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ルナとエスティアス村
26話
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部屋に入った二人はしばらく話す事は無かった。何とも言えない緊張感が漂っている。
最初に口を開いたのは詩音の方だった。
「な、なんかとんでもないことになっちゃったな」
「そ、そうですね……うちの母がすみません……」
またも沈黙が続いてしまう。ルナは雰囲気を変えようと話題を切り出す。
「あっ、そうです。詩音さんて、遠い所から来たって言ってましたよね。どんなところなんですか? もっと知りたいです」
「いいぜ。俺は日本てところからきて、この村みたいな建物が国中にあるんだ。それで………………」
詩音は自分のいた国や過去の思い出などを語った。
「へー。詩音さん、妹がいたんですね」
「ああ。愛梨っていうんだけど。あいつも天才でさ、魔法みたいなことを技術力でやっちゃうんだよ。会えるかわかんないけど、会えるんならまた会いたいな」
「詩音さんは、日本に帰りたいと思いますか?」
「あー。今すぐじゃないけど帰れるんならそうしたいかな」
不意に、ルナが詩音に抱き着いた。詩音はそういった経験が無かったために激しく動揺した。
「ど、ど、どうしたルナ!?」
「私、詩音さんにどこにも行ってほしくありません!」
「い、いやすぐにってわけじゃないんだし。まだ魔王とも戦ってないし」
「それでも、魔王と戦ったら帰ってしまうんじゃ」
詩音は無意識的にルナを抱きしめた。
「俺はいなくなったりしない」
ルナは顔が真っ赤になりオーバーヒート寸前だが、詩音は気づかず続ける。
「俺、日本じゃ修行ばっかで仲のいいやつがいなかったんだよね。だからルナやみんなといるのがとっても楽しいんだ。だからみんなの前からいなくなるなんてこと、絶対にしない」
そう聞くと、ルナは詩音を引きはがした。
「それって。友達としてですか?」
「ん?」
「私、友達としてしか見られてませんか?」
「おっとそう来たか」
ルナは詩音にどんどん詰め寄る。
「おおお落ち着け、ルナ。友達じゃないぞ、親友だ」
「どっちも同じですよ! 私はそんなんじゃ嫌です。もっとこ、恋人とか……」
「いや、まだ早いというかそういう関係になるとパーティーがギスギスする原因になるというかなんというか」
「早いも遅いもないです。詩音さんは私のこと、そういう風に見れないですか?」
「え? え、えーっと…………」
そのとき、外から大きな音が鳴った。
「あ、あれ? なんだ今の音」
「話をそらさないでください!」
「いや、聞いたことのある音だったから。あの甲高い音、ジェット機みたいな音がしたから。エスティアス村ってジェット機も持ってんの?」
「いえ、そんなもの知りませんよ。何ですか? ジェット機って」
「空を飛ぶ乗り物だよ。すごいスピードがでんの」
続いて爆発音が轟いた。
「な、なんだ!? 何が起こった!? ルナ、クレアたちを起こして様子を見に行こう。……ルナ?」
「いいところでしたのに、私の邪魔をして……誰か知りませんが、もう許しません」
ルナは相当怒っていた。詩音はルナから逃げる様にクレアたちを起こしに行った。
外へ出てみると、森の奥がとても明るかった。
「あれって、燃えてるよな」
「ああ。しかもあの方角は魔王軍の進駐している場所ではなかったか?」
「どっちにしても山火事はやばいだろ」
すると突然、大きな音とともに二人組が建物を破壊しながら飛び出してきた。
「何者だ! お前たちは!」
「お、お前らか! 俺たちの宿営地を燃やしたのは!!!」
「はい?」
「とぼけるな!! 夜中にすっごく甲高い爆音を鳴らして、何事かと思ってテントから出たら、知らない大きな鳥がえげつない速度で飛んでるし、かと思ったら何か落としてくるわ火のついた何かが超高速で突っ込んでくるわでもう跡形も無くなったわ!」
「なるほど、さっきの音は戦闘機の音だったのか。え? でもなんで戦闘機?」
「なんだお前知ってるのか? やはりお前たちの仕業だったのか」
4人は顔を見合わせる。しかし誰も、知らないよ? みたいなかおをしていた。
「いや、みんな知らないみたいだし。エスティアス村に空を飛ぶ機械なんてないらしいし。人違いじゃない?」
「そ、そんなわけあるか! 野営地から一番近いのはこの村なんだ! お前たちがやったに決まって……本当に知らないのか? そんな困った顔されるとなんかこっちが悪いみたいな気分になるんだが」
「さっきも言ったじゃんか。知らないんだって」
二人組はもうやけになってきていた。
「もうどうでもいいわ! もともとエスティアス村を潰すつもりだったからな! 俺たちは兄妹系魔王軍幹部! 俺は兄貴のクラッシュ! そしてこっちが妹のヒメラ! 本来はもっと人を減らしてからにするつもりだったが、今! ぶち壊してやる!」
「なんだよ兄妹系魔王軍幹部って」
「いま村を潰すと言ったな! そうはさせるか! 私たちが相手だ!!!」
クレアが叫び、剣を抜くと、2人は颯爽とこの場を去っていった。程なくして何かが破壊される音がした。
「しまった! 奴らもう街を壊して回ってるのか!?」
「俺たちも止めにいこう」
「待ちなさい」
家からマクシムが出てきた。
「俺たちはこういう時の為に代々受け継いで保管してきた武器を取りにいこう。君たちはそれが来るまで奴らの足止めを頼みたい。すまないができるか?」
