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4年目 新しい日々の始まり
第73話 すごいフロリダ
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朝は7時にロビーに集合し、ホテルの周辺を散歩だ。
僕は朝は得意な方ではない(三田村ほど苦手でもない)が、フロリダの原色の青い空、海を見て、心地良い風を感じると、寝ているのがもったいないとすら感じる。
見るもの全てが新しく、珍しく、否が応でもテンションの高まりを感じた。
散歩の後は、ボリュームたっぷりの朝食だ。
ビュッフェ形式になっており、多種多様な料理が用意されている。
大きさもアメリカンサイズというのか、一つ一つが大きいので食べ過ぎには注意する必要がある。
もし、僕の妹が一緒に来ていたら、デザートのエリアから離れないだろう。
(痩せているが、スイーツには異常な執着を見せる。周りから見ると、普段ろくなものを食べていないみたいで、一緒にいると恥ずかしくなる)
8時半にホテルのロビーに集合し、バスで練習で使用する野球場に向かうそうだ。
バスはさすがに日本と同じくらいの大きさだったが、中は余裕を持った配席となっており、この自主トレの期間中、借り切ったそうだ。
バスは20分もしないうちに、野球場に着いたが、中々止まらなかった。
というのも野球場が連続して幾つもあり、その中の一つを貸し切っているとのことだ。
全てが日本とはスケールが違う。
一つ一つの野球場が静岡オーシャンズの二軍球場に匹敵する大きさであり、そんなのが十以上も連続してあるのだ。
ようやくバスは駐車場に入り、僕は練習場となる球場を見上げた。
ライトブルーの外壁に、ちょっとした電動のスコアボード、数百人規模の観客席もある。
中に入ると、グラウンドは天然芝で、鮮やかな緑色をしており、これが青いフロリダの空と見事に調和していた。
「おい、隆。口が開きっぱなしだぞ」と谷口。
「しょうがねぇだろ。驚いてばかりなんだから。さすがアメリカだな」
「おいおい、谷口。
お前も2年前来たとき、似たようなものだったろ。
暫くキョロキョロしっぱなしだったぜ」と黒沢さん。
「凄ぇだろ、アメリカ。スケールが違うよな。
俺も来年はアメリカで野球をしたいぜ」と中本さん。
「あれ、問題発言が出ましたよ。今季終了後、ポスティング申請ですか?」と与田さん。
「海外フリーエージェントの資格取得は来年だっけ?」と道岡さん。
「ああ、順調に行けばな。
でも1年でも早く行きたいから、球団からは今年の成績次第で認めてやる、と言われている」
一流選手の会話は凄いな。
海外フリーエージェントに、ポスティング申請か。
どちらも僕には縁遠い話だ。
「ハロー、ミスタークロサワ」
身長が2メートルはありそうな大柄の筋肉質の黒人男性が、それぞれ異なるユニフォームを着た選手を十人ほど引き連れて近づいてきた。
「オー、バローズ。何だかかんだか……」
(作者注:主人公は英語が全く分からないため、このように聞こえたようです)
「昔、泉州ブラックスにいたバローズだ。知っているだろう。」と中本さんが僕に囁いた。
泉州ブラックスのバローズって、ホームラン王を何回か取ったあのバローズか。
日本球界を去ってから4、5年になる。
「今はアメリカで泉州ブラックスの駐米スカウトをやっていて、いつも黒沢さんの自主トレを手伝ってくれているんだ」と谷口。
後ろの選手はバローズの知り合いのマイナーリーガーや、独立リーガーらしい。
「まあ言うなれば、合同自主トレだな」と与田さん。
「色々な特長を持った選手がいて、良い経験になるぜ」と道岡さん。
確かに面白いことになりそうだ。
自主トレはランニング、ストレッチ、キャッチボールで体をほぐし、それからポール間走、ベースランニング。
インターバルを取りながらだが、一つ一つはハードだ。
それから昼食を食べ、14時までは休憩。
(昼食のボリュームも多く、僕は食べた後暫く動けなかった)
午後からはトレーニングジムに入り、それぞれ思い思いのメニューをこなした。
僕は今年は瞬発力とパワーの両立を課題にしており、静岡オーシャンズ時代にトレーナーに作って貰ったメニューをこなした。
その後はグラウンドでフリスビー遊び。
瞬発力を付ける練習になるそうだ。本当か?
