60 / 75
第七章 とある天使の昔話
6 『私も一緒に……いってあげる……』
しおりを挟む
「喝っ!! 喝っ!! かあああつっ!!」」
「くっ!!」
くそ! 喝って叫ぶだけでこっちにダメージを受けるとは鬱陶しい!
「食らえ!!」
「はぁ!!」
「ちぃ!!」
そして、この天使の騎士達の統率もリカルドのせいで上がってしまった。雑魚もこう集まっては鬱陶しい!
「ぜぇ……ぜぇ……」
やはり、この状態はさすがの私でもしんどいな……。
「ふむ、もう降伏するのじゃ、貴様の分身も消えもはや一人……これ以上戦える状態でもないじゃろ。数多くの者を殺めたがお前とて同胞……せめてもの情けじゃ、苦しまずに逝かせてやろうぞ」
……余裕かましやがって。
「ぜぇ……ぜぇ……ふん、降伏だと? この私がそんな事しないわ!」
それにもう準備も出来たしな。
「そうか……ならば仕方あるまい、今までの咎をその身に刻み――む?」
「……リカルド……様……」
「……ああ……」
「どうしたのじゃお前達よ。手助けは無用じゃ、けが人は後方へ……」
フフフ、油断しているな……大天使リカルドの終わりの時だ!!
「……がぁ!!」
「……ああっ!!」
「な、なんじゃと!? ぐふっ!? ――ぐはっ!! お前達、どうした――っ!」
クスクス、さすがのリカルドもこの状況は読めなかっただろう。
「なっリカルド様!? どうしてけが人がリカルド様に攻撃を!? 離れろ!」
「お前達、気が狂ったか!? リカルド様に何てことを!! この!!」
「……ガアア!!」
「……アア!!」
攻撃しても無駄だ、そいつらは何度でも立ち上がる。
「……ア……アア……」
「……アア……」
何せそいつらは――。
「な、倒れないだと!?」
「……まさか、こいつら……ゾンビになっているのか!?」
「クスクス……リカルド、確かにお前は強い……だが傷ついた者まで集めたのは間違いだったな。士気を高めようとしたのだろうがそれは致命的なミスだな」
「ぬぅ……おのれ……」
チッ何て頑丈なジジイだ、思ったよりダメージを食らっていないみたいだな。
「私は分身を作れるだけではない、死体を操る事も出来るんだよ。それを傷ついた者として紛れ込ませればそうやってお前に近づく事が出来る訳だ!」
まぁ、自分で言うのもなんだが派手に暴れすぎた……原型を止めてない奴や明らかに死体と分かる奴ばかりでゾンビにする奴を選別しつつ戦うのはかなり大変だった。
「……死者を……冒涜するとは……なんという……愚か者か!」
ふん。なんとでも言うがいい、私は貴様を倒せればいいんだからな。
さぁて……周りの雑魚を払ってリカルドの魔力をもらうとするか。
「リカルド、貴様もここでおわっ――ぐっ! 何!?」
私とした事がリカルドを倒した安堵感で気を抜いていたか!? 接近していた奴がいたなんて気がつかなかったとは不覚!
くそっ腹部を刺された……このままではまずい、早く止血をしなければ!
「く、そがっ! 放――なっ!?」
な、何故……お前がここに……。
「ハァ……ハァ……捕まえたわ、エリン……!!」
「何故、貴様が……ここいるのだ!? シルバ!!」
まさかあの状態で生きていたなんて。
「フフフ……ジェイに……エリンを……止めろって……追い返されたわ……」
くっシルバの羽が体に覆いかぶさって身動きが取れない……!
「エリン……もう……終わりに……しましょう……私も一緒に……いってあげる……」
シルバの奴め、自爆魔法を使う気か!? 何とか逃げ出さねば、こんな所で終わってたまるか!
「それは……遠慮するわ! いくなら一人で……どうぞ!」
「――ぐっ! いくら剣を刺しても無駄よ……この状態から……絶対に離さ……えっ? そん、な……魔力が……吸われて……? 力が……抜けていく……」
危ない危ない……シルバの予想外の行動でアブソーヘイズの能力を忘れていた、これで自爆魔法を使われる前に魔力を、生命を吸い尽くせばいい。
「……エリンってば……往生際が悪いわね……自爆魔法を使わせるつもりはないのね……でも……自爆は自爆でもこれは私の……固有魔法……なんだから」
……え? シルバに固有魔法? そんなの聞いた事ないぞ!
