11 / 35
職場で一番嫌いな奴と、なんでか付き合うことになった話
BL小説なんだけどさぁ
しおりを挟む
結局、今日の仕事はさんざんだった。
個人的な意見だけど、誰かに対し腹を立てたり怒ったりしたらそれが自分に返ってくるんだよね。取り直そうとすればするほど、気ばかりが空回りして上手くいかない。
クレームにまでは発展しなかったけど、終始上の空でお客様の言うことを聞いていなかったり。何回も、話が食い違ったり…。何とかかんとか最後の応対まで完了して、定時(言うて22時)ちょうどに終われたのが幸いだ。
SVの武市さんにまで、心配して何があったか声をかけられた。いや特に、何もございませんよ。ちょっとした、恋わずらいですから…。
恋?俺が?保志くんに?馬鹿馬鹿しい、あり得ない。思ったほど悪い子でないのはよく分かったけど、本当にそれだけですから…。でも何だか、昨日から気になって仕方ないなぁ。
アカンわ。本格的に調子悪い。ちょうどいいことに明日もまた休日だし、ゆっくりと休みましょう…。ってかこれもコールセンターにありがちだけど、シフト制だから本当に休みがまちまちなんだよね。個人的には不規則な休みの方が合っているけど、ここまで飛び石だったのは久しぶりだ。だから、思うように仕事の調子が出なかったことにしましょう…。そう考えながら、エレベーターに乗ると。
「辻村さーん、もう帰るんスか?早いっスね。一緒に帰りましょ」
悩みの元凶が、エレベーターに入ってきた。当然ながら、「開」のボタンは押してましたよ。これでも、社会人としては先輩なので。ってかこいつ、いっつも定時に終わってるよね。本当、電話応対の腕はまだまだだけど要領だけはいいと言うか…。
「…保志くんこそ、早いね。いっつも喫煙所でダベってから、帰るんじゃ?」
「辻村さんがマッハで帰るの見えたんで、オレもヤニ吸うの切り上げて出てきたんスわ。嬉しい?」
「特には。そうだ。言ってた液タブとPC渡すの、もうちょい待ってね。今、全力で部屋片付けてる最中だから。そして家の中では、絶対にタバコ吸わないでね…」
「えーっ、何スか。辻村さん、もしかしてタバコ嫌い?」
「…大っ嫌い」
タバコ自体も、タバコ吸う奴も。今まで付き合った彼氏の中にも、誰一人吸うのはいなかった。…と言うか、最初からタバコ吸う人種を避けていたのかなぁ。
何だか、妙な無言の間が続いた。うぅ、気まずい。何か、無難な話題はないか…。しかしこの状況、BL小説とかだとエレベーター止まるパターンだよね。まぁ、まさかそんな都合のいいことは起きないだろう…。と、考えていると。
ガタン、と言う音が鳴るとともにエレベーターが停止した。ついでに、電気も消えた。特に揺れは感じ取れなかったが、近くで地震でもあったものか。
はぁ?嘘だろ、BL小説かよ。ってかまぁ、BL小説なんだけどさぁ!
個人的な意見だけど、誰かに対し腹を立てたり怒ったりしたらそれが自分に返ってくるんだよね。取り直そうとすればするほど、気ばかりが空回りして上手くいかない。
クレームにまでは発展しなかったけど、終始上の空でお客様の言うことを聞いていなかったり。何回も、話が食い違ったり…。何とかかんとか最後の応対まで完了して、定時(言うて22時)ちょうどに終われたのが幸いだ。
SVの武市さんにまで、心配して何があったか声をかけられた。いや特に、何もございませんよ。ちょっとした、恋わずらいですから…。
恋?俺が?保志くんに?馬鹿馬鹿しい、あり得ない。思ったほど悪い子でないのはよく分かったけど、本当にそれだけですから…。でも何だか、昨日から気になって仕方ないなぁ。
アカンわ。本格的に調子悪い。ちょうどいいことに明日もまた休日だし、ゆっくりと休みましょう…。ってかこれもコールセンターにありがちだけど、シフト制だから本当に休みがまちまちなんだよね。個人的には不規則な休みの方が合っているけど、ここまで飛び石だったのは久しぶりだ。だから、思うように仕事の調子が出なかったことにしましょう…。そう考えながら、エレベーターに乗ると。
「辻村さーん、もう帰るんスか?早いっスね。一緒に帰りましょ」
悩みの元凶が、エレベーターに入ってきた。当然ながら、「開」のボタンは押してましたよ。これでも、社会人としては先輩なので。ってかこいつ、いっつも定時に終わってるよね。本当、電話応対の腕はまだまだだけど要領だけはいいと言うか…。
「…保志くんこそ、早いね。いっつも喫煙所でダベってから、帰るんじゃ?」
「辻村さんがマッハで帰るの見えたんで、オレもヤニ吸うの切り上げて出てきたんスわ。嬉しい?」
「特には。そうだ。言ってた液タブとPC渡すの、もうちょい待ってね。今、全力で部屋片付けてる最中だから。そして家の中では、絶対にタバコ吸わないでね…」
「えーっ、何スか。辻村さん、もしかしてタバコ嫌い?」
「…大っ嫌い」
タバコ自体も、タバコ吸う奴も。今まで付き合った彼氏の中にも、誰一人吸うのはいなかった。…と言うか、最初からタバコ吸う人種を避けていたのかなぁ。
何だか、妙な無言の間が続いた。うぅ、気まずい。何か、無難な話題はないか…。しかしこの状況、BL小説とかだとエレベーター止まるパターンだよね。まぁ、まさかそんな都合のいいことは起きないだろう…。と、考えていると。
