そこには、絶望を通り越した科学者特有の“狂気の光”が宿っていた。
「……ならば、創ればいいのだ」
紅茶のカップをテーブルに置きながら、博士が静かに言った。
目が、ギラついていた。理知と熱狂の境界線を踏み越えた瞳。
それはただの研究者のものではなかった。
“美を創造する者の目”だった。
だが、それは序章にすぎなかった。
最初に反応したのはノックスだった。
いつの間にか背後に立っていた義体師は、
無言で懐から設計用のプレートを取り出すと、
カチャリと光学端末を起動する。
そのまま、指を滑らせながらつぶやいた。
「……骨だけで歩ける義体なら、ある。いま試作してる」
「筋肉も内臓もいらない。必要なのは、構造体の美と、魔力回路の耐久性だ」
「……キメラではないが」
誰も止めなかった。止める暇もなかった。
だが、レイスだけがぽつりと言った。
「……お前それ、もう死体の意思を継ぐ置物だろ……?」
その横で、モールトが不意に目を輝かせる。
「いや……いっそ、“嫉妬される者”と
“嫉妬する者”の魂を融合させたらどうでしょうか?」
「感情の相互矛盾。引力と反発。憎悪と羨望……ッ!」
「その矛盾の交差点に、新しい命が生まれるかもしれませぬ!!」
博士は、それを聞いた瞬間、カップを倒しそうな勢いで手を伸ばした。
「それは素晴らしいッッッ!!!」
「君、名を何と言ったか!?助手にならないか!?」
目が爛々と光っている。どこかで見たことのある輝き。
それは“禁忌を愛してしまった学者”の目だった。
レイスが絶望的な顔でそのやりとりを見ていた。
「それは地獄だよ!!」
思わず叫んでしまった。
理性が、倫理が、誰にも通じていない。
そしてサタヌス。
全員の狂気が爆走する中で、頭を抱えていた。
「オイオイお前ら……発想が地獄側にフルスロットル過ぎんだろ……」
けれど、誰もブレーキを踏もうとはしなかった。
研究者たちの妄想は加速する。
ラボの空気は、甘い紅茶の香りと共に。
魔力と情念の混ざる創造の渦へと沈んでいく。
博士が、ノートにひとこと書き足した。
「地獄は、意外と創りやすい」
その文字の横で、誰かがクスクスと笑っていた。
クロノチームの誰かか、それともすでに生まれかけているキメラかは。
もう誰にもわからなかった。
---三日後。
ラボの照明が、やけに白く冷たく見えた。
博士がゆっくりと手を広げ、その後ろにある“何か”を示したとき、
空気がわずかに震えた気がした。
「できました。我が《シニカル=キメラリオン》です」
その一言とともに、
実験室中央に置かれたカプセルが、静かに開いた。
……それは、一見すれば人型。
だが、すぐに誰もが理解した。
これは人体ではなく、“博士の美的狂気”の結晶であると。
特徴的だったのは、目だ。
爛々と輝く金の瞳――どう見ても、あのユピテルの眼だった。
サロメ様としか思えない艶やかな長髪。
そして、足元には見覚えしかない脚線。
……レイスの脚だった。
加えて、胸部には機械式の魔力循環装置。
ノックスがよくいじっていた義心臓型デバイスだ。
全員が言葉を失っている中、サタヌスが恐る恐る口を開いた。
「……博士、ちょっと冷静に聞くけどよ。なんでそのパーツチョイスになった?」
博士は、いつも通りの理知的な微笑を浮かべていた。
それが余計に怖かった。
「ふむ。順を追って説明しよう」
「まず“目”だが、感情表出と支配力において。
最も強い反応を示したのがユピテル氏の眼球データだった」
「正直、あの瞳には一種の……殺意的カリスマが宿っている」
レイスが即座にツッコむ。
「カリスマ殺意ってなんだよ。ホラーだよ!」
博士は首をかしげて続けた。
「“髪”はサロメ氏のものだ。単純に、サンプル提供が多かった」
「嫉妬界で“最も嫉妬される美”として、遺伝的にも優れているからね」
レイスが若干引いた顔で口を挟む。
「いや、どうやってサンプル取ったんだよ……こえーよ博士……」
「“脚”に関しては……」
博士の視線が、ゆっくりとレイスに向く。
「レイス君、君は地上機動戦において理想的な脚線比と踏破力を持っていた。
拒否権はない」
「勝手に理想脚モデルにすんな!!!」
レイスが叫ぶ。が、すでにキメラは脚を動かし始めていた。
しかも軽やかだ。やたらと軽やか。
博士は最後に、胸部へと手を差し出した。
「そして“心臓”には、ノックス氏が提供した魔力循環装置を採用した」
「美しさと機能、両立の妙技……私は感動した」
その言葉に、ノックスは一言も喋らず――
無言で親指を立てた。
博士とノックス、共犯者のような静かな呼吸の一致。
