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第4話 二人の間の壁
③
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もし私の方が、先に付き合っていると知ったら、芹香は傷つくかな。
「流石じゃん。私なんて、まだまだだよ。」
「ええ?そうなの?」
芹香と恋愛話もするのも、楽しい。
「ほら、相手の人社長だから、私と身分が合わないんじゃないかって。」
「そんなの、気にしてたらダメだよ。」
芹香に、背中をバシッと叩かれる。
「何んで”玉の輿”って言葉があるの?そういう身分差を超えて、結ばれてきたからでしょ。」
「そうだよね。」
すると芹香は、パンと手を叩いた。
「そうだ。社長って、何て会社の社長?」
「えっ……」
「私、調べてあげるよ。お父さんに聞けば、一発かもしれないし。」
ハッとした。
芹香に言ったら、一発で信一郎さんだって、バレてしまう。
「……小さい会社だって、言ってたから。」
「関係ないよ。ウチのお父さん、顔広いから小さい会社まで網羅してるし。」
「でも、まだ知られてないかもしれないし。」
「調べれば分かるって。」
しつこく聞いてくる芹香に、腹が立った。
「何でもかんでも、知ろうとしないでよ!」
思わず大きな声を出してしまった。
芹香の驚いた顔が、目に飛び込んでくる。
「礼奈?どうして怒るの?」
「……ごめん。」
「私、礼奈の力になりたいのに。」
「だからごめん。私、大丈夫だから。」
二人の間に、不穏な空気が漂う。
「分かった。でも、私いつでも礼奈の味方だから。」
うんと頷く事ができなかった。
どうして?
お金まで貸してくれる友人なんて、ほんといないのに。
「今度会った時は、お互いいい報告ができるといいね。」
私が不機嫌な態度を取ったのに、芹香はそれを直そうとしている。
だから、腹立たしい。
「私は、芹香とは違うよ。」
きっと芹香だったら、その宅配便のお兄さんと、堂々と付き合えるんだろう。
でも私は、芹香の名前を名乗らないと、信一郎さんに会う事すらできない。
本当の私は、ダメなんだ。
「どうしてそんな事言うの?礼奈だって私だって、一人の女の子じゃない。」
「違うよ。芹香はお嬢様で、私は貧乏だよ。」
芹香の視線が痛い。
「それがどうしたって言うの?恋愛には関係ないじゃない。」
「それは、お嬢様だから言えるんだよ。」
芹香の顔は、悲しい表情になった。
「相手は芹香だったら、皆OKするよ。」
「それは、私がお金持ちのお嬢様だからだって言うの?」
「そうじゃない。でも、高嶺の花には間違いないよ。芹香は。」
男性だって、お金を持っている人は、それだけで魅力的だ。
女性だって、お金持ちのお嬢さんだって知れば、手の届かない人だって、憧れの対象になる。
「言ってる事、分かんない。私の魅力は、お嬢様だけって聞こえる。」
私の代わりに、芹香が不機嫌になった。
そうじゃない。
芹香の魅力は、たくさんある。
「そう聞こえたら、ごめん。」
お互い気まずい雰囲気になるなんて、どうしてこうなったの?
ううん。芹香といい雰囲気の時なんて少なかった。
いつも私が、芹香のご機嫌を取っていたんだ。
「流石じゃん。私なんて、まだまだだよ。」
「ええ?そうなの?」
芹香と恋愛話もするのも、楽しい。
「ほら、相手の人社長だから、私と身分が合わないんじゃないかって。」
「そんなの、気にしてたらダメだよ。」
芹香に、背中をバシッと叩かれる。
「何んで”玉の輿”って言葉があるの?そういう身分差を超えて、結ばれてきたからでしょ。」
「そうだよね。」
すると芹香は、パンと手を叩いた。
「そうだ。社長って、何て会社の社長?」
「えっ……」
「私、調べてあげるよ。お父さんに聞けば、一発かもしれないし。」
ハッとした。
芹香に言ったら、一発で信一郎さんだって、バレてしまう。
「……小さい会社だって、言ってたから。」
「関係ないよ。ウチのお父さん、顔広いから小さい会社まで網羅してるし。」
「でも、まだ知られてないかもしれないし。」
「調べれば分かるって。」
しつこく聞いてくる芹香に、腹が立った。
「何でもかんでも、知ろうとしないでよ!」
思わず大きな声を出してしまった。
芹香の驚いた顔が、目に飛び込んでくる。
「礼奈?どうして怒るの?」
「……ごめん。」
「私、礼奈の力になりたいのに。」
「だからごめん。私、大丈夫だから。」
二人の間に、不穏な空気が漂う。
「分かった。でも、私いつでも礼奈の味方だから。」
うんと頷く事ができなかった。
どうして?
お金まで貸してくれる友人なんて、ほんといないのに。
「今度会った時は、お互いいい報告ができるといいね。」
私が不機嫌な態度を取ったのに、芹香はそれを直そうとしている。
だから、腹立たしい。
「私は、芹香とは違うよ。」
きっと芹香だったら、その宅配便のお兄さんと、堂々と付き合えるんだろう。
でも私は、芹香の名前を名乗らないと、信一郎さんに会う事すらできない。
本当の私は、ダメなんだ。
「どうしてそんな事言うの?礼奈だって私だって、一人の女の子じゃない。」
「違うよ。芹香はお嬢様で、私は貧乏だよ。」
芹香の視線が痛い。
「それがどうしたって言うの?恋愛には関係ないじゃない。」
「それは、お嬢様だから言えるんだよ。」
芹香の顔は、悲しい表情になった。
「相手は芹香だったら、皆OKするよ。」
「それは、私がお金持ちのお嬢様だからだって言うの?」
「そうじゃない。でも、高嶺の花には間違いないよ。芹香は。」
男性だって、お金を持っている人は、それだけで魅力的だ。
女性だって、お金持ちのお嬢さんだって知れば、手の届かない人だって、憧れの対象になる。
「言ってる事、分かんない。私の魅力は、お嬢様だけって聞こえる。」
私の代わりに、芹香が不機嫌になった。
そうじゃない。
芹香の魅力は、たくさんある。
「そう聞こえたら、ごめん。」
お互い気まずい雰囲気になるなんて、どうしてこうなったの?
ううん。芹香といい雰囲気の時なんて少なかった。
いつも私が、芹香のご機嫌を取っていたんだ。
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