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第3章 配信者「姫宮みこと」
第46話 緊張
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その曲は、完成した瞬間から「ここへ来る」運命だったのだと思う。
桐立健太郎のスタジオで、最終ミックスが鳴り終わったとき、しばらく誰も言葉を発しなかった。
スピーカーから吐き出された余韻が、空気の中に薄く漂っている。
「……どうだい」
先に口を開いたのは桐立だった。
椅子にもたれ、腕を組みながら、こちらを見ている。その目はプロデューサーのものでもあり、作曲家のものでもあり、何より――歌に人生を捧げてきた人間の目だった。
「……正直、怖いです」
思わず本音が漏れた。
ノートパソコンのキーボードに置いた指先が、わずかに震えている。
「怖い?」
「はい。この曲……姫宮みことに、似合いすぎてて」
桐立は一瞬きょとんとした顔をしてから、腹を抱えて笑った。
「それは最高の褒め言葉だよ。歌はね、歌い手を選ぶ。逆もまた然りだ」
彼は立ち上がり、ミキサーの前に立つ。
「この曲は、君がここまで積み上げてきた全部を、正直に映してる。逃げ場も、ごまかしもない。だから――」
振り返り、真っ直ぐに言った。
「本番で歌えたら、必ず刺さる」
その言葉が、胸の奥に沈んだ。
逃げられない、という意味でもあった。
◇
リハーサル当日。
実際の収録現場に足を踏み入れた瞬間、空気が違うと分かった。
広いスタジオ。天井から吊られた無数の照明。床にはマーカーが貼られ、カメラレールが静かに光っている。
VTuberの出演を前提とした歌番組用の特設スタジオだった。
「ここが……本番か……」
スタッフに案内され、控室を抜ける。
途中、すれ違ったアーティストの中に、見覚えのある顔があった。
「あら? あなたが噂の……」
声をかけてきたのは、樫畑清美だった。
五十七歳とは思えない張りのある声と、派手すぎない衣装。演歌とポップスを融合させ、若者層にまで浸透した異色の演歌歌手だ。
「初めまして。樫畑です」
「……姫宮みこと、です」
軽く頭を下げると、彼女は目を細めて笑った。
「不思議ね。顔は見えないのに、雰囲気で分かるの」
「……?」
「歌、楽しみにしてるわ。いい声の人は、立ってるだけで分かるものよ」
それだけ言って、颯爽と去っていった。
背中を見送りながら、背筋が伸びる。
◇
収録方法の説明は、リハーサル前に行われた。
姫宮みことはステージに「立つ」わけではない。
実際には、隣のモーションキャプチャールームで歌う。
全身にはセンサー付きのスーツ。
顔の前には高性能カメラが固定され、表情をリアルタイムで読み取る。
歌声は高品質マイクで収録され、ボイスチェンジャーを通して姫宮の声に変換される。
それらのデータは即座に統合され、3Dモデルに反映。
スタジオ側では、AR合成によって、まるでそこに姫宮みことが「存在している」かのように映し出される。
「生放送じゃないから、多少の補正は後でできるけど」
スタッフが説明する。
「基本は一発勝負です。感情のノリは、その瞬間しか出ませんから」
つまり――歌手と同じだ。
◇
リハーサルは、容赦なかった。
「そこ、息が浅い」
「母音が前に出すぎてる」
「感情を乗せる前に、音程を信用しすぎない」
桐立の指摘は的確で、逃げ道がない。
歌に関して、彼は徹底的にプロだった。
何度も歌い直し、喉が熱を持つ。
それでも、桐立は止めなかった。
「まだいける。姫宮みことは、こんなもんじゃない」
その言葉だけが、支えだった。
◇
本番。
スタジオの照明が落ち、カウントが始まる。
モニターの向こうで、姫宮みことが微笑む。
――歌い出し。
世界が、静まった。
音が、言葉が、感情が、一直線に伸びていく。
練習も、迷いも、全部まとめて――ここへ来た。
最後のフレーズを歌い終え、余韻が消える。
数秒の沈黙。
そして、拍手。
モーションキャプチャールームの外からも、はっきり聞こえた。
◇
収録後。
