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第7章

第330話 サプライズ誕生日パーティー⑧※

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「すまない、キルナに血を見せるなど……」
「大丈夫、鼻血はルゥので慣れたから。えと、ハンカチ。下向いて。あ、もう止まったの?」

そうか。クライスは魔法で治せるのか。血の跡も綺麗さっぱりクリーンの魔法で消えている。

「ごめん。僕が急にこんな格好してびっくりさせちゃったから。サプライズで驚かそうと思ったのだけど。まさか鼻血が出るなんて」

「いや、いいんだ。俺が勝手に興奮しすぎたのが悪い。色々俺のために考えてくれたんだな。嬉しい。だがその姿で好きにしていい、なんて言うのは危険すぎる。俺ならいいが、他所で言うなよ」

「クライスにしか言わないよ」

そう答えて微笑むとクライスは「そうか…俺にだけ…か」と嬉しそうに頬を染めた。

やっぱりこの言葉を今日使って正解だったみたい。お泊まり会の時に百戦錬磨の二人に習ったことに間違いはなかった。(他は忘れたけどこれだけはちゃんと覚えてた)

『いざという時にだけ使う魔法の言葉だよ。相手を悲しませたり、心配させたり、あとは喧嘩して仲直りしたい時とかに使うといいよ』
『王子様だけに使えるとっておきの言葉だね~』

クライスにお礼がしたい。そう思った時に思いついたのがこの言葉だった。


「僕を好きにして」
「本当にいいのか?」
「うん」

そこから彼の目つきが変わった。
湖の彼を連想させるその目はまるで猛獣……(また「ガオー」って言ってくれないかな?)

「キルナ、うつ伏せになって尻を高く上げて、可愛いしっぽをみせてくれ」

くるんとうつ伏せになり言われた通りの格好になった。さっき最後の一個を挿入した時と同じポーズでじっとする。

「はぁ、なんて可愛いんだ」

円を描くようにお尻を撫でられて、思わずしっぽを締め付け自爆。「ふにゃぁ」と声を上げてしまい、恥ずかしさに顔を枕に埋めようとしたら、もっといいモノを見つけた。

枕元にメフメフのぬいぐるみ……大きくて触り心地抜群のこれで顔を隠そう。枕をよけてぬいぐるみを代わりにしようとしたら、なぜかクライスに取り上げられてしまった。

「ああ、なんで取るの!?」

「こいつばっかりずるい、今日だってずっとこいつを抱えて寝てただろ。しかも寝言で、「クライス大好き~」と言いながらキスをしていた。その言葉は最高に嬉しかったが、キスするなら俺にして欲しかった……」

「んぇ?」 

もしかしてぬいぐるみにやきもち焼いてるの? っていうか、その後クライスってば僕にフェラしてたよね!? 


「ほら、俺にもキスしろ」

起き上がって膝立ちになり、ねている彼の肩に手を回し、ちゅうっとキスする。ん? 首筋を掴まれているせいで口が離れない。

歯列を割り、奥に侵入してきた舌に必死で対応する。今日は好きにしていいと言った手前、やめてとは言えない。ぷはっ、と息継ぎをしながら長い長いキスを受け入れる。

「ふぁ…甘い……」

そうしている間も、体に入っている尻尾がこりこりとイイトコロを刺激している。膨らんできたモノがTバックの小さく頼りない布から出てきそう……。もうきついし、脱ぐ? 

迷っていると、僕の考えを読み取ったように彼が下着を脱がせてくれた。そして僕の耳元で囁いた。

「キルナ、動かしてみてもいいか?」
「え?」

何を? と聞き返す前に、彼が僕のお腹に手を当てた。そして魔力を流し込む。

ヴィーーーン、ヴィンヴィン……

(んなああ動いたぁあ!)

なんと動き始めたのはしっぽ。振動がとてつもない快楽を生み出して僕は膝立ちでクライスの肩に腕を巻きつけたままぷるぷる震えることしかできない。

閉じることもできず緩んだ口からはしたなく涎がこぼれ落ちる。ペニスからポタポタと先走りをこぼして彼の服を濡らしている。目からも涙がとめどなく流れ、身体中の体液が溢れていく。

「やぅ…アっ……ふああ……」
「すごい乱れようだな。そんなにいいのか?」

こくこくこく。頷いて、泣く。気持ち良すぎてひいひいと鳴く。

「本当に辛かったら言え。すぐにやめるから」
「だいじょう…ぶ…」
「そうか。なら体をもう一度うつ伏せにするぞ。尻尾を触らせてくれ」
「ん。いい…よ」

丸いしっぽをさわさわしたいんだね。そういえばクライスはもふもふしたものが好きだった。前に僕がコスプレ玉で黒猫になった時も、しっぽばかり触りたがっていたし。この尻尾は前と違って魔道具だから、触られたって変な感じにはならないはず。

だけど、彼の触り方は、予想と大きく違っていた。


じゅっぽ、ぬく、じゅっぽ

「ふうあああ!!!!」

なんと尻尾を抜き差ししはじめた。一個、二個。つぷつぷと抜けたと思うと今度はずぷっと押し込まれる。しかもそれは振動していて。

「っくあはぁ、もっ。ぎぶあ…んにゃああぁ」
「穴が開いたり閉じたりして可愛い」

訳のわからない感想を言っているクライスに、ギブアップを告げようとして失敗する。何を言おうとしても変な声しか出ない。

つぷぷぷぷ。くぷぷぷぷ。

何度も往復するそれを止めることはできず、「なんか…ぁ…チカ…チカ…するぅ」と呟いたところで、ようやく僕がイキまくって死にそうになっていることに気づいてくれた。


「すまない、やりすぎた」
「はぁ…はぁ……だい……じょうぶだから……。クライスの挿れて…いいよ」
「え?」
「看病の時も僕ばっかり…気持ち良く…してもらってたでしょ? 今日はクライスが気持…ち良くなって」
「キルナ……ありがとう」

肘を伸ばして僕はきちんと四つん這いになってスタンバイした。
ズルズルとうさぎのしっぽが抜かれ、ぽかりと開いたそこに彼のが押し当てられる。

(キャンドルの火が揺らめくロマンチックな部屋で抱かれるってなんか、幸せ……)

愛する人の重みを感じながら、目を閉じた。



しかし、


「クライスぅ、もっ…むり…こわれるぅ…」

数時間後、愛する人に許しを乞う自分がいた。

(これで…何回目!? もうおなか、たぷたぷ……)

もーじゅーモードのクライスは、それはそれはすごかった。抜くこともなく何度も何度も注がれた。目がぐるんとひっくり返るような、想像を絶する快感に何度も見舞われる。体が掻き回されて、バラバラに砕け散りそう……。

「んああああ゛ぁああああああ」

ぐっちゃぐっちゃぐっちゃ……ぐっぷん!!  

「かはっ」

何日溜め込んでいたのか……、と思うくらいすごい量を中に出され、

(サプライズパーティーは成功したのかな?) 

その判断もできないまま僕の意識は薄れていく。焦った彼の手が、サイドボードに置いてあった懐中時計に触れた。クライスの魔力に反応し、金の表蓋が虹色に輝きはじめる。


「なんだ? これは……海?」


ーーあの日の海

ザーザーと波の音、初めて見た異世界の海の音が聞こえた気がした。
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