今までずっと隠していたというのか!?
『っ!? マスター! この天使から早く離れてください! 魔力の流れが変です!』
「魔力の流れだと? 一体、どいうことだ、何が!?」
「フフフ……エリンだから、教えてあげる……私の……固有魔法は……対象の魔力を強制的に放出させる事……よ……」
「……魔力の放出、だと……?」
シルバにそんな固有魔法が? 魔力を強制的に放出なんてアブソーヘイズの逆の能力だが……性質は同じ様なもの、魔力を無くせば魔法は使えない所か命をも奪う、そんなものが使えるのならば魔界との戦争も早期に終わっていたはず……何故使われなかった?
「どうして……今まで使わなかった……そんな顔ね……フフ、私も使いたくても……使えなかったの……」
使いたくても使えなかった……?
「相手に触れているのが……条件な上……魔力を放出させた……その時に魔力の爆発……が起きる……そうなると……どうしても……私の体に相当な……ダメージを受ける……そんなの繰り返してたら……さすがの私でももたないよ……」
っ!? 魔力の爆発って……それで自爆という事か!
まずい! ジェイやベデワル、他の天使の魔力を吸収しているこの状態――。
「……だけど、この状況じゃ……それも……関係ない……わ」
この膨大な魔力では相当な爆発が起きてしまう! 普通の自爆よりたちが悪い!!
それより私の魔力を放出されてしまったらどの道、命も尽きてしまう!
「くっ! 放せ!! この!」
なんとしてでもこの束縛から抜け出さねば!!
「……私の命は……もう尽きる……仮に……貴女を倒せなくとも……」
早く早く早く!!
「くそ! アブソーヘイズ!! 早くシルバの魔力を吸いきれ!!」
『やっていますが、この天使の固有魔法で魔力の流れが不安定で中々!』
シルバめ! どこまで私の邪魔をするんだ!
「……その膨大な……魔力は……」
なっ体から発光する球体が出て来た!? 魔力が抜け出ているのも分かる、この珠が私の魔力だというのか!!
「……この私が……もって行くわ……」
おのれおのれおのれえええええええ!!
「これで……終わりよ! エリン!!」
「シルバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
――目の前が真っ白になっていく……この私が、こんな所で終わるのか……。
「くっ!!」
くそ! 喝って叫ぶだけでこっちにダメージを受けるとは鬱陶しい!
「食らえ!!」
「はぁ!!」
「ちぃ!!」
そして、この天使の騎士達の統率もリカルドのせいで上がってしまった。雑魚もこう集まっては鬱陶しい!
「ぜぇ……ぜぇ……」
やはり、この状態はさすがの私でもしんどいな……。
「ふむ、もう降伏するのじゃ、貴様の分身も消えもはや一人……これ以上戦える状態でもないじゃろ。数多くの者を殺めたがお前とて同胞……せめてもの情けじゃ、苦しまずに逝かせてやろうぞ」
……余裕かましやがって。
「ぜぇ……ぜぇ……ふん、降伏だと? この私がそんな事しないわ!」
それにもう準備も出来たしな。
「そうか……ならば仕方あるまい、今までの咎をその身に刻み――む?」
「……リカルド……様……」
「……ああ……」
「どうしたのじゃお前達よ。手助けは無用じゃ、けが人は後方へ……」
フフフ、油断しているな……大天使リカルドの終わりの時だ!!
「……がぁ!!」
「……ああっ!!」
「な、なんじゃと!? ぐふっ!? ――ぐはっ!! お前達、どうした――っ!」
クスクス、さすがのリカルドもこの状況は読めなかっただろう。
「なっリカルド様!? どうしてけが人がリカルド様に攻撃を!? 離れろ!」
「お前達、気が狂ったか!? リカルド様に何てことを!! この!!」
「……ガアア!!」
「……アア!!」
攻撃しても無駄だ、そいつらは何度でも立ち上がる。
「……ア……アア……」
「……アア……」
何せそいつらは――。
「な、倒れないだと!?」
「……まさか、こいつら……ゾンビになっているのか!?」
「クスクス……リカルド、確かにお前は強い……だが傷ついた者まで集めたのは間違いだったな。士気を高めようとしたのだろうがそれは致命的なミスだな」
「ぬぅ……おのれ……」
チッ何て頑丈なジジイだ、思ったよりダメージを食らっていないみたいだな。
「私は分身を作れるだけではない、死体を操る事も出来るんだよ。それを傷ついた者として紛れ込ませればそうやってお前に近づく事が出来る訳だ!」
まぁ、自分で言うのもなんだが派手に暴れすぎた……原型を止めてない奴や明らかに死体と分かる奴ばかりでゾンビにする奴を選別しつつ戦うのはかなり大変だった。
「……死者を……冒涜するとは……なんという……愚か者か!」
ふん。なんとでも言うがいい、私は貴様を倒せればいいんだからな。
さぁて……周りの雑魚を払ってリカルドの魔力をもらうとするか。
「リカルド、貴様もここでおわっ――ぐっ! 何!?」
私とした事がリカルドを倒した安堵感で気を抜いていたか!? 接近していた奴がいたなんて気がつかなかったとは不覚!
