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第6章
第296話 番外編 キルナの巣篭もり※
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※以前公開した番外編、チョロいんオメガバースの続編です。まだ読んでない方はそちらを先にお読みくださいm(_ _)m
※俺様アルファクライス×チョロいんオメガのキルナ。前回の2ヶ月後。二回目のヒートという設定です。
※本編とは関係ありませんのでご注意ください。
***
『番になって結婚しよう』
そう約束した日から、気づけばもう二ヶ月が経とうとしていた。
番になる約束をした僕らは、その後すぐ両家の両親を説得して新居で生活することに。親にオメガだという告白をするのはすごく緊張したけれど、クライスがうまく説明してくれて話がまとまった。お母様が取り乱していたくらいであとは想像以上にスムーズだった。
もう、オメガだって隠さなくていいんだ。そう思うと、肩の力が抜けて息がしやすくなった。オメガだとわかっても、ユジンは「キル兄様~新居に遊びに行ってもいいですか?」と仲良くしてくれてるし、お父様は「何か入り用なものがあれば言いなさい」、と連絡をくれる。
いつもギクシャクしていた家族とこんなふうに会話できる日がくるなんて……。
彼には感謝してる。
ほんとにほんとに、どうやって感謝の気持ちを伝えたらいいのかわからないくらい。できることなんてとくに思い浮かばないけど、せめて得意な家事をしようと僕は張り切っていた。
「よし、珍しく早起きできたし、先に洗濯済ませちゃおうっと」
僕の服と、クライスの着ていたシャツ、ズボン、あとパンツ。(彼はトランクス派か、へぇ、僕と一緒!)
「…………ふぁあ。いい香り~。って、あ」
すんすんと彼のパ……の匂いを嗅いでいる自分、の気持ち悪さに気づいて呆然とする。ダメだ、ちゃんと洗濯しなきゃ。大きな洗濯かごをよいしょ、と持ち上げようとしたのだけど、急に身体中が熱くなってフラフラとよろめき尻餅をついた。落としたかごから大量の洗濯物が散らばる。早く拾わないとと思うのに、体がおかしい。なんで?
(何これ……お尻がむずむずする)
恐る恐るズボンを触ってみると、お尻の穴のところがびちょびちょに濡れていた。ぬとりとした透明の液体が指につき糸を引く。あ、これ、ヒートの時に出てくるやつ……。
「はぁ…はぁ…なんで? 発情期はまだ先のはずのに……」
以前学校で初めてヒート状態になった時は、倒れた僕をクライスが家に連れ帰って世話をしてくれたおかげで助かった。
でも、今日クライスはいない。どうしても手伝わないといけない用事があるから、って実家に帰っている。学校は休みだから保健医の先生もいない。一人で、なんとかしなきゃ。
でも、どうしよぅ。体は熱くて怠いし、意識も朦朧としてる。急激に症状が悪化してるみたい。薬(オメガ用の抑制剤を処方してもらった)を飲めばマシになるはずなのだけど、僕は薬が苦手で飲んでも吐いてしまう。それでも飲まなきゃと口に含んではみたものの、
「う、うぇ……ごほっ……」
胃の中のものを全て吐き出してしまい、諦めて口をゆすいだ。
洗面台の前にぐったりと横たわる。生理的な涙で視界がぼやけ、もうダメかも、と思った時だった。手元からふわりと大好きな甘い花の香りがして、ちょっとだけ不安な気持ちが和らぐ。
(クライスの、パンツ……)
僕は手に持っていたそれを握りしめた。これがあれば、なんとかなる気がする。
重い体を引きずって部屋中のクローゼットを開き、材料を集めた。できるだけたくさん欲しい。
バサバサとクライスのシャツやらズボンやらタオルやらハンカチやらパ……やらを部屋の中央に積み上げていく。彼がいつも使っている毛布とベッドのシーツも借りた。部屋にはこんもりと布の山ができている。
「で…できたぁ……」
ぼすっと正面からそれに飛び込めば彼の匂いに包まれた。すうっと息を吸い込み、目を閉じるとすぐそこに彼がいるかのよう。
(あぁ、幸せ……も…気持ちよくなりたい! 触りたい! 早く!)
完成した巣をゆっくりと満喫する暇も無く、着ていた服を全部脱いで(それはいらないから部屋の隅に追いやって)僕は一人濡れたお尻を弄りはじめた。
※俺様アルファクライス×チョロいんオメガのキルナ。前回の2ヶ月後。二回目のヒートという設定です。
※本編とは関係ありませんのでご注意ください。
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『番になって結婚しよう』
そう約束した日から、気づけばもう二ヶ月が経とうとしていた。
番になる約束をした僕らは、その後すぐ両家の両親を説得して新居で生活することに。親にオメガだという告白をするのはすごく緊張したけれど、クライスがうまく説明してくれて話がまとまった。お母様が取り乱していたくらいであとは想像以上にスムーズだった。
もう、オメガだって隠さなくていいんだ。そう思うと、肩の力が抜けて息がしやすくなった。オメガだとわかっても、ユジンは「キル兄様~新居に遊びに行ってもいいですか?」と仲良くしてくれてるし、お父様は「何か入り用なものがあれば言いなさい」、と連絡をくれる。
いつもギクシャクしていた家族とこんなふうに会話できる日がくるなんて……。
彼には感謝してる。
ほんとにほんとに、どうやって感謝の気持ちを伝えたらいいのかわからないくらい。できることなんてとくに思い浮かばないけど、せめて得意な家事をしようと僕は張り切っていた。
「よし、珍しく早起きできたし、先に洗濯済ませちゃおうっと」
僕の服と、クライスの着ていたシャツ、ズボン、あとパンツ。(彼はトランクス派か、へぇ、僕と一緒!)
「…………ふぁあ。いい香り~。って、あ」
すんすんと彼のパ……の匂いを嗅いでいる自分、の気持ち悪さに気づいて呆然とする。ダメだ、ちゃんと洗濯しなきゃ。大きな洗濯かごをよいしょ、と持ち上げようとしたのだけど、急に身体中が熱くなってフラフラとよろめき尻餅をついた。落としたかごから大量の洗濯物が散らばる。早く拾わないとと思うのに、体がおかしい。なんで?
(何これ……お尻がむずむずする)
恐る恐るズボンを触ってみると、お尻の穴のところがびちょびちょに濡れていた。ぬとりとした透明の液体が指につき糸を引く。あ、これ、ヒートの時に出てくるやつ……。
「はぁ…はぁ…なんで? 発情期はまだ先のはずのに……」
以前学校で初めてヒート状態になった時は、倒れた僕をクライスが家に連れ帰って世話をしてくれたおかげで助かった。
でも、今日クライスはいない。どうしても手伝わないといけない用事があるから、って実家に帰っている。学校は休みだから保健医の先生もいない。一人で、なんとかしなきゃ。
でも、どうしよぅ。体は熱くて怠いし、意識も朦朧としてる。急激に症状が悪化してるみたい。薬(オメガ用の抑制剤を処方してもらった)を飲めばマシになるはずなのだけど、僕は薬が苦手で飲んでも吐いてしまう。それでも飲まなきゃと口に含んではみたものの、
「う、うぇ……ごほっ……」
胃の中のものを全て吐き出してしまい、諦めて口をゆすいだ。
洗面台の前にぐったりと横たわる。生理的な涙で視界がぼやけ、もうダメかも、と思った時だった。手元からふわりと大好きな甘い花の香りがして、ちょっとだけ不安な気持ちが和らぐ。
(クライスの、パンツ……)
僕は手に持っていたそれを握りしめた。これがあれば、なんとかなる気がする。
重い体を引きずって部屋中のクローゼットを開き、材料を集めた。できるだけたくさん欲しい。
バサバサとクライスのシャツやらズボンやらタオルやらハンカチやらパ……やらを部屋の中央に積み上げていく。彼がいつも使っている毛布とベッドのシーツも借りた。部屋にはこんもりと布の山ができている。
「で…できたぁ……」
ぼすっと正面からそれに飛び込めば彼の匂いに包まれた。すうっと息を吸い込み、目を閉じるとすぐそこに彼がいるかのよう。
(あぁ、幸せ……も…気持ちよくなりたい! 触りたい! 早く!)
完成した巣をゆっくりと満喫する暇も無く、着ていた服を全部脱いで(それはいらないから部屋の隅に追いやって)僕は一人濡れたお尻を弄りはじめた。
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