サタヌスが、頭を抱えて呻く。
「なぁ……お前ら……これ、創作ってレベル超えてないか?」
「……アートかよ……」
だが、誰も否定はしなかった。
これがカイネス博士の夢。
そして、狂気の果てに生まれた“彼らだけの傑作”だった。
「なんだこの夢に出てきそうな合成生物は!?」
レイスの悲鳴をBGMに、キメラが微笑む。
「……嫉妬、してもいいよ……?」
「なんで美少女声なんだよ!?誰がボイス設定したッ!!」
“傑作”は動いていた。
だがそれは、美しくもあり、同時にどうしようもないバグの塊だった。
ユピテル似の目は視線を合わせた者を全員殺意で威嚇し、
サロメ様似の髪は勝手に“嫉妬心を察知”して暴れ、
レイスの脚は妙に機動力がありすぎて、起動から15秒で天井を破壊。
ノックス製の心臓だけは完璧に回っていた。
その様を、博士は拍手しながら見つめていた。
「素晴らしい……実に創造的破綻だ」
その直後、シニカル=キメラリオンは天井裏でショートを起こし、爆発四散。
唯一残ったのは、再びボイスチップだけだった。
『また…会えるかな…?』
あらゆる意味でカオスだった残骸を前に、全員が沈黙する中、
カイネス博士が満面の笑顔で言い放った。
「失敗は成功の母」
沈黙。
そしてサタヌスが、疲れ切った顔でぼそりと呟いた。
「母、何回生まれ直してんだよ……」
「あっははははははは!!!!!!」
地獄の実験室に、再び笑い声が響いた。
パンでも死体でもキメラでも、なんでもいい。
笑って生きている限り、アルヴ座とクロノチームは不滅なのだ。
「神話生物にキメラという生き物がいるではないか」
カイネスは紅茶をかき混ぜながら唐突に言った。
「……いち科学者として、私はあの生物の内臓が見たいのだ……ッ!」
ガタッ、と隣の席でレイスが椅子を蹴って立ち上がる。
「発言全てがこえぇよ博士」
「ふむ? 私としては至極まっとうな動機だが?」
「いや“内臓が見たい”がまっとうな科学動機ってどこの邪神の発想だよ」
テーブルを挟んだサタヌスが笑う。
「じゃあさ、捕まえりゃいいじゃん。嫉妬界ってキメラいるの?」
レイスが煙草に火をつけながら答える。
「この辺の魔物、だいたい“感情ベース融合”だからな。
頭が嫉妬で羽がトラウマとかだ」
「…………」
沈黙。
カイネスの手元で紅茶のスプーンが止まる。
博士はゆっくりと椅子から滑り落ち、床に崩れ落ちた。
「……いないのか……純正の……キメラは……この地には……」
そのまま床に横たわり、顔を覆って動かない。
「え、博士?」
「マジでショック受けてるじゃねぇか。てか寝るな、ティニで寝るな」
「……我が研究人生において……これほどの絶望があっただろうか……」
「重ッ!命かけてんの!?キメラそんなに欲しいの!?」
──だが、次の瞬間。
「…………」
博士の目が、カチリと音を立てるように見開かれた。
そこには、絶望を通り越した科学者特有の“狂気の光”が宿っていた。
「……ならば、創ればいいのだ」
紅茶のカップをテーブルに置きながら、博士が静かに言った。
目が、ギラついていた。理知と熱狂の境界線を踏み越えた瞳。
それはただの研究者のものではなかった。
“美を創造する者の目”だった。
だが、それは序章にすぎなかった。
最初に反応したのはノックスだった。
いつの間にか背後に立っていた義体師は、
無言で懐から設計用のプレートを取り出すと、
カチャリと光学端末を起動する。
そのまま、指を滑らせながらつぶやいた。
「……骨だけで歩ける義体なら、ある。いま試作してる」
「筋肉も内臓もいらない。必要なのは、構造体の美と、魔力回路の耐久性だ」
「……キメラではないが」
誰も止めなかった。止める暇もなかった。
だが、レイスだけがぽつりと言った。
「……お前それ、もう死体の意思を継ぐ置物だろ……?」
その横で、モールトが不意に目を輝かせる。
「いや……いっそ、“嫉妬される者”と
“嫉妬する者”の魂を融合させたらどうでしょうか?」
「感情の相互矛盾。引力と反発。憎悪と羨望……ッ!」
「その矛盾の交差点に、新しい命が生まれるかもしれませぬ!!」
博士は、それを聞いた瞬間、カップを倒しそうな勢いで手を伸ばした。
「それは素晴らしいッッッ!!!」
「君、名を何と言ったか!?助手にならないか!?」
目が爛々と光っている。どこかで見たことのある輝き。
それは“禁忌を愛してしまった学者”の目だった。
レイスが絶望的な顔でそのやりとりを見ていた。
「それは地獄だよ!!」
思わず叫んでしまった。
理性が、倫理が、誰にも通じていない。
そしてサタヌス。
