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7.冒険者
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それからどれだけの日々が経ったか、もう覚えていない。
俺は何度も妊娠と出産を繰り返した。俺は母体として優秀らしく、出産後すぐにまた孕んだ。食料集めなどをせず、起きている時間はほとんど全てセックスに当てていたからかもしれない。
それだけ俺はオークの群れで人気だった。出産は苦しいが、それと共に襲う絶頂は格別だった。その時ぐらいでしか俺は射精出来なくなっていた。
ある日オークの巣は何やら喧騒に包まれていたが、俺はセックスするので手一杯だった。腹は出産を数ヶ月後に控えていて、常時膨らんだままで母乳を滲ませる乳房を揉まれながら対面座位でまぐわうのはとても気持ち良かった。
やがて慌ただしい駆け足が近付いて来た。
「フゴッ! フゴフゴッ……!」
駆け込んで来た若いオークが倒れ伏す。その後ろから現れたのは凛々しい冒険者の一行だった。随分な手練なのだろう、周囲への警戒も武器の構えにも隙は無い。
だが彼らは俺を見て驚いたようだった。
「なっ……! 人間……!?」
「ってかあれ、もしかして……ずっと行方不明になってた……!」
「で、でも何だよ……これ、どうなって……!?」
俺はそこでぼんやりと思い出した。俺が目醒める前、俺も確か冒険者だった。人間の群れが集まる場所で少し知られていた。何か目標があって、それで一目置かれていたような気がする。だが詳細な部分は全く思い出せなかった。
だがその冒険者達の姿に思い当たる節があった。特に先頭に立つ立派な戦士。凛々しく屈強だが、その眼差しには優しさもある。
ああそうだ。俺は彼らが若い頃に出会ったことがある。そして——この男に抱かれたかったのだ。
「なぁ君達、こっちへおいで。気持ち良いことをしよう」
「は……!?」
「何だこいつ、狂ってるのか!?」
俺が手を伸ばすと冒険者達は警戒を強めた。俺とセックスしていたオークもその身を離して武器を手にする。なんて悲しいことだ。だが冒険者にとってオークは討伐対象で、オークにとって冒険者は平和な暮らしを脅かす存在だ。対立は否めないのだろう。
「待ってくれ、不要な争いはやめよう」
「おい、どうする!? こいつも斬るか!?」
「術か何かに掛かっているのかもしれない。まずはオークを片付けよう」
俺の言葉は誰にも届かなかった。俺の伸ばした手は宙を切り、オークと冒険者が武器を打ち合わせる。
だが元々の技量差がある上に一対多。後方からの魔術と弓の攻撃により、オークはあっという間に倒されてしまった。俺にとってオークは家族同然の存在になっていた。だが巣穴は静けさに包まれている。これが最後の1匹だったのだろう。
「あ……」
俺はへたり込んで亡骸を見詰めていたが、不思議と涙は出なかった。それどころか何か憑き物が落ちていくような感覚がする。
俺は何をしていたんだっけ。冷静になると、ズンと腹の重さを改めて感じた。
俺の腹は異様に膨れていた。この中にオークの子が入っていると思うと俺は一気に怖気だった。男にしては異様に膨らみ、母乳を滲ませている乳房も我ながら信じられない。
ああそうだ、俺は呪いに掛かっていたのだ。モンスターを伴侶として、種付けをされたくなる恐ろしい呪い。それをようやく自覚した。
「……大丈夫か?」
冒険者達が近付いて来て声を掛けた。俺はハッと我に返り、自分がどれだけ恥ずかしい姿をしているかに気付いて顔が熱くなった。
オークに孕まされているだけではない、そもそも俺は全裸だった。そんなことにすら気付かずにいたなんて恥辱の極みだった。俺は咄嗟に手で股間を隠した。
「す、すまない……俺は、おかしくなっていたみたいだ……」
俺の様子に、何かの変化があったことを冒険者達も察したようだった。仲間内で顔を見合わせた後、戦士がそっと微笑む。
「良かった、正気に戻ったんですね。……僕はこのパーティのリーダーをしてる者です。貴方を助けられて良かった」
そう言って彼は手を差し伸べた。その笑顔に俺はドキリとする。彼の眼差しは優しく、強い意志が感じられる。それは初めて会った時から変わりない印象だった。
「あ、ああ……ありがとう」
戸惑いながらもその手を取り握手を交わすと、戦士は俺の手を引いて立たせてくれた。身重の俺の身体を支えながら、パーティメンバーが身を隠せるマントを肩に掛けてくれた。
「でも、一体何があったんです?」
歩きながら俺は自分の身に起こったことを説明した。邪神の加護を受けて以来、モンスターに性的に襲われるようになったこと。オークに手籠にされる内に男ながらに妊娠出来るようになったこと。それを幸福と認識し、何度も出産したこと。
そう言えば俺の産んだ子も殺されてしまったのだろうが、今やただ悍ましい存在であり、そうなって良かったと思う。
冒険者達はぞっとした表情を浮かべていた。だが俺の今の姿を見ればそれを妄言だと断ずることは出来ないだろう。野営出来そうな広い空間へ戻り、俺達は一旦キャンプをすることにした。
そこはダンジョンの中とは思えないような森と泉のあるフロアだった。俺は久し振りに身を清め、人間の食事をしながら話を続ける。
「今日は休んでから街に戻りましょう。貴方の身体を元に戻す方法を探さなくては」
「それなんだが……一旦最深部に行ってもいいだろうか? そこにある邪神の祭壇が全ての元凶なんだ」
この場所からは出口よりもそちらに向かう方が遥かに早い。改善する根拠も無いし事態が悪化する可能性もあるが、闇雲に解決方法を探すよりは見込みがあるのではとパーティメンバーに説明する。皆半信半疑だったが、最終的には納得してくれた。
「……分かった。試してみよう」
「ありがとう。その間は俺から離れていてくれ。お前達にまで何かあったら困るからな」
方針が決まり、俺達は少しだけほっとしながら食事を進める。不安は多分に残っていたがやれることがあるというのは気分が楽になるものだ。
そして寝床の準備をし、火の番を残して俺達は眠りに就いた。疲れているだろうからと俺は順番を免除してくれる優しさが染みる。
俺は横になって眼を瞑っていたが、眠気は全く来なかった。明日の為にも睡眠を摂っておかなければいけないのに寝付けない。腹が重く、胸がムズムズする。それに妙に尻穴が疼いた。
もうオークとの関係は終わった。俺はあんな淫らで恥ずかしいことをしなくていいのだ。そうやって鎮めようと思えば思う程アナルがひくついてしまう。毎日のように犯されていた所為で俺の身体はおかしくなっているらしい。
「ん……っ♡」
俺は堪らなくなり、そっと自分のアナルに指を這わせてみた。そこはふっくらと柔らかくなっていて少し指を埋めるだけで簡単に飲み込んでしまう程だ。
そして俺の中はオークの巨根に犯された時の快感を覚えていたらしく、それだけでも軽くイきそうになってしまった。だがそれでは足りない。
(ああもう……!)
