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第3章
第48話 冥府霊犬・コア
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「――グルルルルル……」
そう時間もかからずに巨大な生命体が顕現する。
犬の頭に人の胴体、浅黒い肌をした巨大なコボルト。その手には背丈と同じくらいの大きさの杖を持っている。
【でっか!】
【これ何メートルあんの!?】
【過去のボスと同じなら100メートルくらいらしい】
そのコメントはおそらく正しく、過去のゴーレムと同じような大きさのコボルト上位種。
残念ながら同種のコボルトは見たことがないのだが……。
「『種族名、冥府霊犬。特記事項として“死した眷属を操る”ですわん! 装備している魔杖はシンプルに『魔力増強』といった効果を持っていますわん!』」
ワイヤレスイヤホンからチカASMRが流れてくる。冥府霊犬とな……?
「“冥府霊犬”……か」
【神話にあるアヌビスをモチーフにしてるのかもしれませんね】
【神話って……マジ?】
「ギャオォォーン!」
「くっ!」
様子見の時間は終わりだとでも言うように、鼓膜が破れそうなほどの大きな遠吠えをあげる冥府霊犬。
【キモっ!】
【何あれ!】
【コボルトのゾンビ!?】
そして地面からボコボコと音が聞こえるかのように、犬頭の人型が次々に湧き出てきた。しかも体は不完全……まるでゾンビのような姿で。加えて通常コボルトだけでなく、体の大きいコボルトなど様々な種類が見て取れる。
「死した眷属を操る、か。なるほどな」
しかし数があまりにも多すぎる。ざっと見た感じでも100、更にどんどん地から湧き続けていっている。
「……あまり魔力の無駄遣いはしたくないのだが……」
そう言いながらも見過ごせない状況に、ブラックハイネスから魔力を横薙ぎに放つ。
【強くはないのかな? キモいけど】
【ゾンビだしね。キモいし】
【見た目最強だよ。キモすぎ】
幸いなことにそう多くない魔力でもコボルトのゾンビはほとんど千切れ飛んでいったが……。
「グルルル……!」
まるでほくそ笑むような顔で冥府霊犬が杖を掲げる。
すると何事もなかったかのように再びコボルトのゾンビが……。
「一体どれほどの眷属がいるんだ……」
【ごめんね、私コボルトたくさん狩ってた……】
【私も……コボルト弱いし美味しいんだもん……】
【たまに宝石ドロップしてくれるしね】
「なるほど、つまりみんなに倒されたコボルトの恨みを俺にぶつけてると。ならばいいだろう――」
【そんな……! 私たちのためにだなんて!】
【私たちの負の遺産を背負ってくれるってこと!? なんて器の大きさなの!】
【そんなの実質姫じゃん。姫プレイじゃん!】
都合良く解釈しすぎ! こんなに数が多いから無視して本体を叩くつもりだったのに!
まぁいいか。
「ハァッ!」
「ガゥッ!?」
「ギャッ!?」
魔力の放出はコストが重いため、剣と身体の強化だけにとどめる。
そして某無双ゲーのようにコボルトゾンビを切り飛ばしながら前に進む。
【だ、大丈夫なの? こんなにたくさん……】
【体力が!】
「問題ない」
絶倫だからね。精力だけじゃないんだ、体力の補正は。
「トゥ! ヘアー!」
「ギャン!?」
「ガッ!?」
「ぴよっ!」
……ん?
【ん?】
【ん?】
「……とりゃっ! うりゃっ!」
「キャイン!?」
「ばうっ!?」
「ぴよっ!」
……。
【何だかコボルトの悲鳴に混じってかわいい鳴き声が聞こえない?】
【聞こえるね】
【スマホ鳴ってんじゃね】
しかしその時、俺のワイヤレスイヤホンからまっひーの泣きそうな声が聞こえてきた。
「『凜音様ぁ! リオリオ――じゃなくて、マフリルが突然いなくなっちゃいましたぁーーー!』」
「……」
そして妙に胸元が暖かい。
おかしい、ついさっきまでそんなことはなかったというのに。
「ぴよっぴー!」
胸元の存在に気付くのを待っていたとばかりにマフリルが飛び出した!
「――っ!?」
【鳥さん?】
【あらかわいいわ】
「ぴよぴよぴよぴよ……」
空中でなんとなく踏ん張っている様子のマフリル、そしてそのまま体が輝きだす!
「ぴよぴよよぴよ……くけぇーーー!!!」
数秒後、そこにはかつてみたような鳳凰の姿をしたマフリルが!
巨大さこそはないが、俺を余裕で乗せられる程度には大きく成長している!?
「けぇー!」
そしてかつて同様、光の魔法陣を展開するマフリル!
……俺の魔力を使って。ゴリゴリ削れてくんですが。
「グルルル!?」
「くけぇぇぇーん!」
そして放たれる光のビーム! コボルトの眷属を薙ぎ払いながら右に左に突き進むいくつものレーザー!
俺の魔力もどんどん減っていく!
【すごい!】
【魔物、だよね?】
【騎士様のペットってこと?】
【金色の翼に七色の尾羽根。彼の者こそ騎士様と共に在るに相応しき存在】
「くけぇ! ――……ぴよっ!」
全ての眷属を倒し、自分の仕事は終わったとばかりに元のサイズに戻ったマフリル。
こいつ、成長してたんだ……あいつらを倒せる年齢まで! 俺の魔力を使って!
「ガルルル! ギャォォーーーン!!!」
「ぴよっ!」
怒り狂った様子の冥府霊犬、そしてそれを気にもとめず来た時と同じように突然消えてしまうマフリル。恐らくまひるちゃんのところに戻ったのかも。それはいいんだけど、最後まで俺の魔力を使っていくんだから……。
「『戻ってきました! あたしのところに! やっぱりママはあたしだった! あたしがママだったぁーーー!』」
「……」
よかったね。
「ガァァォォォン!!!」
同じモンスターに邪魔されるとは思っていなかったであろう冥府霊犬、彼が怒り狂った様子で大口を開けて吠える!
「さぁ、終わりにしようか」
そう時間もかからずに巨大な生命体が顕現する。
犬の頭に人の胴体、浅黒い肌をした巨大なコボルト。その手には背丈と同じくらいの大きさの杖を持っている。
【でっか!】
【これ何メートルあんの!?】
【過去のボスと同じなら100メートルくらいらしい】
そのコメントはおそらく正しく、過去のゴーレムと同じような大きさのコボルト上位種。
残念ながら同種のコボルトは見たことがないのだが……。
「『種族名、冥府霊犬。特記事項として“死した眷属を操る”ですわん! 装備している魔杖はシンプルに『魔力増強』といった効果を持っていますわん!』」
ワイヤレスイヤホンからチカASMRが流れてくる。冥府霊犬とな……?
「“冥府霊犬”……か」
【神話にあるアヌビスをモチーフにしてるのかもしれませんね】
【神話って……マジ?】
「ギャオォォーン!」
「くっ!」
様子見の時間は終わりだとでも言うように、鼓膜が破れそうなほどの大きな遠吠えをあげる冥府霊犬。
【キモっ!】
【何あれ!】
【コボルトのゾンビ!?】
そして地面からボコボコと音が聞こえるかのように、犬頭の人型が次々に湧き出てきた。しかも体は不完全……まるでゾンビのような姿で。加えて通常コボルトだけでなく、体の大きいコボルトなど様々な種類が見て取れる。
「死した眷属を操る、か。なるほどな」
しかし数があまりにも多すぎる。ざっと見た感じでも100、更にどんどん地から湧き続けていっている。
「……あまり魔力の無駄遣いはしたくないのだが……」
そう言いながらも見過ごせない状況に、ブラックハイネスから魔力を横薙ぎに放つ。
【強くはないのかな? キモいけど】
【ゾンビだしね。キモいし】
【見た目最強だよ。キモすぎ】
幸いなことにそう多くない魔力でもコボルトのゾンビはほとんど千切れ飛んでいったが……。
「グルルル……!」
まるでほくそ笑むような顔で冥府霊犬が杖を掲げる。
すると何事もなかったかのように再びコボルトのゾンビが……。
「一体どれほどの眷属がいるんだ……」
【ごめんね、私コボルトたくさん狩ってた……】
【私も……コボルト弱いし美味しいんだもん……】
【たまに宝石ドロップしてくれるしね】
「なるほど、つまりみんなに倒されたコボルトの恨みを俺にぶつけてると。ならばいいだろう――」
【そんな……! 私たちのためにだなんて!】
【私たちの負の遺産を背負ってくれるってこと!? なんて器の大きさなの!】
【そんなの実質姫じゃん。姫プレイじゃん!】
都合良く解釈しすぎ! こんなに数が多いから無視して本体を叩くつもりだったのに!
