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第3章
第47話 漆黒堕天生配信(パーフェクトビジョン)
しおりを挟む――エレメント種のダンジョン攻略から数日後。
今日は1人でダンジョン攻略にやってきております。
そして更に! 今回は初めての生配信にチャレンジしていきます!
漆黒堕天騎士モード含めて自分の動画の様子を見ることは固く禁じられているのだが、なかなか好評らしいので次のステップ――つまり、ダンジョンを破壊する様子から直接配信していくということになったのだ。
ということで、今いる場所はコボルト種のダンジョン、そのボス部屋の中、宝箱前である。
こっちの配信では道中の様子なんてどうでもいいからね。
「準備はいい?」
「『はいですわん!』」
「『凜ちゃんは大丈夫かなわん♪』」
「『怪我しないでよね……わふ……』」
撮影してくれるリアたちに声を掛けると、まっひーが心配してるかのように耳を垂らして俯いている。
本人に似てかわいいやつだ。
「『はい! 事前の打ち合わせ通り、我々は極力喋りませんわん!』
「『重要なことだけフランお嬢様がイヤホン出力で伝えるからね! わん!』」
「『ママASMRも今度してあげるからね♪ やん♪』」
リアは相変わらず……本人に似て気が抜けるようなことを……!
「よし、じゃあ早速頼むよ」
「『はいっ! 3……2……1……スタート!』」
リアたちの目が赤く輝き始めた。こわっ!
しかしこれで撮影が開始されたということだろうか。
「……初生配信、ども。こんな配信見てる奴いますかーって――」
【始まった! いつも動画見てます!】
【漆黒堕天騎士様かっこいい!!! 抱いて!】
【しゅき!だいしゅき! 凜きゅんもいいけど騎士様推しです!】
【ああんかっこいい好きかっこいい!】
配信開始と同時、一気に流れていくコメント。数を確認してみると……1000!?
評判はいいとの情報通りだったが、最初からヤバい。量も質も。
しかしとりあえず無視しておこう。漆黒堕天騎士モードは塩対応でいくのだ。
「……これから俺はダンジョンの破壊をする。その後どうなるかはわかっているだろう」
【巨大なボスとの戦いですよね】
【でもどうしてそんなことを? 探索者ギルドや法律で禁止されてるよね?】
「ふん、なぜ俺がダンジョン破壊をするのか、か。この世の真理を知らぬ者に教えてやろう。それは――ダンジョンを放っておくといずれ周辺を飲み込むからだ」
【え?】
【どゆこと?】
「最終的にはこの国が肥大化したダンジョンに飲み込まれるということだ。故にダンジョンは破壊しなければならない」
【バカらし。そんなことあるわけないじゃん】
【そうだわ。こういうの、陰謀論者って言うのよね】
【ボス討伐自体は目を見張るものがあるが……そんな妄想でダンジョン破壊するような奴だったとはね】
まぁそうだよね。
いきなりこんなことを言われてもって感じ。フランたちはよく信じてくれているものだ。
「信じない奴はそれで構わない。俺は目的のために行動するだけだ」
【ウチは応援しるからっ!】
【私も】
【世界を飲み込むとかは正直わからないけど……騎士様が本気なのは伝わってるから!】
「あ、ありがと――じゃなかった、我は孤独の騎士。独りでも戦い抜く」
しまった、理解ってくれる人がいてくれたのが嬉しくてつい本音が出てしまった。
【デレた】
【デレたね】
【デレたぞ】
【まぁなんだ、もう少し見ていてやるか】
「……時間が惜しい。早速行くぞ。今回は危険区にあるランクDコボルト種ダンジョンを破壊する」
【あ、もう宝箱がある】
【ボスは倒してるってことだね】
「……一応警告しておくが、覚悟と力のないものはこれからやることを決して真似してはいけない。必ず成し遂げるという強き決意と力を併せ持つ者だけがこの先に進むことができる」
本当はね、できれば同志が欲しいんですけど……ついさっき自分を孤独の騎士なんて言っちゃったからなぁ~。
【応援してる!】
【とりあえず見届けよう。彼の覚悟とやらもな】
「……まずは宝箱の破壊だ」
サクッと宝箱を真っ二つに。
あーあ、これで破壊活動の言い逃れができなくなっちゃった。今まではこの辺の決定的証拠は映ってなかったからね。
ギルドや政府に怒られませんように。
【な、何だかゲートが出てきたよ!】
【赤いゲート……帰還ゲートは青だよね?】
「そうだ。そしてこの先には……」
いつものモニターが立ち並ぶ部屋。未だにこの部屋が何なのかはわからないが……。
【ここは……何?】
【機械がたくさんあるね】
【デバッグルームってやつ?】
「この機械を操作しても何も反応しない。今日の目的も別にある」
そう言ってダンジョン・コアに視線を向ける。
【クリスタル?】
【大きい……それに浮いてる】
「ダンジョンコアだ。これを破壊すれば……まぁすぐにわかる」
いいながら、コアを破壊する。すると、すぐにいつものアナウンスが流れた
<警告。警告。当ダンジョン、レベル2犬人種ダンジョンのコアが破壊されました。迷宮内部の挑戦者を排出。これより最終試練を開始します。ご武運を>
【え!? 何今の!】
【女の人の声……?】
【レベル2って言うのはランクDってことか? Eが1でAだと5?】
同じようなコメントがいくつも流れていっている。
その中には――。
【最終試練……つまりダンジョンは破壊することが前提に作られた……誰に……?】
などといった核心を突くようなコメントもあるが、とりあえず今は戦いに備えよう。
「……」
転移が完了し、目の前には破壊されたコアを中心に魔力が渦巻いているのが見えた。
まるで台風の目のように魔力が吸い込まれていっている。
「見ろ、アレが巨大ボスとなるところだ。今までと同じであればコボルトの上位種のハズだ」
【巨大ボス……CGじゃなかったんだ】
【最終試練か……】
「――グルルルルル……」
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