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第5章
第84話 月のきれいな夜に
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数日後。
部屋でゆっくりドラゴンの鱗を眺めたりマフリルを突っついたりして遊んでいると……。
「ごめんくださいな」
そんなことを言いながら部屋に入ってきたのは……『ルミナス・セージ』のルミナさん。
いつも露出の少ないローブを着ている……と思ったら、なぜか今日は袖の部分がないノースリーブ仕様だった。
「こんにちは。どうしたんですか、突然」
「お休みのところすみません。どうしても凜きゅんにお見せしたいものがありまして」
「見せたいもの、ですか……」
「はい」
そういって俺のそばまで近づいてくるルミナさんは少し汗ばんでいた。もしかすると、辺鄙な場所にある我が家まで歩いてきたのだろうか。
「……そういえば、あのバ――赤火さんから聞きましたが、ドラゴンを倒したというのは本当ですか?」
「え? あ、はい……」
彼女の甘い匂いが仄かに鼻をくすぐる距離に来たところで、俺の手に持っている鱗を見て思い出したように口にする。
「お見せ頂けませんか? 実は初めてなのです」
「あぁ、いいですよ」
ルミナさんが鱗を見ようと……なぜか俺の手を握ってそのまま眺めている。
「あぁ……綺麗ですね。まるで白魚のよう……それに……ふふ」
「は、はぁ……」
鱗が、だろうか。さすがに魚のソレよりは綺麗ではあると思う。
「もう少し下から見てもよろしいですか?」
「はい」
ルミナさんが鱗を、俺の腕ごと頭上高く掲げる。もちろん、ルミナさんの腕も上がり――。
「――っ!」
「あぁ……素晴らしい……これは興奮、しますね……」
「あ、えっ!? そ、そう、ですね……!」
自身の顔が赤くなるのを感じた。当然、ドラゴンの鱗に興奮したのではない。ルミナさんの上げた腕、その下にある――。
「……ふぅ、ありがとうございます」
「あ……はい」
鱗を下ろし、息を吐くルミナさん。相当汗をかいていたようで、くちゅっと濡れたものが合わさるような音が微かに聞こえた。
「……」
「しかし外はまだまだ暑いですね。髪の毛が長いので蒸れてしまいます」
「そ、そうです――ねっ!?」
ルミナさんが徐ろに髪の毛を結い始める。シンプルに後頭部あたりでひとつ結びにするようだ。腕を上げ、髪の毛をシュシュで縛ろうとしている。
「はぁっ……んっ……あ、あまり髪を結ばないので、手間取って……んっ……しまい、ます……」
「……」
再び露わになったソコは、やはりしっとり汗ばんでいた。
「……どう、ですか? 触っても……いいんですよ?」
「ひゃいっ!?」
願望が顔に出ていたのだろうか……思わず変な声を上げてしまった。
「ふふ、髪の毛には自信があるんですよ。サラサラでしょう?」
「あ、はい。とても……綺麗です」
びっくりした。髪の毛のことか……いや、髪の毛を触らせてくれるというのも中々ないとは思うけど。
「では、どうぞ。できれば前から……頭を撫でるように触って頂けると嬉しいです」
「……はい」
どこかトロンとした瞳で見つめられ……思わず言う通りにしてしまう。
自然とルミナさんとの距離が更に縮まり、彼女の顔が眼の前に……そして――。
「曲者ぉーーー!!! 不法侵入と人の旦那を誑かした罪で逮捕しますっ!!!」
「へっ!?」
「ちっ!」
まひるちゃんがものすごい勢いでドアを開けて入ってきた。
同時にルミナさんがバルコニーの方へ退避する。その動きはさすが高ランクの探索者だった。
「マフリルから念話があったの! 変な人が変なことしてるって!」
「変な、とはひどいですね。私は凜きゅんの望みを叶えてあげようと思っただけですよ」
「だったら勝手に人の家に侵入しないで受付を通してきなさいよー!」
「それだと通してくれないでしょう?」
「当たり前!」
侵入……? ルミナさんは……そういえば、バルコニーの方から現れたような……?
