男女比1:10000の異世界に転生、『絶倫』スキルで世界を救う~金と女とダンジョン配信~

ハムうさ

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第5章

第83話 まだ早い

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 ドラゴンの首を切り落とし、直ぐ様収納した後。

「嘘だろ……ドラゴンが瞬殺って……」
「『ばかぁーーー! 何で……連絡もなしで散々心配かけた後に何でドラゴンまで!? もぉ~……ふぇ~~~ん!』」
 まひるちゃんが泣いちゃった。早く会いたいな。

「『り、凜音様……さすがに心臓に悪いですわぁ~……』」
「ごめんごめん。今日はもう帰るからさ!」
「『はい……ところで、今どこにいらっしゃるのですか……?』」
「和歌山辺り」
「『んま! ずいぶん遠くに行かれましたのね……』」
 俺のせいじゃないけどね。

「嬢ちゃん、すまない。それに関してはオレのせいなんだ」
「『あなたは確か……裏山で行っている工事現場に最近採用されたアルバイトさんですわね』」
「ま、まぁ……そうだな、オレはただのしがないアルバイトさ」
 遠くを見つめ、なぜかはかない感じで自身のことをアルバイトとしか言わない赤火さん。頭でも打ったのかしら。

「Sランクだなんだ偉そうにしていたが……凜音の足元にも及ばねぇ。オレぁ正直命をかけて凜音を逃がすことだけを考えてたってのによぉ……」
「『……ドラゴン種はモンスターの中でも最上位の存在ですわ。無理もありません。しかもノーブルドラゴン、とは……』」
 ノーブルドラゴン? それってうめぇんか?

「……ノーブルか。それをほぼ一方的に……」
「ノーブル?」
「ん? あぁ……ゴブリンでいうとホブゴブリンみてぇな……まぁ、普通のよりつえぇってことだ」
 いやそれ大したことなさそう。

「確かに、フランバスターで両断できなかったのは2回目だよ。このドラゴンを素材に何かできるといいけど」
「探索者の憧れであり、素材の到達点の1つでもあるからな」
「そうだ、このうろこで防具を作ったらきっと星奈さんがもっと硬くなるぞ!」
「『そうですわね! ドラゴンの鱗には不思議な力がこもってるといいますし、カッチカチになりますわよぉ~~~!』」
 さすがドラゴン、フランお嬢様のお眼鏡にもかなったようだ。

「赤火さんもいります? せっかくですし」
「はぁ!? おま……ドラゴンの素材なんて滅多めったに市場に現れない貴重品だぞ! んな簡単に――」
「いらないんですか?」
「……いる!」
 素直になっちまえよオラッ!

「この借りは……いや、野暮やぼなこたぁ言わねぇ。夫婦の間に遠慮えんりょはなしだ! なっ!」
 いつから夫婦になったのだろうか。この世界の婚姻制度は一方的な自称で済むのだろうか。

「『時にそこのアルバイトさん、お話しがあるので後ほどこちらにおいで下さいな』」
「あん? 今日はこの後――」
「『可及的速やかに、いいですわね』」
「……わかり……ました……」
 フランの激冷えボイスに勝てるものなし!



 ◆◇◆◇◆◇

 帰宅した時はすでに日もすっかり暮れていた。晩御飯にはちょうどいい。
 早速ドラゴンをお手伝いさんたちに引き渡し、俺達はバルコニーに集まっていた。

「聞いたぞ凜音! ドラゴンを倒したんだって!? なぜ私を呼ばなかった!」
「いやぁ、成り行きで……」
「成り行きでドラゴンに出会ってたまるか!」
 その通りではあるけど、星奈さんに言われるの腹立つ!