ガタン、と言う音が鳴るとともにエレベーターが停止した。ついでに、電気も消えた。特に揺れは感じ取れなかったが、近くで地震でもあったものか。
はぁ?嘘だろ、BL小説かよ。ってかまぁ、BL小説なんだけどさぁ!
0
あなたにおすすめの小説
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?
perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。
その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。
彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。
……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。
口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。
――「光希、俺はお前が好きだ。」
次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。
かわいい美形の後輩が、俺にだけメロい
日向汐
BL
過保護なかわいい系美形の後輩。
たまに見せる甘い言動が受けの心を揺する♡
そんなお話。
【攻め】
雨宮千冬(あめみや・ちふゆ)
大学1年。法学部。
淡いピンク髪、甘い顔立ちの砂糖系イケメン。
甘く切ないラブソングが人気の、歌い手「フユ」として匿名活動中。
【受け】
睦月伊織(むつき・いおり)
大学2年。工学部。
黒髪黒目の平凡大学生。ぶっきらぼうな口調と態度で、ちょっとずぼら。恋愛は初心。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?
cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき)
ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。
「そうだ、バイトをしよう!」
一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。
教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった!
なんで元カレがここにいるんだよ!
俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。
「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」
「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」
なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ!
もう一度期待したら、また傷つく?
あの時、俺たちが別れた本当の理由は──?
「そろそろ我慢の限界かも」
泣き虫で小柄だった幼馴染が、メンタルつよめの大型犬になっていた話。
雪 いつき
BL
凰太朗と理央は、家が隣同士の幼馴染だった。
二つ年下で小柄で泣き虫だった理央を、凰太朗は、本当の弟のように可愛がっていた。だが凰太朗が中学に上がった頃、理央は親の都合で引っ越してしまう。
それから五年が経った頃、理央から同じ高校に入学するという連絡を受ける。変わらず可愛い姿を想像していたものの、再会した理央は、モデルのように背の高いイケメンに成長していた。
「凰ちゃんのこと大好きな俺も、他の奴らはどうでもいい俺も、どっちも本当の俺だから」
人前でそんな発言をして爽やかに笑う。
発言はともかく、今も変わらず懐いてくれて嬉しい。そのはずなのに、昔とは違う成長した理央に、だんだんとドキドキし始めて……。
本気になった幼なじみがメロすぎます!
文月あお
BL
同じマンションに住む年下の幼なじみ・玲央は、イケメンで、生意気だけど根はいいやつだし、とてもモテる。
俺は失恋するたびに「玲央みたいな男に生まれたかったなぁ」なんて思う。
いいなぁ玲央は。きっと俺より経験豊富なんだろうな――と、つい出来心で聞いてしまったんだ。
「やっぱ唇ってさ、やわらけーの?」
その軽率な質問が、俺と玲央の幼なじみライフを、まるっと変えてしまった。
「忘れないでよ、今日のこと」
「唯くんは俺の隣しかだめだから」
「なんで邪魔してたか、わかんねーの?」
俺と玲央は幼なじみで。男同士で。生まれたときからずっと一緒で。
俺の恋の相手は女の子のはずだし、玲央の恋の相手は、もっと素敵な人であるはずなのに。
「素数でも数えてなきゃ、俺はふつーにこうなんだよ、唯くんといたら」
そんな必死な顔で迫ってくんなよ……メロすぎんだろーが……!
【攻め】倉田玲央(高一)×【受け】五十嵐唯(高三)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる