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第二章 悪魔四天王「赤石のフィゲロア」との決戦
10 『皆様ならもう行かれましたわよ?』
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「ハハハハ……って勅命? 受ける? 説得? 何の事じゃ?」
一体全体何がどうなっているんだ? 婆さんの中で済まされてもこっちが困るんだがな。
「ちゃんと説明してくれないか? 我輩たちにはさっぱりわからんのだが」
「あ、これは失礼しました。――コホン……では改めて愚、ライリー王の勅命をお伝えします。豪拳ダリル、あなたは勇者デール殿に力を貸し共に魔王デイルワッツを討伐せよ、との事です」
「「「はい?」」」
いやいや、力を貸すも何もさっきまで一緒に戦っていたんだが……爺さんは現状こんな状態だけど。
……こんな……状態…………。
「あ~、ちょっと話を待てくれ。ベルトラ、先に爺さんを出してやってくれ」
駄目だ、あんな姿でいられるとどうも気になって話に集中できん。
「あ、そうですね」
「あ~やっと出れるのか……やれやれ……」
※
「いや~自由に動けるとは素晴らしいのぉ~、ほいほい!」
地面から出たばかりで屈伸している……本当に元気な爺さんだな。疲労した感じがまったく見えない、我輩はもうクタクタなのだが
「で、話を戻すが……わしが勇者殿と共に討伐をって事だったな?」
「はい、ですが勅命とはいえ謹慎を受けている身……その事で不満を持っているかもしれないので私が説得しようかと。もっとも無駄足のようだったみたいですが」
不満か、どころかそれを理由に隠居を楽しんでいるようにも思えるのだが。
「ふむ、話はわかった……が、負に落ちん事がある。ハミルトとリュウナはどうした? わしより二人のほうが適任だと思うのじゃが?」
……ま~た知らない名前が出てきたな。
「ベルトラ、ハミルトとリュウナとは誰なのだ?」
「ああ、ハミルト様はお2人のご子息でリュウナはハミルト様の娘です、リュウナは私と同い年でけどね。2人ともアルフレドの騎士なんですよ」
なるほど、たしかに隠居した爺さんより若い二人のほうが適任そうではある。
「ハミルトは今、アルフレド王国の守護隊長として西砦にいます、リュウナも同じく西砦の守護に回っています。なので今、この国で! 実力があり! 暇をもてあましている! あなたに! 白羽の矢が! 立ったわけ! です!」
「わかった! わかったからそんなに顔を寄せるな! 怖い!」
あ~そうだった、今は主力をさける余裕はないと言っていたな……。
む? だとするとこっちも負に落ちない事があるぞ。
「だとするとベルトラ、何故貴様は我輩たちに着いてきたのだ? 主力ならば貴様もそうであろう?」
王もベルトラに関しては仕方なくという感じではあったが。
「……それは……私の父が悪魔四天王の一匹「食火のフレイザー」に殺害されたのです、そのために――」
なるほどな……。
「……敵討ちで同行したわけか」
「フレイザーは私が必ず……必ず……」
この話はこれ以上しないほうがよさそうだな、触らぬベルトラになんとやらだ。
……ってベルトラと話している間に爺さんがまた正座をさせられておるのが。
「で! 何か! 問題でも! ありますか!?」
「ない……です……はい……」
「では承諾という事でいいですね?」
「……はい」
なんか我輩達を置いて勝手にいろいろ決まってしまったのだが……。
もともと逃げる目的で着いて来たのに、どうなるかわからんものだな。
「デール様」
「あ、はい」
「どうか主人を……ダリルをよろしくお願いいたします」
「あ、いえ、こちらこそ」
はっ! 釣られて我輩も頭を下げてしまった! 人間相手にこの我輩がぁああああああああ!
「さて、話は決まりましたね」
勝手にな……。
「つきましては、今アルフレド城では勝利の宴の準備をしております」
なぬ!? 宴とな!?
「やったぁあああ! ゴハンだ~!」
「腹減ったのぉ~」
たった1日しかたっていないのにベルトラ飯を食わされてから城の飯が恋しくて恋しくてたまらんかったぞ。
「ではあの馬車にお乗りください、アルフレド城まで送りましょう」
「は~い!」
エリンの奴、猛スピードで馬車に飛んでいった。
「サリーサ様、ご好意感謝いたします。ですが……」
あれ? これは何かいやな予感がするぞ。
「申し訳ありませんが、今城に戻るわけには参りません」
「「えっ!?」」
やっぱりいいいいい! 何いっとるんだこいつは!?