機材を外し、控室に戻る途中で、桐立に呼び止められた。
「姫宮」
振り返る。
彼は、珍しく少し照れたように笑っていた。
「やっぱり、姫宮みことは天才だ」
「……そんな」
「とても光栄なことだよ。君の歌に、俺の曲が乗るなんて」
その言葉は、作曲家としての最大級の賛辞だった。
◇◆◇◆
テレビ放送までは、まだ三週間ほどあった。
それが、やけに長く感じられる。
出演者の正式発表はまだで、守秘義務の塊みたいな契約書が頭の中に貼り付いているせいで、配信でも一言も触れられない。
「今日はねー、いつもどおり雑談と歌、だよっ」
モニターの向こうで、姫宮みことがいつもの笑顔を浮かべる。
配信開始から数分で、コメント欄は賑やかになっていた。
〈こんみこ!〉
〈今日もかわいい〉
〈声の調子よさそう〉
「ありがと。今日はちょっと歌いたい気分なんだ」
内心は、ずっと落ち着かない。
あのスタジオ、あの照明、桐立の言葉。
全部が、まだ身体の奥に残っている。
けれど、それを匂わせるわけにはいかない。
何もなかった顔で、いつも通りを演じる。
「じゃあ、一曲目いくよー」
歌い始めると、自然と呼吸が整った。
コメントが流れ、リスナーとの距離が戻ってくる。
〈最近歌うまくなってない?〉
〈声の伸びが違う〉
「そ、そうかな……? 気のせいじゃない?」
はぐらかしながらも、少しだけ嬉しい。
あの厳しい指導が、確かに血肉になっている。
雑談に戻ると、いつもの話題になる。
「最近? うーん、相変わらずボイトレ行ったり、ジム行ったりだね」
〈意識高い〉
〈プロ目指してる?〉
「ま、まぁ……健康のため、かな?」
コメント欄に草が生える。
こうして笑っていられる時間が、今はありがたかった。
配信を終え、機材を片付けていると、玄関の音がした。
「ただいまー!」
雪乃が帰ってきた。
ほどなくして、リビングに飛び込んでくる。
「おかえり……」
言いかけたところで、雪乃の目がきらきらしているのに気づいた。
「ねえねえ! テレビの収録どうだった!?」
思わず、肩が跳ねる。
「……ど、どうしてそれを」
「だって、最近そわそわしてるし。絶対そうだと思った!」
誤魔化しきれない。
ため息をついて、正直に答える。
「……褒められたよ。なんとかできた、かな……」
「えっ、すごいじゃん!」
雪乃は自分のことのように喜んで、拳を握った。
「放送、楽しみだね!」
「……うん」
その夜は、少しだけよく眠れた。
◇
二週間後。
テレビ放送の一週間前になって、ついに出演者の発表が行われた。
桐立健太郎の名前。
樫畑清美の名前。
そして――姫宮みこと。
配信を始める前から、通知が止まらない。
〈姫宮みこと!?〉
〈まじでテレビ!?〉
〈おめでとう!!〉
一方で、SNSの向こう側では、冷たい声もあった。
〈誰これ?〉
〈またVtuberかよ〉
〈どうせ中身オッサンでしょ〉
胸の奥が、きゅっと縮む。
分かっていたはずなのに、実際に見ると、やはり効く。
それでも、その日の配信は、異様な熱気に包まれていた。
〈テレビ出演おめでとう!〉
〈スパチャをオンにしてくれ!〉
〈投げ銭させてくれぇ!〉
「えっ、えっ……?」
コメントの勢いに、思わず声が裏返る。
「そ、そんな……」
〈祝わせて!〉
〈お祭りだろ!〉
しばらく迷ってから、苦笑しながら言った。
「……そ、そんなに言うなら、放送後配信でオンにするね」
コメント欄が爆発した。
◇
そして、放送日当日。
朝から、変な汗が滲んでいた。
ジムでのトレーニングも、集中できない。
胸の奥が、ずっとざわついている。
放送は夜のゴールデンタイムなのに、心臓はもう走り続けていた。
学校終わりに朝来野くんと遊びに出ることが多かった雪乃も、今日は珍しく早く帰ってきた。
「今日は、家で見るから!」
その言葉だけで、救われた気がした。
十九時からの放送。
なのに、十七時頃から、二人でテレビの前に座り込む。
「まだかな……」
「まだだよ」
リモコンを握る手が、汗ばんでいる。
雪乃も、落ち着かない様子で画面を見つめていた。
カウントダウンの番組予告が流れる。
――もうすぐだ。
逃げ場はない。
けれど、ここまで来た。