というように一日目が終わった。
正直、練習負荷はそれほど大きく無かった。
「なあ、あんな量の練習でいいのかな」
僕はホテルの部屋に戻って、谷口に聞いた。
「俺も最初に参加した時は不安に感じたよ。
まあ負荷は少しずつ増えていくから安心しな。
というよりも先輩方の一つ一つの練習への集中力を見たか?」
谷口は今回の自主トレは量より質をテーマにしていると言っていた。
確かに少しでも一流選手のやり方を身につけて帰りたい。
夕食はまた朝食、昼食と比較しても凄い量が出た。
特にステーキ。
僕の顔と同じくらいの大きさで、厚さも2、3センチはあるのではないだろうか。
それを谷口も含め、バクバクと食べている。
確かに柔らかくて美味しいが、こんな量を食べるのは初めてだ。
「食べるのもトレーニングのうちだぞ」と黒沢さん。
いっぱい食べて、いっぱい動く。
これもプロとして重要な資質かもしれない。
僕は朝は得意な方ではない(三田村ほど苦手でもない)が、フロリダの原色の青い空、海を見て、心地良い風を感じると、寝ているのがもったいないとすら感じる。
見るもの全てが新しく、珍しく、否が応でもテンションの高まりを感じた。
散歩の後は、ボリュームたっぷりの朝食だ。
ビュッフェ形式になっており、多種多様な料理が用意されている。
大きさもアメリカンサイズというのか、一つ一つが大きいので食べ過ぎには注意する必要がある。
もし、僕の妹が一緒に来ていたら、デザートのエリアから離れないだろう。
(痩せているが、スイーツには異常な執着を見せる。周りから見ると、普段ろくなものを食べていないみたいで、一緒にいると恥ずかしくなる)
8時半にホテルのロビーに集合し、バスで練習で使用する野球場に向かうそうだ。
バスはさすがに日本と同じくらいの大きさだったが、中は余裕を持った配席となっており、この自主トレの期間中、借り切ったそうだ。
バスは20分もしないうちに、野球場に着いたが、中々止まらなかった。
というのも野球場が連続して幾つもあり、その中の一つを貸し切っているとのことだ。
全てが日本とはスケールが違う。
一つ一つの野球場が静岡オーシャンズの二軍球場に匹敵する大きさであり、そんなのが十以上も連続してあるのだ。
ようやくバスは駐車場に入り、僕は練習場となる球場を見上げた。
ライトブルーの外壁に、ちょっとした電動のスコアボード、数百人規模の観客席もある。
中に入ると、グラウンドは天然芝で、鮮やかな緑色をしており、これが青いフロリダの空と見事に調和していた。
「おい、隆。口が開きっぱなしだぞ」と谷口。
「しょうがねぇだろ。驚いてばかりなんだから。さすがアメリカだな」
「おいおい、谷口。
お前も2年前来たとき、似たようなものだったろ。
暫くキョロキョロしっぱなしだったぜ」と黒沢さん。
「凄ぇだろ、アメリカ。スケールが違うよな。
俺も来年はアメリカで野球をしたいぜ」と中本さん。
「あれ、問題発言が出ましたよ。今季終了後、ポスティング申請ですか?」と与田さん。
「海外フリーエージェントの資格取得は来年だっけ?」と道岡さん。
「ああ、順調に行けばな。
でも1年でも早く行きたいから、球団からは今年の成績次第で認めてやる、と言われている」
一流選手の会話は凄いな。
海外フリーエージェントに、ポスティング申請か。
どちらも僕には縁遠い話だ。
「ハロー、ミスタークロサワ」
身長が2メートルはありそうな大柄の筋肉質の黒人男性が、それぞれ異なるユニフォームを着た選手を十人ほど引き連れて近づいてきた。
「オー、バローズ。何だかかんだか……」
(作者注:主人公は英語が全く分からないため、このように聞こえたようです)
「昔、泉州ブラックスにいたバローズだ。知っているだろう。」と中本さんが僕に囁いた。
泉州ブラックスのバローズって、ホームラン王を何回か取ったあのバローズか。
日本球界を去ってから4、5年になる。
「今はアメリカで泉州ブラックスの駐米スカウトをやっていて、いつも黒沢さんの自主トレを手伝ってくれているんだ」と谷口。
後ろの選手はバローズの知り合いのマイナーリーガーや、独立リーガーらしい。
「まあ言うなれば、合同自主トレだな」と与田さん。
「色々な特長を持った選手がいて、良い経験になるぜ」と道岡さん。
確かに面白いことになりそうだ。
自主トレはランニング、ストレッチ、キャッチボールで体をほぐし、それからポール間走、ベースランニング。
インターバルを取りながらだが、一つ一つはハードだ。
それから昼食を食べ、14時までは休憩。
(昼食のボリュームも多く、僕は食べた後暫く動けなかった)
午後からはトレーニングジムに入り、それぞれ思い思いのメニューをこなした。
僕は今年は瞬発力とパワーの両立を課題にしており、静岡オーシャンズ時代にトレーナーに作って貰ったメニューをこなした。
その後はグラウンドでフリスビー遊び。
瞬発力を付ける練習になるそうだ。本当か?
というように一日目が終わった。
正直、練習負荷はそれほど大きく無かった。
「なあ、あんな量の練習でいいのかな」
僕はホテルの部屋に戻って、谷口に聞いた。
「俺も最初に参加した時は不安に感じたよ。
まあ負荷は少しずつ増えていくから安心しな。
というよりも先輩方の一つ一つの練習への集中力を見たか?」
谷口は今回の自主トレは量より質をテーマにしていると言っていた。
確かに少しでも一流選手のやり方を身につけて帰りたい。
夕食はまた朝食、昼食と比較しても凄い量が出た。
特にステーキ。
僕の顔と同じくらいの大きさで、厚さも2、3センチはあるのではないだろうか。
それを谷口も含め、バクバクと食べている。
確かに柔らかくて美味しいが、こんな量を食べるのは初めてだ。
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