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ULTIMATE〜日本防衛戦線

ULTIMATE〜日本防衛戦線第9話

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主要登場人物一覧
大石慶敬(26)…4代目主人公 国家保安庁外事機動特別諜報部隊天湾特命派遣中
豊島敦也(26)…国家保安庁外事機動特別諜報部隊天湾特命派遣中
新屋智輝(26)…天湾に拉致 身柄拘束中
甲賀彪馬(26)…国家保安庁外事機動特別諜報部隊天湾特命派遣中
達司蓮(44)…国家保安庁外事機動特別諜報部隊天湾特命派遣中
武隈紀久(45)…国家保安庁外事機動特別諜報部隊主任
柴崎冬弥(29)…国家保安庁外事機動特別諜報部隊天湾特命派遣中
滝藤誠弥(34)…国家保安庁外事機動特別諜報部隊副隊長
河内慶六(52)…国家保安庁長官
睦月陸(49)…国家保安庁外事機動特別諜報部隊長
金条泰雅(20)…天湾陸軍第1憲兵団所属
…………………………………………………………………国家保安庁 独断での海外侵攻。国からの許可は下りていない!?

河内が単独で行った天湾への部隊派遣がどこからか漏れ河内は急遽記者会見を開くことになった。
そしてこの会見を見ていた国民達は各地でデモを起こし警察はそのデモの処理に追われることになった。
「おい聞いたかよ。独断での侵攻だってよ。それも俺らから巻き上げた税金で」
「見損なったぜ。やっぱこの国は終わってる」
「もしかしたら戦争とか?」
「おいおい冗談はよせよ」
国民達は天湾への部隊派遣を独断で行った河内に対して反抗心を抱いていた。

「かなりデモの数が増えてますね」
連日行われている反戦デモを中継したテレビ映像を見ながら秘書官が呟いた。
「そうだな。あいつらの状況はどうだ?天湾に行ってる奴らだ」
「まだ何も報告などは上がってきてませんね。」
「そうか」

そう言うと河内は机の上に1枚の封筒を置いた。
「これを出してくる。今までありがとな。」
「辞職されるおつもりですか?」
「責任を取らんとな。君と働けて良かったよ」
そう言うと河内は辞表の入った封筒を手に持つとそのまま部屋から出て行った。
その日の夜よ
河内を家に送り届けるため秘書官が地下駐車場で待機していた。
「待たせたな。送迎とか別にしなくてもいいぞ」
「まだデモは行われてます。身体の安全のためにも送迎させてください」
「そうか。わかった。ありがとう」
河内が車に乗り込むと秘書官も急いで車に乗った。
地下駐車場から数メートル走らせている時だった、後ろから不審なバイクが追尾してきていることに気づいた。
「後ろのバイクおかしくないですか?」
秘書官が言うと河内は後ろを振り向いた。
「マスコミのバイクだろ。気にするな」
「了解です」
秘書官はスビードを上げながら車を走らせた。
するとバイクもそれに合わせてスビードを上げていった。
「っくそ。なんだよ、あいつ」
そうつぶやくと秘書官はそのままハンドルを横にきった。
車は耳に響く音を立てながら進路を変えるとそのまま近くの路地に入っていった。
それに合わせてバイクも路地に入って行った。
「おい道違うくねーか?どうした?」
河内が聞くと秘書官はその場で車を止めた。
「今から言うことを聞いてください。後ろから怪しいバイクに追尾されてます。長官はそのまま車を降りて逃げてください。」
「は?」
「早く」
「お、おー」
秘書官に言われ河内はそのまま車を降りると近くの公園に逃げ込んだ。
数秒後
例のバイクが車の前に止まった。
バイクに乗っていた男はヘルメットを外すとそのまま覆面を被り車に近づいた。
「やっぱりな」
そうつぶやくと秘書官は車から降りた。
「おい何してんだ?お前」
「うるせーよ。長官乗ってんだろ?出せよ」
「誰が出すかよ。」
そう言うと秘書官は拳銃を構えた。
「こちらはいつでもお前を撃てる。死にたくなけりゃ手を挙げて跪け。お前よりも先に引き金を引いてやる」
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