94 / 212
第二章 騎士となるために
ロードワーク
しおりを挟む
授業初日を終えた一八。自室に戻るとベッドへ横たわる伸吾の姿が見えた。
「おい伸吾、ロードワークに行くぞ」
夕食までの時間を有効利用しようと思う。汗を流してスッキリするだけでなく、お腹を限界まで空かせておく。食堂は食べ放題であったから一八は身体を動かしたかった。
「奥田君、僕はもう駄目だ。一人で行って欲しい……」
伸吾は完全にグロッキーであった。聞けば初日はほぼ訓練系の授業であったらしく、一限目から疲れ果てた彼は立ち上がるのもままならないという。
「しゃーねーな。飯の時間になったら起こしてやるよ」
「ありがとう。よろしくね……」
一八はジャージに着替え、一人でロードワークに出ていく。校門を出てしばらくすると、
「一八!」
聞き慣れた声が一八を呼び止める。ジョギング程度のスピードであったから、彼女は追いかけて来たのだろう。
「玲奈……、って莉子もいるのかよ」
「カズやん君、玲奈ちんが酷いのぉ。あたしはくたくたなのに無理矢理にロードワークさせられてんだから!」
意外にも莉子はロードワークを断らなかったらしい。玲奈とて彼女の疲労を知っていたから疲れたといえば見逃してくれたはず。
「お前は意外と努力家なんだな?」
「なぁに、それ? あたしはベッドとお友達になりたかっただけだけどなぁ……」
恐らくは照れ隠しだと思う。加えて負けず嫌いな面もあるのだと。本当に動けないのなら断っていただろうし、一限目の醜態を彼女は悔いているはずだ。
「体力は全ての基礎だろ? 莉子、お前はどんなに疲れていても朝晩必ず走っておけ」
「一八のくせにいいことをいうではないか? 莉子、夜は筋トレをするからな!」
「ふぇぇ! 死んじゃうよ!」
どうしてか放っておけない。一八としては落第生を気にする余裕はなかったというのに。
落第生は莉子を除いた全員がBクラスとなっていた。聞けば落第した最後の期間も莉子はAクラスであったらしく、Aクラスから昇格できなかった候補生は未だに彼女しかいないらしい。
黙々と走っている。沈みゆく夕日が目に眩しい。けれど、妙に心地よかった。太陽に向かって走っているようで。遥か先のゴールに近付いている感じがして……。
首都オオサカ市はキョウトよりも随分と活気に満ちていた。ただ道行く人は全員がロードワークに気付くと道を空けてくれる。
どうやら騎士学校生は市民から敬意を払われているらしい。オオサカの魔物被害を一手に引き受けている彼らは市民から尊敬されていたのだ。
「ねぇカズやん君、今日はありがと。あこそで休憩できたからこそ、あたしは最後まで走れた。また諦めてしまうところだったよ……」
不意に莉子が口を開いた。それは感謝であると同時に謝罪でもある。一八がいなければ莉子はインターバルを最後まで走りきれなかったという。脱落をし、教官の評点を悪くしていたはずだ。
「お前は軽すぎる。奈落太刀の重さと変わらん。だからなんてことねぇよ。せめて持ち上がらんくらいに身体を作れ」
「それってデブなんじゃ……。でも流石に斜陽よりはかなり重いと思うけどなぁ」
莉子の体重は四十キロ程度。よって刀より軽いはずがない。一八の話はただ彼女が心苦しく思わないようにとの配慮である。
「るせぇ……。とにかく礼はいらん。結果が良かったら問題なしだ」
「そうだぞ莉子。一八は女体に触れられただけで得をしたと思っているはずだからな!」
「ええ? カズやん君って、どエッチ?」
「どエッチいうな!」
最後は笑い話となる。それは一八が望んだままだ。貸し借りなんて仲間内にあってはならない。仲間であるからこそ自発的に行動しただけなのだ。
「じゃあさ、カズやん君はどうして斜陽を振るの? もっと軽い刀もあるっしょ? 軽い刀の方がスピードはでるし、正確性も増すと思うけど」
どうしてか奈落太刀の話になっていた。傾きつつある太陽から連想したのか、一八が持つ奈落太刀の片割れについて聞く。
「お前と違って俺は奈落太刀を振るのに苦労してねぇんだ。片手でも楽に振れる。毎日魔力なしで一万回振り込んできたからな……」
「一万回!? それも魔力伝達なし!?」
流石に声を大きくしてしまう。莉子は両手で振ったとしても魔力を流さずには使えない。適当に振るだけならばまだしも、刃の面や方向を正確に振らないことには威力を損なうことになるのだ。
「莉子は魔力なしで奈落太刀を振れねぇってのか?」
「振れるわけないじゃん! 女の子だよ!?」
「いや、俺は振り切れる女を知っているがな……」