「ど、どうやって入ってきたんですか?」
「凜きゅんに聞かれたのなら正直にお答えしましょう。私の固有スキルは転移系統のもの。ここの屋上にいたバ――赤火さんと私の位置を入れ替えたのですよ」
「なっ!?」
転移とはこれまたすごい……っていうか屋上に赤火さんってどういうこと!? あの人また勝手に俺を監視でもしてたのか!?
「あんたもハイレグ痴女も脳筋タンクも……何で高ランク探索者はおかしい人ばっかりなのよーっ!」
1人無関係なのに流れ弾が当たってる人がいるぞ。
「あの方たちと同じとは心外ですね。私はただ、崇高な目的の為に全力を尽くしているだけです。まぁ……他の2人も己の目的のために心血注いでいる、という点では似ているのかも知れませんが」
「……あんたの目的って何よ」
「もちろん、凜きゅんとのおセッ○スですよ」
知ってた。この人は知的なようでやはり同類なのだから。
「帰れーーー!」
「仕方ないですね。今日のところは失礼しますが……最後に1つだけ伝えさせてください」
「な、何を……?」
「私はあなたのためならば、何色にでも染まります。それと義妹ちゃんに『ありがとう』と。それでは……“汝自身を知れ”“汝自身に勝て”『運命交換』」
「2つ! 2つ言ってる! もぉー何なのよあんた!」
ルミナさんの足元に魔法陣が展開され、そして消えた。
同時にハイレグ痴女――諸悪の根源が現れた。先程言っていた、位置を入れ替えるというスキルの結果だろう。
「……あの野郎、また勝手に……はっ!? り、凜音!?」
「帰れーーー!」
「ぬわぁぁぁぁぁあああ!? 何でだぁぁぁ!?」
窓から赤火さんを放り投げるまひるちゃんの動きに一切の躊躇はなかった。
俺も止める気はなかった。
部屋でゆっくりドラゴンの鱗を眺めたりマフリルを突っついたりして遊んでいると……。
「ごめんくださいな」
そんなことを言いながら部屋に入ってきたのは……『ルミナス・セージ』のルミナさん。
いつも露出の少ないローブを着ている……と思ったら、なぜか今日は袖の部分がないノースリーブ仕様だった。
「こんにちは。どうしたんですか、突然」
「お休みのところすみません。どうしても凜きゅんにお見せしたいものがありまして」
「見せたいもの、ですか……」
「はい」
そういって俺のそばまで近づいてくるルミナさんは少し汗ばんでいた。もしかすると、辺鄙な場所にある我が家まで歩いてきたのだろうか。
「……そういえば、あのバ――赤火さんから聞きましたが、ドラゴンを倒したというのは本当ですか?」
「え? あ、はい……」
彼女の甘い匂いが仄かに鼻をくすぐる距離に来たところで、俺の手に持っている鱗を見て思い出したように口にする。
「お見せ頂けませんか? 実は初めてなのです」
「あぁ、いいですよ」
ルミナさんが鱗を見ようと……なぜか俺の手を握ってそのまま眺めている。
「あぁ……綺麗ですね。まるで白魚のよう……それに……ふふ」
「は、はぁ……」
鱗が、だろうか。さすがに魚のソレよりは綺麗ではあると思う。
「もう少し下から見てもよろしいですか?」
「はい」
ルミナさんが鱗を、俺の腕ごと頭上高く掲げる。もちろん、ルミナさんの腕も上がり――。
「――っ!」
「あぁ……素晴らしい……これは興奮、しますね……」
「あ、えっ!? そ、そう、ですね……!」
自身の顔が赤くなるのを感じた。当然、ドラゴンの鱗に興奮したのではない。ルミナさんの上げた腕、その下にある――。
「……ふぅ、ありがとうございます」
「あ……はい」
鱗を下ろし、息を吐くルミナさん。相当汗をかいていたようで、くちゅっと濡れたものが合わさるような音が微かに聞こえた。
「……」
「しかし外はまだまだ暑いですね。髪の毛が長いので蒸れてしまいます」
「そ、そうです――ねっ!?」
ルミナさんが徐ろに髪の毛を結い始める。シンプルに後頭部あたりでひとつ結びにするようだ。腕を上げ、髪の毛をシュシュで縛ろうとしている。
「はぁっ……んっ……あ、あまり髪を結ばないので、手間取って……んっ……しまい、ます……」
「……」
再び露わになったソコは、やはりしっとり汗ばんでいた。
「……どう、ですか? 触っても……いいんですよ?」
「ひゃいっ!?」
願望が顔に出ていたのだろうか……思わず変な声を上げてしまった。
「ふふ、髪の毛には自信があるんですよ。サラサラでしょう?」
「あ、はい。とても……綺麗です」
びっくりした。髪の毛のことか……いや、髪の毛を触らせてくれるというのも中々ないとは思うけど。
「では、どうぞ。できれば前から……頭を撫でるように触って頂けると嬉しいです」
「……はい」
どこかトロンとした瞳で見つめられ……思わず言う通りにしてしまう。
自然とルミナさんとの距離が更に縮まり、彼女の顔が眼の前に……そして――。
「曲者ぉーーー!!! 不法侵入と人の旦那を誑かした罪で逮捕しますっ!!!」
「へっ!?」
「ちっ!」
まひるちゃんがものすごい勢いでドアを開けて入ってきた。
同時にルミナさんがバルコニーの方へ退避する。その動きはさすが高ランクの探索者だった。
「マフリルから念話があったの! 変な人が変なことしてるって!」
「変な、とはひどいですね。私は凜きゅんの望みを叶えてあげようと思っただけですよ」
「だったら勝手に人の家に侵入しないで受付を通してきなさいよー!」
「それだと通してくれないでしょう?」
「当たり前!」
侵入……? ルミナさんは……そういえば、バルコニーの方から現れたような……?
「ど、どうやって入ってきたんですか?」
「凜きゅんに聞かれたのなら正直にお答えしましょう。私の固有スキルは転移系統のもの。ここの屋上にいたバ――赤火さんと私の位置を入れ替えたのですよ」
「なっ!?」
転移とはこれまたすごい……っていうか屋上に赤火さんってどういうこと!? あの人また勝手に俺を監視でもしてたのか!?
「あんたもハイレグ痴女も脳筋タンクも……何で高ランク探索者はおかしい人ばっかりなのよーっ!」
1人無関係なのに流れ弾が当たってる人がいるぞ。
「あの方たちと同じとは心外ですね。私はただ、崇高な目的の為に全力を尽くしているだけです。まぁ……他の2人も己の目的のために心血注いでいる、という点では似ているのかも知れませんが」
「……あんたの目的って何よ」
「もちろん、凜きゅんとのおセッ○スですよ」
知ってた。この人は知的なようでやはり同類なのだから。
「帰れーーー!」
「仕方ないですね。今日のところは失礼しますが……最後に1つだけ伝えさせてください」
「な、何を……?」
「私はあなたのためならば、何色にでも染まります。それと義妹ちゃんに『ありがとう』と。それでは……“汝自身を知れ”“汝自身に勝て”『運命交換』」
「2つ! 2つ言ってる! もぉー何なのよあんた!」
ルミナさんの足元に魔法陣が展開され、そして消えた。
同時にハイレグ痴女――諸悪の根源が現れた。先程言っていた、位置を入れ替えるというスキルの結果だろう。
「……あの野郎、また勝手に……はっ!? り、凜音!?」
「帰れーーー!」
「ぬわぁぁぁぁぁあああ!? 何でだぁぁぁ!?」
窓から赤火さんを放り投げるまひるちゃんの動きに一切の躊躇はなかった。
俺も止める気はなかった。
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