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3章 二人の遭遇
レインの書~遭遇・2~
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それにしてもすごい人だった。
アタシも熱くなると周りが見えなくなると言われちゃうけど、あの人ほどじゃない……と思う。
とはいえ、人の振り見て我が振り直せともいうし気を付けよう。
「で、これからどうするの? ジェイゴローさんの話だとアカニ村と白の神殿の2カ所あるけど……」
「そうね……」
アカニ村は魔樹の事を考えると情報を得られる可能性は高い。
白の神殿の方は、はたして赴く必要があるかどうか……話を聞く限りでは完全にジェイゴローさんの憶測状態。
けど、何故か妙に引っかかるのよね。
「ん~……よし、白の神殿に行きましょう」
ここは自分の勘を信じましょう。
白の神殿にはきっと何かがある。
「白の神殿? 理由は?」
「そんなのアタシの勘」
ジョシュアがもの言いたげな目でアタシを見ている。
「なによ、その目は」
「ベツニ……じゃあボクは白の神殿の場所を聞いてくるよ」
もの言いたげな目のまま、ジョシュアがその辺りの人に話しかけて場所を聞いている。
何よ、アタシの勘はよく当たるのはあなたも知っている事じゃない。
相変わらずそういった事は信じないんだから。
※
ここが白の神殿か。
外観は白くて、一部が破損している。
建てられてから結構年数が経っていそうね。
ジェイゴローさんの言う通り、確かにこれだけものなのに全く資料が残っていないのは不自然だわ。
やっぱりここには何かありそう。
「それじゃあさっそく中に入ってみようか」
「そうね……ん?」
白の神殿の入り口辺りに近づくと風を切るような音がした。
鳥が飛んで行った?
「どうかした?」
でも、辺りを見ても鳥の姿や何か飛んでいるものもない。
気のせいだったのかな。
「ううん、なんでも……って、ちょっとストップ!」
「へっ?」
白の神殿の中に入ろうとするジョシュアを止める。
中にはプレートアーマーをつけた人物が1人突っ立て居た。
「ふふふ……やっぱりアタシの勘は当たっていたわ」
あのプレートアーマーの人……アーメットの一部が凹んでいる。
間違いない、あれはアタシが殴りつけた後だ。
「それはどういう事?」
どうもこうも無いわよ。
もう~察しが悪いわね。
「あいつが追っているデュラハンって事よ」
「え? はっ? あの人が!?」
「あのアーメットの凹みは間違いないわ! とっ捕まえるわよ!」
アタシ達に気が付いて逃げられてしまっては意味がない。
その前に取り押さえる!
「とっ捕まえるって……あっ! ちょっと!」
アタシは間髪をいれずにデュラハンに向かって走り出した。
「おりゃあああああああああああああ!!」
そしてデュラハンに体当たりをし、倒れた所を馬乗りになって両手をしっかりと押さえつける。
まさに電光石火、奇襲は大成功!
「ふん、まだこんな近くにいるとはね」
おかげですぐにカタがついた。
アカニ村に行ってなくてよかった、とり逃す所だったわ。
「さあ、もう逃がさないわよ。観念しなさい」
……にしても、このデュラハンなんだか縮んだ?
さっきとは大きさが違う気がするような……まぁそんな些細な事は良いか。
「レイン! 急に飛び出さないでよ! ちゃんと確認してから行動に移らなくちゃ」
ジョシュアが遅れて神殿の中に入って来た。
確認って……。
「そんな事をしなくてもいいわよ。こいつが追っていたデュラハンなんだから」
「いやいや、そんなありふれたプレートアーマーを着た人なんてたくさんいるでしょ」
確かにこのプレートアーマーは特殊なものじゃないし、普通にお店に出回っている。
「はぁ~……さっきも言ったけど、このアーメットの凹みはアタシがつけたものに間違いはないわよ」
この凹みの形はアタシのメイスだ。
あのデュラハン以外にプレートアーマーの人を殴った事なんてない。
つまりデュラハンだって動かぬ証拠が目の前にある。
「でも、念の為にアーメットを外して中身を確認した方がいいって……」
もう~ジョシュアってこういうところは頑固なんだから。
しょうがないな。
「わかったわ。じゃあ、ジョシュアがこいつのアーメットを外してちょうだい」
それで即解決よ。
デュラハンは頭が無いからね。
「えっ! ボクが!?」
この状況であんた以外に誰が居るのよ。
「アタシは両手塞がっているからしょうがないじゃん。ほら、早く!」
「あう……失礼しまーす……」
ジョシュアがアーメットを手にとって外した。
無論、そこには頭なんて無――。
「……」
「……」
あった。
本来無いはずなの頭なのに、目をまわした女性の頭がある。
「……頭があるね……」
「……あるわね……」
え? なんで? 何であるの?
訳がわからない。
「……うッ……はえ? ……あッ」
目を覚ました女性と目が合った。
薄紫色の髪を三つ編みで左横にまとめ、右が緑色、左が金色と特徴的な女性。
すごく綺麗な人。
「えと……貴女は……誰ですか?」
髪が薄紫色だから一瞬ラティアちゃんかと思ったけど、髪型が違うし見た目の印象も全然違う。
言っちゃ悪いけど、ラティアちゃんから陰でこの人は陽って感じ。
完全に真逆だ。
「えと……私ハ……え? あッ! ウウンッ! アイリスデス! 私ハアイリス・パーカートイイマス」
アイリス……さん?
声が高く、言葉もカタコトで何だかぎこちない。
この辺の人じゃないみたいね。
あれ? という事は、アタシってば完全に別の人を取り押さえちゃったわけ!?
ヤバイ! これはやってしまった!
「ご、ごめんなさい! アタシったら早とちりしちゃって!」
アタシはそそくさとアイリスさんの上から退いた。
いやはや人違いしたなんて恥ずかしい。
「だから言ったのに……すみません、これお返しします。本当にすみませんでした」
ジョシュアが頭を下げながら、アーメットを返した。
じゃあ、あのアーメットの凹みはなんなの? 単なる偶然に出来たもの?
「イイエ~間違イハ誰デモアリマスカラ気ニシナイデ下サイ」
そこが気になるけど、状況的に聞きづらい。
「デハ、私ハコレデ失礼シマスネ~サヨウナラ~」
アイリスさんが逃げる様に白の神殿から出て行った。
そりゃそうだ、突然知らない人に取り押さえられたのだから。
◇◆◇◆
アタシの勘は見事に外れ、相手もデュラハンじゃなくただの人。
こればかりは何も言い返せない。
「……ごめん」
素直に謝っておこう。
「今度から気を付けてね」
「……善処します」
うう、ジョシュアに説教されるなんて。
「本当かな……まぁいいや。次はアカニ村に行くの?」
「ん~」
見わたすと、神殿の奥へと進む道がある。
もしかしたらこの奥に居る可能もあるか。
「念の為に、この通路を誰かが通ったかどうか調べてくれない?」
「まだここを疑うんだ……わかった、調べてみるからちょっと待っててね」
ジョシュアが通路の床を調べ始めた。
邪魔にならない様に後ろに下がっておこっと。
「…………このホコリ具合だと必ず足跡が付く。でも足跡は一切ない……つまり誰1人ここを通っていないね」
「そっか、ならこれ以上ここに居ても時間の無駄ね。アカニ村に向かいましょう」
「了解」
アカニ村でデュラハンの手掛かりがあればいいんだけど。
……ん? 誰1人通っていない? じゃあ、アイリスさんはこの場所へ一体何のために居たんだろ。
「おーい、何しているの? 早く行こうよ」
「あっ。うん、今行く」
本人じゃないから考えたところで意味がないか。
どこで何しようが人の勝手だものね。
さっさとアカニ村に行きましょう。
アタシも熱くなると周りが見えなくなると言われちゃうけど、あの人ほどじゃない……と思う。
とはいえ、人の振り見て我が振り直せともいうし気を付けよう。
「で、これからどうするの? ジェイゴローさんの話だとアカニ村と白の神殿の2カ所あるけど……」
「そうね……」
アカニ村は魔樹の事を考えると情報を得られる可能性は高い。
白の神殿の方は、はたして赴く必要があるかどうか……話を聞く限りでは完全にジェイゴローさんの憶測状態。
けど、何故か妙に引っかかるのよね。
「ん~……よし、白の神殿に行きましょう」
ここは自分の勘を信じましょう。
白の神殿にはきっと何かがある。
「白の神殿? 理由は?」
「そんなのアタシの勘」
ジョシュアがもの言いたげな目でアタシを見ている。
「なによ、その目は」
「ベツニ……じゃあボクは白の神殿の場所を聞いてくるよ」
もの言いたげな目のまま、ジョシュアがその辺りの人に話しかけて場所を聞いている。
何よ、アタシの勘はよく当たるのはあなたも知っている事じゃない。
相変わらずそういった事は信じないんだから。
※
ここが白の神殿か。
外観は白くて、一部が破損している。
建てられてから結構年数が経っていそうね。
ジェイゴローさんの言う通り、確かにこれだけものなのに全く資料が残っていないのは不自然だわ。
やっぱりここには何かありそう。
「それじゃあさっそく中に入ってみようか」
「そうね……ん?」
白の神殿の入り口辺りに近づくと風を切るような音がした。
鳥が飛んで行った?
「どうかした?」
でも、辺りを見ても鳥の姿や何か飛んでいるものもない。
気のせいだったのかな。
「ううん、なんでも……って、ちょっとストップ!」
「へっ?」
白の神殿の中に入ろうとするジョシュアを止める。
中にはプレートアーマーをつけた人物が1人突っ立て居た。
「ふふふ……やっぱりアタシの勘は当たっていたわ」
あのプレートアーマーの人……アーメットの一部が凹んでいる。
間違いない、あれはアタシが殴りつけた後だ。
「それはどういう事?」
どうもこうも無いわよ。
もう~察しが悪いわね。
「あいつが追っているデュラハンって事よ」
「え? はっ? あの人が!?」
「あのアーメットの凹みは間違いないわ! とっ捕まえるわよ!」
アタシ達に気が付いて逃げられてしまっては意味がない。
その前に取り押さえる!