チラリと一八は玲奈に視線を送る。ただし、玲奈と比べるのは悪い気もした。彼女は幼少期からずっと天軍の侵攻を意識しており、それに対して万全ともいう準備をしてきたのだから。
「それにお前がライバル心も燃やすあいつだって恐らく扱えるだろう。何しろ、あの女は俺を軽々と投げ飛ばすんだからな」
「え? カズやん君ってヒカリと柔術の試合をしたことあんの?」
一八の話に莉子は驚いた顔をする。二人に面識があることくらいは分かっていたけれど、まさか剣術ではなく柔術の試合をしただなんて予想外すぎた。
「あの女は稽古といって俺を何度も投げやがった。俺が騎士学校に入ったのは全てあの女を投げ飛ばすため。苦ぇ地面を舐めさせてやるんだよ……」
「はぁぁっ、カズやん君って見た目通り馬鹿なんだね?」
「お前に言われたくねぇわ! 振れもしねぇ刀を使うなんて馬鹿がすることだ。それに俺はもう馬鹿を卒業したんだよ……」
ふんっと鼻を鳴らす一八。確かに去年までであれば馬鹿でしかなかった。しかし、今は将来についても考えているし、地道な積み重ねが力になることだって分かっている。
しばし無言の莉子であったが、荒い息を吐きながら言葉を絞り出す。
「筋トレやるよ……」
小さな声で返されている。一八がいう奈落太刀を振れる女。それが玲奈でありヒカリであると分かったから。
彼女たちも決して体格に優れているわけではない。だからこそ努力することで同じようになれるはずだと。
莉子の決意に玲奈が頷く。彼女も筋力アップについては有効性を理解していたから。
「ならば莉子、クソマズいが筋力アップに最適なプロテインを教えてやろう。クッソマズいがかなりいいぞ!」
「玲奈ちん、それってどれだけマズいのよぉ?」
またも笑い話で締めくくる。けれど、莉子は頑張ってみようと思う。昨年とは異なり今年は仲間にも恵まれたのだ。彼らがいてくれるだけで気力が振り絞れそう。厳しいトレーニングであっても投げ出さずにいられると思った……。
「おい伸吾、ロードワークに行くぞ」
夕食までの時間を有効利用しようと思う。汗を流してスッキリするだけでなく、お腹を限界まで空かせておく。食堂は食べ放題であったから一八は身体を動かしたかった。
「奥田君、僕はもう駄目だ。一人で行って欲しい……」
伸吾は完全にグロッキーであった。聞けば初日はほぼ訓練系の授業であったらしく、一限目から疲れ果てた彼は立ち上がるのもままならないという。
「しゃーねーな。飯の時間になったら起こしてやるよ」
「ありがとう。よろしくね……」
一八はジャージに着替え、一人でロードワークに出ていく。校門を出てしばらくすると、
「一八!」
聞き慣れた声が一八を呼び止める。ジョギング程度のスピードであったから、彼女は追いかけて来たのだろう。
「玲奈……、って莉子もいるのかよ」
「カズやん君、玲奈ちんが酷いのぉ。あたしはくたくたなのに無理矢理にロードワークさせられてんだから!」
意外にも莉子はロードワークを断らなかったらしい。玲奈とて彼女の疲労を知っていたから疲れたといえば見逃してくれたはず。
「お前は意外と努力家なんだな?」
「なぁに、それ? あたしはベッドとお友達になりたかっただけだけどなぁ……」
恐らくは照れ隠しだと思う。加えて負けず嫌いな面もあるのだと。本当に動けないのなら断っていただろうし、一限目の醜態を彼女は悔いているはずだ。
「体力は全ての基礎だろ? 莉子、お前はどんなに疲れていても朝晩必ず走っておけ」
「一八のくせにいいことをいうではないか? 莉子、夜は筋トレをするからな!」
「ふぇぇ! 死んじゃうよ!」
どうしてか放っておけない。一八としては落第生を気にする余裕はなかったというのに。
落第生は莉子を除いた全員がBクラスとなっていた。聞けば落第した最後の期間も莉子はAクラスであったらしく、Aクラスから昇格できなかった候補生は未だに彼女しかいないらしい。
黙々と走っている。沈みゆく夕日が目に眩しい。けれど、妙に心地よかった。太陽に向かって走っているようで。遥か先のゴールに近付いている感じがして……。
首都オオサカ市はキョウトよりも随分と活気に満ちていた。ただ道行く人は全員がロードワークに気付くと道を空けてくれる。
どうやら騎士学校生は市民から敬意を払われているらしい。オオサカの魔物被害を一手に引き受けている彼らは市民から尊敬されていたのだ。
「ねぇカズやん君、今日はありがと。あこそで休憩できたからこそ、あたしは最後まで走れた。また諦めてしまうところだったよ……」
不意に莉子が口を開いた。それは感謝であると同時に謝罪でもある。一八がいなければ莉子はインターバルを最後まで走りきれなかったという。脱落をし、教官の評点を悪くしていたはずだ。
「お前は軽すぎる。奈落太刀の重さと変わらん。だからなんてことねぇよ。せめて持ち上がらんくらいに身体を作れ」
「それってデブなんじゃ……。でも流石に斜陽よりはかなり重いと思うけどなぁ」
莉子の体重は四十キロ程度。よって刀より軽いはずがない。一八の話はただ彼女が心苦しく思わないようにとの配慮である。
「るせぇ……。とにかく礼はいらん。結果が良かったら問題なしだ」
「そうだぞ莉子。一八は女体に触れられただけで得をしたと思っているはずだからな!」
「ええ? カズやん君って、どエッチ?」
「どエッチいうな!」
最後は笑い話となる。それは一八が望んだままだ。貸し借りなんて仲間内にあってはならない。仲間であるからこそ自発的に行動しただけなのだ。
「じゃあさ、カズやん君はどうして斜陽を振るの? もっと軽い刀もあるっしょ? 軽い刀の方がスピードはでるし、正確性も増すと思うけど」
どうしてか奈落太刀の話になっていた。傾きつつある太陽から連想したのか、一八が持つ奈落太刀の片割れについて聞く。
「お前と違って俺は奈落太刀を振るのに苦労してねぇんだ。片手でも楽に振れる。毎日魔力なしで一万回振り込んできたからな……」
「一万回!? それも魔力伝達なし!?」
流石に声を大きくしてしまう。莉子は両手で振ったとしても魔力を流さずには使えない。適当に振るだけならばまだしも、刃の面や方向を正確に振らないことには威力を損なうことになるのだ。
「莉子は魔力なしで奈落太刀を振れねぇってのか?」
「振れるわけないじゃん! 女の子だよ!?」
「いや、俺は振り切れる女を知っているがな……」
チラリと一八は玲奈に視線を送る。ただし、玲奈と比べるのは悪い気もした。彼女は幼少期からずっと天軍の侵攻を意識しており、それに対して万全ともいう準備をしてきたのだから。
「それにお前がライバル心も燃やすあいつだって恐らく扱えるだろう。何しろ、あの女は俺を軽々と投げ飛ばすんだからな」
「え? カズやん君ってヒカリと柔術の試合をしたことあんの?」
一八の話に莉子は驚いた顔をする。二人に面識があることくらいは分かっていたけれど、まさか剣術ではなく柔術の試合をしただなんて予想外すぎた。
「あの女は稽古といって俺を何度も投げやがった。俺が騎士学校に入ったのは全てあの女を投げ飛ばすため。苦ぇ地面を舐めさせてやるんだよ……」
「はぁぁっ、カズやん君って見た目通り馬鹿なんだね?」
「お前に言われたくねぇわ! 振れもしねぇ刀を使うなんて馬鹿がすることだ。それに俺はもう馬鹿を卒業したんだよ……」
ふんっと鼻を鳴らす一八。確かに去年までであれば馬鹿でしかなかった。しかし、今は将来についても考えているし、地道な積み重ねが力になることだって分かっている。
しばし無言の莉子であったが、荒い息を吐きながら言葉を絞り出す。
「筋トレやるよ……」
小さな声で返されている。一八がいう奈落太刀を振れる女。それが玲奈でありヒカリであると分かったから。
彼女たちも決して体格に優れているわけではない。だからこそ努力することで同じようになれるはずだと。
莉子の決意に玲奈が頷く。彼女も筋力アップについては有効性を理解していたから。
「ならば莉子、クソマズいが筋力アップに最適なプロテインを教えてやろう。クッソマズいがかなりいいぞ!」
「玲奈ちん、それってどれだけマズいのよぉ?」
またも笑い話で締めくくる。けれど、莉子は頑張ってみようと思う。昨年とは異なり今年は仲間にも恵まれたのだ。彼らがいてくれるだけで気力が振り絞れそう。厳しいトレーニングであっても投げ出さずにいられると思った……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~
スサノワ
ファンタジー
「ここわぁ、地獄かぁ――!?」
悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、気がつきゃ金糸のような髪の小娘に!?
「えっ、ファンタジーかと思ったぁ? 残っ念っ、ハイ坊主ハラペコSFファンタジーでしたぁ――ウケケケッケッ♪」
やかましぃやぁ。
※小説家になろうさんにも投稿しています。投稿時は初稿そのまま。順次整えます。よろしくお願いします。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる