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『異世界リゾートの湯殿で』(男2:女0)
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(10分 BLサシ劇 R15)
『異世界リゾートの湯殿で』
作 / 鳳月 眠人
セッカ:
攻めの人。お貴族。第一警衛隊隊長。
ユイガ:
受けの人。宵國出身。第三殲滅隊隊長。
百合か女の子でやる場合、名前は「ユイ」で。
本編はこちら
https://www.alphapolis.co.jp/novel/52564859/108341637
◆◇ここから台本◇◆
── 短い間(3秒)
ユイガ:
「で? このベッド、なんなんだよ?」
セッカ:
「一目惚れしちゃって買ったんだよ」
ユイガ:
隊員たちは今、更衣室で着替えている頃だろうか。
上官だけとなった静かな湯殿で、
ひときわ存在感を放っているのは、天蓋付きのベッドだった。
周囲の雰囲気と見事にマッチした色調の、木枠。
薄く透ける天蓋カーテン。恐らくは、湯から上がって身体を休めるためのもの。
リゾート地らしさは確かにあるが、前回ここへ来たときにはこんなものはなかったはず。
そんなベッドへ雑に腰掛ける。発光クジラはもう高い空域に戻っていた。
空を仰ぎ天蓋越しに見る星空は、小さく光る魚影で賑やかだ。
セッカ:
「本当に、宵國の家具は趣深くて質が良い……!」
ユイガ:
「……何に使うつもりだ……」
セッカ:
「答える必要が? ……分かってるクセに」
ユイガ:
「はぁ……明朝、タイムアタックしたいし、やんねーぞ」
セッカ:
「ユイガ」
ユイガ:
湖面を写したような碧い瞳が熱を帯びている。
その熱は、湯に当てられたものだけではない。
セッカ:
「ユイガ……ユイガ先輩?」
ユイガ:
「やめろ、それ……甘えてくんな」
セッカ:
「先輩呼び、興奮する?」
ユイガ:
「……今はお前の方が立場上だろ」
セッカ:
「ちょっとの差じゃん。はぁー……新しい後輩くんたちに取られたくない……」
ユイガ:
「何回目だよ、それも。今更すぎる」
セッカ:
──ユイガと深く繋がるのは自分だけでいい。
互いに上に立つようになってから、どうにもならないのに何度も思ってしまう、本音。
けれど、隊員を指揮して活躍しているユイガも無論、イイ。
昔の憧れを焦がしてきて、好きだ。矛盾した想いは時折──弾けそうになる。
── セッカ、腰かけたユイガの両脚の間に割りいって迫る。
── 唇をユイガの首筋へ這わせる。
── (お好みでリップ音)
ユイガ:
「ッ、おい……」
── チリ、とした痛みがユイガの肌を刺す。
── セッカ、ユイガと一瞬視線を絡ませて、囁く。
セッカ:
「後で治癒する……」
ユイガ:
「、ン」
── セッカ、舌を啄み唾液を絡ませ合いながらユイガの身体を倒してゆく。
セッカ:
前線で戦い続けるユイガの身体は、体質もあるだろうけれど、俺より少し筋肉量が多い。
仄かな明かりの下、美しささえ感じる肉体。その肌に自分の印を付けていく。
ユイガ:
「、は、っぁ、ッく、……!」
セッカ:
「このまま、洗うよ」
ユイガ:
「ぐ、ッ──、」
セッカ:
この瞬間、何故かユイガは必ずいつも、俺と目を合わせる。
眉を下げて少し情けない顔になっているのに本人は気付いているのだろうか。
この時のユイガの表情が堪らなく好きだ。
掴まれている肩にギリ、と握力が増しても止めてやれない。
親友を、戦友を──背徳感が心臓を焼いて、甘く満たす。
ユイガ:
「ッあァ……!! はぁ、あ、!!」
快感に突っ張った足の指先が丸まる。撥水のシーツにしわがよる。
コイツは分かっているのだろうか。こんな──
