萌えるゴミの日に、関西弁黒髪八重歯のイケメンを拾いました

あきら

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オス♂に太いで雄太くん

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 言ったように日付が変わってたので、そのまま寝てしまっても良かったんですけど…。

 明日は休日。多分、専門学校生である大雅くんにとってもね。その大雅くんが小腹空かせてるようだったので、色々と簡単なつまみを出してあげました。ちょうど、実家の母親から名産品を送ってもらってたんですよね。明太子やら、おきゅうとやら。東京のお友達に、福岡の味を教えてあげなさいって。今まで、誰にも教える機会がなかったんですけどね。いや、泣いてたりしません。
 「おぉー!これが、おきゅうとなんや!噂には聞いてたけど、実物見るのは初めてやわ。こう言う味なんや。ってか、ウマっ!これ絶対、酒に合うやつやん」
 「あぁ…。これは、気づきませんで。飲みます?お酒」
 「え?あぁ。いやいやいや、そんな。まるで、オレが催促したみたいやん?元々、タクシー代返しに来ただけなのに。飯食うやら風呂入るわ、泊めさせてもらうやら…。これ以上言うたら、どんだけ厚かましい奴やねんて」
 「(今更)気にしないでいいです。僕も、久しく誰かと晩酌する機会がなかったもので。それとも、大雅くんあまり飲めない人ですか?」
 「お?言うてくれるやないけ。これでもオレ、居酒屋でバイトしてた事もあるねんぞ。客と大喧嘩して、クビになったけどなー」
 「何ともまぁ、大雅くんらしい話です。どんな人であっても、お客様には様をつけて呼びましょうね…」
 「へいへい。ところで初めて会った時から思ってたけど、やっひーって言葉遣い丁寧やんな。どっか、ご立派な所で働いてるとか?」
 そりゃどうも。あなたの言葉遣いが、フランクすぎるだけだと思いますけどね。だけどコンプレックスである高い声には触れず、言葉遣いを持ち上げられたのは初めてかも知れない。
 「ご立派かどうか、すぐ近くのコールセンターですよ。ついさっきまで、そこで働いてました。アルバイトですが、方言も言葉遣いも叩き直されましたよ」
 「そうんや。へー、めっちゃ気になる。是非とも、ご紹介頂きたい所やけど…。話変わるで。やっひーって、下の名前はオス♂に太いで雄太くん?」
 「そうですけど、その覚え方はやめて下さいね。あと、名前に上下の区別はありません。どこから突っ込めばいいのか、分からない」
 「あはは。まぁ、細かい所は気にせんと。でもやっぱり、やっひーの方が呼びやすいからやっひーって呼ぶわ。言葉遣いが丁寧なのはいいけど、オレの方が年下やねんから敬語とかいらんで?」
 「そこは、年下のあなたが言葉遣いを改める所では…。でも、いいや。正直、敬語の方が話しやすいんだけど…。君が、そう言うなら。ところで、すっかり忘れてた。ささ、どうぞ一杯」
 そう言って、彼にお酒を勧めると…。発泡酒をほんの一口か二口飲んだ時点で、正体を失ってリビングで眠りこけました。よくこれで、居酒屋で働いてられたな…。
 仕方ないので寝顔を眺めながら、しばらく一人して手酌で飲んでいました。これまた、実家から送られてきた芋焼酎があったんです。今度はもう少し飲みながら話せるように、彼に酒を慣れさせないと…。
 って、また会って二人で飲む気満々?自分でも言ってたけど、こんな厚かましくて強引な人とねぇ。でも、何だかんだで…。元彼と別れてから、久々に楽しい時間だったかな。
 風邪を引いてはいけないので、眠りこける彼に毛布をかけてリビングを去りました。自分よりも小柄なので、抱っこして運べなくはなかったでしょうけど。姫抱っこ?むしろ、してほしいかな。なんてね。

 それでは、お休みなさい。
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