「それと……私に貴重なドラゴンの素材をゆずってくれると聞いた。ありがとうな! しかし礼は言わん! 夫婦の間に遠慮はなしだ!」
「夫婦の間にも礼儀あり。お礼はちゃんと言わなきゃだよ」
 雪さんの言う通りだと思うが、ちゃんとお礼言ってるからセーフ。ついでに雪さんにもお礼を言っておこう。

「雪さん、いつもありがとう」
「うえっ!? あ、う、うん……いいよ」
 ふふ、照れてる雪さんかわよ。

「りおっち~、いつもありがとっ☆」
「うん、ミコさんもいつもありがとう」
 何がだろう。

「凜音様、いつもありがとうございます」
「凜音様、その……あ、ありがと……」
 真世さんにまひるちゃん、こちらこそいつもありがとう!

「私は……いいやぁ~♪
 おい! 真里愛の場合はごめんなさいだろうが!

「わ、わた……あり……」
「私もついでに、ありがとうございます凜音様!」
「ありがとう、凜音。これで私の夢も叶った」
 お食事にお呼ばれしていた撫子なでしこさんと和葉さん、それに理事長――咲夜さんまで。今日はありがとう祭りか何か?

「こっちこそ……ありがとうございます!」
 ありがとうあふれるいい職場、いい家庭。

「さて、これで全員分の言質げんちは取れましたね。こちらに書類はご用意しておりますので、希望される方はご記入ください」
「ふむ? 言質……? それに一体何の書類――婚姻届ぇっ!?」
 この世界特有の書類らしく、夫のらんは1名分、妻の欄はたくさんある!

「ちょっ!」
「1番は私。なぜなら凜音くんの方から実質的なプロポーズをされた」
 実質的なプロポーズって何!? ありがとうって言っただけだよ!?

「あんなの話の流れでしょ! 1番はウチだからっ!」
「おい! リーダーである私が1番だろう!? 結納の贈呈ぞうてい品まで貰うんだからな!」
 仲の良かったはずの『アヘピス』のみんなが喧嘩けんかしてる!

「慌てないでくださいな。ちゃーんと1番はわたくしと決まっておりますもの!」
「そうですよ。今は、ですが……ふふ」
 真世さんによる下克上くるー。

「マフリル、ここにこうして……そうよ、よくできたわね!」
「ぴっ!」
 マフリルに何させてるんだ、爪の先にインクを付けて……。

「わた、私も……! 書くわ!」
「ほらお嬢様、ここの1番の方の上が空いてますよ」
 空いていない。枠を作るな。

「……ま、真里愛は……そのぉ……」
「ん~? うふふ、私はもう出してるからねぇ~♪ 心配しなくても、大好きだよぉ~♪」
「そうなの!? いつの間に!?」
「もちろん、フランちゃんの時に一緒にだよぉ~♪」
 ……まあ、いいか。

「お兄ちゃん……」
「凜花……」
 彼女は妹。それと年齢的に――。

「……これ……」
「……」
 凜花の内ポケットから出て来たのは、凜花の部分だけ記入されている婚姻届。常に持ち歩いてたんですかね、それ。

「もちろん、凜花のも書くよ」
「――! お兄ちゃん♡ 嬉しい♡」
 本当に出すのか、出しても受理されるかはわからない。それでもこの状況で書かない訳にはいかない。それに……大切に思っていることには変わりない。

 そうだ、従兄妹だと思っておこう!



「ふぅ、これでみなさん書き終わりましたわね! それでは婚姻をドラゴンのお肉でお祝いしましょう!」
 フランの言葉により、ドラゴン肉を使ったバーベキューが始まった。

 ドラゴンの味は濃厚でジューシーでとても美味しかったが……それよりも、こうしてみんなと一緒に食べられるということの方が嬉しい。幸せだ。

「みんな、ありがとうね!」

 ……。
 ……。
 ……。

「……凜音、いつもありがとな!」
「赤火さんにお礼を言われることはしてませんが?」
 端っこでしばられながらこちらを見てるハイレグお姉さんには……まだ早い。
 いやそもそもお礼を言ったら夫婦になるって曲解きょっかいしすぎじゃない?

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