この異世界は絶対にゆるふわVRMMOなんかじゃない!

もやもや、もやしん

文字の大きさ
8 / 19
第一章この章の後半を読んではいけない。

第7話 彼と彼女のオープニング7

しおりを挟む
「男の子なんですか!?」

 モンスターの無制限討伐に行く際、狩人としての登録が必要なのだが、こういう事が起こるとは思っていなかった。

「一応登録されてますけど暗証番号言ってもらって良いですか?」
「えーっと、20250220ですね」
「ありました、けど本当にご本人様ですか?」
「本人だよ!」

 何で確認した? 書いた表記より身長がちっさいからか?

「失礼ですがご年齢をお聞かせください」
「16だよ!」

 しかも、あと1ヶ月で誕生日だ。
 本当に僕の発育はどうなっているのやら。

「えーっとですね、それでは身長と性別だけ書き換えておきますね」

 なんで性別もなんだよ! なんか段々と腹立ってきたわ。

「これ、会員証です新しく作った受け取ってください」
「ありがとうございます」
「はぁ、身長ってなんで低いとこんなに損するんだろ」
「マスターちゃんと薬草買えましたよ偉いですか?」

 そうやって擦り寄ってくるナフィ。
 相変わらずいい匂いが鼻に伝わる。

「もういいから。行くよナフィ」
「えっ!? 何ですか無視ですか? いわゆるツンデレって奴ですか?」

 ガシッと腕を掴みながら言ってくるナフィ。
 薬草と手で一本の角を真似る様にゼスチャーした。
 正直に言うと構う程、気分に余裕がなかった。
 ただ、ナフィやカウンターの人に怒っている訳では無い。
 このゲームでスキンを作る時めちゃくちゃ見栄を張った自分が悪いのだ。
 もちろん見栄張ったっていつかはバレるとは思っていた。
 けどあんな疑い方しなくていいだろう。
 確かにここはリアルとゲームがごっちゃになってるからややこしいけど。

「マスターをツンツン、ツンツン、ツン!」

 頰っ辺を激しくツンツンしてくる。
 しかも、結構な回数。
 かなり鬱陶しいんだが。

「ツンツンまだですかねぇ、ツンツン」

 イラッ。

「止めなさい!」

 キツめに怒ってしまった。
 結構な怒鳴り具合いだったけど大丈夫かな?

「・・・・・・・・・・・・」

 ナフィは黙ったままだ。
 ちょっと大きな声出しすぎたかも知れない。

「ナフィ、ごめん怒りすぎたチュパッ」

 ・・・・・・チュパッ?
 怒りすぎたのたを言った後になにか棒状のものが口の中に入った。

「あぁ、マスターのお口の中暖かくてホワホワしてて気持ちいい」
「・・・・・・」

 こいつもう一回ツンツンする気だったな。
 イラッ!イラッ!

「マスター指を離してくれませんか? あっダメ噛んじゃダメ痛いっ痛いっ! ギャーーーー!!」

 そのまま口の中に入って来た指を噛みました。
 もちろん本気で噛むと不味いので加減はしていたのだけど。

「酷いです! 最低ですよ! 女の子にそんな痛い事しちゃダメなんですよ!」
「でも人が怒ってる時に鬱陶しい事してくるナフィもどうかと思うけど?」

 激しいテンポで互いにここからぶつかり合う。
 客観的に見れば子供っぽい喧嘩に見える。

「怒ってるってそんな事知りませんよ! 私が何したって言うんですか!」
「女装させたりとかツンツンして来たじゃないか!」
「私の愛情表現じゃないですか!」
「お前はどっかの鳥か!」
「鳥じゃありませんよ! 噛みつき猿!」
「どこが猿だ! この淫乱ピンク!」
「何をこの女装チビ!」

「「フンッ!」」

 2人共怒って同時に鼻を鳴らし互いに別の方向へ歩いて行った。


 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵
ファンタジー
 異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。  魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。  そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。  自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。  後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。  そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。  自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

処理中です...