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第8章
第413話 番外編:キルナとクライスの後ろの席のモブSIDE
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このお話は特典SS書かねば~とパソコンに向かったものの眠くて眠くて。気がついたらできていたお話です。あまりにバカップルすぎる(笑)最後の寝た方がいいかも……という呟きまで書いて、パソコン消して寝ました(_ _).。o○
実際に提出したSSは『光飴作り』でばっちり書けたものですのでご安心ください。ぜひアニメイトやコミコミスタジオで手に入れていただけるとうれしいです。
ボツにしたSS ……というのもなんだか面白いので載せてみます。謎のモブ視点をどうぞ🥬(一年生一学期の話です)
***
俺は幸か不幸かすごい席に座っている。クライス王子とキルナ様のすぐ後ろの席で、お二人の様子がよく見えるのだ。もちろん会話もよく聞こえるわけで……
「おい、キルナ」
「なぁに?」
「リボンが曲がってるぞ」
「ん、ありがと。ってもう!! 直すふりして今キスしようとしたでしょ」
「ダメなのか?」
「むぅ、だ……めに決まってるでしょ、こんなとこじゃ……」
真っ赤な顔をして照れ、俯いてしまったキルナ様を、愛しげに見つめる王子。政略結婚なんじゃないか、という噂も聞いたことがあるが、これを見ればすぐに真実がわかるのにな~って思う。
(はあああ、いっつもこんな調子だもんな。どうみてもラブラブじゃん)
砂糖を吐きそうになりながらも黙々と授業を受ける。王立魔法学園は国内最高峰の学園だから内容もかなり難しいのだ。先生の話を一言一句聞き漏らさずにノートに書きとめなくては。
そして休み時間。大きな眼鏡をしていて一見地味に見えるキルナ様だが、中身は全然そんなことはないようで、実はかなり天然なんじゃないかと俺は思っている。そう、今だって……
「あのさ、クライス。今日ね、夢を見たの」
「どんな夢だ?」
「あのね、僕が野菜になっててね、こたつに入ってるの。そしたら、ちょっと足が皺々になってきて、びっくりしてクライスに抱きついたの」
「ほお。キルナの足が皺々に!? それは大変だな」
こたつってなんだ? そもそも野菜になってたという冒頭からして意味不明。この子、大丈夫か? というかこれにきちんと返事をしてあげる王子。優しすぎないか?
「それで、どうなったんだ?」
「僕泣いちゃったんだよ。野菜なんて嫌い! おいしくないからきっとだれにも食べられないままこのまま萎れて死んじゃうんだ~って悲しくなって……」
すると王子は涙目になったキルナ様に向かって優しく微笑んで言った。
「なるほど。それはいい夢だな。俺は野菜が好きだから食べられる」
「ほんと?」
「ああ、最後まで残さず全部食べるから大丈夫だ」
「よかった~」
なるほど、って。最初から最後まで意味不明の話だったことに驚きを隠せず聞き耳を立てていると、くるりと王子が振り返って俺を見た。
「おい、お前は野菜は好きか?」
これはどう答えるべきなのか。今の話で行くと野菜はイコールキルナ様で、食べるのは王子の役目で……
「いえ。そ、その……どちらかというと肉が、好きです」
「そうか」
「だよね~、野菜なんて食べられないよね!」
にっこり笑ったキルナ様の笑顔に一瞬見惚れ、ハッと我に返ると、クライス王子の怖い目が俺を見据えていて心臓がバクバクと鳴った。どうやら聞き耳を立てていたことがバレて牽制されたらしい。彼らが前に向き直りまた楽しげに喋り始めるのを見て、そっと胸を撫で下ろす。
(ふううううう危なかった! これ、好きって答えてたらどうなってたんだ?)
いちゃいちゃし続けるお二人から意識を逸らすために窓の外を見る。やけに角張った形の大きな雲を見つけ、ぼんやり眺めていると、「あ、あの四角い雲こたつに似てる」とはしゃぐキルナ様の声が聞こえた。
っていうか、こたつって何ですか???
