『Nightm@re』という異世界に召喚された学生達が学校間大戦とLevel上げで学校を発展させていく冒険譚。

なすか地上絵

文字の大きさ
47 / 85
第二章★

043:ロリッ子金星の猛攻撃。

しおりを挟む


――同時刻
■立心館近く_高速道路
 (草壁 真司)


 高速道路上では今も攻防が続いている。
水星と木星は息を切らしかなり消耗をしている。

 私もあまり余裕はないですけどかなり圧倒していると思う。

 高速道路のコンクリートは所々、大破していて底が抜けている箇所もある。街灯が倒れコンクリートの破片も散らばっている。少し踏み外すだけで大けがをしそうです。最悪、高速道路から転げ落ちるかもしれません。私は片腕の骨が折れていて使い物にならない。相手の二人は擦過傷が多く出血がひどい。血が足りないのもありフラフラだ。

「お前……まだ余力があるだろ? 」

「いや余力なんてないですよ。存在力を考えると使いたくない切り札ならありますけどね」

 木星の言葉に私は言葉を返し、水星を見つめる。

「な……何よ? 」

「もう、ここら辺でやめませんか?無駄に人殺しはしたくありませんから」

「却下ね!どちらかが死ぬまで戦うのが戦争よ! 」

 水星は傷だらけなのに私に向かって走り出した。水星の服はスカートの一部がちぎれていて、下着が見えている。恥じらいもなく、私に対する殺意のみひしひしと感じている。

 少し前まで普通の女子高校生だったとは思えない。もっとも私も人のことは言えませんけど…

「勝つのは私よ! 」

 水星は水の針を生み出し攻撃をしてくる。私はこの戦いにけりをつけるべく存在力を解放し、発動させる。

 二人をここまで傷だらけにした強力な武器。大凶校戦で手に入った、大凶高校の幹部。ニシの手裏剣だ。この支給品はなかなか優秀だと使っていて思う。コントロールにかなりのコツはいりますけど、だいぶ慣れました。

 手裏剣はうねりを上げて迫り来る敵を迎え撃とうとした。

「勝つのは私だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!! 」

 水星は最後の力を注ぎ、水の針が迫ってくる。
 仕方ない。そう思い私は技を発動させようとした瞬間であった。

「!?――がっ!!? 」

 私の身体に衝撃が走り、吹き飛ぶ。身体が浮遊感に包まれ高速道路の壁に衝突した。くっ、相当痛い。背中がジンジンとしている。頭も打ったようでくらくらする。視力も低下しているようでなかなか視界がクリアにならない。

 なんとか目を凝らし、私がダメージを受けた原因を確認する。

「ハロー。金星ちゃん参上だょー!」

「き、金星!?何故、ここにいる?」

 木星と水星が何やら狼狽えている。金星?もしや幹部の一人がここまで来たのか?
 私が高速道路まで移動をしたのは増援がこないようにするためだったのに…。

「あはっ♪ なんかね…あなた達だけだと敵のNO.2はキツいだろうと思ったから助太刀に来たんだよー♪ 」

 金星は見た目は背が小さくてツインテールでまるで小学生みたいだ。幼女が来た。だが、放たれているオーラは明らかにやばい。私はダメージの残る身体を無理矢理、立ち上がらさせる。

「あなたは小学生ですか? おかしいですね。この世界は高校生だけのはずですよ」

「むー、失礼な。あたしはピチピチの高校生だよ♪ おっ○いだってこれから成長するんだもん♪ 」

「そうですか…牛乳いっぱい飲んでください」

 金星は既に戦闘態勢に入っている。水星や木星と同じように首からぶら下げている勾玉はこれまで見たことないくらいの発光をしている。やがて金星のミニマムボディが金色に輝く。

「――! 」

 その殺那、一気に金星は距離を詰めて私の懐に入る。
 突然のことに私は反応出来ない。

「金星キ――ックっ! 」

 私は蹴り飛ばされ、高速道路の壁に突き抜け、落下する。下の一般道に落ちる。明かりの点いていないローソンやファミレス、ガソリンスタンドが建ち並んでいる。

 高速道路からは私を追うように金星が飛び降りてくる。水星と木星もそれに続く。
私はすぐに立ちあがり黒いモヤモヤを出現させる。ちょっと情けないですが私は身を隠し逃げることを選択した。

「あ――待て!逃げるな!!」

 金星が叫ぶが遅い。私は黒いモヤモヤを出現させすぐに中に入る。少し離れた場所に瞬時に移動をする。この三人を相手にするのはきつい。一旦立て直すことに決めた。

「ここなら大丈夫でしょう」

 念のためさらにこの場から離れる。都会の国道を走り、ビルの影に身を隠す。何故か、この辺は街灯やレストラン、ビルの明かりがしっかり点いていて視界が良好すぎる。

 ……え、なんででしょう。ナイトメアにあるお店や家は常に真っ暗なはず…。

「街灯が点いているのは戦いやすいようにという僕の気配りだよ★」

「…………え? 」

 その理由はすぐにわかった。私の目の前には背広姿だが蛇の着ぐるみを着た蛇人間がいた。深緑色の鱗に不気味に金色に光らせている相眸。全てが不気味。

「く、クチナワですか?」

 私達に戦いを強制している張本人であり元凶。まさかの人物が私の目の前にいた。実在していたのかなんて私は思ってしまう。そしてクチナワからは禍々しい程の邪悪な気配がした。

