『Nightm@re』という異世界に召喚された学生達が学校間大戦とLevel上げで学校を発展させていく冒険譚。

第二章★

051:クチナワとの密会。

――同時刻
■立心館＿職員室
　（相坂 愛花）


　暗い部屋にいくつもあるデスク。そのデスクの上にはノートパソコンや資料や鍵。他にはプリント類も散らばっていた。部屋の端にはコピー機もあり、紙屑が無惨に散らばっていた。

　ここは教師などが本来は仕事をするための職員室だ。テストが近かったのか問題用紙があちらこちらにある。

　そんな所にある女の子とある人物が会っていた。トレードマークのポニーテールが揺れている。

「それで、君はちゃんと任務を果たしてくれたかな？ ★」

「ええ、大丈夫よ」

　女の子の方は、相坂 愛花。
　だが、いつもの優しい表情はなかった。

「ふむ。なら良かったよ。
ちなみにこれが報酬ね★」

　雲が流れたのか月明かりが職員室に照らされる。

　相坂と話しているのは顔は蛇、身体は人間でスーツに身を固めた男。クチナワだ。

「あなたって随分と彼に注目しているみたいね」

「まあね。彼だけじゃないよ。君の学校の代表にも注目してるよ★」

　相坂は何かを受け取りながら、クチナワに聞く。

「そういえば、全国の他の学校はどうなってるの？ 」

　相坂はクチナワに聞くとクチナワは楽しそうに言う。

「気になってるねー。いいよいいよ。西日本側はすっごいレベル高いよ。今、僕の部下が観察してるけどね中々見応えがあるんだ。あっち側はかなり発展が進んでいるね。巨大な学校がいくつか誕生しているよ★」

クチナワは近くの椅子に座り、煙草をふかす。

「君も吸うかい？ ★」

「一応、未成年だしレディーだからやめとくわ」

　相坂は不気味に微笑みながら断る。

「君に渡した武器だけど存在力をかなり削るから気をつけてね★」

「大丈夫よ。私は存在力もLvも平均より遥か上だから」

「まあ、君なら大丈夫だね。君は存在力1000はあるし★」

「一応、聞いとくけど存在力2000超えの猛者は全国で何人？ 」

「んー、君のとこの代表と……、九州に１人、北海道に１人、大阪に１人、東京に１人だったかな。だから合計4人だけだね★」

「まあ、そんなもんでしょうね。存在力はLvと違って少しずつしか上がらないし」

　相坂は窓の外を見ながらクチナワに聞く。

「それにしてもあなた、何もこんなとこで密会だなんて、バレたらどうするのよ。うちの代表は頭が異常に回るのよ」

　クチナワは煙草を灰皿に擦り、消した。

「それなら手は打ってあるよ★」

　クチナワはニヤリと蛇顔を歪ませ不気味に笑っていた。

「なら、いいけど……それはそうと大凶高校のホトケの武器を横取りしたのあなたの差金でしょ？」

「まあね。でもこれはバランス調整だよ★ほら、君達はただでさえ、良い武器を持っている人が実質二人もいるんだから。いや…正確には今のところ三人いるんだけどね★」

　クチナワは立ち上がり、何かを取り出す。それを相坂は黙って見据えていた。

「それも…神器をね★」

　クチナワの足元に雲が出現し、その中に沈んでいく。相坂は長距離移動能力だと分かっていた。

　クチナワが完全に消えたあと、相坂は職員室を後にした。

…………
……
…