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不幸な幸い
しおりを挟む「なんで飛び降りたりしたんだ。」
君の言葉が僕に突き刺さる。
答えたくなんかない。
「なんだよ。俺には言いたくないのかよ。」
そう。言いたくないんだ。
いいや。言いたくて仕方がない。
どっちも僕の本当の気持ちだ。
どっちかなんて決められない。
声が出ない。言葉がうかばない。顔が見れない。
本当、自分はどうしようもない。
「お前さっきからぼーっとしてるけどやっぱりまだ身体が痛いのか?」
やめてくれ。その優しさに僕は苦しまされてきたんだ。
悩まされてきたんだ。自分が嫌になったんだ。
「一志のせいだ!」
ついに僕は下を見ながら、溢れた思いを言葉に変える。
「はぁ?なんでそうなるんだよ。」
一志は不服そうだ。
「一志のせいだ!全部全部一志のせいだ!」
何か言いたそうな一志はほっといて思いを言い続ける。
「一志はわかっていないんだ!僕がどんな思いで飛んだなんかなんて!いつもいつもいつもいつも僕の気持ちなんて無視で僕がどんなに悩んだか!苦しんだか!」
本当はそうじゃないことなんてわかっているけど人のせいにしないと自分が壊れてしまう。本当に僕はどうしようもない。
「何のことだよ。飛び降りたのは自分だろ?俺のせいにするなよ。お前、俺といる時楽しそうだったのは嘘だったのかよ?悩んでたんならなんで俺に言わないんだよ、なんで自分一人だけで抱え込もうとするんだよ?何のための友達だよ?何でも協力して乗り越えていけるもんだろ!俺をもっと信用してくれたっていいだろ?それなのに俺のせいとか理不尽じゃないか!ふざけるな!俺だってな!色々考えてんだよ!悩んでんのは俺だって一緒だよ!自分だけ不幸みたいな言い方してるけど、誰だって悩んでることぐらいあんだよ!」
一志の言葉に僕はなにも言えなくなった。悲しくなった。嬉しくなった。初めて一志に怒られた。初めて一志の思いがきけた。
僕の頬に熱い何かが動いた。
ああ。涙か。
「ごめん!ごめん!なんか涙が止まらなくって。ごめん。実は…僕は!僕は一志が好きで仕方がないの!いつも一緒に居たいのにだんだんつらくなって、どんどん想いが溜まっていってこれ以上は僕がおかしくなっちゃうんじゃないかって、だから、飛び降りた。ごめん。」
「俺もお前のこと好きだよ。」
いま、なんて言った?あれ?おかしいな。もう泣き止んだはずなのにまた涙が…
僕はいつまでも泣き止むことができなかった。
そばにはずっと一志がついていてくれた。
本当、生きてて良かった。
例えば君に、好きだと伝えられていたら飛び降りなくてすんだのかな。
体中がすごく痛い。生きている。もっと泣きたくなった。
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