もう我慢出来ないとばかりに俺は起き上がった。流石に周囲に冒険者達が居る状態で自慰を続けることは出来ない。
「んあ? どうした?」
「ちょっと用を足してくる……」
「あいよー」
火の番をしていた斥候は暇そうにしていたが、俺の言葉を怪しむでもなくヒラヒラと手を振った。
俺はそれを後にして森の中へと足を踏み込んだ。振り返れば遠目に焚き火がまだ見えるものの、音も届かないだろう茂みの中へ入るとおもむろにズボンと下着を下ろしてしゃがみ込む。
そこまでは普通の排泄と変わりなかったが、今の俺は出す代わりに自分の指を舐めて濡らした後、ゆっくりと尻穴に差し込んだ。
数刻前まで幾度となくオークの巨根を飲み込んでいたそこは簡単に指を受け入れ、その後きゅうっと締め付ける。だがそれだけだった。全く足りない。もっと太いもので埋めて欲しかった。
「んうっ……♡」
腹は重いし胸も張って辛いがそれ以上にアナルが切なかった。早くこの疼きを鎮めたい一心で指を出し入れするが、全然満足出来ないどころか余計に酷くなるばかりだと気付くと絶望感すら覚えてしまう。
(どうして……っ♡)
もう1本指を増やすがそれでも駄目だった。俺は切なさに悶えながら必死に掻き回した。だがどうしても欲しい場所には届かず、もどかしい苦しさばかりが募っていく。
「んあぁ……♡ んふぅ♡ ……うぅ♡」
そろそろ戻らないと怪しまれそうなのに止められない。尻穴を弄ることに夢中になる内に指が自然と深いところまで入って行くようになり、それをゆっくり出し入れするとようやく少しだけ快楽を得られた。
オークの子種をたっぷりと飲み込んだ腹が重たく揺れる感覚すら気持ち良いと思ってしまう程に俺の身体は狂っていたが、同時に渇望も強く耐え難いものだった。
「はっ♡ はぁ……っ♡」
もう嫌だ。どうしてこんなことになってしまったんだ。俺はただ楽しくダンジョン攻略をしたかっただけなのに、どうしてこんなことになっているんだろう?
そんな疑問が頭の片隅に浮かぶものの、それを考える余裕も無い程に追い詰められていた。どうにかなりそうだったその時だ。ふと人の気配を感じた気がして顔を上げた瞬間だった。
「おーい、大丈夫ですかー?」
ガサガサと足音を立てながら、パーティリーダーである戦士が近くまで歩いて来ていた。まだこちらの場所には気付いていなかったが、恐らく長く戻って来ない俺を心配したのだろう。
優しくて強くて見目も悪くない青年。以前会った時はあどけなさも残っていたが、今や冒険の経験を積んで落ち着きと自信が感じられた。立派になったその姿を前にして、俺は我慢が出来なかった。
「……ここだ」
「ああ良かった、倒れていたりでもしたらどうしようかと……っ!?」
俺はゆらりと立ち上がり、彼の方へ近付いた。安堵の笑みを浮かべる彼のすぐ側まで行くと、一気に胸倉を掴んで引き倒す。
オークに捕らわれている間随分鈍ってしまったが、皮肉なことに邪神の加護はまだ効いているらしい。膂力と速度、更に不意を突かれたことで若い戦士は咄嗟に受け身を取るので精一杯だったようだ。俺は仰向けになった彼に跨ると、両手を抑え込みながら唇を奪う。
「ッ!? んむ……ッ! ふ、ぁ……!」
突然のことに驚いた様子の彼は抵抗出来なかった。俺の舌が口の中に入って来てもどうしたらいいか分からずにただ震える。
その初心な反応に俺は思わず興奮してしまった。こんなことをしてはいけないと思いつつも止まらない。
「んちゅ……っ♡ れる、れろぉ……♡」
「ンっ、んんっ……!」
俺は夢中で彼の舌を吸った。俺の舌が絡みつくと彼は苦しそうな声を上げるがそれもまた心地良い。だがまだ足りない。もっと欲しいと思った時だ。
「……ッ! や……やめてください!」
そんな声と共に突然引き剥がされる感覚があった。見れば戦士は顔を真っ赤にして息を荒げているものの、強い意志を感じさせる目で俺を見詰めていた。その眼には怒りも悲しみも無くただ困惑だけがあった。
ああそうだ、この顔が快楽に溶けるところを見たいんだった。俺は自分の唇をぺろりと舐めると、彼の股間をそっと撫で上げた。
「ひぃっ! や、やめてください!」
戦士はびくりと身を震わせるがそれ以上の抵抗はしなかった。なんと彼は既にズボン越しにも分かる程勃起していた。意外に思ったが好都合だった。
そのままベルトを外し下着を下ろすと、そこには立派な男根があった。まだ未成熟な部分もあるがそれでも十分に大きいし皮も剥けていて立派だと言えるだろう。それに何よりこの若さでもう既に使い込まれているらしいことがよく分かった。