「えっ!? 今なん――ぶぎゃ!!」
あ、エリンの奴が馬車にぶつかった。
いや、今はそれよりも!
「おい! 自分が何を言っているのかわかっておるのか!?」
「いたた……そうだよベル! 何言っているの!? 頭をぶつけちゃった!?」
ぶつけたのはお前だろ。
「何か悪い物でも食ったか!? だったら今すぐ吐き出すんじゃ!」
それ、しいて言うならそれはベルトラ飯だと思うのは我輩だけだろうか。
「自分が何を言っているかもわかっていますし、頭をぶつけてもいませんし、悪い物も食べてもいません!」
……これはもう何を言っても無駄なベルトラだ。
「我々は悪魔四天王の1匹を倒したのですよ。これで他の悪魔四天王が動き出すのも時間の問題です、手遅れになる前に行動していかないと……そうですよね!?」
そうですよね!? って言われても!
この急かし様は絶対にフレイザーの馬鹿のせいだ! 我輩は休みたいのに!
「いや! 言いたい事もわかるが、少しくらいはいいではない――」
「ベルトラ……意思は堅いのですね。わかりました、愚弟には私から伝えておきます」
「――かって……ええ!?」
ちょっ我輩達の意見は?
「ちょっと!!! アタシはおいっしいいいいいいご飯食べてふかふかのベッドで寝たい! このまま行くのは反対!」
「わしも年をとったからのぉ体力的にきつくなってきているんじゃが……」
ベルトラの奴、話も聞かず淡々と出発の準備している……。
「――この先に町があります、そこで旅の準備を整えましょう」
ええい! こうもベルトラの好き勝手されては、よし! ここは我輩がビシッと言ってやる。
「ゴホン、ベル――」
「エリン、諦めろ……こうなってはダメだ……行こう……」
「ぶ~ぶ~」
「――トラよ今急いでもだな……って……あれ? 誰もいない?」
「皆様ならもう行かれましたわよ?」
「なぬ!?」
な!? もうあんな先にいやがる!
「デール殿、何しているんですか~! 早く行きますよ~!」
「貴様らああああああああ!! 我輩の話を聞けやぁあああああああああ!!」
一体全体何がどうなっているんだ? 婆さんの中で済まされてもこっちが困るんだがな。
「ちゃんと説明してくれないか? 我輩たちにはさっぱりわからんのだが」
「あ、これは失礼しました。――コホン……では改めて愚、ライリー王の勅命をお伝えします。豪拳ダリル、あなたは勇者デール殿に力を貸し共に魔王デイルワッツを討伐せよ、との事です」
「「「はい?」」」
いやいや、力を貸すも何もさっきまで一緒に戦っていたんだが……爺さんは現状こんな状態だけど。
……こんな……状態…………。
「あ~、ちょっと話を待てくれ。ベルトラ、先に爺さんを出してやってくれ」
駄目だ、あんな姿でいられるとどうも気になって話に集中できん。
「あ、そうですね」
「あ~やっと出れるのか……やれやれ……」
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「いや~自由に動けるとは素晴らしいのぉ~、ほいほい!」
地面から出たばかりで屈伸している……本当に元気な爺さんだな。疲労した感じがまったく見えない、我輩はもうクタクタなのだが
「で、話を戻すが……わしが勇者殿と共に討伐をって事だったな?」
「はい、ですが勅命とはいえ謹慎を受けている身……その事で不満を持っているかもしれないので私が説得しようかと。もっとも無駄足のようだったみたいですが」
不満か、どころかそれを理由に隠居を楽しんでいるようにも思えるのだが。
「ふむ、話はわかった……が、負に落ちん事がある。ハミルトとリュウナはどうした? わしより二人のほうが適任だと思うのじゃが?」
……ま~た知らない名前が出てきたな。
「ベルトラ、ハミルトとリュウナとは誰なのだ?」
「ああ、ハミルト様はお2人のご子息でリュウナはハミルト様の娘です、リュウナは私と同い年でけどね。2人ともアルフレドの騎士なんですよ」
なるほど、たしかに隠居した爺さんより若い二人のほうが適任そうではある。
「ハミルトは今、アルフレド王国の守護隊長として西砦にいます、リュウナも同じく西砦の守護に回っています。なので今、この国で! 実力があり! 暇をもてあましている! あなたに! 白羽の矢が! 立ったわけ! です!」