くそっ腹部を刺された……このままではまずい、早く止血をしなければ!
「く、そがっ! 放――なっ!?」
な、何故……お前がここに……。
「ハァ……ハァ……捕まえたわ、エリン……!!」
「何故、貴様が……ここいるのだ!? シルバ!!」
まさかあの状態で生きていたなんて。
「フフフ……ジェイに……エリンを……止めろって……追い返されたわ……」
くっシルバの羽が体に覆いかぶさって身動きが取れない……!
「エリン……もう……終わりに……しましょう……私も一緒に……いってあげる……」
シルバの奴め、自爆魔法を使う気か!? 何とか逃げ出さねば、こんな所で終わってたまるか!
「それは……遠慮するわ! いくなら一人で……どうぞ!」
「――ぐっ! いくら剣を刺しても無駄よ……この状態から……絶対に離さ……えっ? そん、な……魔力が……吸われて……? 力が……抜けていく……」
危ない危ない……シルバの予想外の行動でアブソーヘイズの能力を忘れていた、これで自爆魔法を使われる前に魔力を、生命を吸い尽くせばいい。
「……エリンってば……往生際が悪いわね……自爆魔法を使わせるつもりはないのね……でも……自爆は自爆でもこれは私の……固有魔法……なんだから」
……え? シルバに固有魔法? そんなの聞いた事ないぞ!
今までずっと隠していたというのか!?
『っ!? マスター! この天使から早く離れてください! 魔力の流れが変です!』
「魔力の流れだと? 一体、どいうことだ、何が!?」
「フフフ……エリンだから、教えてあげる……私の……固有魔法は……対象の魔力を強制的に放出させる事……よ……」
「……魔力の放出、だと……?」
シルバにそんな固有魔法が? 魔力を強制的に放出なんてアブソーヘイズの逆の能力だが……性質は同じ様なもの、魔力を無くせば魔法は使えない所か命をも奪う、そんなものが使えるのならば魔界との戦争も早期に終わっていたはず……何故使われなかった?
「どうして……今まで使わなかった……そんな顔ね……フフ、私も使いたくても……使えなかったの……」
使いたくても使えなかった……?
「相手に触れているのが……条件な上……魔力を放出させた……その時に魔力の爆発……が起きる……そうなると……どうしても……私の体に相当な……ダメージを受ける……そんなの繰り返してたら……さすがの私でももたないよ……」
っ!? 魔力の爆発って……それで自爆という事か!
まずい! ジェイやベデワル、他の天使の魔力を吸収しているこの状態――。
「……だけど、この状況じゃ……それも……関係ない……わ」
この膨大な魔力では相当な爆発が起きてしまう! 普通の自爆よりたちが悪い!!
それより私の魔力を放出されてしまったらどの道、命も尽きてしまう!
「くっ! 放せ!! この!」
なんとしてでもこの束縛から抜け出さねば!!
「……私の命は……もう尽きる……仮に……貴女を倒せなくとも……」
早く早く早く!!
「くそ! アブソーヘイズ!! 早くシルバの魔力を吸いきれ!!」
『やっていますが、この天使の固有魔法で魔力の流れが不安定で中々!』
シルバめ! どこまで私の邪魔をするんだ!
「……その膨大な……魔力は……」
なっ体から発光する球体が出て来た!? 魔力が抜け出ているのも分かる、この珠が私の魔力だというのか!!
「……この私が……もって行くわ……」
おのれおのれおのれえええええええ!!
「これで……終わりよ! エリン!!」
「シルバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
――目の前が真っ白になっていく……この私が、こんな所で終わるのか……。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる