「因縁の相手」

著恋凛

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最終章、全面戦争・・・編

26話(143話)「信頼関係」

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12VS1と言っても俺たちの力が12倍になるわけでもない。所詮は1VS1。ただ攻撃してくる方向が多くなるだけ。
ジェームズはそんなのお構い無し。いや、最初らへんはまだ闘えていた。でも、均衡が崩れたのは近距離で闘っていた一人が殺されたところだった。
殺された人を心配して隙が生まれる。その隙をジェームズは身を賭すわけもなく、そいつを殺す。
既にジェームズは400人近く・・・・・いや、裏ではもっと500人近く殺しているだろう。そんなやつが殺すのを躊躇する訳も無い。
そして少し楽になったジェームズは厄介な後方の妨害役の人を殺し始めた。
妨害が無くなったジェームズは元の強さに戻る。
そんな人並み外れた強さを取り戻したジェームズに一般局員がかなうわけない。一人一人流れるように殺して行くジェームズは踊りを踊っているようで見とれてしまう。
そして今俺と良和以外の人は全員死んだ。
俺はアイコンタクトでこの事を夕貴ちゃんに知らしてくると伝えて少しその場から離れる。
良和はというと何気に闘えていた。俺もだが、目が慣れたのだろう。ジェームズの攻撃がしっかり見えると同時に少しづつ攻撃を躱しせたりする。またにだが、攻撃も出来る。
そして俺は夕貴ちゃんにこの事を伝えた。
応援はいるか?と、訊かれたがいらないと答えた。今の俺と良和なら行ける。それに俺たちは幼なじみだ。幼稚園からずっと一緒にいる。アホみたいな事もしたし、喧嘩だってした。でも、喧嘩した回数仲直りした。対能力者撲滅局で一番コンビがいいのは俺たちだ!
良和の戦闘スタイル、得意技、何でも分かる。たぶん・・・いや、絶対良和も俺の戦闘スタイルなどは知っているだろう。良和が何を考えてるのかも気持ち悪い程手に取ったように分かる。根拠はない。でも、俺と良和の二人なら勝てる気がする。いや、勝てる。
俺はジェームズに突っ込んで行き、少し身体を捻り、軽くジャンプする。そして得意技の飛び後ろ回し蹴りをジェームズの頭に叩き込む。懇親の一発。俺が出せる一番強い技だろう。俺はジェームズを見る。
ジェームズは初めて痛い素振りを見せる。その隙に良和は銃口をジェームズに目掛け引き金を引く。
銃弾は一直線にジェームズの頭まで行くが、ジェームズは間一髪のところで首を傾げて避ける。でも、頬から血が滴り落ちる。それも一滴や二滴じゃない。ドバドバと。致命傷までは行かないが、止血出来ない今の状況からするに貧血になるのは時間の問題だろう。
少し・・・・・少しつづだが、活路が見いだせて来た。
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