「因縁の相手」

最終章、全面戦争・・・編

18話(135話)「成長」

え？え？どうしてこうなった？俺は力無く倒れ込む穂乃果を見て酷く同様する。
「副作用は無いんだじゃ？」
とりあえず、心臓が動いてるか確認する。
穂乃果の左胸に耳を近づける。「ドクンドクン」心臓が動く音がする。そして俺は安堵する。
マジマジと穂乃果を見て思う。
「5年で成長したな。」
ついつい言葉が零れてしまう。身長は150cmぐらいであまり大きくないし成長もしていない。身体というか、内面が成長したと思う。あ、嘘だわ。身体の一部分だけ大きく成長してたわ。そう思いながら穂乃果を担ぐ。
「一回上に戻るか。」
と、呟き歩き始める。
歩きながら無線機を取り出し、夕貴と話す。
「ハロー。アイム歩希。」
「どうかした？」
俺の頑張った英語を完全にスルーして夕貴はそう言い放った。
「いや、ミッションが終わった。」
「ほんと？」
見なくても分かる。夕貴はたぶん笑顔だ。
「うん。今からそっちに行く。妹を置きに。」
「わかった。歩希は怪我とかない？」
正直オーバーオールを使ったせいで一気に疲労がきてヤバいけど、それは言わない。
「大丈夫。」
そう言って俺は上に戻るため、一つの扉を開けた。部屋の中の光景を見て俺の疲労がピークに、まで達する。
「あ、あ、」
そう精神が壊れたように「あ」を連呼していたら、もちろん夕貴は心配する。
「どうしたの？大丈夫？」
その声音は優しく誰が聞いても癒されるものだった。それで少し生き返った俺は一言呟く。
「上に行くの俺抜いて3人に増えた。」
そう。その部屋には倒れている快知と快知兄の姿があった。快知兄とは昔に少し見たぐらいだけど覚えている。
「ん？」
「快知と快知兄の姿を発見した。瓶は空だから、たぶん洗脳は解除されてる。」
「わかった。それじゃ、待ってるから。」

流石に3人は運べないので快知を起こす事にした。
「おい！快知。起きろ。」
そう言いながら、快知の身体を揺らす。何時もなら蹴っているが、状況が状況なので普通に起こす。
「んあ？」
素っ頓狂な声を出しながらな起きる快知。
「起きたか。」
「あれ？歩希？てか、なんで兄ちゃんが倒れてるの？」
「俺に聞かれても知るか。」
記憶が無いのかわからんが、快知は自分が倒した記憶が無いみたいだ。でも、そんなの関係ない。俺は事情を説明して上に行く。もちろん後ろには快知が快知兄を背負って着いてくる。


長い階段を上り、上に着く。家から出て夕貴がいる近くまで行く。
「お疲れ様。」
優しく声をかけてくれる夕貴が天使のように見える。
「それじゃ、そこに寝かして。」
夕貴は布団？に指さす。俺と快知は運んで来た妹やら兄やらを寝かせる。
そして夕貴の方に向き、指示を待つ。
「まず、痛いところとか無い？」
最初に夕貴はそんな事を言い出すのだった。