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10. 逃亡準備
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リーナ11歳です。
リーナ・アプリコット。
11歳
加護『液体』レベル9
加護『隠蔽』レベル7
『液体』レベルが9に上がってお湯が出せるようになった。しかも温度設定付き。露天風呂もできるし、何処でもシャワー浴び放題。
これはお兄様が喜んで洞窟の奥に露天風呂を設置した。といっても天然の鍾乳洞の一部を区切ってお湯を入れただけなんだけど。浄化の魔石があるといってもやはりお風呂には入りたかったみたい。
「気持ちいいなぁ。お風呂につかりながらこの一杯がたまらない」
と言いながらお猪口に見立てた小皿に小壺からぶどうジュースを注いで飲んでいる。お猪口と徳利のつもりみたいだ。中身はジュースだけど。
お湯でジュースが生ぬるくなりそうなものだけど、氷を入れているのでちょうどいいみたいだ。私はその横でかき氷を食べている。
暖かいところで冷たいモノを食べるのって美味しい。氷を出せるようになったので、時々アイスクリームも作って食べている。クレープに万遍なくカスタードクリームをぬって畳んでアイスを乗せて食べる。フルーツのジャムも添えて。食生活の充実が嬉しい。
そして、ついに調味料、というか ポン酢 酢 梅酢 黒酢 リンゴ酢 焼き肉のタレが出てくるようになった。
この『液体』の加護のレベルがどういう方向に進んでいるのか全く分からない。レベルが上がるごとにできる事は増えるけど、次に何が来るのか全く予想が付かない。だけど、チョコレートが欲しいなぁ。
ポン酢と焼き肉のタレは嬉しかった。私が食べた記憶のある焼き肉のタレが出てくるから、前に高級焼き肉店で食べたタレの味を一生懸命思いだした。
「なにこれ、美味い。俺、こんな美味しい焼き肉のタレ、食べたことがないよ。俺んち、貧乏だったからな」
「お兄様、いくつで亡くなったの?」
「多分、高校生。俺、奨学生だったんだぜ。学費免除の。貧乏から抜け出す為に必死で勉強したなぁ~」
「それで、今もお勉強の要領が良いのね」
「まあね。でも、この体、すごく物覚えがいいんだ。リーナもそうだろ?」
「うん。転生特典かな~」
「そうかも」
そう言いながら、セッセとお肉を焼いてはパン殻に詰めていくお兄様。お兄様のパンの実は綺麗な楕円形になっていて二つに割ってその中のパンを取り出すと殻が器として使えるようになった。
パンの実も進化して、両手でやっと抱えられるくらいから両手にすっぽりと入るくらいまで大きさも選べるようになったし、パンの種類も増えた。一日にパンの実は7つ成るからその殻を使って食料を貯めている。
お兄様のパンの木のレベルは9歳でレベル2 食パン、10歳でレベル3 アンパン……。何故か私の誕生日に合わせてレベルが上がった。けど、アンパン。パンの実の大きさは変えられるけど、中身をアンパンにすると実の中に2つしか入っていない。
小さい実だとちょうど入る小さいアンパンで、大きな実だと大き目サイズ、といっても普通サイズの1.5倍くらい。中の餡子が美味しくて最初は喜んで食べたけど、食べ過ぎてちょっと飽きたかもしれない。それにしても殻のサイズが変更できるのは良かった。殻に食料を詰めて蓋をしてアイテムボックスにしまうと凄く安心する。
リネン類や針や糸、侍女や騎士、働く人の為の制服置き場から少しずつ色々な服や靴に帽子もいただいている。
私の貴金属は乳母に抑えられているから、現金が手に入らないのは困るけど、お兄様のところにお母さま用にお金が届いているからそれをアイテムボックスにしまっている。もちろん、お母様の貴重品とかお洋服も収納しておいた。
そして、何とアイテムボックスの機能を付与できるようになりました。といってもカバンサイズだけど。
お兄様のベルトに付けたレザーのウエストバックだけど、それをアイテムボックスにできないかなと思ったら何とか成功。
お兄様がすごく喜んでお燻製のお肉を詰め込んだ。オヤツにつまめるのが良いんですって。
いざという時の為にベッドも2つ、必要かなと思われる家具も不用品置き場から手に入れてきた。出入りする時のチェックは厳しいみたいだけど、家の中にいたら取ってもわからないから大丈夫。
逃亡準備は着々と進んでいる。
それにしても私の貴金属、乳母はどうやって持ち出しているんだろう?