まぁいいか。
「ハァッ!」
「ガゥッ!?」
「ギャッ!?」
魔力の放出はコストが重いため、剣と身体の強化だけにとどめる。
そして某無双ゲーのようにコボルトゾンビを切り飛ばしながら前に進む。
【だ、大丈夫なの? こんなにたくさん……】
【体力が!】
「問題ない」
絶倫だからね。精力だけじゃないんだ、体力の補正は。
「トゥ! ヘアー!」
「ギャン!?」
「ガッ!?」
「ぴよっ!」
……ん?
【ん?】
【ん?】
「……とりゃっ! うりゃっ!」
「キャイン!?」
「ばうっ!?」
「ぴよっ!」
……。
【何だかコボルトの悲鳴に混じってかわいい鳴き声が聞こえない?】
【聞こえるね】
【スマホ鳴ってんじゃね】
しかしその時、俺のワイヤレスイヤホンからまっひーの泣きそうな声が聞こえてきた。
「『凜音様ぁ! リオリオ――じゃなくて、マフリルが突然いなくなっちゃいましたぁーーー!』」
「……」
そして妙に胸元が暖かい。
おかしい、ついさっきまでそんなことはなかったというのに。
「ぴよっぴー!」
胸元の存在に気付くのを待っていたとばかりにマフリルが飛び出した!
「――っ!?」
【鳥さん?】
【あらかわいいわ】
「ぴよぴよぴよぴよ……」
空中でなんとなく踏ん張っている様子のマフリル、そしてそのまま体が輝きだす!
「ぴよぴよよぴよ……くけぇーーー!!!」
数秒後、そこにはかつてみたような鳳凰の姿をしたマフリルが!
巨大さこそはないが、俺を余裕で乗せられる程度には大きく成長している!?
「けぇー!」
そしてかつて同様、光の魔法陣を展開するマフリル!
……俺の魔力を使って。ゴリゴリ削れてくんですが。
「グルルル!?」
「くけぇぇぇーん!」
そして放たれる光のビーム! コボルトの眷属を薙ぎ払いながら右に左に突き進むいくつものレーザー!
俺の魔力もどんどん減っていく!
【すごい!】
【魔物、だよね?】
【騎士様のペットってこと?】
【金色の翼に七色の尾羽根。彼の者こそ騎士様と共に在るに相応しき存在】
「くけぇ! ――……ぴよっ!」
全ての眷属を倒し、自分の仕事は終わったとばかりに元のサイズに戻ったマフリル。
こいつ、成長してたんだ……あいつらを倒せる年齢まで! 俺の魔力を使って!
「ガルルル! ギャォォーーーン!!!」
「ぴよっ!」
怒り狂った様子の冥府霊犬、そしてそれを気にもとめず来た時と同じように突然消えてしまうマフリル。恐らくまひるちゃんのところに戻ったのかも。それはいいんだけど、最後まで俺の魔力を使っていくんだから……。
「『戻ってきました! あたしのところに! やっぱりママはあたしだった! あたしがママだったぁーーー!』」
「……」
よかったね。
「ガァァォォォン!!!」
同じモンスターに邪魔されるとは思っていなかったであろう冥府霊犬、彼が怒り狂った様子で大口を開けて吠える!
「さぁ、終わりにしようか」
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