胸の高鳴りは、恐怖だけじゃない。
期待も、確かに混じっていた。
テレビの前に二人並んで、その瞬間を待つ。
桐立健太郎のスタジオで、最終ミックスが鳴り終わったとき、しばらく誰も言葉を発しなかった。
スピーカーから吐き出された余韻が、空気の中に薄く漂っている。
「……どうだい」
先に口を開いたのは桐立だった。
椅子にもたれ、腕を組みながら、こちらを見ている。その目はプロデューサーのものでもあり、作曲家のものでもあり、何より――歌に人生を捧げてきた人間の目だった。
「……正直、怖いです」
思わず本音が漏れた。
ノートパソコンのキーボードに置いた指先が、わずかに震えている。
「怖い?」
「はい。この曲……姫宮みことに、似合いすぎてて」
桐立は一瞬きょとんとした顔をしてから、腹を抱えて笑った。
「それは最高の褒め言葉だよ。歌はね、歌い手を選ぶ。逆もまた然りだ」
彼は立ち上がり、ミキサーの前に立つ。
「この曲は、君がここまで積み上げてきた全部を、正直に映してる。逃げ場も、ごまかしもない。だから――」
振り返り、真っ直ぐに言った。
「本番で歌えたら、必ず刺さる」
その言葉が、胸の奥に沈んだ。
逃げられない、という意味でもあった。
◇
リハーサル当日。
実際の収録現場に足を踏み入れた瞬間、空気が違うと分かった。
広いスタジオ。天井から吊られた無数の照明。床にはマーカーが貼られ、カメラレールが静かに光っている。
VTuberの出演を前提とした歌番組用の特設スタジオだった。
「ここが……本番か……」
スタッフに案内され、控室を抜ける。
途中、すれ違ったアーティストの中に、見覚えのある顔があった。
「あら? あなたが噂の……」
声をかけてきたのは、樫畑清美だった。
五十七歳とは思えない張りのある声と、派手すぎない衣装。演歌とポップスを融合させ、若者層にまで浸透した異色の演歌歌手だ。
「初めまして。樫畑です」
「……姫宮みこと、です」
軽く頭を下げると、彼女は目を細めて笑った。
「不思議ね。顔は見えないのに、雰囲気で分かるの」
「……?」
「歌、楽しみにしてるわ。いい声の人は、立ってるだけで分かるものよ」
それだけ言って、颯爽と去っていった。
背中を見送りながら、背筋が伸びる。
◇
収録方法の説明は、リハーサル前に行われた。
姫宮みことはステージに「立つ」わけではない。
実際には、隣のモーションキャプチャールームで歌う。
全身にはセンサー付きのスーツ。
顔の前には高性能カメラが固定され、表情をリアルタイムで読み取る。
歌声は高品質マイクで収録され、ボイスチェンジャーを通して姫宮の声に変換される。
それらのデータは即座に統合され、3Dモデルに反映。
スタジオ側では、AR合成によって、まるでそこに姫宮みことが「存在している」かのように映し出される。
「生放送じゃないから、多少の補正は後でできるけど」
スタッフが説明する。
「基本は一発勝負です。感情のノリは、その瞬間しか出ませんから」
つまり――歌手と同じだ。
◇
リハーサルは、容赦なかった。
「そこ、息が浅い」
「母音が前に出すぎてる」
「感情を乗せる前に、音程を信用しすぎない」
桐立の指摘は的確で、逃げ道がない。
歌に関して、彼は徹底的にプロだった。
何度も歌い直し、喉が熱を持つ。
それでも、桐立は止めなかった。
「まだいける。姫宮みことは、こんなもんじゃない」
その言葉だけが、支えだった。
◇
本番。
スタジオの照明が落ち、カウントが始まる。
モニターの向こうで、姫宮みことが微笑む。
――歌い出し。
世界が、静まった。
音が、言葉が、感情が、一直線に伸びていく。
練習も、迷いも、全部まとめて――ここへ来た。
最後のフレーズを歌い終え、余韻が消える。
数秒の沈黙。
そして、拍手。
モーションキャプチャールームの外からも、はっきり聞こえた。
◇
収録後。
機材を外し、控室に戻る途中で、桐立に呼び止められた。
「姫宮」
振り返る。
彼は、珍しく少し照れたように笑っていた。
「やっぱり、姫宮みことは天才だ」
「……そんな」
「とても光栄なことだよ。君の歌に、俺の曲が乗るなんて」