「意外と敏感なんだな……キスは慣れてないのに、もうこんなに勃ってる。よく抜いてもらってるのか? 神官か? 魔術師か?」
「……ッ!」
俺がパーティメンバーの女子を挙げると、彼は顔を真っ赤にして黙ってしまった。どうやら図星だったらしい。純朴そうな顔をしてやることはやっているとは人は見かけによらない。
俺は愉悦の笑みを浮かべながら彼のペニスに指を這わせた。実は人間の相手をするのは初めてだ。これまでのモンスターと比べたらなんて素直でシンプルな形状だろう。感心しながら指を動かし、彼の反応が大きくなる場所を探す。
そして裏筋の辺りを爪の先で軽く引っ掻いた時だ。戦士はびくりと身体を震わせ、同時に俺のアナルがきゅんっと疼いた。
「ココ、好きか?」
「ひっう……!」
俺が更にそこを集中して刺激すると、戦士は顔を腕で覆うようにしながら小さな声を漏らした。表情を見られたくないらしい。あまりに可愛い所作に俺はクラクラした。もっと可愛がってやりたい。
俺は彼の股間に顔を近付けると、ぱくりとそれを口に含んだ。汗と男臭い匂いを感じると共に口内で脈動する感触に興奮する。先走りの味がして美味かったので舌で舐め取ってやると彼は堪らずといった様子で喘いだ。その声が俺の中の何かを刺激して堪らなかった。
「あぁんっ……!」
(なんだこれ……すごく美味しい……♡)
俺は一心不乱に若い竿にむしゃぶり付いた。雄として敵わないという感覚が脳に広がり、故に奉仕しなければ、否、奉仕させてほしいという感情が沸き起こる。
舌先で亀頭を擽るようにしながら左手で根元をしごいてやると、彼は堪らず俺の頭を掴んで離そうとする。だがその手には力が全く入っておらず、むしろ押し付けるような形になっていた。理性とは裏腹に身体は正直だ。
「んぶっ♡ じゅるっ……♡ れるぉ……んっ♡」
「んんっ、ぁっ……だ、だめ……!」
俺は口に含んだまま大きく首を上下に動かしたり先端を強く吸い上げたりを繰り返す。彼はそれでも必死に我慢しているようだった。だが口の中で剛直が脈動し、右手で弄る陰嚢がキュッと締まるのを感じると、俺は手も口も離した。
「えっ……!?」
射精寸前で刺激を失って戦士は驚いたように俺を見る。その眼に宿った確かな欲求を前に、俺はニタリと笑った。そして腰を持ち上げ、先程まで指を入れて掻き回していた所為で既にグズグズのアナルを見せつけた。
「はぁっ、はあっ……♡ ココ、挿れたいだろ?」
「……え、あ……で、でも……んぁぁっ!」
困惑する彼を無視して俺は彼のペニスを尻穴に当てると腰を落としていく。ダンジョンの最奥で、俺は初めて人間の男を受け入れた。
「んあぁっ!♡ ああぁぁっ!!♡♡」
ずぶずぶっと俺の尻穴は簡単にそれを受け入れていくが、その質量に圧倒される。サイズも形状もこれまでよりは随分と控えめな筈なのに圧迫感は変わらないような気がした。だがそれが堪らなく心地良い。
そしてそれは相手も同じようで、彼は俺の中に全てを収めた瞬間射精しそうになるのをどうにか耐えているのがひくつきから分かった。
(あぁ……すごい……♡ これが人同士のセックスか……♡)
そんな感慨と共にゆっくりと腰を動かし始めると、彼は切羽詰まった声で制止してきた。
「だ、だめです! 抜いてください!」
だがその言葉に反して彼のペニスは萎える様子が無い。それどころか俺の中が気持ち良すぎるのかビクビクと脈打ちながら更に大きさを増していた。
俺はその反応に満足しながら腰を上下させる速度を上げる。タンッタンッとリズミカルに打ち付けると次第に戦士の息遣いも荒くなっていった。膨らんだ腹が揺れて重いが、今はそれも心地良い。
「あっ! あ、あぁっ!!♡ だめっ……そんな……!♡」
戦士は堪らず声を上げた。俺はその反応に気を良くしながら更に動きを速くする。やがて彼の限界が近いことを感じたが、俺もまた快楽の絶頂へと至ろうとしていたので構わず続けたのだが、そこで不意に彼が俺の尻を掴んだかと思うと下から突き上げてきた。
「へっ……!? ん、ひぃっ♡ あっ♡ ああ"あっ♡」
予想外の動きに思わず声を上げてしまうがそれでも彼は動きを止めない。それどころかより強く打ち付け始めたではないか。
パンパンッという音と共に肌同士がぶつかり合う音が響き渡る中、俺は為す術も無くただ喘いでいた。
「あ"ぁっ♡ んぉっ! お、おおっ!!♡」
戦士の剛直が俺の中を蹂躙する度に生まれる快楽は想像を絶するもので、俺の理性などあっという間に吹き飛んでしまう。彼の上で上下することしか考えられず、俺は背を反らして身悶えながら喘いだ。
「んっ……!♡」
ビュルルルルッ!
