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6章 二人の戦闘と取逃
レインの書~取逃・3~
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◇◆アース歴9年 6月23日◇◆
「すぴ~……すぴ~……」
布団の中は実に居心地がいい。
――コンコン
《レイン、起きてる?》
「すぴ~……すぴ~……」
このままずっと寝ていたい。
――コンコン
《レインー?》
「……んん……」
……コンコン、コンコンとうるさいわね。
アタシはまだ眠いのだから、もう少し寝かせてよ。
――コンコン
《おーい、レインってばー!》
――コンコンコンコン!
「……う~……もう、なんなのよ……」
ノック音がうるさすぎて寝ていられない。
アタシはベッドからゆっくり起き上がり、重い足取りで部屋の扉の前まで行き扉を開けた。
「あ、やっと起きた」
扉の前に居たのは仮面を着けたジョシュアだった。
こいつか、コンコンとうるさかった元凶は。
「ふわあ~……なんなのよ……」
「なんなのって……もう朝だよ。今日は朝早くに宿屋を出て、施設へ行くって言ってたじゃないか」
「……ふえ?」
朝早く……施設……?
振り返ると窓から日の光が入り込んでいる。
ああ……もう朝だったのか。
「ロビーで待っていても全然来ないから、こうしてレインの部屋まで来たわけ。その様子じゃあ迎えに来て正解だったみたいだね」
あ~……そうだった。
朝にジョシュアとロビーで待ち合わせをしていたんだった。
それで施設にいってデュラハンを……デュラハン……あっ! アタシってば何のんきに寝ているのよ!
しまったな、疲れていたせいなのか完全に気が緩んでいた。
「っなんでもっと早く起こしに来ないのよ!」
アタシは急いで扉を閉め、大慌てで旅支度を整え始めた。
ああ、まさかアタシが寝坊しちゃうだなんて!
え~と……服に……仮面は……もう着けなくていいか。
汗で張り付いてすごく気持ち悪かったのよね、これ。
「……もっと早くにって……せっかく起こしに来たのに、なんで寝坊した奴に怒られないといけないんだか」
※
「で、施設はこの先にあるわけ? ハグ……モグモグ」
アタシとジョシュアはマレスの外に出て施設へと向かっていた。
寝坊してしまったおかげで、朝ご飯をゆっくりと食べている時間は無くなってしまった。
おかげで途中でパンを買って歩きながら食べる羽目になってしまった。
ジョシュアがもっと早く起こしてくれれば、こうならなかったのに……。
「うん、宿屋の主人に聞いた話だとマレスを出て少し行ったところにあるんだって。あと、気になる話も聞いたよ」
ジョシュアがメモをした紙を取り出す。
ちなみにジョシュアも仮面を着けていない。
アタシが着けていなかったのを見て、ずるいとジョシュアも即外した。
気持ちはすごくわかるから、そこに関しては何も言わないでおこう。
「モグモグ……ゴクン。気になる話?」
何だろう。
あっもしかして、デュラハン関係の話かしら。
「今の施設は廃墟になっていて危険なんだってさ」
全然違った。
それにしても、今は廃墟ですって?
「何かあったの?」
「なんでも1年ほど前に事故があったんだってさ、実験に使っていたサソリ型モンスターが突然変異を起こして暴れたらしい。それで廃墟になったそうだよ」
なるほどね。
そんな事があったのか。
「……ん? その状況だと、オリバーの爺さんが施設に居るだなんて考えられないんだけど……」
むしろその状況で施設に居たらびっくりするわ。
「あっそうそう。オリバーの事も聞いてみたけど、マレスに来ていた事や、施設に居たって話は聞いた事がないってさ」
あれ? そうなると、アカニ村の村長さんの話と違うじゃない。
アカニ村の村長さんの聞いた話がデマだったって事……?
それとも何か事情があって自分の存在を隠していた……?
ん~オリバーの爺さんの考える事は、いつもよくわからなかったから何とも言えないわね。
まぁいいや……いないならいないでデュラハンの企みは空振りに終わるって事だしね。
「……ちょっと待って。じゃあ、アタシ達が施設に向かう意味がないじゃない!」
オリバーの爺さんが居ない以上、デュラハン達はもう別の場所に移動している可能性が高い。
そうなると、施設へ向かう前にマレスでデュラハン達の情報を手に入れるべきだった!
「なんでその話をマレスを出る前にしなかったのよ! 早く戻るわよ!」
マレスの外に出るなんて完全な無駄足じゃない!
そう思い、アタシは急いでマレスに戻ろうとするとジョシュアが止めて来た。
「ストップ! 施設に向かう意味はあるよ!」
「……どういう事?」
アタシは意味が分からず、頭を傾げてしまった。
どこに向かう意味があるというのか。
「いい? デュラハン達がオリバーを追っている事に間違いはない。そして、今の僕達みたいにオリバーが施設に居たのか居ないのかわからない状態だ。となれば、真意を確かめる為に施設内に入って調べるはずだよ。ならデュラハンが居るかもしれないし、居なくても何かしらの手掛かりが手に入ると思う」
「……なるほど」
ジョシュアの言う事にも一理ある。
……マレスに戻るのは施設に行った後でもいいか。
「それに、施設はサソリ型モンスターの住処になっちゃっているらしいから、ボク達で退治した方がいいかなと思ってる」
「え? まだそいつが居るの?」
マレスが全く荒らされていなかったから、とっくに討伐されたと思っていたわ。
「帝国は?」
「帝国には報告したらしい。けど、ここは遠いし、モンスターは何故か施設から外に出ようとしないらしい。だから、急を要する物じゃないって判断されちゃったらしくて後回しになってるとか」
「そういう事か」
それは帝国の判断……というよりは、相談を受けた人の判断ぽいな~。
いるのよね~こういう面倒くさがりの奴。
だから、オーウェンが組合を作って……って、あれ?
「ねぇ、組合でそんな依頼は無かったわよね?」
顔を出した時に、掲示板に張ってある依頼は全て目を通しているから見逃したとは考えにくい。
何か理由があって依頼できない状態なのかしら。
「えーと……残念ながらボク達の存在を知らなかったみたい……」
「……」
オーウェン……もっと営業を頑張らないと駄目じゃない……。
まぁそれは置いといて、ジョシュアが施設にこだわる理由もわかった。
話を聞いた以上、そのサソリ型モンスターを放ってはおけないわよね。
タダ働きになっちゃうけど、こればかりは仕方がない。
オーウェンには泣いてもらおう。
泣き顔をしているオーウェンが頭を過りつつ、アタシとジョシュアは施設へと向かった。
「すぴ~……すぴ~……」
布団の中は実に居心地がいい。
――コンコン
《レイン、起きてる?》
「すぴ~……すぴ~……」
このままずっと寝ていたい。
――コンコン
《レインー?》
「……んん……」
……コンコン、コンコンとうるさいわね。
アタシはまだ眠いのだから、もう少し寝かせてよ。
――コンコン
《おーい、レインってばー!》
――コンコンコンコン!
「……う~……もう、なんなのよ……」
ノック音がうるさすぎて寝ていられない。
アタシはベッドからゆっくり起き上がり、重い足取りで部屋の扉の前まで行き扉を開けた。
「あ、やっと起きた」
扉の前に居たのは仮面を着けたジョシュアだった。
こいつか、コンコンとうるさかった元凶は。
「ふわあ~……なんなのよ……」
「なんなのって……もう朝だよ。今日は朝早くに宿屋を出て、施設へ行くって言ってたじゃないか」
「……ふえ?」
朝早く……施設……?
振り返ると窓から日の光が入り込んでいる。
ああ……もう朝だったのか。
「ロビーで待っていても全然来ないから、こうしてレインの部屋まで来たわけ。その様子じゃあ迎えに来て正解だったみたいだね」
あ~……そうだった。
朝にジョシュアとロビーで待ち合わせをしていたんだった。
それで施設にいってデュラハンを……デュラハン……あっ! アタシってば何のんきに寝ているのよ!
しまったな、疲れていたせいなのか完全に気が緩んでいた。
「っなんでもっと早く起こしに来ないのよ!」
アタシは急いで扉を閉め、大慌てで旅支度を整え始めた。
ああ、まさかアタシが寝坊しちゃうだなんて!
