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第三章 存亡を懸けて
四天将の誇り
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ガブリエルとウリエルは動揺していた。共和国軍の侵攻が始まったかと思えば、突如として巨大な魔力を感じたのだ。
神雷を思わせる強大な稲妻が落ち、飛竜を斬り裂くなど想定していない。
「おいガブリエル、飛竜が斬られたぞ!?」
「落ち着きなさい。我々は見つかっていないようです。どうにかして立て直していくしかありません」
慌てるウリエルにガブリエルが返した。まるで想定していない事態だが、ガブリエルが落ち着いていられたのはもう後がなかったからである。
「私たちに残された道は二つ。ここで死に果てるか、或いは勝利をして生き残るか。逃げるという選択はもうないのですよ」
ガブリエルは徹底抗戦しかないのだと告げる。
逃げ延びた場合は恐らく普通に死ぬよりも酷い罰を受けるだろう。守護して当然のナゴヤ前線基地。勝利したとして褒美が与えられるはずもなかったけれど、勝利さえすれば罰則だけは免れるはずだと。
「ま、そうだな。とりあえず攻め入った奴らの戦意を削ぐか?」
「我らは元四天将。二人いるのですから勝機はあるはずです。悪魔譲りの強大な魔法を二人して撃ち放ってやりましょう」
作戦は決定した。まずは敵軍の雑兵を混乱させるべきだと。強者の相手はその後でも構わない。数で押し切られる現状を変えて行かねばならない。
二人はナゴヤ王城を飛び立つ。かといって低く飛行し、できれば敵軍に見つからないようにと。
攻撃を受けているのは街の西端。オークやゴブリンといった兵が進軍を食い止めていた。
「ウリエル、いきますよ? 私は南方の一団を」
「よっしゃ、俺は北側だな?」
ガブリエルとウリエルは一団の上空に達するや、魔法を唱え始めた。
巨大な魔法陣が空に描き出されている。その異様な魔力の圧縮に気付かぬ者はいないだろう。兵団の一般兵だけでなく、オークやゴブリンたちも空を見上げていた。
「滅するがいい! 雑魚共は全て魔界門の糧と成り果てろ!!」
刹那に暗雲が立ち籠めたかと思えば、無数に降り注ぐ漆黒の槍。敵と味方を区別することなく、存在した全てを貫いていく。
阿鼻叫喚の光景であった。もしも地獄が存在するとすれば、この現実がそれであると思えるほどに。
上空からは二人の天主による高笑いが響いていた……。
神雷を思わせる強大な稲妻が落ち、飛竜を斬り裂くなど想定していない。
「おいガブリエル、飛竜が斬られたぞ!?」
「落ち着きなさい。我々は見つかっていないようです。どうにかして立て直していくしかありません」
慌てるウリエルにガブリエルが返した。まるで想定していない事態だが、ガブリエルが落ち着いていられたのはもう後がなかったからである。
「私たちに残された道は二つ。ここで死に果てるか、或いは勝利をして生き残るか。逃げるという選択はもうないのですよ」
ガブリエルは徹底抗戦しかないのだと告げる。
逃げ延びた場合は恐らく普通に死ぬよりも酷い罰を受けるだろう。守護して当然のナゴヤ前線基地。勝利したとして褒美が与えられるはずもなかったけれど、勝利さえすれば罰則だけは免れるはずだと。
「ま、そうだな。とりあえず攻め入った奴らの戦意を削ぐか?」
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作戦は決定した。まずは敵軍の雑兵を混乱させるべきだと。強者の相手はその後でも構わない。数で押し切られる現状を変えて行かねばならない。
二人はナゴヤ王城を飛び立つ。かといって低く飛行し、できれば敵軍に見つからないようにと。
攻撃を受けているのは街の西端。オークやゴブリンといった兵が進軍を食い止めていた。
「ウリエル、いきますよ? 私は南方の一団を」
「よっしゃ、俺は北側だな?」
ガブリエルとウリエルは一団の上空に達するや、魔法を唱え始めた。
巨大な魔法陣が空に描き出されている。その異様な魔力の圧縮に気付かぬ者はいないだろう。兵団の一般兵だけでなく、オークやゴブリンたちも空を見上げていた。
「滅するがいい! 雑魚共は全て魔界門の糧と成り果てろ!!」
刹那に暗雲が立ち籠めたかと思えば、無数に降り注ぐ漆黒の槍。敵と味方を区別することなく、存在した全てを貫いていく。
阿鼻叫喚の光景であった。もしも地獄が存在するとすれば、この現実がそれであると思えるほどに。
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