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終章 二人の書~アースとレイン~
二人の書~アースと【レイン】・2~
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「ねぇー寒いよぉー」
冷えた両手を擦りながらジョシュアがぼやく。
アイリスさんが入って行った宿屋の外で、アタシ達は物陰に隠れて見張っていた。
「うるさいわね~……アタシだって寒いのを我慢しているんだから文句言わないの」
アイリスさんがいつ宿屋から出てくるかわからない。
アタシ達が宿屋に入ったり暖かい所に移動している時に宿屋から出て来て、それで見失ってしまったとかになってしまうと目も当てられないわ。
「けどさーボク達2人同時に見張らなくてもよくない? 交代していってもいいと思うんだけど……」
「それだと呼びに行っている間に見失うかもしれないし、かと言って1人で追いかけるのも危険じゃない」
「この状況も凍死する危険すぎるよ!! ……あのさ、何で急にアイリスさんを警戒し始めたの? デュラハンを探さなくていいの?」
「正確にはアイリスさんの鎧の方ね。デュラハンの事はもちろん大事よ。けど今、目の前にある問題を放っては置けないわ」
かといって、ジョシュアの言う通りこのままいるのも危ないわよね。
ん~……かまくらを作ってその中に入れば寒さを防げるかしら?
とりあえずやってみようと、座り込んで地面の雪を集め始めた瞬間。
「……あっ! 宿屋から出て来たよ!」
ジョシュアの声にアタシは慌てて立ち上がり、宿屋の方へと顔を向けた。
宿屋から出て来たのは3人。
プレートアーマーを着た人物、アイリスさん、黒髪の少女。
「なんか、ボクが追っている達が追っているデュラハン一行とよく似た組み合わせだね」
アタシもそれを思った。
デュラハンと同じ種類に頭の凹みのあるプレートアーマー。
ラティアちゃんと同じ薄紫色の髪のアイリスさん。
使い魔と同じ腰位まで伸びた黒髪の少女。
「どこかに向かうみたいだね」
宿屋から出た3人は、町の中を歩き出した。
「そうね。後を追いましょう」
アタシ達は隠れながら後を追いかけた。
にしても、ここまでデュラハン一行とそっくりな組み合わせってある?
いや、そうそうあるわけがないわよね……。
……待てよ……そういえば、アタシってラティアちゃんって素顔をきちんと見た事がないのよね。
「……もしかして」
アタシは左目をつぶり、人差し指を横にして、丁度横を向いているアイリスさんの目元を隠すように持って行った。
「――っ!」
右目から見えたのはアイリスさんの姿はラティアちゃんと全く同じだった。
アイリスさんはラティアちゃんだった?
じゃあ黒髪の少女は使い魔で……プレートアーマーは……ああっ!
その瞬間、自分のまぬけさに気が付き思いっきり壁を叩いた。
「――してやられた! いくらラティアちゃんの顔がわからなかったとはいえ、こんな簡単な事にも気付かなかったなんてなんて!!」
デュラハンに頭は無いという先入観。
ラティアちゃんの素顔を知らない。
その2つの事を白の神殿で捕まえた時に利用されてしまった。
アイリスという架空の人物を作り出し、それを隠れ蓑にしてずっとアタシ達を欺いたんだ。
何たる屈辱! 何たる愚鈍!
アタシは怒りのあまり歯を食いしばった。
奥歯がメリメリと音をたて、今にも砕けそうになる。
「え? え? 何? どうしたの?」
「どうもこうもないわよ! ――っ!!」
アタシはメイス抜き、デュラハン達に向かって突撃――。
「ちょっと待って!」
――しようとした瞬間、ジョシュアに右足を掴まれた。
「――きゃっ! はぶっ!!」
そのせいでアタシは前のめりに転倒してしまい、頭が雪の中ぬ埋もれてしまった。
「…………ぷはっ! ちょっと何する――モガッ!」
雪の中から顔を出し、ジョシュアに向かって文句を言おうとすると今度は口を塞がれてしまった。
「しーっ! 静かに! ……良かった、あの3人には気づかれていないみたい。もうー落ち付きなよ……そんなに興奮しちゃ駄目だって」
落ち着いていられるわけがないでしょ!
あのデュラハンの頭……いや、全身をボコボコにぶん殴らない時が収まらないわよ!