リーナ・アプリコット。
11歳
加護『液体』レベル9
加護『隠蔽』レベル7
『液体』レベルが9に上がってお湯が出せるようになった。しかも温度設定付き。露天風呂もできるし、何処でもシャワー浴び放題。
これはお兄様が喜んで洞窟の奥に露天風呂を設置した。といっても天然の鍾乳洞の一部を区切ってお湯を入れただけなんだけど。浄化の魔石があるといってもやはりお風呂には入りたかったみたい。
「気持ちいいなぁ。お風呂につかりながらこの一杯がたまらない」
と言いながらお猪口に見立てた小皿に小壺からぶどうジュースを注いで飲んでいる。お猪口と徳利のつもりみたいだ。中身はジュースだけど。
お湯でジュースが生ぬるくなりそうなものだけど、氷を入れているのでちょうどいいみたいだ。私はその横でかき氷を食べている。
暖かいところで冷たいモノを食べるのって美味しい。氷を出せるようになったので、時々アイスクリームも作って食べている。クレープに万遍なくカスタードクリームをぬって畳んでアイスを乗せて食べる。フルーツのジャムも添えて。食生活の充実が嬉しい。
そして、ついに調味料、というか ポン酢 酢 梅酢 黒酢 リンゴ酢 焼き肉のタレが出てくるようになった。
この『液体』の加護のレベルがどういう方向に進んでいるのか全く分からない。レベルが上がるごとにできる事は増えるけど、次に何が来るのか全く予想が付かない。だけど、チョコレートが欲しいなぁ。
ポン酢と焼き肉のタレは嬉しかった。私が食べた記憶のある焼き肉のタレが出てくるから、前に高級焼き肉店で食べたタレの味を一生懸命思いだした。
「なにこれ、美味い。俺、こんな美味しい焼き肉のタレ、食べたことがないよ。俺んち、貧乏だったからな」
「お兄様、いくつで亡くなったの?」
「多分、高校生。俺、奨学生だったんだぜ。学費免除の。貧乏から抜け出す為に必死で勉強したなぁ~」
「それで、今もお勉強の要領が良いのね」
「まあね。でも、この体、すごく物覚えがいいんだ。リーナもそうだろ?」
「うん。転生特典かな~」
「そうかも」
そう言いながら、セッセとお肉を焼いてはパン殻に詰めていくお兄様。お兄様のパンの実は綺麗な楕円形になっていて二つに割ってその中のパンを取り出すと殻が器として使えるようになった。
パンの実も進化して、両手でやっと抱えられるくらいから両手にすっぽりと入るくらいまで大きさも選べるようになったし、パンの種類も増えた。一日にパンの実は7つ成るからその殻を使って食料を貯めている。
お兄様のパンの木のレベルは9歳でレベル2 食パン、10歳でレベル3 アンパン……。何故か私の誕生日に合わせてレベルが上がった。けど、アンパン。パンの実の大きさは変えられるけど、中身をアンパンにすると実の中に2つしか入っていない。
小さい実だとちょうど入る小さいアンパンで、大きな実だと大き目サイズ、といっても普通サイズの1.5倍くらい。中の餡子が美味しくて最初は喜んで食べたけど、食べ過ぎてちょっと飽きたかもしれない。それにしても殻のサイズが変更できるのは良かった。殻に食料を詰めて蓋をしてアイテムボックスにしまうと凄く安心する。
リネン類や針や糸、侍女や騎士、働く人の為の制服置き場から少しずつ色々な服や靴に帽子もいただいている。
私の貴金属は乳母に抑えられているから、現金が手に入らないのは困るけど、お兄様のところにお母さま用にお金が届いているからそれをアイテムボックスにしまっている。もちろん、お母様の貴重品とかお洋服も収納しておいた。
そして、何とアイテムボックスの機能を付与できるようになりました。といってもカバンサイズだけど。
お兄様のベルトに付けたレザーのウエストバックだけど、それをアイテムボックスにできないかなと思ったら何とか成功。
お兄様がすごく喜んでお燻製のお肉を詰め込んだ。オヤツにつまめるのが良いんですって。
いざという時の為にベッドも2つ、必要かなと思われる家具も不用品置き場から手に入れてきた。出入りする時のチェックは厳しいみたいだけど、家の中にいたら取ってもわからないから大丈夫。
逃亡準備は着々と進んでいる。
それにしても私の貴金属、乳母はどうやって持ち出しているんだろう?
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