「もちろんだ。 クレアとルナ、俺とクリスタで手分けするぞ。それじゃみんな、武運を祈ってる」
詩音たちは魔王軍幹部の方へ移動を開始した。
最初に口を開いたのは詩音の方だった。
「な、なんかとんでもないことになっちゃったな」
「そ、そうですね……うちの母がすみません……」
またも沈黙が続いてしまう。ルナは雰囲気を変えようと話題を切り出す。
「あっ、そうです。詩音さんて、遠い所から来たって言ってましたよね。どんなところなんですか? もっと知りたいです」
「いいぜ。俺は日本てところからきて、この村みたいな建物が国中にあるんだ。それで………………」
詩音は自分のいた国や過去の思い出などを語った。
「へー。詩音さん、妹がいたんですね」
「ああ。愛梨っていうんだけど。あいつも天才でさ、魔法みたいなことを技術力でやっちゃうんだよ。会えるかわかんないけど、会えるんならまた会いたいな」
「詩音さんは、日本に帰りたいと思いますか?」
「あー。今すぐじゃないけど帰れるんならそうしたいかな」
不意に、ルナが詩音に抱き着いた。詩音はそういった経験が無かったために激しく動揺した。
「ど、ど、どうしたルナ!?」
「私、詩音さんにどこにも行ってほしくありません!」
「い、いやすぐにってわけじゃないんだし。まだ魔王とも戦ってないし」
「それでも、魔王と戦ったら帰ってしまうんじゃ」
詩音は無意識的にルナを抱きしめた。
「俺はいなくなったりしない」
ルナは顔が真っ赤になりオーバーヒート寸前だが、詩音は気づかず続ける。
「俺、日本じゃ修行ばっかで仲のいいやつがいなかったんだよね。だからルナやみんなといるのがとっても楽しいんだ。だからみんなの前からいなくなるなんてこと、絶対にしない」
そう聞くと、ルナは詩音を引きはがした。
「それって。友達としてですか?」
「ん?」
「私、友達としてしか見られてませんか?」
「おっとそう来たか」
ルナは詩音にどんどん詰め寄る。
「おおお落ち着け、ルナ。友達じゃないぞ、親友だ」
「どっちも同じですよ! 私はそんなんじゃ嫌です。もっとこ、恋人とか……」
「いや、まだ早いというかそういう関係になるとパーティーがギスギスする原因になるというかなんというか」
「早いも遅いもないです。詩音さんは私のこと、そういう風に見れないですか?」
「え? え、えーっと…………」
そのとき、外から大きな音が鳴った。
「あ、あれ? なんだ今の音」
「話をそらさないでください!」
「いや、聞いたことのある音だったから。あの甲高い音、ジェット機みたいな音がしたから。エスティアス村ってジェット機も持ってんの?」
「いえ、そんなもの知りませんよ。何ですか? ジェット機って」
「空を飛ぶ乗り物だよ。すごいスピードがでんの」
続いて爆発音が轟いた。
「な、なんだ!? 何が起こった!? ルナ、クレアたちを起こして様子を見に行こう。……ルナ?」
「いいところでしたのに、私の邪魔をして……誰か知りませんが、もう許しません」
ルナは相当怒っていた。詩音はルナから逃げる様にクレアたちを起こしに行った。
外へ出てみると、森の奥がとても明るかった。
「あれって、燃えてるよな」
「ああ。しかもあの方角は魔王軍の進駐している場所ではなかったか?」
「どっちにしても山火事はやばいだろ」
すると突然、大きな音とともに二人組が建物を破壊しながら飛び出してきた。
「何者だ! お前たちは!」
「お、お前らか! 俺たちの宿営地を燃やしたのは!!!」
「はい?」
「とぼけるな!! 夜中にすっごく甲高い爆音を鳴らして、何事かと思ってテントから出たら、知らない大きな鳥がえげつない速度で飛んでるし、かと思ったら何か落としてくるわ火のついた何かが超高速で突っ込んでくるわでもう跡形も無くなったわ!」
「なるほど、さっきの音は戦闘機の音だったのか。え? でもなんで戦闘機?」
「なんだお前知ってるのか? やはりお前たちの仕業だったのか」
4人は顔を見合わせる。しかし誰も、知らないよ? みたいなかおをしていた。
「いや、みんな知らないみたいだし。エスティアス村に空を飛ぶ機械なんてないらしいし。人違いじゃない?」
「そ、そんなわけあるか! 野営地から一番近いのはこの村なんだ! お前たちがやったに決まって……本当に知らないのか? そんな困った顔されるとなんかこっちが悪いみたいな気分になるんだが」
「さっきも言ったじゃんか。知らないんだって」
二人組はもうやけになってきていた。
「もうどうでもいいわ! もともとエスティアス村を潰すつもりだったからな! 俺たちは兄妹系魔王軍幹部! 俺は兄貴のクラッシュ! そしてこっちが妹のヒメラ! 本来はもっと人を減らしてからにするつもりだったが、今! ぶち壊してやる!」
「なんだよ兄妹系魔王軍幹部って」
「いま村を潰すと言ったな! そうはさせるか! 私たちが相手だ!!!」
クレアが叫び、剣を抜くと、2人は颯爽とこの場を去っていった。程なくして何かが破壊される音がした。
「しまった! 奴らもう街を壊して回ってるのか!?」
「俺たちも止めにいこう」
「待ちなさい」
家からマクシムが出てきた。
「俺たちはこういう時の為に代々受け継いで保管してきた武器を取りにいこう。君たちはそれが来るまで奴らの足止めを頼みたい。すまないができるか?」
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