リョーマ的Y2K子供文化史考

一刀星リョーマ

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第2部 女児向けアニメ史

2006~08年女児向け作品事情~既存作品編~

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今回はスプラッシュスター~プリキュア5二部作が放送された2006年~08年に放送された作品より、既存作品の傾向を分析してみよう。

まずはハム太郎。以前にも触れたとおり2006年からは小学館プロダクション(現小学館集英社プロダクション)制作の子供番組「のりスタ」内の放送に移行し、タイトルを「とっとこハム太郎は~い!」に変更し、1話当たりの尺も10分に短縮された。
ストーリー面においてもロコちゃんなどの人間キャラクターの出番が激減し、ほぼハムスターだけで成立する物語に変更。放送時間の短縮や、幼児向け番組内の放送に移行したことによりより低年齢層にシフトしたシンプルなストーリー作りを意識した結果だろう。
のりスタ内での新作放送は2年間続き、その後2011年度まで再放送が行われた(この間2011年4月からは30分枠で初期作のリマスター版「とっとこハム太郎でちゅ」が開始している)。
だが関連商品の展開が30分時代に比べておとなしかったことを考えれば、人気が落ち着いてたのが見て取れる。

続いてマイメロディ。2年目の2006年度は「くるくるシャッフル」3年目の2007年度は「すっきり」最終年となる2008年度は「きららっ」という変遷だ。
3年目では放送時間はそのままに子供番組「アニメロビー」内の10分アニメに移行したが、番組が1年で終了したため、4年目では再び30分番組に戻った。ミニアニメから30分に昇格する作品や、ハム太郎のように30分からミニアニメになる作品は数あれど、一度ミニアニメになってから再び30分になる作品は珍しいのではないか。
さらに特徴的なのは最終シリーズである「きららっ」は時系列的には第1作の前、マイメロが歌ちゃんに出会う前の話であること。スピンオフとか番外編扱いでなく正規のシリーズの流れでこれまでのシリーズの前日談を描くのは子供向けアニメとしては珍しいものとおもう。
ストーリー自体も人間界よりマリーランドをメインに置いた作劇がなされ、本作の人間側の主人公のきららも人間界からマリーランドへやってくる。今まではマイメロたちがマリーランドから人間界にやってきてたのだからその逆ということになる。
10分になったり、また30分に戻って次は過去の話になったり…くるくると状況が変わりながらもマイメロは4年間の放送を走り抜けた。

そしてこの時期の作品を語るうえで外せないきらレボの2年目以降も分析してみよう。
2年目シリーズではきらりの後輩である新人アイドルの「観月ひかる」が登場し、ふたりはユニット「きら☆ぴか」を結成。このひかるを演じたのが当時きらり役の小春さんと同じハロプロのユニットである ℃-ute(ちなみにこれ以前にきらレボのEDを担当していたことがある)のメンバーであった当時小6の萩原舞さん。実写版セーラームーンのセーラールナしかり、やはりターゲット層に近い演者を置くのは親近感を与えるメリットがある。「アイドル」というリアルな世界を描くきらレボならなおさらだ。きらりと同じく本物のアイドル、それも作品のファン層と近い年代のアイドルを使う考えは素晴らしいと思う。
作品内においても「きら☆ぴか」は期間限定ユニットという設定であったため、リリースしたシングルは1曲のみであったが、その表題曲「はなをぷーん」のインパクトたるや。タイトルでお察しがつくかと思うがアイドルアニメの歴史を見ても稀なコミックソングである。ここで説明するのもあれなので気になる方は各自チェックしていただきたい。アレを現役アイドルに平気で歌わせたスタッフの勇気…というかふつうに歌ってくれたきらりとひかるに敬礼。
そして最終3年目ではCGアニメとなって「STAGE3」の副題がつき、きらりはのえる、こべにと共に三人でユニット「ミルキーウェイ」を結成。さらにシップスの声優も変更され、本職声優から俳優を生業とする人物に変更。これによりシップスも現実世界でのCDデビューやイベント出演、さらに不定期出演だったきらりを差し置いておはスタレギュラーになる(しかも当初週1だったのがレギュラー就任数か月後に異例の週2出演に)など主役であるきらり達顔負けの露出を行った。
女児向けアニメでここまで男性レギュラーに好待遇を行うのも稀有な例と言えよう。3年目を迎え、マンネリ対策として女性キャラの魅力ばかりでは他の女児向けアニメと横並びになってしまうからイケメンでアピールすることにより新たなファン層の拡大を狙ったのではないか。
しかし長期化作品の常である人気の落ち着きの波には逆らえず、きらりのアイドルストーリーは3年目で幕を閉じることとなった。ちょうどプリキュアの調子が戻ってきたタイミングでというのが皮肉だ。

次回は同時期に開始した新作アニメについて分析してみよう。
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