「因縁の相手」

著恋凛

文字の大きさ
148 / 187
最終章、全面戦争・・・編

21話(138話)「着発式手榴弾」

しおりを挟む
その刹那俺は隠していた銃を取り出し、銃口を谷口が取り出した銃に定める。そして発砲する。ここまでの動きは1秒かからないぐらいだろう。
そして銃弾は谷口が持っている銃まで一直線に向かい、当たる。
銃は一挺目同様飛んで行く。
「うわぁー。すごいね。正直見えなかったよ。」
驚いた様子で言った谷口。俺は口元を緩ませて言う。
「一回やってみたかったんだ。これ。」
「そうなんだ。それじゃ、そろそろ第2ラウンドと行こうか。」
そして谷口は三挺目の銃を取り出す。
待て待て、銃の大きさが約28cmの銃を3つも持っているとなると約3キロはあるぞ。なのにあの動き。それにもう出切ったとは言いきれない。これは能力フル活動で行かなきゃ死ぬな。
そして今度は遠距離戦が始まった。
「バンバン」そう鳴り響く銃声。それはもう聞き飽きて、とても嫌な思い出を思い出させる。今思えば俺の大切な人はいつも銃で殺されて来たんだな。
俺の怒りはまたもや頂点へと上がってくる。
谷口が発砲した銃弾を躱し、俺は能力で雲を作り出す。そしてその雲から雷を落とす。
「ドカーン」とデカい音を立ててからピカッと光る。谷口は何とか避けた様子だった。そして俺は部屋中に霧を作り出す。俺は一気に谷口までの距離を詰める。
谷口は俺に気づいてない様子。霧に包まれた事など無いのだろう。俺は霧を作り出す能力を解除する。霧が無くなり、谷口は俺の姿に気づく。
俺は着発式手榴弾をギリギリ避けれない速度で投げる。
「避けれないなら蹴ればいいんだよ。」
そう言いながら谷口は手榴弾を蹴る。
俺は既に爆破に巻き込まれない位置まで逃げていた。
谷口が手榴弾を蹴った瞬間、手榴弾は爆破した。
もちろんの事ながら手榴弾を蹴った方の足は無くなっていた。
身体には火傷が目立つ。正直あの爆破で生きている事がびっくりだ。
「なん・・・・・で?」
嗚咽に似たような感じでそんな言葉を漏らす谷口。
俺は銃で谷口の両手に風穴を開ける。
これで谷口は銃を使えない。だから、俺は一歩また一歩と谷口に歩み寄る。
倒れて言葉にならない叫びを上げて悶えている谷口の前にしゃがむ。
「着発式手榴弾。それは着地の衝撃で爆破する。それを蹴ったらそうなるよな。」
痛みに慣れたのか黙り込む谷口。俺は普通の手榴弾と着発式手榴弾を見せる。
「形が違うでしょ?右手の方が普通の手榴弾。左手のが着発式手榴弾。わかった?わかったよな。次からはちゃんと気をつけるんだぞ。って次は万が一もないけどな。」
そして俺は不敵な笑みを浮かべるのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...