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第4話 二人の間の壁
④
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「とにかく、私が上手くいかない事も、芹香だったら上手くいく。」
「そんな事ない。私だって、上手くいかない時だってあるよ。」
いつまで経っても、平行線。
そうなんだ。
自由な芹香は、不自由な生活をしている私の気持ちなんて、分からない。
「ごめん。私、帰るね。」
「礼奈。」
芹香が手を伸ばす。けれど、立ち上がった私に、それはかすりもしなかった。
「お金はいつも通り返すから。」
「そんなの、気にしなくていいよ。」
普通だったら、いつお金を返してくれるかどうか、一番気にするのに!
「私と礼奈は、お金だけの関係なの?」
私は涙を必死に堪えていた。
「少なくても私は、礼奈と心で通じ合っていると思っているよ。」
そう言う彼女が、いつにも増して、魅力的に見えた。
「……ありがとう、芹香。」
惨めに思えた。
貧乏にこだわっているのは、私だけかもしれない。
お金なんて関係ないと言える芹香が、羨ましく仕方がなかった。
「そんな事ない。私だって、上手くいかない時だってあるよ。」
いつまで経っても、平行線。
そうなんだ。
自由な芹香は、不自由な生活をしている私の気持ちなんて、分からない。
「ごめん。私、帰るね。」
「礼奈。」
芹香が手を伸ばす。けれど、立ち上がった私に、それはかすりもしなかった。
「お金はいつも通り返すから。」
「そんなの、気にしなくていいよ。」
普通だったら、いつお金を返してくれるかどうか、一番気にするのに!
「私と礼奈は、お金だけの関係なの?」
私は涙を必死に堪えていた。
「少なくても私は、礼奈と心で通じ合っていると思っているよ。」
そう言う彼女が、いつにも増して、魅力的に見えた。
「……ありがとう、芹香。」
惨めに思えた。
貧乏にこだわっているのは、私だけかもしれない。
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