全員の狂気が爆走する中で、頭を抱えていた。
「オイオイお前ら……発想が地獄側にフルスロットル過ぎんだろ……」
けれど、誰もブレーキを踏もうとはしなかった。
研究者たちの妄想は加速する。
ラボの空気は、甘い紅茶の香りと共に。
魔力と情念の混ざる創造の渦へと沈んでいく。
博士が、ノートにひとこと書き足した。
「地獄は、意外と創りやすい」
その文字の横で、誰かがクスクスと笑っていた。
クロノチームの誰かか、それともすでに生まれかけているキメラかは。
もう誰にもわからなかった。
---三日後。
ラボの照明が、やけに白く冷たく見えた。
博士がゆっくりと手を広げ、その後ろにある“何か”を示したとき、
空気がわずかに震えた気がした。
「できました。我が《シニカル=キメラリオン》です」
その一言とともに、
実験室中央に置かれたカプセルが、静かに開いた。
……それは、一見すれば人型。
だが、すぐに誰もが理解した。
これは人体ではなく、“博士の美的狂気”の結晶であると。
特徴的だったのは、目だ。
爛々と輝く金の瞳――どう見ても、あのユピテルの眼だった。
サロメ様としか思えない艶やかな長髪。
そして、足元には見覚えしかない脚線。
……レイスの脚だった。
加えて、胸部には機械式の魔力循環装置。
ノックスがよくいじっていた義心臓型デバイスだ。
全員が言葉を失っている中、サタヌスが恐る恐る口を開いた。
「……博士、ちょっと冷静に聞くけどよ。なんでそのパーツチョイスになった?」
博士は、いつも通りの理知的な微笑を浮かべていた。
それが余計に怖かった。
「ふむ。順を追って説明しよう」
「まず“目”だが、感情表出と支配力において。
最も強い反応を示したのがユピテル氏の眼球データだった」
「正直、あの瞳には一種の……殺意的カリスマが宿っている」
レイスが即座にツッコむ。
「カリスマ殺意ってなんだよ。ホラーだよ!」
博士は首をかしげて続けた。
「“髪”はサロメ氏のものだ。単純に、サンプル提供が多かった」
「嫉妬界で“最も嫉妬される美”として、遺伝的にも優れているからね」
レイスが若干引いた顔で口を挟む。
「いや、どうやってサンプル取ったんだよ……こえーよ博士……」
「“脚”に関しては……」
博士の視線が、ゆっくりとレイスに向く。
「レイス君、君は地上機動戦において理想的な脚線比と踏破力を持っていた。
拒否権はない」
「勝手に理想脚モデルにすんな!!!」
レイスが叫ぶ。が、すでにキメラは脚を動かし始めていた。
しかも軽やかだ。やたらと軽やか。
博士は最後に、胸部へと手を差し出した。
「そして“心臓”には、ノックス氏が提供した魔力循環装置を採用した」
「美しさと機能、両立の妙技……私は感動した」
その言葉に、ノックスは一言も喋らず――
無言で親指を立てた。
博士とノックス、共犯者のような静かな呼吸の一致。
サタヌスが、頭を抱えて呻く。
「なぁ……お前ら……これ、創作ってレベル超えてないか?」
「……アートかよ……」
だが、誰も否定はしなかった。
これがカイネス博士の夢。
そして、狂気の果てに生まれた“彼らだけの傑作”だった。
「なんだこの夢に出てきそうな合成生物は!?」
レイスの悲鳴をBGMに、キメラが微笑む。
「……嫉妬、してもいいよ……?」
「なんで美少女声なんだよ!?誰がボイス設定したッ!!」
“傑作”は動いていた。
だがそれは、美しくもあり、同時にどうしようもないバグの塊だった。
ユピテル似の目は視線を合わせた者を全員殺意で威嚇し、
サロメ様似の髪は勝手に“嫉妬心を察知”して暴れ、
レイスの脚は妙に機動力がありすぎて、起動から15秒で天井を破壊。
ノックス製の心臓だけは完璧に回っていた。
その様を、博士は拍手しながら見つめていた。
「素晴らしい……実に創造的破綻だ」
その直後、シニカル=キメラリオンは天井裏でショートを起こし、爆発四散。
唯一残ったのは、再びボイスチップだけだった。
『また…会えるかな…?』
あらゆる意味でカオスだった残骸を前に、全員が沈黙する中、
カイネス博士が満面の笑顔で言い放った。
「失敗は成功の母」
沈黙。
そしてサタヌスが、疲れ切った顔でぼそりと呟いた。
「母、何回生まれ直してんだよ……」
「あっははははははは!!!!!!」
地獄の実験室に、再び笑い声が響いた。
パンでも死体でもキメラでも、なんでもいい。
笑って生きている限り、アルヴ座とクロノチームは不滅なのだ。
0
あなたにおすすめの小説
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