「逃げることは許さないよ★戦わないと★ 」

「ふざけるなっ!なんであなたにそんなことを言われなきゃならない!」

 クチナワは顔を右に向け、微笑み言う。

「さあ、戦え★僕を楽しませておくれ★ 」

 クチナワの姿が突如薄れ始め、消えていく。

「ま、待てっ!」

 クチナワは光の粒子みたくなり、掴もうとした手は空を切る。すると同時に遠くからは足音が聞こえていた。

「みーつけた♪僕ちん、狙った獲物は逃がさないんだから。あはっ♪」

 金星の身体は金色に輝いていた。これは勾玉の能力みたいだ。

「逃がさないよー!君がもう存在力をだいぶ消費してるのは知ってるからね♪ 」

 見た目はロリ。可愛らしげな女の子なのに狂気の混じった目をしていた。

「僕ちんね。人の身体を斬りつけるのは初めて!ドキドキ初体験だねっ」

「前の戦いでは誰も斬りつけなかったのですか? 」

「いや、前は蹴りやパンチで戦っていたからだよ♪この武器はその戦いで得たものさ 」

 相手から戦闘の意思を感じとり、私は武器を構えた。
 構えたのは手裏剣の方でランスはまだ召喚していない。

「首をいただくね。あはっ  」

 女の子は手からでかい鎌を召喚し、強烈なスピードで走り出す。
 私は金星から逃げようと跳躍し、街灯の上に乗る。

「――! 」

「遅ーい♪ 」

 私の後ろから金星の声がし、咄嗟に身体を伏せた。頭の上を風が横切った感覚が走る。

「おっしー!もう一回攻撃だもんっ!喰らえ! 」

 私は身体を空中で反転し、手裏剣を大量に金星に向かわせた。

 一旦、固いコンクリートの地面の上に着地をする。放った手裏剣を確認する。

「わぉ? 僕ちんピーンチっ 」

 ロリは何故か余裕そうで向かってくる手裏剣を避けようとしない。

「ふふん。僕ちんにこんなの効かないよ?」

 手裏剣はうねりを上げて突っ込み、金星の身体に当たる。次々と当たるが何故か金星にダメージがあるようには思えない。

「とおっ!」

 そのまま金星は地面に着地をし、ニッコリ笑う。

「えへん。どうよ?」

「あなたの能力はなんですか?」

「聞かれて僕ちんが素直に答えると思う?」

 思わないから私はランスを構え攻撃に入る。身体にかなりのダメージがあり満足に動けそうにない。短期戦にしないと分が悪い。私はランスを伸ばしながら駆け出す。

「お首ちょーだい♪  」

 金星は跳躍しビルの壁を駆けていく。そして空中から私に攻撃をしようとしていた。

「……ならば」

 私はランスを地面のコンクリートに突き刺した。

「伸びろ! 」

 ランスは一気に伸びる。私の身体は金星より高い上空に移動する。

「よし!一気にいかせてもらいますね!」

「甘いね優男っぽいお兄ちゃん。僕ちん能力を分かってないね」

 金星は体勢を変え街灯に着地し跳躍する。

「……! 」

「えへん。驚いた? 」

 一気に金星は私に接近し、拳を固めパンチを放つ。

「ぐっ……! 」

「もう、僕ちんの能力に気が付いているんじゃない? 」

 確かに……今の攻撃で能力の正体は分かった。

「……肉体強化ですね? 」

「正解♪あちょあちょあちょあちょあちょあちょあちょあちょあちょっ!!」

 金星が何回も正拳を喰らわしてくる。
 私は体勢を変えて、ランスを振り下ろすけど簡単に防がれてしまう。

「とぉー、死んじゃえー♪ 」

 ロリは私に蹴りを喰らわせる。
 私はビルの壁に衝突し地面に落下する。

 痛い。

 レベルが上がって身体が頑丈になっているとはいえ流石に痛い。
 四階ぐらいの高さから落ちたのではないでしょうか。

「首をいただくからねぇーっ! 」

 ロリはいきなりでかい鎌を召喚する。

ーーキィィィイィィィイイィィ

「……!! 」

 でかい鎌は女の人の甲高い叫び声みたいのを発っしていた。あれはまずい。本能が悟り私はランスを構え技を発動する。

 すぐ目の前に黒いモヤモヤができる。そこに落ちる。異次元空間を移動をし、金星から少し離れた場所に出る。私が落下する予定だった場所を見て驚愕した。溶けていた。ビルが……いや……街がまるごと。

「…………」

「えへ、溶けちゃったっ!」

 私は金星から距離をとる。

「あーん。待ってよぉー。首ほしいー」

 鎌を振り回し、辺りの街を破壊しながら接近してくる。

 私の身体は先程の水星と木星との戦いで傷だらけ。明らかな不利ですね。逃げたいが逃げれない。それに…水星と木星だけでも倒しておかないと本来の目的は……果たせない。だが金星を倒せるほどの存在力は残ってない。技を使った攻撃は残り一回がせいぜいだ。

「待てー♪僕ちんはあなたの首が欲しいだけ。ちょうだい」

 私は覚悟を決めて金星と向かい合う。
 私が構えたのは手裏剣ではなくランス。

 二つの影は同時に動きだした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...