ここまでさらけ出せる存在は、ただ一人だということに。
セッカ:
腹に涎を垂らして、まるで男娼のように艶めかしい。
優しくすれば、視線がゆるゆると、蕩けてゆく。──欲しがられている。
綺麗だ──
ユイガ:
「ハァッ───綺麗……だ、な」
セッカ:
「、ユイガがね」
俺の思考、読まれたのかと思った。
ユイガ:
ぽたり、と白金色の髪先から水滴が落ちた。
星灯りを受ける艶麗な姿。
必死に押さえつけている欲が、身体中から発せられているよう。
大切な元後輩で、頼れる親友で、色んな垣根を越えて──
「はぁ……来いよ……」
セッカ:
「っ──」
口端を上げるユイガの笑みは挑発まじりで、なのに、泣きたくなるほど優しげだ。
抱き合ったままユイガの温かさを確かめながら、存在を、刻み付けるように。
肌と心音を重ねながら。あたかもマーキングをするかのように。
──この感情はユイガへ流れている。けど、それでは足りない。もっともっと愛したい。
「……もう、ふぅ、……いけるかな?」
ユイガ:
「っ、ああ……」
セッカ:
「チカラ……抜いて」
── 吐息混じりの掠れた嬌声が湯殿に響く。
セッカ:
──もういっそ、誰かに聞かれてしまえばいい、俺のものだと示したい。
ユイガ:
「セ……ッカっ、くるし、……いッ深すぎ、だ、」
セッカ:
「ッ、ぁ、煽ってどうすんの、ユイガ……!」
ユイガ:
「ッあ、待っ、ッあぅ、っッぐ、はぁっ、ァは、……っ!!」
セッカ:
「はッ、はぁ……っだめだ溶けそう……」
── ユイガは乱れ、瞳は涙で煌めき滲んでいる。
セッカ:
──まだだ。この手でもっと乱したい。
ユイガ:
「!! や、やめ、っう、ッも、ぅあ無理ッあ、──!」
セッカ:
「────ッ!!」
── 二人分の荒い息
ユイガ:
「はぁっ、も、……めちゃくちゃに、しやがって……腰、痛ェ……」
セッカ:
「え……まだ1回目じゃん」
ユイガ:
「……は?」
セッカ:
「ん?」
ユイガ:
──短いはずの夜は、長くなりそうだ。
『異世界リゾートの湯殿で』
作 / 鳳月 眠人
セッカ:
攻めの人。お貴族。第一警衛隊隊長。
ユイガ:
受けの人。宵國出身。第三殲滅隊隊長。
百合か女の子でやる場合、名前は「ユイ」で。
本編はこちら
https://www.alphapolis.co.jp/novel/52564859/108341637
◆◇ここから台本◇◆
── 短い間(3秒)
ユイガ:
「で? このベッド、なんなんだよ?」
セッカ:
「一目惚れしちゃって買ったんだよ」
ユイガ:
隊員たちは今、更衣室で着替えている頃だろうか。
上官だけとなった静かな湯殿で、
ひときわ存在感を放っているのは、天蓋付きのベッドだった。
周囲の雰囲気と見事にマッチした色調の、木枠。
薄く透ける天蓋カーテン。恐らくは、湯から上がって身体を休めるためのもの。
リゾート地らしさは確かにあるが、前回ここへ来たときにはこんなものはなかったはず。
そんなベッドへ雑に腰掛ける。発光クジラはもう高い空域に戻っていた。
空を仰ぎ天蓋越しに見る星空は、小さく光る魚影で賑やかだ。
セッカ:
「本当に、宵國の家具は趣深くて質が良い……!」
ユイガ:
「……何に使うつもりだ……」
セッカ:
「答える必要が? ……分かってるクセに」
ユイガ:
「はぁ……明朝、タイムアタックしたいし、やんねーぞ」
セッカ:
「ユイガ」
ユイガ:
湖面を写したような碧い瞳が熱を帯びている。
その熱は、湯に当てられたものだけではない。
セッカ:
「ユイガ……ユイガ先輩?」
ユイガ:
「やめろ、それ……甘えてくんな」
セッカ:
「先輩呼び、興奮する?」
ユイガ:
「……今はお前の方が立場上だろ」
セッカ:
「ちょっとの差じゃん。はぁー……新しい後輩くんたちに取られたくない……」
ユイガ:
「何回目だよ、それも。今更すぎる」
セッカ:
──ユイガと深く繋がるのは自分だけでいい。
互いに上に立つようになってから、どうにもならないのに何度も思ってしまう、本音。
けれど、隊員を指揮して活躍しているユイガも無論、イイ。
昔の憧れを焦がしてきて、好きだ。矛盾した想いは時折──弾けそうになる。
── セッカ、腰かけたユイガの両脚の間に割りいって迫る。
── 唇をユイガの首筋へ這わせる。
── (お好みでリップ音)
ユイガ:
「ッ、おい……」
── チリ、とした痛みがユイガの肌を刺す。
── セッカ、ユイガと一瞬視線を絡ませて、囁く。
セッカ:
「後で治癒する……」
ユイガ:
「、ン」
── セッカ、舌を啄み唾液を絡ませ合いながらユイガの身体を倒してゆく。
セッカ:
前線で戦い続けるユイガの身体は、体質もあるだろうけれど、俺より少し筋肉量が多い。
仄かな明かりの下、美しささえ感じる肉体。その肌に自分の印を付けていく。
ユイガ:
「、は、っぁ、ッく、……!」
セッカ:
「このまま、洗うよ」
ユイガ:
「ぐ、ッ──、」
セッカ:
この瞬間、何故かユイガは必ずいつも、俺と目を合わせる。
眉を下げて少し情けない顔になっているのに本人は気付いているのだろうか。
この時のユイガの表情が堪らなく好きだ。
掴まれている肩にギリ、と握力が増しても止めてやれない。
親友を、戦友を──背徳感が心臓を焼いて、甘く満たす。
ユイガ:
「ッあァ……!! はぁ、あ、!!」
快感に突っ張った足の指先が丸まる。撥水のシーツにしわがよる。
コイツは分かっているのだろうか。こんな──
ここまでさらけ出せる存在は、ただ一人だということに。
セッカ:
腹に涎を垂らして、まるで男娼のように艶めかしい。
優しくすれば、視線がゆるゆると、蕩けてゆく。──欲しがられている。
綺麗だ──
ユイガ:
「ハァッ───綺麗……だ、な」
セッカ:
「、ユイガがね」
俺の思考、読まれたのかと思った。
ユイガ:
ぽたり、と白金色の髪先から水滴が落ちた。
星灯りを受ける艶麗な姿。
必死に押さえつけている欲が、身体中から発せられているよう。
大切な元後輩で、頼れる親友で、色んな垣根を越えて──
「はぁ……来いよ……」
セッカ:
「っ──」
口端を上げるユイガの笑みは挑発まじりで、なのに、泣きたくなるほど優しげだ。
抱き合ったままユイガの温かさを確かめながら、存在を、刻み付けるように。
肌と心音を重ねながら。あたかもマーキングをするかのように。
──この感情はユイガへ流れている。けど、それでは足りない。もっともっと愛したい。
「……もう、ふぅ、……いけるかな?」
ユイガ:
「っ、ああ……」
セッカ:
「チカラ……抜いて」
── 吐息混じりの掠れた嬌声が湯殿に響く。
セッカ:
──もういっそ、誰かに聞かれてしまえばいい、俺のものだと示したい。
ユイガ:
「セ……ッカっ、くるし、……いッ深すぎ、だ、」
セッカ:
「ッ、ぁ、煽ってどうすんの、ユイガ……!」
ユイガ:
「ッあ、待っ、ッあぅ、っッぐ、はぁっ、ァは、……っ!!」
セッカ:
「はッ、はぁ……っだめだ溶けそう……」
── ユイガは乱れ、瞳は涙で煌めき滲んでいる。
セッカ:
──まだだ。この手でもっと乱したい。
ユイガ:
「!! や、やめ、っう、ッも、ぅあ無理ッあ、──!」
セッカ:
「────ッ!!」
── 二人分の荒い息
ユイガ:
「はぁっ、も、……めちゃくちゃに、しやがって……腰、痛ェ……」
セッカ:
「え……まだ1回目じゃん」
ユイガ:
「……は?」
セッカ:
「ん?」
ユイガ:
──短いはずの夜は、長くなりそうだ。
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