クラスで人気の完璧美少女が殺意増し増しで怖い件。そしていつしかデレデレになる

ぽてさら

文字の大きさ
34 / 35

プール③ 一件落着☆

しおりを挟む





「おーおーキミたちカワイイねぇ。どう、これからオレたちと遊ばない?」
「おっ、ジュース持ってるじゃん! つーことは誰かと一緒? 女友達なら大歓迎だよん♪」
「しっかしまぁ近くで見るとマジで綺麗じゃん。もしかして他の男もいる系? まー俺らには関係ないけどさ」
「………(ニヤニヤ)」


 ピアスやサングラスをしたチャラそうな四人組の男たちが話しかけてきたのだ。所謂ナンパという奴だろう。急なことに思わず固まるが、小梅と視線を交わすと少しずつ男たちから離れる為に横にずれていく。


「あれあれどうしちゃったぁ? お兄さんたち怖くないよ~」
「そうそう、なんならこれから気持ちいーことしてあげるよん♪」
「け、結構です………っ」


 男たちによるナンパに何とか声を振り絞るが、突然の事なので警戒心を高める。前が塞がれている形なのでこのまま少しずつ怯えたふりをして、人混みの少ない所まで行けば逃げる隙が出来るだろうと考えた美雪。

 正直に言うと怖くないというのは嘘になる。それでも年上としてなんとか小梅と一緒にこの状況からどう逃れようかと虚勢を張っていた。


「………きもっ」
「しっ! 本当の事だけど今刺激したら何してくるか分からない。一旦ひとけの少ない所まで引きつけてから隙を突いて逃げようっ」
「わかった………」


 嫌悪感丸出しで睨め付けながら小さな声で本音を漏らす小梅だが、美雪に小声で注意されたことによって怒気が弱まる。僅かに、だが。

 美雪も小梅同様の雰囲気や視線で何とか牽制しようとするが、ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべているチャラ男たちはそんな態度に構うことなく二人に近づいていく。



「なんか初々しい反応じゃ~ん♪ なに、ひょっとしてキミたち初心うぶ? もしかしてこういう風に誘われたり、ヤったことがない?」
「………っ」
「っかー、おいおい俺らツイてるわ、こんな可愛いのがまだ男の味を知らないとか―――すっげぇそそるじゃん」
「ち、ちかづかないでっ………大声叫ぶわよ………っ!」


 全身を舐め回すようなぎらぎらとした視線にぞくっと寒気が走った美雪。今まで感じたことの無かった危機感が自分に降りかかっている事を改めて自覚した彼女は、恐怖から言葉の端々が震えていた。

 精一杯声を振り絞るが、この迫り来る男たちの表情に変化はない。むしろ、その気持ち悪い笑みをより深めていた。

 ―――そして、気が付いた時には壁際まで追い込まれていた。


「………っ、う、そ」
「美雪ちゃん………!」
「お~っと気が付くのが遅かったねぇ、ここって建物の日陰になっててあまり人が寄り付かないんだわ。おいお前ら、ちゃんと見張ってろよ」
「わーかってるって。その代わりそっちの娘あとで俺らに回せよ。さって、俺はこ~の娘~♪」
「おいずりーぞ!」
「うっせ」


 舌なめずりをしながら手を伸ばしてくるチャラ男に悲鳴を上げる美雪。小梅に至っては無表情を貫いてはいるが、僅かに目尻に涙を浮かべていた。

 声を震わせながら涙混じりに呟く。


「い、や………っ、暮人ぉ、たすけてぇ………っ!」
「にいに………っ」
「はいざんねーん。助けなんてきませ―――」


 チャラ男が最後まで言葉を紡ごうとしたその瞬間、とても軽快な足音が聞こえた。その正体は―――、









「てめぇら二人に何してんだこらぁぁぁ!!」
「「「「ゴフッ!!!!」」」」


 暮人による跳び膝蹴りが美雪の胸に触ろうとしていたチャラ男にクリーンヒット。まるでボウリングのように他の三人を巻き込んだその威力は走ってきた事により勢い付いていた。

 綺麗に着地した暮人は慌てた様子で美雪と小梅に声を掛ける。先に走ってきて良かった、と安堵しながら。


「美雪っ、小梅っ! 大丈夫だったか!!」
「にいにっ!」
「く、暮人………っ。うん、大丈夫だったけど、すっごく怖かったよっ………! でも、どうしてここが………?」
「あぁ、待ってたんだけどなんだか嫌な予感がしてさ。それであちこち探し回ってようやく見つけたってわけだよ。それに聖梨華さんも―――」
『誰か助けて下さーーいっ! 女の子をムリヤリ襲おうとしたド畜生がここにいまーっす!!』


 離れた所に居るチャラ男たちにスマホを構えた聖梨華が大声で呼び掛ける。ここは人気のない日陰だが、流石に誰かが来るだろう。そう思っていたのだが、


『呼んだかい、お嬢さんっ!!』
「誰だっ!!?」
『マッチョメン五人衆だよっ☆』


 筋肉ムッキムキの五人の男性がそれぞれキラキラと笑みを浮かべてポージングをとりながら聖梨華の呼び掛けに応えていた。まるで戦隊モノのように並んでいるが、その背後から後光が差しているのは気のせいだろうか。

