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おこぼれ話6 リョーマシールド21
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1年1組の教室の棚には「ある競技のボール」があって、1学期の初めから僕を含めた男子数人の間で話題になっていた。
サッカーボールやドッジボール、バスケットボールとかは定番だが、話題になったそのボールはふつうそれが小学校の教室においてないだろ!ってボールだ。
ではそのボールは何かといえば「アメフトのボール」である。
アメフトと言えば当時週刊少年ジャンプでアメフトを題材とした「アイシールド21」が連載されており、そのアニメ版も当時放送されていた。
僕らの周りでもアイシールドの人気は高く、僕も毎回は観ておらず内容もあんまり覚えてないけど観ていた。
アイシールド効果で子供たちの間でアメフトの認知度が当時あがっていたことは間違いないだろう。僕もこのアニメでアメフトというスポーツの存在を知った。
アメフトのボールがなぜ1-1の教室にあったのかはわからない。先生が昔やってたとかって話も聞いたことないし(生徒には言ってないだけで本当は経験者って可能性もあるが)。
僕たち男子は教室にボールがあるということはそのうち体育でアメフトをやるものだと思って信じていた。
僕もその時を信じて毎日のように棚にしまわれたアメフトのボールを眺めていた。
だが小学校の体育でアメフトなんぞやるわけもなく(そもそも小1がやるには無理がありすぎるだろ)、ボールはずっと棚から出ることなく一年が過ぎようとしていた…
「アメフトのボールよ、キミは何のために教室に来たというのだ…この一年、棚から僕たちを見守ってくれてたが、そこから出れずに一年を終えるなんてキミがかわいそうでならない…」そんなことを日々思い始めていた。
しかし1年生ももうすぐ終わりを迎えようとする3月。ついにアメフトのボールは教室の棚から体育館へ飛び出し、体育の授業デビューすることとなる!
…といってもアメフトをやったわけじゃない。2組と合同で「アメフト鬼ごっこ」なるものを行ったのだ。
鬼はボールをもってアメフトのタックルのごとく(といっても普通に走ってるだけだが)逃げる人に襲い掛かり、鬼にタッチされた人は交代という形でボールを持ち、新たな鬼となる。
…うん、ボールを使ってること以外は普通の鬼ごっこと変わらないね☆
ゲーム開始時点での鬼役はランダムに決められた。僕は逃げる側だ。
ボールを触りたい気持ちもあったが、鬼になるためにわざと捕まるのは自分のプライドが許さない。というか一度も捕まらず逃げ切りたいという気持ちが勝る。だから僕は必死に逃げ、一度も捕まらず終えることができた。
あこがれのアメフトボールを使った鬼ごっこ…それは正直面白くもつまらなくもなかった。
「ボールくん、キミももっと有意義な使われ方されたかったよね?」
サッカーボールやドッジボール、バスケットボールとかは定番だが、話題になったそのボールはふつうそれが小学校の教室においてないだろ!ってボールだ。
ではそのボールは何かといえば「アメフトのボール」である。
アメフトと言えば当時週刊少年ジャンプでアメフトを題材とした「アイシールド21」が連載されており、そのアニメ版も当時放送されていた。
僕らの周りでもアイシールドの人気は高く、僕も毎回は観ておらず内容もあんまり覚えてないけど観ていた。
アイシールド効果で子供たちの間でアメフトの認知度が当時あがっていたことは間違いないだろう。僕もこのアニメでアメフトというスポーツの存在を知った。
アメフトのボールがなぜ1-1の教室にあったのかはわからない。先生が昔やってたとかって話も聞いたことないし(生徒には言ってないだけで本当は経験者って可能性もあるが)。
僕たち男子は教室にボールがあるということはそのうち体育でアメフトをやるものだと思って信じていた。
僕もその時を信じて毎日のように棚にしまわれたアメフトのボールを眺めていた。
だが小学校の体育でアメフトなんぞやるわけもなく(そもそも小1がやるには無理がありすぎるだろ)、ボールはずっと棚から出ることなく一年が過ぎようとしていた…
「アメフトのボールよ、キミは何のために教室に来たというのだ…この一年、棚から僕たちを見守ってくれてたが、そこから出れずに一年を終えるなんてキミがかわいそうでならない…」そんなことを日々思い始めていた。
しかし1年生ももうすぐ終わりを迎えようとする3月。ついにアメフトのボールは教室の棚から体育館へ飛び出し、体育の授業デビューすることとなる!
…といってもアメフトをやったわけじゃない。2組と合同で「アメフト鬼ごっこ」なるものを行ったのだ。
鬼はボールをもってアメフトのタックルのごとく(といっても普通に走ってるだけだが)逃げる人に襲い掛かり、鬼にタッチされた人は交代という形でボールを持ち、新たな鬼となる。
…うん、ボールを使ってること以外は普通の鬼ごっこと変わらないね☆
ゲーム開始時点での鬼役はランダムに決められた。僕は逃げる側だ。
ボールを触りたい気持ちもあったが、鬼になるためにわざと捕まるのは自分のプライドが許さない。というか一度も捕まらず逃げ切りたいという気持ちが勝る。だから僕は必死に逃げ、一度も捕まらず終えることができた。
あこがれのアメフトボールを使った鬼ごっこ…それは正直面白くもつまらなくもなかった。
「ボールくん、キミももっと有意義な使われ方されたかったよね?」
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