「とっ捕まえるって……あっ! ちょっと!」
アタシは間髪をいれずにデュラハンに向かって走り出した。
「おりゃあああああああああああああ!!」
そしてデュラハンに体当たりをし、倒れた所を馬乗りになって両手をしっかりと押さえつける。
まさに電光石火、奇襲は大成功!
「ふん、まだこんな近くにいるとはね」
おかげですぐにカタがついた。
アカニ村に行ってなくてよかった、とり逃す所だったわ。
「さあ、もう逃がさないわよ。観念しなさい」
……にしても、このデュラハンなんだか縮んだ?
さっきとは大きさが違う気がするような……まぁそんな些細な事は良いか。
「レイン! 急に飛び出さないでよ! ちゃんと確認してから行動に移らなくちゃ」
ジョシュアが遅れて神殿の中に入って来た。
確認って……。
「そんな事をしなくてもいいわよ。こいつが追っていたデュラハンなんだから」
「いやいや、そんなありふれたプレートアーマーを着た人なんてたくさんいるでしょ」
確かにこのプレートアーマーは特殊なものじゃないし、普通にお店に出回っている。
「はぁ~……さっきも言ったけど、このアーメットの凹みはアタシがつけたものに間違いはないわよ」
この凹みの形はアタシのメイスだ。
あのデュラハン以外にプレートアーマーの人を殴った事なんてない。
つまりデュラハンだって動かぬ証拠が目の前にある。
「でも、念の為にアーメットを外して中身を確認した方がいいって……」
もう~ジョシュアってこういうところは頑固なんだから。
しょうがないな。
「わかったわ。じゃあ、ジョシュアがこいつのアーメットを外してちょうだい」
それで即解決よ。
デュラハンは頭が無いからね。
「えっ! ボクが!?」
この状況であんた以外に誰が居るのよ。
「アタシは両手塞がっているからしょうがないじゃん。ほら、早く!」
「あう……失礼しまーす……」
ジョシュアがアーメットを手にとって外した。
無論、そこには頭なんて無――。
「……」
「……」
あった。
本来無いはずなの頭なのに、目をまわした女性の頭がある。
「……頭があるね……」
「……あるわね……」
え? なんで? 何であるの?
訳がわからない。
「……うッ……はえ? ……あッ」
目を覚ました女性と目が合った。
薄紫色の髪を三つ編みで左横にまとめ、右が緑色、左が金色と特徴的な女性。
すごく綺麗な人。
「えと……貴女は……誰ですか?」
髪が薄紫色だから一瞬ラティアちゃんかと思ったけど、髪型が違うし見た目の印象も全然違う。
言っちゃ悪いけど、ラティアちゃんから陰でこの人は陽って感じ。
完全に真逆だ。
「えと……私ハ……え? あッ! ウウンッ! アイリスデス! 私ハアイリス・パーカートイイマス」
アイリス……さん?
声が高く、言葉もカタコトで何だかぎこちない。
この辺の人じゃないみたいね。
あれ? という事は、アタシってば完全に別の人を取り押さえちゃったわけ!?
ヤバイ! これはやってしまった!
「ご、ごめんなさい! アタシったら早とちりしちゃって!」
アタシはそそくさとアイリスさんの上から退いた。
いやはや人違いしたなんて恥ずかしい。
「だから言ったのに……すみません、これお返しします。本当にすみませんでした」
ジョシュアが頭を下げながら、アーメットを返した。
じゃあ、あのアーメットの凹みはなんなの? 単なる偶然に出来たもの?
「イイエ~間違イハ誰デモアリマスカラ気ニシナイデ下サイ」
そこが気になるけど、状況的に聞きづらい。
「デハ、私ハコレデ失礼シマスネ~サヨウナラ~」
アイリスさんが逃げる様に白の神殿から出て行った。
そりゃそうだ、突然知らない人に取り押さえられたのだから。
◇◆◇◆
アタシの勘は見事に外れ、相手もデュラハンじゃなくただの人。
こればかりは何も言い返せない。
「……ごめん」
素直に謝っておこう。
「今度から気を付けてね」
「……善処します」
うう、ジョシュアに説教されるなんて。
「本当かな……まぁいいや。次はアカニ村に行くの?」
「ん~」
見わたすと、神殿の奥へと進む道がある。
もしかしたらこの奥に居る可能もあるか。
「念の為に、この通路を誰かが通ったかどうか調べてくれない?」
「まだここを疑うんだ……わかった、調べてみるからちょっと待っててね」
ジョシュアが通路の床を調べ始めた。
邪魔にならない様に後ろに下がっておこっと。
「…………このホコリ具合だと必ず足跡が付く。でも足跡は一切ない……つまり誰1人ここを通っていないね」
「そっか、ならこれ以上ここに居ても時間の無駄ね。アカニ村に向かいましょう」
「了解」
アカニ村でデュラハンの手掛かりがあればいいんだけど。
……ん? 誰1人通っていない? じゃあ、アイリスさんはこの場所へ一体何のために居たんだろ。
「おーい、何しているの? 早く行こうよ」
「あっ。うん、今行く」
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