***
って、なんじゃこれ
SS書くの難しい。
もう寝た方がいいかも(>ω<。)
実際に提出したSSは『光飴作り』でばっちり書けたものですのでご安心ください。ぜひアニメイトやコミコミスタジオで手に入れていただけるとうれしいです。
ボツにしたSS ……というのもなんだか面白いので載せてみます。謎のモブ視点をどうぞ🥬(一年生一学期の話です)
***
俺は幸か不幸かすごい席に座っている。クライス王子とキルナ様のすぐ後ろの席で、お二人の様子がよく見えるのだ。もちろん会話もよく聞こえるわけで……
「おい、キルナ」
「なぁに?」
「リボンが曲がってるぞ」
「ん、ありがと。ってもう!! 直すふりして今キスしようとしたでしょ」
「ダメなのか?」
「むぅ、だ……めに決まってるでしょ、こんなとこじゃ……」
真っ赤な顔をして照れ、俯いてしまったキルナ様を、愛しげに見つめる王子。政略結婚なんじゃないか、という噂も聞いたことがあるが、これを見ればすぐに真実がわかるのにな~って思う。
(はあああ、いっつもこんな調子だもんな。どうみてもラブラブじゃん)
砂糖を吐きそうになりながらも黙々と授業を受ける。王立魔法学園は国内最高峰の学園だから内容もかなり難しいのだ。先生の話を一言一句聞き漏らさずにノートに書きとめなくては。
そして休み時間。大きな眼鏡をしていて一見地味に見えるキルナ様だが、中身は全然そんなことはないようで、実はかなり天然なんじゃないかと俺は思っている。そう、今だって……
「あのさ、クライス。今日ね、夢を見たの」
「どんな夢だ?」
「あのね、僕が野菜になっててね、こたつに入ってるの。そしたら、ちょっと足が皺々になってきて、びっくりしてクライスに抱きついたの」
「ほお。キルナの足が皺々に!? それは大変だな」
こたつってなんだ? そもそも野菜になってたという冒頭からして意味不明。この子、大丈夫か? というかこれにきちんと返事をしてあげる王子。優しすぎないか?
「それで、どうなったんだ?」
「僕泣いちゃったんだよ。野菜なんて嫌い! おいしくないからきっとだれにも食べられないままこのまま萎れて死んじゃうんだ~って悲しくなって……」
すると王子は涙目になったキルナ様に向かって優しく微笑んで言った。
「なるほど。それはいい夢だな。俺は野菜が好きだから食べられる」
「ほんと?」
「ああ、最後まで残さず全部食べるから大丈夫だ」
「よかった~」
なるほど、って。最初から最後まで意味不明の話だったことに驚きを隠せず聞き耳を立てていると、くるりと王子が振り返って俺を見た。
「おい、お前は野菜は好きか?」
これはどう答えるべきなのか。今の話で行くと野菜はイコールキルナ様で、食べるのは王子の役目で……
「いえ。そ、その……どちらかというと肉が、好きです」
「そうか」
「だよね~、野菜なんて食べられないよね!」
にっこり笑ったキルナ様の笑顔に一瞬見惚れ、ハッと我に返ると、クライス王子の怖い目が俺を見据えていて心臓がバクバクと鳴った。どうやら聞き耳を立てていたことがバレて牽制されたらしい。彼らが前に向き直りまた楽しげに喋り始めるのを見て、そっと胸を撫で下ろす。
(ふううううう危なかった! これ、好きって答えてたらどうなってたんだ?)
いちゃいちゃし続けるお二人から意識を逸らすために窓の外を見る。やけに角張った形の大きな雲を見つけ、ぼんやり眺めていると、「あ、あの四角い雲こたつに似てる」とはしゃぐキルナ様の声が聞こえた。
っていうか、こたつって何ですか???
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って、なんじゃこれ
SS書くの難しい。
もう寝た方がいいかも(>ω<。)
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