その言葉は、作曲家としての最大級の賛辞だった。
◇◆◇◆
テレビ放送までは、まだ三週間ほどあった。
それが、やけに長く感じられる。
出演者の正式発表はまだで、守秘義務の塊みたいな契約書が頭の中に貼り付いているせいで、配信でも一言も触れられない。
「今日はねー、いつもどおり雑談と歌、だよっ」
モニターの向こうで、姫宮みことがいつもの笑顔を浮かべる。
配信開始から数分で、コメント欄は賑やかになっていた。
〈こんみこ!〉
〈今日もかわいい〉
〈声の調子よさそう〉
「ありがと。今日はちょっと歌いたい気分なんだ」
内心は、ずっと落ち着かない。
あのスタジオ、あの照明、桐立の言葉。
全部が、まだ身体の奥に残っている。
けれど、それを匂わせるわけにはいかない。
何もなかった顔で、いつも通りを演じる。
「じゃあ、一曲目いくよー」
歌い始めると、自然と呼吸が整った。
コメントが流れ、リスナーとの距離が戻ってくる。
〈最近歌うまくなってない?〉
〈声の伸びが違う〉
「そ、そうかな……? 気のせいじゃない?」
はぐらかしながらも、少しだけ嬉しい。
あの厳しい指導が、確かに血肉になっている。
雑談に戻ると、いつもの話題になる。
「最近? うーん、相変わらずボイトレ行ったり、ジム行ったりだね」
〈意識高い〉
〈プロ目指してる?〉
「ま、まぁ……健康のため、かな?」
コメント欄に草が生える。
こうして笑っていられる時間が、今はありがたかった。
配信を終え、機材を片付けていると、玄関の音がした。
「ただいまー!」
雪乃が帰ってきた。
ほどなくして、リビングに飛び込んでくる。
「おかえり……」
言いかけたところで、雪乃の目がきらきらしているのに気づいた。
「ねえねえ! テレビの収録どうだった!?」
思わず、肩が跳ねる。
「……ど、どうしてそれを」
「だって、最近そわそわしてるし。絶対そうだと思った!」
誤魔化しきれない。
ため息をついて、正直に答える。
「……褒められたよ。なんとかできた、かな……」
「えっ、すごいじゃん!」
雪乃は自分のことのように喜んで、拳を握った。
「放送、楽しみだね!」
「……うん」
その夜は、少しだけよく眠れた。
◇
二週間後。
テレビ放送の一週間前になって、ついに出演者の発表が行われた。
桐立健太郎の名前。
樫畑清美の名前。
そして――姫宮みこと。
配信を始める前から、通知が止まらない。
〈姫宮みこと!?〉
〈まじでテレビ!?〉
〈おめでとう!!〉
一方で、SNSの向こう側では、冷たい声もあった。
〈誰これ?〉
〈またVtuberかよ〉
〈どうせ中身オッサンでしょ〉
胸の奥が、きゅっと縮む。
分かっていたはずなのに、実際に見ると、やはり効く。
それでも、その日の配信は、異様な熱気に包まれていた。
〈テレビ出演おめでとう!〉
〈スパチャをオンにしてくれ!〉
〈投げ銭させてくれぇ!〉
「えっ、えっ……?」
コメントの勢いに、思わず声が裏返る。
「そ、そんな……」
〈祝わせて!〉
〈お祭りだろ!〉
しばらく迷ってから、苦笑しながら言った。
「……そ、そんなに言うなら、放送後配信でオンにするね」
コメント欄が爆発した。
◇
そして、放送日当日。
朝から、変な汗が滲んでいた。
ジムでのトレーニングも、集中できない。
胸の奥が、ずっとざわついている。
放送は夜のゴールデンタイムなのに、心臓はもう走り続けていた。
学校終わりに朝来野くんと遊びに出ることが多かった雪乃も、今日は珍しく早く帰ってきた。
「今日は、家で見るから!」
その言葉だけで、救われた気がした。
十九時からの放送。
なのに、十七時頃から、二人でテレビの前に座り込む。
「まだかな……」
「まだだよ」
リモコンを握る手が、汗ばんでいる。
雪乃も、落ち着かない様子で画面を見つめていた。
カウントダウンの番組予告が流れる。
――もうすぐだ。
逃げ場はない。
けれど、ここまで来た。
胸の高鳴りは、恐怖だけじゃない。
期待も、確かに混じっていた。
テレビの前に二人並んで、その瞬間を待つ。
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