1 / 4
1章
1-1
しおりを挟む
これはある童話に隠れた一人の少年の物語。
昔々桃太郎という男がいた。
その少年は山に住んでいた老夫婦がたまたま川から流れてきた桃を食べたところ
性欲が戻り、産まれた子供だ。そんな子供は正義感が強く
「村に悪さにくる鬼を討伐したい」
そう彼は志願した。
旅の道中で知り合った犬と雉と猿におばあさんからもらった黍団子を渡して三匹を仲間にした。
数年の時日が経ち、鬼ヶ島についたのだ。
桃太郎は三匹と共に鬼を成敗し、村は救われたのだ。
それから数年。
桃太郎が鬼と対峙している間に、桃太郎の弟が産まれた。
少年の名前は浦太郎。
少年は正義感こそあるが、桃太郎と比べれば、劣るところが多いだろう。
それでも普通の子供程度には体力も頭脳もある。
「桃太郎兄さん、剣を僕に教えてください」
「ん?......いいだろう、みっちり稽古をつけてやる」
浦太郎は桃太郎から剣を習っていた。
飲み込みこそ、早いもの村では桃太郎よりも弱いと噂が流れた。
剣と剣がぶつかる音が響いた。
「ねぇ……桃太郎兄さん…」
「なんだ?剣に迷いがあるな…悩み事か?」
浦太郎の動きが止まりやがて下を向いた。
「桃太郎兄さんは強いよ」
「そりゃ、一応鬼を成敗したからな」
「僕なんて未熟者さ...」
「そんなことはない、浦太郎だって村の中じゃ一番強いんだろう?」
「でも村には桃太郎兄さんがいる!」
昔々桃太郎という男がいた。
その少年は山に住んでいた老夫婦がたまたま川から流れてきた桃を食べたところ
性欲が戻り、産まれた子供だ。そんな子供は正義感が強く
「村に悪さにくる鬼を討伐したい」
そう彼は志願した。
旅の道中で知り合った犬と雉と猿におばあさんからもらった黍団子を渡して三匹を仲間にした。
数年の時日が経ち、鬼ヶ島についたのだ。
桃太郎は三匹と共に鬼を成敗し、村は救われたのだ。
それから数年。
桃太郎が鬼と対峙している間に、桃太郎の弟が産まれた。
少年の名前は浦太郎。
少年は正義感こそあるが、桃太郎と比べれば、劣るところが多いだろう。
それでも普通の子供程度には体力も頭脳もある。
「桃太郎兄さん、剣を僕に教えてください」
「ん?......いいだろう、みっちり稽古をつけてやる」
浦太郎は桃太郎から剣を習っていた。
飲み込みこそ、早いもの村では桃太郎よりも弱いと噂が流れた。
剣と剣がぶつかる音が響いた。
「ねぇ……桃太郎兄さん…」
「なんだ?剣に迷いがあるな…悩み事か?」
浦太郎の動きが止まりやがて下を向いた。
「桃太郎兄さんは強いよ」
「そりゃ、一応鬼を成敗したからな」
「僕なんて未熟者さ...」
「そんなことはない、浦太郎だって村の中じゃ一番強いんだろう?」
「でも村には桃太郎兄さんがいる!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる