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9. かき氷
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リーナ10歳です。
リーナ・アプリコット。
10歳
加護『液体』レベル8
加護『隠蔽』レベル6
私のステータスは見やすいけど不親切。加護とレベルだけしか出てこないんだもの。せめてレベルごとの説明があってもいいんじゃないかと思う。でも誕生日ごとにレベルが上がるようになったのは良かった。誕生日が来るちょっと前からレベルが上がりますようにと物凄くお祈りしているせいかもしれない。
誕生日にレベルが上がってほっとした。今日も暑い。
今日も今日とてお兄様のお家でオヤツを食べている。
オヤツはイチゴ蜜と練乳のかき氷。『液体』の加護レベル8になって何と氷が出せるようになった。
手の甲をじっと眺めると
氷 かき氷 トマトジュース 練乳 蜜 と出てくる。
氷は個体で液体ではないのにどうして『液体』の加護の中に含まれているのかわからない。お兄様がいうには氷は解けると水になるから大きな括りで『液体』に入ったのではないかと……。そう、なのかな?
扱える液体の種類がズラズラっと出てくるんだけど、かき氷を選んで蜜を選ぶとジュースが出てきて、その濃度が棒グラフみたいになって動かせる。それに蜜をえらんでシェイクするとかき氷用蜜の出来上がり。視線と思念で選択するのだけど、どうせならステータスで一覧になってもいいのにと思う。
氷の仲間にトマトジュースが入っているのはよくわからない。練乳と蜜はかき氷関連かなって思うけど。
このトマトジュース、キンキンに冷えていてホンノリ自然の甘味がしてとても美味しい。そういえばトマトのゼリーとかあったし、この加護のなかではトマトは果実の扱いなのかもしれない。
そして、氷を選ぶとその中に礫とか氷雨とか氷矢とかが見つかった。氷矢ですって。火矢ならわかるけど……と思いつつ試し打ちしてみると凄かった。
礫は氷の粒がビューンと手のひらから飛び出していくんだけど、その大きさを前もってセンチで決められるようになっていたのでとりあえず5センチにしてみたら。
礫で木に穴が開いた……怖い。
氷矢は木に突き刺さってやっぱり穴が開いた。
氷雨は円形に範囲指定ができて、そこに冷たい氷雨が降り注ぐ。これも何故か濃度があって90%までメモリがあった。濃度を弄らなければ普通の氷雨だけど、怖いから検証は止めておいた。
「なあ、これ、チートだよな。乳母たちを殲滅できるんじゃないか?」
「えっ、無理だよ。私に人は殺せない。というか、人に向かって矢なんて向けられないよ」
「うーん。俺たち、平和な日本の記憶があるからなぁ。でも、やられっぱなしっていうのも悔しくないか?」
「悔しいよ。今でも時々殴られるし」
「信じられないよな。お仕えしているお嬢様を殴るなんて」
「ホントだよ。でも、冒険者になるなら戦えないとまずいよね」
「俺、身体能力はかなり高いと思う。木刀も届いていたからとりあえず素振りもしているし、動物も狩りをしてるから小動物相手なら闘える」
「ウサギとか狐ね。でもこの世界、図鑑でしか見たことないけど魔獣とかいるみたいじゃない。冒険者って魔獣と戦わなくちゃいけないんでしょう?」
「そうなんだよな~。でも、ほら冒険者になったら新米のうちは冒険者学校とかあるから、そこで何とかなるんじゃないかな。街には魔獣除けがあって普通に暮らしている分には遭遇しないみたいだし」
うん。冒険者になったら取り合えず見習いで頑張って、加護の力を使って屋台を始めてそれからお店を開くのもいいかもしれない。12歳では子供過ぎて舐められそうだからやっぱり独立するのは18歳ぐらいかな。
一人でなくてお兄様がいて良かったと思う。まぁ、数か月違いで同い年なんだけど、昔からお兄様が欲しかったし、「お兄様」と呼びかけるのが何だか楽しい。お兄様も「お兄様」と呼ぶと嬉しそうだし、昔から妹が欲しかったって言っているから、お互いに良かったと思う。
二人でかき氷を食べてノンビリしてから夕飯を作った。今日の夕飯はウサギ肉の燻製入りリゾット。将来の為に小動物を狩っては血抜きして解体している。最初は無理! と思ったけど慣れたら大丈夫になった。燻製にしたら野生の肉も結構美味しい。
今は8月で暑いから乳母たちは涼しい部屋で昼間はのんびりとお昼寝をしている。その涼しいお部屋は私の部屋なんだけど、いつも乳母たちがタムロしているし最近はその部屋で夜も休んでいるせいで、私は1階の隅の本来は使用人の部屋で過ごしている。
おかげで抜け出し放題。夜もお兄様のお家で過ごしたいんだけど乳母達が何かの拍子で来たら困るからクローゼットの中にマットレスを引いてお布団重ねて寝ている。
多分、来ることはないと思うけど、一応、『隠蔽』の加護で姿を消してクローゼットの中には氷を立てて涼しくして居心地は良くしている。クローゼット、かなり広いから物置を兼ねているのかもしれない。
誰か来たらわかるように見えない糸を付けているし、大丈夫だと思う。
『隠蔽』のレベルが6になって完全に自分の姿を消せるようになったのはとても便利。だけど、見えなくなるだけだから気を付けて行動しないといけないけどね。
リーナ・アプリコット。
10歳
加護『液体』レベル8
加護『隠蔽』レベル6
私のステータスは見やすいけど不親切。加護とレベルだけしか出てこないんだもの。せめてレベルごとの説明があってもいいんじゃないかと思う。でも誕生日ごとにレベルが上がるようになったのは良かった。誕生日が来るちょっと前からレベルが上がりますようにと物凄くお祈りしているせいかもしれない。
誕生日にレベルが上がってほっとした。今日も暑い。
今日も今日とてお兄様のお家でオヤツを食べている。
オヤツはイチゴ蜜と練乳のかき氷。『液体』の加護レベル8になって何と氷が出せるようになった。
手の甲をじっと眺めると
氷 かき氷 トマトジュース 練乳 蜜 と出てくる。
氷は個体で液体ではないのにどうして『液体』の加護の中に含まれているのかわからない。お兄様がいうには氷は解けると水になるから大きな括りで『液体』に入ったのではないかと……。そう、なのかな?
扱える液体の種類がズラズラっと出てくるんだけど、かき氷を選んで蜜を選ぶとジュースが出てきて、その濃度が棒グラフみたいになって動かせる。それに蜜をえらんでシェイクするとかき氷用蜜の出来上がり。視線と思念で選択するのだけど、どうせならステータスで一覧になってもいいのにと思う。
氷の仲間にトマトジュースが入っているのはよくわからない。練乳と蜜はかき氷関連かなって思うけど。
このトマトジュース、キンキンに冷えていてホンノリ自然の甘味がしてとても美味しい。そういえばトマトのゼリーとかあったし、この加護のなかではトマトは果実の扱いなのかもしれない。
そして、氷を選ぶとその中に礫とか氷雨とか氷矢とかが見つかった。氷矢ですって。火矢ならわかるけど……と思いつつ試し打ちしてみると凄かった。
礫は氷の粒がビューンと手のひらから飛び出していくんだけど、その大きさを前もってセンチで決められるようになっていたのでとりあえず5センチにしてみたら。
礫で木に穴が開いた……怖い。
氷矢は木に突き刺さってやっぱり穴が開いた。
氷雨は円形に範囲指定ができて、そこに冷たい氷雨が降り注ぐ。これも何故か濃度があって90%までメモリがあった。濃度を弄らなければ普通の氷雨だけど、怖いから検証は止めておいた。
「なあ、これ、チートだよな。乳母たちを殲滅できるんじゃないか?」
「えっ、無理だよ。私に人は殺せない。というか、人に向かって矢なんて向けられないよ」
「うーん。俺たち、平和な日本の記憶があるからなぁ。でも、やられっぱなしっていうのも悔しくないか?」
「悔しいよ。今でも時々殴られるし」
「信じられないよな。お仕えしているお嬢様を殴るなんて」
「ホントだよ。でも、冒険者になるなら戦えないとまずいよね」
「俺、身体能力はかなり高いと思う。木刀も届いていたからとりあえず素振りもしているし、動物も狩りをしてるから小動物相手なら闘える」
「ウサギとか狐ね。でもこの世界、図鑑でしか見たことないけど魔獣とかいるみたいじゃない。冒険者って魔獣と戦わなくちゃいけないんでしょう?」
「そうなんだよな~。でも、ほら冒険者になったら新米のうちは冒険者学校とかあるから、そこで何とかなるんじゃないかな。街には魔獣除けがあって普通に暮らしている分には遭遇しないみたいだし」
うん。冒険者になったら取り合えず見習いで頑張って、加護の力を使って屋台を始めてそれからお店を開くのもいいかもしれない。12歳では子供過ぎて舐められそうだからやっぱり独立するのは18歳ぐらいかな。
一人でなくてお兄様がいて良かったと思う。まぁ、数か月違いで同い年なんだけど、昔からお兄様が欲しかったし、「お兄様」と呼びかけるのが何だか楽しい。お兄様も「お兄様」と呼ぶと嬉しそうだし、昔から妹が欲しかったって言っているから、お互いに良かったと思う。
二人でかき氷を食べてノンビリしてから夕飯を作った。今日の夕飯はウサギ肉の燻製入りリゾット。将来の為に小動物を狩っては血抜きして解体している。最初は無理! と思ったけど慣れたら大丈夫になった。燻製にしたら野生の肉も結構美味しい。
今は8月で暑いから乳母たちは涼しい部屋で昼間はのんびりとお昼寝をしている。その涼しいお部屋は私の部屋なんだけど、いつも乳母たちがタムロしているし最近はその部屋で夜も休んでいるせいで、私は1階の隅の本来は使用人の部屋で過ごしている。
おかげで抜け出し放題。夜もお兄様のお家で過ごしたいんだけど乳母達が何かの拍子で来たら困るからクローゼットの中にマットレスを引いてお布団重ねて寝ている。
多分、来ることはないと思うけど、一応、『隠蔽』の加護で姿を消してクローゼットの中には氷を立てて涼しくして居心地は良くしている。クローゼット、かなり広いから物置を兼ねているのかもしれない。
誰か来たらわかるように見えない糸を付けているし、大丈夫だと思う。
『隠蔽』のレベルが6になって完全に自分の姿を消せるようになったのはとても便利。だけど、見えなくなるだけだから気を付けて行動しないといけないけどね。
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