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第四章・失律聖剣
8話 バーニング・フェニックス
しおりを挟む「こちらの扉も開きそうに無いっすね」
その言葉に、離れたところに立っている仮面の男はため息をついた。
「そうか。恐らくここに出水一味がいると踏んだんだが…既に移動したか…殺されたか」
仮面の男は完全に壊れて吹き抜けになっている屋根を見て、そうつぶやいた。
「…どうします?」
「…足で探す仕事は『下僕』の仕事だ。早く探して来いマヌケ…と言いたいところだが、ここで別れて動くのは少々危険か…うむ…引き続き探索するしか択は無いだろう…」
「そうっすね…ん?」
「どうした?」
「何か…来る‼︎」
瞬間、二人の目の前に、空から炎を纏った何かが凄まじい勢いで落ちてきた。辺りに爆炎と衝撃波を撒き散らし、それは家の跡地そのものを跡形もなく消し飛ばした。
「…あらァ…避けるとは上手ねぇ」
『何か』はそのように言うと、自らの羽を一回振り、辺りに漂っている大量の砂埃を払った。そこにいたのは、全身を赤く燃やす怪鳥だった。
「…須郷、大丈夫か?」
「大丈夫ですよ。扉の本も無事です…ってアンタの体が‼︎」
巨大な本を抱えながら、『挿絵のようになった』須郷が仮面の男の方を指差す。
「あの燃えている鳥…『桜庭』の情報にはない。恐らく『不死鳥』だとは思うが…」
「いやそれより、挿絵になっちゃってますよ俺たち‼︎」
「…ひとまず、なんの目的で近づいてきたのか、俺があの鳥野郎に聞いてくる」
そう言うと、仮面の男は不死鳥の前に出た。
「俺の名前は『サーヴァロ』…お前の名はなんだ?」
「…私は『ルイン』よ。よろしく」
三人の間に重い静寂と緊張感が波のように広がる。
「ハァ…重力操作の器『髪霧』」
そうサーヴァロが呟くと同時に、その腕から剣がニョキニョキと生え、それを完全に抜くと、サーヴァロはそれをゆっくりと構え、こう言った。
「『来い』」
瞬間、ルインの体がサーヴァロに引き寄せられる。だが、ルインはそれに怯みもせず自分の体表を燃やし、自らを引っ張る引力に対しては更にスピードを加えて飛んだ。
「…『次元斬り』」
そうサーヴァロが呟いた時には、その剣を持った右腕が左側に移動していた。ルインには、そうとしか『見えなかった』。
自分の身に何が起こったかにルインが気がついた時には、自分の体は頭から胴にかけて、『真っ二つ』になっていた。
「って、えぇ⁈話聞くんじゃないんですか⁈」
須郷が思わずつっこむ。
「こいつ見るからに不死鳥だし…多分生き返るだろ」
「そんな不用心な…」
「…強いわね…やはり、ダーリンの言っていた通りだわ」
その声を上げたのは、真っ二つになったルインの体だった。すると、段々ルインの体が激しい炎に包まれていき、やがて大火となって、あたりの大気をヒリヒリと乾燥させ始めた。そして、その大火が一瞬で無くなったかと思うと、その虚空から『人型』の何かが出てきた。
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