 思わずの展開に素っ頓狂な声を上げてしまった暮人だが、スマホを構えていた聖梨華が暮人達に近づいてきて説明する。


「説明しましょう! 簡単に言うならば、友達同士で遊びに来ていたムキムキなホモいお兄さん方が近くを歩いていたので女神の力を使ってここまで誘導したのですよ!」
「うわぁ、えぐい………」
「こんなに人気のレジャー施設なのですからたまたま・・・・そういう方が居ても、遭遇してもおかしくはありませんよね?」


 どこか含みのある言い方だったが確かにその通り。こんなに多くの人が来るのであればそういう人がいてもおかしくはないのだろう。

 暮人が納得していると、マッチョメン五人衆の一人から話しかけられた。


「なぁそこのキミ、お嬢さんの叫び声が聞こえてここまでやって来たんだが―――もしかしてあの美味そ………チャラそうな男の子たちが原因かな?」
「………っ、は、はい………! そうです!」
「はっはっは、そうか! ならば私たちが貰っていこう・・・・・・! みんなはどうだ?」
『異議ナシっ!!!』
「と、いうわけなのであとは任せてくれ☆ それでは行こうか」


 そういうとマッチョメン五人衆はそれぞれチャラ男の体を軽々とお姫様抱っこで持ち上げると去って行った。「さぁ、ひと夏の忘れられない熱血指導をしてあげよう!」「い、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」と聞こえたのは幻聴だろうか。

 そういうことにしよう。

 まるで嵐のようだったと暮人はほっと息を吐く。改めて二人に向き合うが、彼女らの様子がおかしい。


「ど、どうした………っ!」
「暮人ぉ………! わたし、怖かったよぉ。あのままあいつらにどうにかされていたと思うと………! 暮人が来てくれて、すっごく嬉しかったぁぁぁぁ!!………大好きだよ暮人ぉぉ」
「にいにぃぃぃ!! こうめもぉぉぉぉ」


 大粒の涙を見せる二人から抱きつかれた暮人は正面から抱きしめる。二人分の体温を感じながら、落ち着かせる為に、ぎゅっと。

 よしよし、と頭を撫でると暮人は言葉を紡ぐ。


「本当に、間に合って良かった。俺も大好きだよ、二人とも」


 泣いている美雪と小梅はその言葉に気が付かない。だが暮人のその純粋な想いは、偽りない本音だったのは確か。


「さっすが、勇者様ですねぇ………ですが、これで一件落着ですね」


 二人が持っていたジュースを全て預かり、器用に抱えていた聖梨華は静かにそう呟いた。



 ―――そう、『一件』落着ということは、また次なる騒動が起きる可能性があるということ。


 そして聖梨華は、自らそれを起こそうとしていたのだった。






 因みにチャラ男たちはマッチョメン五人衆により、心も身体も調教されたのは余談である。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

俺をフッた幼馴染が、トップアイドルになって「もう一度やり直したい」と言ってきた

夏見ナイ
恋愛
平凡な大学生・藤堂蓮には忘れられない過去がある。高校時代、告白した幼馴染の星宮瑠奈に「アイドルになるから」とこっ酷くフラれたことだ。 数年後、瑠奈は国民的アイドル『LUNA』として輝いていた。遠い世界の住人になった彼女との再会なんて、あるはずもなかった――そう、変装した彼女が俺の前に現れ、「もう一度やり直したい」と泣きつくまでは。 トップアイドルの立場を使い強引に迫る元幼馴染と、過去の傷。揺れ動く俺の日常を照らしてくれたのは、俺の才能を信じてくれる後輩・朝霧陽葵の存在だった。 俺をフッた幼馴染か、俺を支える後輩か。過去の清算と未来の選択を描く、ほろ苦くも甘い、逆転ラブコメディ、開幕。

SSS級の絶世の超絶美少女達がやたらと俺にだけ見え見えな好意を寄せてくる件について。〜絶対に俺を攻略したいSSS級の美少女たちの攻防戦〜

沢田美
恋愛
「ごめんね、八杉くん」 中学三年の夏祭り。一途な初恋は、花火と共に儚く散った。 それ以来、八杉裕一(やすぎ・ゆういち)は誓った。「高校では恋愛なんて面倒なものとは無縁の、平穏なオタク生活を送る」と。  だが、入学した紫水高校には《楽園の世代》と呼ばれる四人のSSS級美少女――通称《四皇》が君臨していた。  • 距離感バグり気味の金髪幼馴染・神行胱。  • 圧倒的カリスマで「恋の沼」に突き落とす銀髪美少女・銀咲明日香。  • 無自覚に男たちの初恋を奪う、おっとりした「女神」・足立模。  • オタクにも優しい一万年に一人の最高ギャル・川瀬優里。  恋愛から距離を置きたい裕一の願いも虚しく、彼女たちはなぜか彼にだけ、見え見えな好意を寄せ始める。 教室での「あーん」に、放課後のアニメイトでの遭遇、さらには女神からの「一緒にホラー漫画を買いに行かない?」というお誘いまで。  「俺の身にもなれ! 荷が重すぎるんだよ!」  鋼の意志でスルーしようとする裕一だが、彼女たちの純粋で猛烈なアプローチは止まらない。 恋愛拒否気味な少年と、彼を絶対に攻略したい最強美少女たちの、ちょっと面倒で、でも最高に心地よい「激推し」ラブコメ、開幕!

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

処理中です...