それと同時に、戦士がアナルの締め付けに耐えられなかったのか俺の中で射精する。その熱さと勢いの良い奔流はモンスターに比べれば可愛いものだが、それでも俺は頭が真っ白になる程の衝撃を受けた。
俺もまた同時に絶頂を迎える。尻穴をきゅうっと締め上げると彼のペニスの形がはっきりと分かり、それが余計に快感を生み出してしまうのだ。
(ああぁぁ……♡ 出てるぅ……♡♡)
ビクビクと震える肉棒から吐き出される白濁液で腸壁を叩かれるような感覚に酔いしれながら、俺の意識は混濁していく。相変わらずのドライオーガズムだが違和感すら覚えない。俺はそのまま彼の上に倒れ伏すと、再び唇を求めた。
「んんっ……はっ……♡」
「んちゅっ……♡ んっ……♡」
自分の欲に抗えず、俺は戦士と舌を絡め合う。彼も随分と熱心になったもので、不慣れながらも必死にそれに応じてくれた。彼の舌は火傷しそうなほど熱く感じられたがそれすら心地良く感じてしまい、身体が再度熱を帯びていくのが分かった。
そのまま腰を揺らし始めると彼は小さく驚きの声を上げたもののすぐに受け入れてくれたので嬉しくなる。俺の中に入ったままの彼のペニスは硬さを取り戻し始めていた。
もうこうなってしまえば止まらない。俺は彼を押し倒した騎乗位の体勢のまま、再度自ら腰を振り始めたのだった。
「もっと……もっと、せーえき欲しい……♡ 種付けして……♡」
まだオークの子を孕んでいるというのに、淫乱な雌である俺はそんなことを望んでしまった。戦士は驚いた表情を浮かべ、逆に躊躇するように視線を逸らす。だがそのペニスは硬いままなのは分かっていて、俺は円を描くように腰をくねらせた。
「ほら、本当はもっと出したいんだろ?」
「……ッ! いい加減にして下さい……!」
流石にされるがままなのは癪に触ったか、戦士はキッと睨み付けると両手で俺の乳房を鷲掴みにした。母乳で張っている分、より感覚が鋭敏になっていて俺は思わず声を漏らす。
「お"っ……!?♡」
そのまま搾り出すように揉まれ、俺は堪らず仰け反った。だが戦士の手は止まらずむしろ激しさを増すばかりだ。そして同時に彼の腰も動き始め俺の中を抉るように責め立てるものだから堪らない。
これまではこの若い雄を雌として虜にしたいと思っていたが、同時に雄として敗北し屈服させられたいとも思っていた。願ってもない行為に浸っている間、貪欲な光を宿した青年は俺の片方の胸に顔を寄せ、母乳の滲む乳首を口に含むと甘噛みをした。
「ん"ぉおおおっ!!♡ ちくびっ、噛むのらめぇ……ッ!♡♡」
俺は堪らず身体を仰け反らせながら絶頂を迎える。だがそれでも戦士は止まらない。むしろより強く吸い付き、もう片方の胸も手で弄り始めたのだ。
俺は堪らず彼の頭を抱きかかえるようにしながら快感に悶える。乳首から母乳が吸い出される感覚と、腹の中で暴れる剛直に頭が真っ白になった。
しかしそれでもまだ足りないとばかりに戦士は腰を動かし続けるのだ。その体力には驚かされたが同時に嬉しくもあった。
「ああっ、おっぱい……おっぱい出てるぅ♡ 吸っちゃやだぁっ♡」
「ん、甘……でもこれが気持ちいいんですよね? 凄い締まってますよ」
彼も大分慣れてきたのか、こちらを煽るようなことを言ってきた。対して俺の方はどんどん余裕が無くなっていく。
戦士は俺の方が快楽に溺れているのを良い事に、更に俺の胸を嬲ってきた。片方を強く吸われながらもう片方を指で弾かれると俺は堪らず声を上げてしまう。同時に尻穴もキュンキュン疼いて締め付けてしまい余計に快感が増した。もう完全に彼に翻弄されていた。
ずちゅんっ♡ どちゅっ♡♡ パンッ♡♡♡ ぐぽっ♡♡♡♡
「あんっ♡ あんっ♡ ひあっ♡ ふあっ♡」
やがて彼は自分から腰を打ち付けてくるだけでなく、俺の尻を掴んで持ち上げては落とすを繰り返し始めた。激しいピストン運動によって結合部からは泡立った精液が溢れ出し、それが潤滑油となって動きはさらに激しさを増した。
同時に与えられる快感が強すぎて頭が真っ白になりそうだった。もう何も考えられずただ目の前の快楽を享受することしか出来ない。
俺は無意識のうちに自分の一番感じるところを彼のモノでゴリゴリと擦られるように腰を動かしていた。
だがそれは同時に俺の弱点を晒すことにもなるわけで、戦士はそれを見逃すはずも無く的確にそこを狙ってきた。その度に全身が痙攣し軽く絶頂を迎えてしまうのだがそれでも止まることは無い。むしろ更に激しさを増す一方だ。
「あんんっ♡ しょこっ♡ そこらめぇっ♡」
「駄目じゃないでしょう? こんなに喜んでおいて」
そう言いながらも戦士は執拗にそこばかりを攻め立てる。その度に俺の頭は真っ白になり、何度も絶頂を迎えていた。だがそれでも彼の動きが止まることは無い。むしろより激しくなり、俺はただ喘ぐことしか出来なかった。
(もう無理ぃ……♡♡ これ以上されたら壊れちゃうぅ……♡)
限界なのは相手も同じらしくラストスパートをかけるように更に動きを加速させる。俺の尻を掴む手に力が籠るのを感じた瞬間、彼は俺の中に熱いものを解き放ったのだった。
ドピュッ! ビュルルルーーッ!!!
(きたぁっ……♡ せーえきいっぱい出てるぅっ……♡)
熱い飛沫を叩きつけられる感覚に俺は幸福感に包まれた。それと同時に俺のペニスからもトロトロと力無く液体が漏れ出してしまう。
どうやら俺はもうマトモに射精出来ないらしい。それでも戦士は止まらず、若さに任せてそのまま腰を振り続け更に俺の中へと注ぎ続けるのだった。
(あぁ……すごい……♡ まだ出てるぅ……♡♡)
ビュルルルッ! ビューーーッ!! ドピュッドピューーッッ!!!
長い時間をかけて大量の精子を放出され続けた結果、ようやく収まった時には腹に更なる圧迫感があった。妊娠中でなかったら孕んでいたかもしれない。
俺は彼の上から退いたものの、立ち上がることも出来ずその場に倒れた。彼も仰向けのまま荒い呼吸を繰り返していた。静かな夜の森に卑猥な匂いが漂っていた。俺の尻からは白濁液が流れ落ちていた。
「そ、その……ごめんなさい……」
何とか呼吸を整えた戦士が起き上がると心底申し訳無さそうに言った。俺はそんな様子に思わず苦笑する。
襲ってしまったのはこちらなのに、どこまでお人好しなのだろう。それにこの若い戦士の精を受けて喜んでいる自分がいた。彼のことが愛おしくなっていた。
「いや、こっちこそ悪かった。全部俺の所為だ。忘れてくれ」
何とか身体を起こすが、下半身はどちらのか分からない体液塗れだった。泉で身を清めなくてはと小さく溜息を吐く。
「はい……このことは、どうか秘密に」
そう言って戦士は服を着るとそそくさと去って行った。彼にとっては苦い思い出でしかないだろう。酷いことをしてしまった。
そう思いながらも大して罪悪感が無いのは、快楽の代わりに大事な感情が欠落してしまったからだろうか。それとも絶頂後の異様な冷静さによるものか。
どちらにせよ俺は重い身体を引き摺りながら泉へと向かった。
俺は何度も妊娠と出産を繰り返した。俺は母体として優秀らしく、出産後すぐにまた孕んだ。食料集めなどをせず、起きている時間はほとんど全てセックスに当てていたからかもしれない。
それだけ俺はオークの群れで人気だった。出産は苦しいが、それと共に襲う絶頂は格別だった。その時ぐらいでしか俺は射精出来なくなっていた。
ある日オークの巣は何やら喧騒に包まれていたが、俺はセックスするので手一杯だった。腹は出産を数ヶ月後に控えていて、常時膨らんだままで母乳を滲ませる乳房を揉まれながら対面座位でまぐわうのはとても気持ち良かった。
やがて慌ただしい駆け足が近付いて来た。
「フゴッ! フゴフゴッ……!」
駆け込んで来た若いオークが倒れ伏す。その後ろから現れたのは凛々しい冒険者の一行だった。随分な手練なのだろう、周囲への警戒も武器の構えにも隙は無い。
だが彼らは俺を見て驚いたようだった。
「なっ……! 人間……!?」
「ってかあれ、もしかして……ずっと行方不明になってた……!」
「で、でも何だよ……これ、どうなって……!?」
俺はそこでぼんやりと思い出した。俺が目醒める前、俺も確か冒険者だった。人間の群れが集まる場所で少し知られていた。何か目標があって、それで一目置かれていたような気がする。だが詳細な部分は全く思い出せなかった。
だがその冒険者達の姿に思い当たる節があった。特に先頭に立つ立派な戦士。凛々しく屈強だが、その眼差しには優しさもある。
ああそうだ。俺は彼らが若い頃に出会ったことがある。そして——この男に抱かれたかったのだ。
「なぁ君達、こっちへおいで。気持ち良いことをしよう」
「は……!?」
「何だこいつ、狂ってるのか!?」
俺が手を伸ばすと冒険者達は警戒を強めた。俺とセックスしていたオークもその身を離して武器を手にする。なんて悲しいことだ。だが冒険者にとってオークは討伐対象で、オークにとって冒険者は平和な暮らしを脅かす存在だ。対立は否めないのだろう。
「待ってくれ、不要な争いはやめよう」
「おい、どうする!? こいつも斬るか!?」
「術か何かに掛かっているのかもしれない。まずはオークを片付けよう」
俺の言葉は誰にも届かなかった。俺の伸ばした手は宙を切り、オークと冒険者が武器を打ち合わせる。
だが元々の技量差がある上に一対多。後方からの魔術と弓の攻撃により、オークはあっという間に倒されてしまった。俺にとってオークは家族同然の存在になっていた。だが巣穴は静けさに包まれている。これが最後の1匹だったのだろう。
「あ……」
俺はへたり込んで亡骸を見詰めていたが、不思議と涙は出なかった。それどころか何か憑き物が落ちていくような感覚がする。
俺は何をしていたんだっけ。冷静になると、ズンと腹の重さを改めて感じた。
俺の腹は異様に膨れていた。この中にオークの子が入っていると思うと俺は一気に怖気だった。男にしては異様に膨らみ、母乳を滲ませている乳房も我ながら信じられない。
ああそうだ、俺は呪いに掛かっていたのだ。モンスターを伴侶として、種付けをされたくなる恐ろしい呪い。それをようやく自覚した。
「……大丈夫か?」
冒険者達が近付いて来て声を掛けた。俺はハッと我に返り、自分がどれだけ恥ずかしい姿をしているかに気付いて顔が熱くなった。
オークに孕まされているだけではない、そもそも俺は全裸だった。そんなことにすら気付かずにいたなんて恥辱の極みだった。俺は咄嗟に手で股間を隠した。
「す、すまない……俺は、おかしくなっていたみたいだ……」
俺の様子に、何かの変化があったことを冒険者達も察したようだった。仲間内で顔を見合わせた後、戦士がそっと微笑む。
「良かった、正気に戻ったんですね。……僕はこのパーティのリーダーをしてる者です。貴方を助けられて良かった」
そう言って彼は手を差し伸べた。その笑顔に俺はドキリとする。彼の眼差しは優しく、強い意志が感じられる。それは初めて会った時から変わりない印象だった。
「あ、ああ……ありがとう」
戸惑いながらもその手を取り握手を交わすと、戦士は俺の手を引いて立たせてくれた。身重の俺の身体を支えながら、パーティメンバーが身を隠せるマントを肩に掛けてくれた。
「でも、一体何があったんです?」
歩きながら俺は自分の身に起こったことを説明した。邪神の加護を受けて以来、モンスターに性的に襲われるようになったこと。オークに手籠にされる内に男ながらに妊娠出来るようになったこと。それを幸福と認識し、何度も出産したこと。
そう言えば俺の産んだ子も殺されてしまったのだろうが、今やただ悍ましい存在であり、そうなって良かったと思う。
冒険者達はぞっとした表情を浮かべていた。だが俺の今の姿を見ればそれを妄言だと断ずることは出来ないだろう。野営出来そうな広い空間へ戻り、俺達は一旦キャンプをすることにした。
そこはダンジョンの中とは思えないような森と泉のあるフロアだった。俺は久し振りに身を清め、人間の食事をしながら話を続ける。
「今日は休んでから街に戻りましょう。貴方の身体を元に戻す方法を探さなくては」
「それなんだが……一旦最深部に行ってもいいだろうか? そこにある邪神の祭壇が全ての元凶なんだ」
この場所からは出口よりもそちらに向かう方が遥かに早い。改善する根拠も無いし事態が悪化する可能性もあるが、闇雲に解決方法を探すよりは見込みがあるのではとパーティメンバーに説明する。皆半信半疑だったが、最終的には納得してくれた。
「……分かった。試してみよう」
「ありがとう。その間は俺から離れていてくれ。お前達にまで何かあったら困るからな」
方針が決まり、俺達は少しだけほっとしながら食事を進める。不安は多分に残っていたがやれることがあるというのは気分が楽になるものだ。
そして寝床の準備をし、火の番を残して俺達は眠りに就いた。疲れているだろうからと俺は順番を免除してくれる優しさが染みる。
俺は横になって眼を瞑っていたが、眠気は全く来なかった。明日の為にも睡眠を摂っておかなければいけないのに寝付けない。腹が重く、胸がムズムズする。それに妙に尻穴が疼いた。
もうオークとの関係は終わった。俺はあんな淫らで恥ずかしいことをしなくていいのだ。そうやって鎮めようと思えば思う程アナルがひくついてしまう。毎日のように犯されていた所為で俺の身体はおかしくなっているらしい。
「ん……っ♡」
俺は堪らなくなり、そっと自分のアナルに指を這わせてみた。そこはふっくらと柔らかくなっていて少し指を埋めるだけで簡単に飲み込んでしまう程だ。
そして俺の中はオークの巨根に犯された時の快感を覚えていたらしく、それだけでも軽くイきそうになってしまった。だがそれでは足りない。
(ああもう……!)
もう我慢出来ないとばかりに俺は起き上がった。流石に周囲に冒険者達が居る状態で自慰を続けることは出来ない。
「んあ? どうした?」
「ちょっと用を足してくる……」
「あいよー」
火の番をしていた斥候は暇そうにしていたが、俺の言葉を怪しむでもなくヒラヒラと手を振った。
俺はそれを後にして森の中へと足を踏み込んだ。振り返れば遠目に焚き火がまだ見えるものの、音も届かないだろう茂みの中へ入るとおもむろにズボンと下着を下ろしてしゃがみ込む。
そこまでは普通の排泄と変わりなかったが、今の俺は出す代わりに自分の指を舐めて濡らした後、ゆっくりと尻穴に差し込んだ。
数刻前まで幾度となくオークの巨根を飲み込んでいたそこは簡単に指を受け入れ、その後きゅうっと締め付ける。だがそれだけだった。全く足りない。もっと太いもので埋めて欲しかった。
「んうっ……♡」
腹は重いし胸も張って辛いがそれ以上にアナルが切なかった。早くこの疼きを鎮めたい一心で指を出し入れするが、全然満足出来ないどころか余計に酷くなるばかりだと気付くと絶望感すら覚えてしまう。
(どうして……っ♡)
もう1本指を増やすがそれでも駄目だった。俺は切なさに悶えながら必死に掻き回した。だがどうしても欲しい場所には届かず、もどかしい苦しさばかりが募っていく。
「んあぁ……♡ んふぅ♡ ……うぅ♡」
そろそろ戻らないと怪しまれそうなのに止められない。尻穴を弄ることに夢中になる内に指が自然と深いところまで入って行くようになり、それをゆっくり出し入れするとようやく少しだけ快楽を得られた。
オークの子種をたっぷりと飲み込んだ腹が重たく揺れる感覚すら気持ち良いと思ってしまう程に俺の身体は狂っていたが、同時に渇望も強く耐え難いものだった。
「はっ♡ はぁ……っ♡」
もう嫌だ。どうしてこんなことになってしまったんだ。俺はただ楽しくダンジョン攻略をしたかっただけなのに、どうしてこんなことになっているんだろう?
そんな疑問が頭の片隅に浮かぶものの、それを考える余裕も無い程に追い詰められていた。どうにかなりそうだったその時だ。ふと人の気配を感じた気がして顔を上げた瞬間だった。
「おーい、大丈夫ですかー?」
ガサガサと足音を立てながら、パーティリーダーである戦士が近くまで歩いて来ていた。まだこちらの場所には気付いていなかったが、恐らく長く戻って来ない俺を心配したのだろう。
優しくて強くて見目も悪くない青年。以前会った時はあどけなさも残っていたが、今や冒険の経験を積んで落ち着きと自信が感じられた。立派になったその姿を前にして、俺は我慢が出来なかった。
「……ここだ」
「ああ良かった、倒れていたりでもしたらどうしようかと……っ!?」
俺はゆらりと立ち上がり、彼の方へ近付いた。安堵の笑みを浮かべる彼のすぐ側まで行くと、一気に胸倉を掴んで引き倒す。
オークに捕らわれている間随分鈍ってしまったが、皮肉なことに邪神の加護はまだ効いているらしい。膂力と速度、更に不意を突かれたことで若い戦士は咄嗟に受け身を取るので精一杯だったようだ。俺は仰向けになった彼に跨ると、両手を抑え込みながら唇を奪う。
「ッ!? んむ……ッ! ふ、ぁ……!」
突然のことに驚いた様子の彼は抵抗出来なかった。俺の舌が口の中に入って来てもどうしたらいいか分からずにただ震える。
その初心な反応に俺は思わず興奮してしまった。こんなことをしてはいけないと思いつつも止まらない。
「んちゅ……っ♡ れる、れろぉ……♡」
「ンっ、んんっ……!」
俺は夢中で彼の舌を吸った。俺の舌が絡みつくと彼は苦しそうな声を上げるがそれもまた心地良い。だがまだ足りない。もっと欲しいと思った時だ。
「……ッ! や……やめてください!」
そんな声と共に突然引き剥がされる感覚があった。見れば戦士は顔を真っ赤にして息を荒げているものの、強い意志を感じさせる目で俺を見詰めていた。その眼には怒りも悲しみも無くただ困惑だけがあった。
ああそうだ、この顔が快楽に溶けるところを見たいんだった。俺は自分の唇をぺろりと舐めると、彼の股間をそっと撫で上げた。
「ひぃっ! や、やめてください!」
戦士はびくりと身を震わせるがそれ以上の抵抗はしなかった。なんと彼は既にズボン越しにも分かる程勃起していた。意外に思ったが好都合だった。
そのままベルトを外し下着を下ろすと、そこには立派な男根があった。まだ未成熟な部分もあるがそれでも十分に大きいし皮も剥けていて立派だと言えるだろう。それに何よりこの若さでもう既に使い込まれているらしいことがよく分かった。
「意外と敏感なんだな……キスは慣れてないのに、もうこんなに勃ってる。よく抜いてもらってるのか? 神官か? 魔術師か?」
「……ッ!」
俺がパーティメンバーの女子を挙げると、彼は顔を真っ赤にして黙ってしまった。どうやら図星だったらしい。純朴そうな顔をしてやることはやっているとは人は見かけによらない。
俺は愉悦の笑みを浮かべながら彼のペニスに指を這わせた。実は人間の相手をするのは初めてだ。これまでのモンスターと比べたらなんて素直でシンプルな形状だろう。感心しながら指を動かし、彼の反応が大きくなる場所を探す。
そして裏筋の辺りを爪の先で軽く引っ掻いた時だ。戦士はびくりと身体を震わせ、同時に俺のアナルがきゅんっと疼いた。
「ココ、好きか?」
「ひっう……!」
俺が更にそこを集中して刺激すると、戦士は顔を腕で覆うようにしながら小さな声を漏らした。表情を見られたくないらしい。あまりに可愛い所作に俺はクラクラした。もっと可愛がってやりたい。
俺は彼の股間に顔を近付けると、ぱくりとそれを口に含んだ。汗と男臭い匂いを感じると共に口内で脈動する感触に興奮する。先走りの味がして美味かったので舌で舐め取ってやると彼は堪らずといった様子で喘いだ。その声が俺の中の何かを刺激して堪らなかった。
「あぁんっ……!」
(なんだこれ……すごく美味しい……♡)
俺は一心不乱に若い竿にむしゃぶり付いた。雄として敵わないという感覚が脳に広がり、故に奉仕しなければ、否、奉仕させてほしいという感情が沸き起こる。
舌先で亀頭を擽るようにしながら左手で根元をしごいてやると、彼は堪らず俺の頭を掴んで離そうとする。だがその手には力が全く入っておらず、むしろ押し付けるような形になっていた。理性とは裏腹に身体は正直だ。
「んぶっ♡ じゅるっ……♡ れるぉ……んっ♡」
「んんっ、ぁっ……だ、だめ……!」
俺は口に含んだまま大きく首を上下に動かしたり先端を強く吸い上げたりを繰り返す。彼はそれでも必死に我慢しているようだった。だが口の中で剛直が脈動し、右手で弄る陰嚢がキュッと締まるのを感じると、俺は手も口も離した。
「えっ……!?」
射精寸前で刺激を失って戦士は驚いたように俺を見る。その眼に宿った確かな欲求を前に、俺はニタリと笑った。そして腰を持ち上げ、先程まで指を入れて掻き回していた所為で既にグズグズのアナルを見せつけた。
「はぁっ、はあっ……♡ ココ、挿れたいだろ?」
「……え、あ……で、でも……んぁぁっ!」
困惑する彼を無視して俺は彼のペニスを尻穴に当てると腰を落としていく。ダンジョンの最奥で、俺は初めて人間の男を受け入れた。
「んあぁっ!♡ ああぁぁっ!!♡♡」
ずぶずぶっと俺の尻穴は簡単にそれを受け入れていくが、その質量に圧倒される。サイズも形状もこれまでよりは随分と控えめな筈なのに圧迫感は変わらないような気がした。だがそれが堪らなく心地良い。
そしてそれは相手も同じようで、彼は俺の中に全てを収めた瞬間射精しそうになるのをどうにか耐えているのがひくつきから分かった。
(あぁ……すごい……♡ これが人同士のセックスか……♡)
そんな感慨と共にゆっくりと腰を動かし始めると、彼は切羽詰まった声で制止してきた。
「だ、だめです! 抜いてください!」
だがその言葉に反して彼のペニスは萎える様子が無い。それどころか俺の中が気持ち良すぎるのかビクビクと脈打ちながら更に大きさを増していた。
俺はその反応に満足しながら腰を上下させる速度を上げる。タンッタンッとリズミカルに打ち付けると次第に戦士の息遣いも荒くなっていった。膨らんだ腹が揺れて重いが、今はそれも心地良い。
「あっ! あ、あぁっ!!♡ だめっ……そんな……!♡」
戦士は堪らず声を上げた。俺はその反応に気を良くしながら更に動きを速くする。やがて彼の限界が近いことを感じたが、俺もまた快楽の絶頂へと至ろうとしていたので構わず続けたのだが、そこで不意に彼が俺の尻を掴んだかと思うと下から突き上げてきた。
「へっ……!? ん、ひぃっ♡ あっ♡ ああ"あっ♡」
予想外の動きに思わず声を上げてしまうがそれでも彼は動きを止めない。それどころかより強く打ち付け始めたではないか。
パンパンッという音と共に肌同士がぶつかり合う音が響き渡る中、俺は為す術も無くただ喘いでいた。
「あ"ぁっ♡ んぉっ! お、おおっ!!♡」
戦士の剛直が俺の中を蹂躙する度に生まれる快楽は想像を絶するもので、俺の理性などあっという間に吹き飛んでしまう。彼の上で上下することしか考えられず、俺は背を反らして身悶えながら喘いだ。
「んっ……!♡」
ビュルルルルッ!
それと同時に、戦士がアナルの締め付けに耐えられなかったのか俺の中で射精する。その熱さと勢いの良い奔流はモンスターに比べれば可愛いものだが、それでも俺は頭が真っ白になる程の衝撃を受けた。
俺もまた同時に絶頂を迎える。尻穴をきゅうっと締め上げると彼のペニスの形がはっきりと分かり、それが余計に快感を生み出してしまうのだ。
(ああぁぁ……♡ 出てるぅ……♡♡)
ビクビクと震える肉棒から吐き出される白濁液で腸壁を叩かれるような感覚に酔いしれながら、俺の意識は混濁していく。相変わらずのドライオーガズムだが違和感すら覚えない。俺はそのまま彼の上に倒れ伏すと、再び唇を求めた。
「んんっ……はっ……♡」
「んちゅっ……♡ んっ……♡」
自分の欲に抗えず、俺は戦士と舌を絡め合う。彼も随分と熱心になったもので、不慣れながらも必死にそれに応じてくれた。彼の舌は火傷しそうなほど熱く感じられたがそれすら心地良く感じてしまい、身体が再度熱を帯びていくのが分かった。
そのまま腰を揺らし始めると彼は小さく驚きの声を上げたもののすぐに受け入れてくれたので嬉しくなる。俺の中に入ったままの彼のペニスは硬さを取り戻し始めていた。
もうこうなってしまえば止まらない。俺は彼を押し倒した騎乗位の体勢のまま、再度自ら腰を振り始めたのだった。
「もっと……もっと、せーえき欲しい……♡ 種付けして……♡」
まだオークの子を孕んでいるというのに、淫乱な雌である俺はそんなことを望んでしまった。戦士は驚いた表情を浮かべ、逆に躊躇するように視線を逸らす。だがそのペニスは硬いままなのは分かっていて、俺は円を描くように腰をくねらせた。
「ほら、本当はもっと出したいんだろ?」
「……ッ! いい加減にして下さい……!」
流石にされるがままなのは癪に触ったか、戦士はキッと睨み付けると両手で俺の乳房を鷲掴みにした。母乳で張っている分、より感覚が鋭敏になっていて俺は思わず声を漏らす。
「お"っ……!?♡」
そのまま搾り出すように揉まれ、俺は堪らず仰け反った。だが戦士の手は止まらずむしろ激しさを増すばかりだ。そして同時に彼の腰も動き始め俺の中を抉るように責め立てるものだから堪らない。
これまではこの若い雄を雌として虜にしたいと思っていたが、同時に雄として敗北し屈服させられたいとも思っていた。願ってもない行為に浸っている間、貪欲な光を宿した青年は俺の片方の胸に顔を寄せ、母乳の滲む乳首を口に含むと甘噛みをした。
「ん"ぉおおおっ!!♡ ちくびっ、噛むのらめぇ……ッ!♡♡」
俺は堪らず身体を仰け反らせながら絶頂を迎える。だがそれでも戦士は止まらない。むしろより強く吸い付き、もう片方の胸も手で弄り始めたのだ。
俺は堪らず彼の頭を抱きかかえるようにしながら快感に悶える。乳首から母乳が吸い出される感覚と、腹の中で暴れる剛直に頭が真っ白になった。
しかしそれでもまだ足りないとばかりに戦士は腰を動かし続けるのだ。その体力には驚かされたが同時に嬉しくもあった。
「ああっ、おっぱい……おっぱい出てるぅ♡ 吸っちゃやだぁっ♡」
「ん、甘……でもこれが気持ちいいんですよね? 凄い締まってますよ」
彼も大分慣れてきたのか、こちらを煽るようなことを言ってきた。対して俺の方はどんどん余裕が無くなっていく。
戦士は俺の方が快楽に溺れているのを良い事に、更に俺の胸を嬲ってきた。片方を強く吸われながらもう片方を指で弾かれると俺は堪らず声を上げてしまう。同時に尻穴もキュンキュン疼いて締め付けてしまい余計に快感が増した。もう完全に彼に翻弄されていた。
ずちゅんっ♡ どちゅっ♡♡ パンッ♡♡♡ ぐぽっ♡♡♡♡
「あんっ♡ あんっ♡ ひあっ♡ ふあっ♡」
やがて彼は自分から腰を打ち付けてくるだけでなく、俺の尻を掴んで持ち上げては落とすを繰り返し始めた。激しいピストン運動によって結合部からは泡立った精液が溢れ出し、それが潤滑油となって動きはさらに激しさを増した。
同時に与えられる快感が強すぎて頭が真っ白になりそうだった。もう何も考えられずただ目の前の快楽を享受することしか出来ない。
俺は無意識のうちに自分の一番感じるところを彼のモノでゴリゴリと擦られるように腰を動かしていた。
だがそれは同時に俺の弱点を晒すことにもなるわけで、戦士はそれを見逃すはずも無く的確にそこを狙ってきた。その度に全身が痙攣し軽く絶頂を迎えてしまうのだがそれでも止まることは無い。むしろ更に激しさを増す一方だ。
「あんんっ♡ しょこっ♡ そこらめぇっ♡」
「駄目じゃないでしょう? こんなに喜んでおいて」
そう言いながらも戦士は執拗にそこばかりを攻め立てる。その度に俺の頭は真っ白になり、何度も絶頂を迎えていた。だがそれでも彼の動きが止まることは無い。むしろより激しくなり、俺はただ喘ぐことしか出来なかった。
(もう無理ぃ……♡♡ これ以上されたら壊れちゃうぅ……♡)
限界なのは相手も同じらしくラストスパートをかけるように更に動きを加速させる。俺の尻を掴む手に力が籠るのを感じた瞬間、彼は俺の中に熱いものを解き放ったのだった。
ドピュッ! ビュルルルーーッ!!!
(きたぁっ……♡ せーえきいっぱい出てるぅっ……♡)
熱い飛沫を叩きつけられる感覚に俺は幸福感に包まれた。それと同時に俺のペニスからもトロトロと力無く液体が漏れ出してしまう。
どうやら俺はもうマトモに射精出来ないらしい。それでも戦士は止まらず、若さに任せてそのまま腰を振り続け更に俺の中へと注ぎ続けるのだった。
(あぁ……すごい……♡ まだ出てるぅ……♡♡)
ビュルルルッ! ビューーーッ!! ドピュッドピューーッッ!!!
長い時間をかけて大量の精子を放出され続けた結果、ようやく収まった時には腹に更なる圧迫感があった。妊娠中でなかったら孕んでいたかもしれない。
俺は彼の上から退いたものの、立ち上がることも出来ずその場に倒れた。彼も仰向けのまま荒い呼吸を繰り返していた。静かな夜の森に卑猥な匂いが漂っていた。俺の尻からは白濁液が流れ落ちていた。
「そ、その……ごめんなさい……」
何とか呼吸を整えた戦士が起き上がると心底申し訳無さそうに言った。俺はそんな様子に思わず苦笑する。
襲ってしまったのはこちらなのに、どこまでお人好しなのだろう。それにこの若い戦士の精を受けて喜んでいる自分がいた。彼のことが愛おしくなっていた。
「いや、こっちこそ悪かった。全部俺の所為だ。忘れてくれ」
何とか身体を起こすが、下半身はどちらのか分からない体液塗れだった。泉で身を清めなくてはと小さく溜息を吐く。
「はい……このことは、どうか秘密に」
そう言って戦士は服を着るとそそくさと去って行った。彼にとっては苦い思い出でしかないだろう。酷いことをしてしまった。
そう思いながらも大して罪悪感が無いのは、快楽の代わりに大事な感情が欠落してしまったからだろうか。それとも絶頂後の異様な冷静さによるものか。
どちらにせよ俺は重い身体を引き摺りながら泉へと向かった。
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