え~と……服に……仮面は……もう着けなくていいか。
汗で張り付いてすごく気持ち悪かったのよね、これ。
「……もっと早くにって……せっかく起こしに来たのに、なんで寝坊した奴に怒られないといけないんだか」
※
「で、施設はこの先にあるわけ? ハグ……モグモグ」
アタシとジョシュアはマレスの外に出て施設へと向かっていた。
寝坊してしまったおかげで、朝ご飯をゆっくりと食べている時間は無くなってしまった。
おかげで途中でパンを買って歩きながら食べる羽目になってしまった。
ジョシュアがもっと早く起こしてくれれば、こうならなかったのに……。
「うん、宿屋の主人に聞いた話だとマレスを出て少し行ったところにあるんだって。あと、気になる話も聞いたよ」
ジョシュアがメモをした紙を取り出す。
ちなみにジョシュアも仮面を着けていない。
アタシが着けていなかったのを見て、ずるいとジョシュアも即外した。
気持ちはすごくわかるから、そこに関しては何も言わないでおこう。
「モグモグ……ゴクン。気になる話?」
何だろう。
あっもしかして、デュラハン関係の話かしら。
「今の施設は廃墟になっていて危険なんだってさ」
全然違った。
それにしても、今は廃墟ですって?
「何かあったの?」
「なんでも1年ほど前に事故があったんだってさ、実験に使っていたサソリ型モンスターが突然変異を起こして暴れたらしい。それで廃墟になったそうだよ」
なるほどね。
そんな事があったのか。
「……ん? その状況だと、オリバーの爺さんが施設に居るだなんて考えられないんだけど……」
むしろその状況で施設に居たらびっくりするわ。
「あっそうそう。オリバーの事も聞いてみたけど、マレスに来ていた事や、施設に居たって話は聞いた事がないってさ」
あれ? そうなると、アカニ村の村長さんの話と違うじゃない。
アカニ村の村長さんの聞いた話がデマだったって事……?
それとも何か事情があって自分の存在を隠していた……?
ん~オリバーの爺さんの考える事は、いつもよくわからなかったから何とも言えないわね。
まぁいいや……いないならいないでデュラハンの企みは空振りに終わるって事だしね。
「……ちょっと待って。じゃあ、アタシ達が施設に向かう意味がないじゃない!」
オリバーの爺さんが居ない以上、デュラハン達はもう別の場所に移動している可能性が高い。
そうなると、施設へ向かう前にマレスでデュラハン達の情報を手に入れるべきだった!
「なんでその話をマレスを出る前にしなかったのよ! 早く戻るわよ!」
マレスの外に出るなんて完全な無駄足じゃない!
そう思い、アタシは急いでマレスに戻ろうとするとジョシュアが止めて来た。
「ストップ! 施設に向かう意味はあるよ!」
「……どういう事?」
アタシは意味が分からず、頭を傾げてしまった。
どこに向かう意味があるというのか。
「いい? デュラハン達がオリバーを追っている事に間違いはない。そして、今の僕達みたいにオリバーが施設に居たのか居ないのかわからない状態だ。となれば、真意を確かめる為に施設内に入って調べるはずだよ。ならデュラハンが居るかもしれないし、居なくても何かしらの手掛かりが手に入ると思う」
「……なるほど」
ジョシュアの言う事にも一理ある。
……マレスに戻るのは施設に行った後でもいいか。
「それに、施設はサソリ型モンスターの住処になっちゃっているらしいから、ボク達で退治した方がいいかなと思ってる」
「え? まだそいつが居るの?」
マレスが全く荒らされていなかったから、とっくに討伐されたと思っていたわ。
「帝国は?」
「帝国には報告したらしい。けど、ここは遠いし、モンスターは何故か施設から外に出ようとしないらしい。だから、急を要する物じゃないって判断されちゃったらしくて後回しになってるとか」
「そういう事か」
それは帝国の判断……というよりは、相談を受けた人の判断ぽいな~。
いるのよね~こういう面倒くさがりの奴。
だから、オーウェンが組合を作って……って、あれ?
「ねぇ、組合でそんな依頼は無かったわよね?」
顔を出した時に、掲示板に張ってある依頼は全て目を通しているから見逃したとは考えにくい。
何か理由があって依頼できない状態なのかしら。
「えーと……残念ながらボク達の存在を知らなかったみたい……」
「……」
オーウェン……もっと営業を頑張らないと駄目じゃない……。
まぁそれは置いといて、ジョシュアが施設にこだわる理由もわかった。
話を聞いた以上、そのサソリ型モンスターを放ってはおけないわよね。
タダ働きになっちゃうけど、こればかりは仕方がない。
オーウェンには泣いてもらおう。
泣き顔をしているオーウェンが頭を過りつつ、アタシとジョシュアは施設へと向かった。
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