「ふぐぅ~っ!! ふぐぅ~っ!!」
ジョシュアを振り払おうと手足をバタバタと動かす。
普段のアタシならジョシュアに力負けはしないだろう。
けど、この時のアタシは冷静さを失っていたせいか、ジョシュアが本気になっていたせいか全く抜け出せなかった。
「ちょっ本当にに落ち着いてってば!! 何に気が付いたのかわかんないど、ここは町のど真ん中だよ! こんな場所で暴れたら他の人に迷惑がかかるでしょう!」
ジョシュアの言葉と雪の冷たさのおかげか、頭が冷えて来た。
その通りだ……しかもデュラハンが相手だと迷惑処の話じゃない、最悪死人が出てしまう可能性もある。
ジョシュアが止めてくれて良かった。
メイスをしまい、冷静になったアピールをして手を離してもらった。
「まったく、ちゃんと説明してよね?」
「うん……わかった、けど3人の後を追いながね」
今の騒動で距離が離れてしまった。
今回は絶対に逃がしてはいけないもの。
※
3人は町の外れにある森の中へと入って行った。
おかげで町にいる時よりも尾行がしやすくなった。
「こんな森の中で何をする気だろ……デュラハンの奴、何かの儀式でもするのかな?」
「その時は全力で止めるから、今度は足を持たないでね」
そんな事を話していると、デュラハン一行は小屋の前で止まった。
あの小屋で何かをする気だろうか。
ふむ……ここは森の中、辺りに人影なし、油断しているのかがら空きの背後、となれば――。
「先手必勝!」
アタシは木の影から飛び出し、デュラハンに向かって突進をした。
そして、デュラハンの背中にメイスを叩きこもうとした……その瞬間――。
「――あっ」
アタシは雪で足を滑らし、前のめりでデュラハンの背中に思いっきりぶつかってしまう。
デュラハンも突然背中を押されたせいでバランスを崩し、勢いそのままに小屋の扉を突き破って2人そろって中まで転がってしまった。
「いたた…………えっ?」
突然、小屋の床が光り出した。
「なっ何? 何なの? きゃあっ!!」
アタシとデュラハンは真っ白光に包まれてしまった。
冷えた両手を擦りながらジョシュアがぼやく。
アイリスさんが入って行った宿屋の外で、アタシ達は物陰に隠れて見張っていた。
「うるさいわね~……アタシだって寒いのを我慢しているんだから文句言わないの」
アイリスさんがいつ宿屋から出てくるかわからない。
アタシ達が宿屋に入ったり暖かい所に移動している時に宿屋から出て来て、それで見失ってしまったとかになってしまうと目も当てられないわ。
「けどさーボク達2人同時に見張らなくてもよくない? 交代していってもいいと思うんだけど……」
「それだと呼びに行っている間に見失うかもしれないし、かと言って1人で追いかけるのも危険じゃない」
「この状況も凍死する危険すぎるよ!! ……あのさ、何で急にアイリスさんを警戒し始めたの? デュラハンを探さなくていいの?」
「正確にはアイリスさんの鎧の方ね。デュラハンの事はもちろん大事よ。けど今、目の前にある問題を放っては置けないわ」
かといって、ジョシュアの言う通りこのままいるのも危ないわよね。
ん~……かまくらを作ってその中に入れば寒さを防げるかしら?
とりあえずやってみようと、座り込んで地面の雪を集め始めた瞬間。
「……あっ! 宿屋から出て来たよ!」
ジョシュアの声にアタシは慌てて立ち上がり、宿屋の方へと顔を向けた。
宿屋から出て来たのは3人。
プレートアーマーを着た人物、アイリスさん、黒髪の少女。
「なんか、ボクが追っている達が追っているデュラハン一行とよく似た組み合わせだね」
アタシもそれを思った。
デュラハンと同じ種類に頭の凹みのあるプレートアーマー。
ラティアちゃんと同じ薄紫色の髪のアイリスさん。
使い魔と同じ腰位まで伸びた黒髪の少女。
「どこかに向かうみたいだね」
宿屋から出た3人は、町の中を歩き出した。
「そうね。後を追いましょう」
アタシ達は隠れながら後を追いかけた。
にしても、ここまでデュラハン一行とそっくりな組み合わせってある?