「わかった! わかったからそんなに顔を寄せるな! 怖い!」
あ~そうだった、今は主力をさける余裕はないと言っていたな……。
む? だとするとこっちも負に落ちない事があるぞ。
「だとするとベルトラ、何故貴様は我輩たちに着いてきたのだ? 主力ならば貴様もそうであろう?」
王もベルトラに関しては仕方なくという感じではあったが。
「……それは……私の父が悪魔四天王の一匹「食火のフレイザー」に殺害されたのです、そのために――」
なるほどな……。
「……敵討ちで同行したわけか」
「フレイザーは私が必ず……必ず……」
この話はこれ以上しないほうがよさそうだな、触らぬベルトラになんとやらだ。
……ってベルトラと話している間に爺さんがまた正座をさせられておるのが。
「で! 何か! 問題でも! ありますか!?」
「ない……です……はい……」
「では承諾という事でいいですね?」
「……はい」
なんか我輩達を置いて勝手にいろいろ決まってしまったのだが……。
もともと逃げる目的で着いて来たのに、どうなるかわからんものだな。
「デール様」
「あ、はい」
「どうか主人を……ダリルをよろしくお願いいたします」
「あ、いえ、こちらこそ」
はっ! 釣られて我輩も頭を下げてしまった! 人間相手にこの我輩がぁああああああああ!
「さて、話は決まりましたね」
勝手にな……。
「つきましては、今アルフレド城では勝利の宴の準備をしております」
なぬ!? 宴とな!?
「やったぁあああ! ゴハンだ~!」
「腹減ったのぉ~」
たった1日しかたっていないのにベルトラ飯を食わされてから城の飯が恋しくて恋しくてたまらんかったぞ。
「ではあの馬車にお乗りください、アルフレド城まで送りましょう」
「は~い!」
エリンの奴、猛スピードで馬車に飛んでいった。
「サリーサ様、ご好意感謝いたします。ですが……」
あれ? これは何かいやな予感がするぞ。
「申し訳ありませんが、今城に戻るわけには参りません」
「「えっ!?」」
やっぱりいいいいい! 何いっとるんだこいつは!?
「えっ!? 今なん――ぶぎゃ!!」
あ、エリンの奴が馬車にぶつかった。
いや、今はそれよりも!
「おい! 自分が何を言っているのかわかっておるのか!?」
「いたた……そうだよベル! 何言っているの!? 頭をぶつけちゃった!?」
ぶつけたのはお前だろ。
「何か悪い物でも食ったか!? だったら今すぐ吐き出すんじゃ!」
それ、しいて言うならそれはベルトラ飯だと思うのは我輩だけだろうか。
「自分が何を言っているかもわかっていますし、頭をぶつけてもいませんし、悪い物も食べてもいません!」
……これはもう何を言っても無駄なベルトラだ。
「我々は悪魔四天王の1匹を倒したのですよ。これで他の悪魔四天王が動き出すのも時間の問題です、手遅れになる前に行動していかないと……そうですよね!?」
そうですよね!? って言われても!
この急かし様は絶対にフレイザーの馬鹿のせいだ! 我輩は休みたいのに!
「いや! 言いたい事もわかるが、少しくらいはいいではない――」
「ベルトラ……意思は堅いのですね。わかりました、愚弟には私から伝えておきます」
「――かって……ええ!?」
ちょっ我輩達の意見は?
「ちょっと!!! アタシはおいっしいいいいいいご飯食べてふかふかのベッドで寝たい! このまま行くのは反対!」
「わしも年をとったからのぉ体力的にきつくなってきているんじゃが……」
ベルトラの奴、話も聞かず淡々と出発の準備している……。
「――この先に町があります、そこで旅の準備を整えましょう」
ええい! こうもベルトラの好き勝手されては、よし! ここは我輩がビシッと言ってやる。
「ゴホン、ベル――」
「エリン、諦めろ……こうなってはダメだ……行こう……」
「ぶ~ぶ~」
「――トラよ今急いでもだな……って……あれ? 誰もいない?」
「皆様ならもう行かれましたわよ?」
「なぬ!?」
な!? もうあんな先にいやがる!
「デール殿、何しているんですか~! 早く行きますよ~!」
「貴様らああああああああ!! 我輩の話を聞けやぁあああああああああ!!」
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