いや、そうそうあるわけがないわよね……。
……待てよ……そういえば、アタシってラティアちゃんって素顔をきちんと見た事がないのよね。
「……もしかして」
アタシは左目をつぶり、人差し指を横にして、丁度横を向いているアイリスさんの目元を隠すように持って行った。
「――っ!」
右目から見えたのはアイリスさんの姿はラティアちゃんと全く同じだった。
アイリスさんはラティアちゃんだった?
じゃあ黒髪の少女は使い魔で……プレートアーマーは……ああっ!
その瞬間、自分のまぬけさに気が付き思いっきり壁を叩いた。
「――してやられた! いくらラティアちゃんの顔がわからなかったとはいえ、こんな簡単な事にも気付かなかったなんてなんて!!」
デュラハンに頭は無いという先入観。
ラティアちゃんの素顔を知らない。
その2つの事を白の神殿で捕まえた時に利用されてしまった。
アイリスという架空の人物を作り出し、それを隠れ蓑にしてずっとアタシ達を欺いたんだ。
何たる屈辱! 何たる愚鈍!
アタシは怒りのあまり歯を食いしばった。
奥歯がメリメリと音をたて、今にも砕けそうになる。
「え? え? 何? どうしたの?」
「どうもこうもないわよ! ――っ!!」
アタシはメイス抜き、デュラハン達に向かって突撃――。
「ちょっと待って!」
――しようとした瞬間、ジョシュアに右足を掴まれた。
「――きゃっ! はぶっ!!」
そのせいでアタシは前のめりに転倒してしまい、頭が雪の中ぬ埋もれてしまった。
「…………ぷはっ! ちょっと何する――モガッ!」
雪の中から顔を出し、ジョシュアに向かって文句を言おうとすると今度は口を塞がれてしまった。
「しーっ! 静かに! ……良かった、あの3人には気づかれていないみたい。もうー落ち付きなよ……そんなに興奮しちゃ駄目だって」
落ち着いていられるわけがないでしょ!
あのデュラハンの頭……いや、全身をボコボコにぶん殴らない時が収まらないわよ!
「ふぐぅ~っ!! ふぐぅ~っ!!」
ジョシュアを振り払おうと手足をバタバタと動かす。
普段のアタシならジョシュアに力負けはしないだろう。
けど、この時のアタシは冷静さを失っていたせいか、ジョシュアが本気になっていたせいか全く抜け出せなかった。
「ちょっ本当にに落ち着いてってば!! 何に気が付いたのかわかんないど、ここは町のど真ん中だよ! こんな場所で暴れたら他の人に迷惑がかかるでしょう!」
ジョシュアの言葉と雪の冷たさのおかげか、頭が冷えて来た。
その通りだ……しかもデュラハンが相手だと迷惑処の話じゃない、最悪死人が出てしまう可能性もある。
ジョシュアが止めてくれて良かった。
メイスをしまい、冷静になったアピールをして手を離してもらった。
「まったく、ちゃんと説明してよね?」
「うん……わかった、けど3人の後を追いながね」
今の騒動で距離が離れてしまった。
今回は絶対に逃がしてはいけないもの。
※
3人は町の外れにある森の中へと入って行った。
おかげで町にいる時よりも尾行がしやすくなった。
「こんな森の中で何をする気だろ……デュラハンの奴、何かの儀式でもするのかな?」
「その時は全力で止めるから、今度は足を持たないでね」
そんな事を話していると、デュラハン一行は小屋の前で止まった。
あの小屋で何かをする気だろうか。
ふむ……ここは森の中、辺りに人影なし、油断しているのかがら空きの背後、となれば――。
「先手必勝!」
アタシは木の影から飛び出し、デュラハンに向かって突進をした。
そして、デュラハンの背中にメイスを叩きこもうとした……その瞬間――。
「――あっ」
アタシは雪で足を滑らし、前のめりでデュラハンの背中に思いっきりぶつかってしまう。
デュラハンも突然背中を押されたせいでバランスを崩し、勢いそのままに小屋の扉を突き破って2人そろって中まで転がってしまった。
「いたた…………えっ?」
突然、小屋の床が光り出した。
「なっ何? 何なの? きゃあっ!!」
アタシとデュラハンは真っ白光に包まれてしまった。
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