異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜

昼寝部

文字の大きさ
13 / 95
1章 異世界へ

熊退治

しおりを挟む
 『ココナツ村』から出た俺たちは作戦会議を行う。

「私は熊の動きを止めたらいいんだよね?」
「あぁ。あとは俺に任せろ」

 お互い、熊の位置を把握できる賢者スキルがあるからこそできる作戦だ。

「うんっ!あとはお兄ちゃんに任せるよ!じゃあ早速……マルチプルっ!」

 カナデが魔法を発動し、周囲に生息する熊全てに照準を合わせる。

「バインドっ!」

 カナデが拘束魔法を発動。
 周囲にいる熊全ての動きが止まったのをスキルで把握する。

「どう!お兄ちゃんっ!」
「あぁ、さすがカナデだ」
「えへへ~」

 そう言ってカナデの頭を軽く撫でる。

「じゃあ行ってくるよ」
「うんっ!熊肉楽しみにしてるね!」

 カナデを撫で終えた俺は熊討伐に向かった。



「サクッと終わらせてシャルさんたちを安心させるか」

 俺は索敵スキルを使い、俊敏値SSをフル稼働させて熊の位置まで向かう。

「お、ちゃんと動けなくなってるな」

 カナデの魔法により身体を縛られて地面に転がっている。
 俺は無防備な熊の頭を斬り、絶命させる。
 そして異空間ボックスに熊を収納する。

「あと110頭程度か。これなら10分もあれば終わるな」

 俺はダッシュで拘束されている熊たちへ向かい、全ての熊を絶命させた。



 10分後、村の入り口には合計115頭の熊の死体が転がっていた。

「こ、これは……」
「周辺にいた熊です」

 俺の返答にシャルさんが固まる。

「私たちが退治しておいたよ!まぁ、倒したのはお兄ちゃんだけどね!」
「これで村は安全です。周囲に熊は居なくなったので」

 俺の言葉を聞き、シャルさんが“ガクっ”と膝をつく。

「ちょっ!大丈夫ですか!?」
「は、はい。大丈夫です。村が安全と分かったら力が抜けてしまって」
「今まで村を守るために気を張ってたからだと思います。これで脅威は去ったので安心してください」
「ぐすんっ。ありがとう……ございます」

 涙を流しながら感謝するシャルさんを見て、村を救うことができて良かったと思った。



 熊が討伐されたことは村中に知れ渡り、その日の夜は宴会が開かれた。

「今日は熊肉を使った豪華な料理をご用意しました。遠慮なく食べてくださいね」
「ありがとうございます!」

 とのことで村人たちと宴会を行う。

「兄ちゃんたち強いな!10分足らずで115頭も倒すなんて!本当にEランク冒険者か!?」
「村を守ってくれてありがとう!君たちは命の恩人だ!」
「ここに永住してもいいぞ!俺たちが歓迎してやる!」

 等々、酔っ払ってる村人たちから色々と話しかけられる。

 中でも多かったのが…

「アキトさん!コチラのお料理はいかがですか?」
「私の作った料理も食べてくださいっ!」
「あ、ずるい!私もアキトさんに手料理を食べてほしいのに!」

 何故か村の女性たちが俺に手料理を食べさせようとしたことだ。

 どうやら、この村では若い男は皆んな外へ出て仕事をしているため、男性陣が中年層しかおらず、若い男性が珍しいようだ。
 誰も俺のそばから離れる様子はない。

「アキトさんモテモテですね。強くてカッコいいとなれば当然だとは思いますが」
「だね。でもお兄ちゃんのことだから自分がモテモテだなんて自覚してないと思うよ。お兄ちゃん、超鈍感だからね」
「あはは……」

(アイツら俺の方を見て何やら話しているようだが……コソコソ話すくらいなら助けてほしい)

 そんなことを思いつつも宴会を楽しんだ。



 翌日。

「これでよしっ!」
「ありがとう、カナデ」
「ううん!これくらい大したことないよ!」

 村の外に置いてあった大量の熊をカナデが魔法で全て凍らせ、保管できる場所をシャルさんに依頼した。
 すると1軒の空き家を使うこととなり、空き家1軒を丸ごと冷凍庫にして熊の管理をお願いした。

「熊はこの村の人たちにとって食料になるからね!腐らせるわけにはいかないよ!」
「何から何までありがとうございます」

 何度目かの感謝の言葉をシャルさんが口にする。

「気にしないでください。それよりこんなに沢山のお米をいただいてもよろしかったのですか?」
「問題ありません。むしろ、こんなに沢山の熊肉をいただいたお礼がお米でよろしかったのですか?」
「「もちろんです!」」

 俺たちの声が被る。
 どうやらこの世界ではお米の需要が低く、人気のない食材の一つらしい。
 そのため王都では出回っておらず、村人たちは米を売って金にするような生活を送っていなかった。

「ふふっ。お二人は米が本当に好きなんですね」

 宴会では久々に口にした米に思わず涙が溢れたくらいだ。
 村を救ったことに加え、涙を流すほど白米が好きな俺たちのことを村人全員が気に入り、沢山のお米をいただいた。

「作る側からしても白米を美味しそうに食べていただき、とても嬉しかったです。いつでも米をご用意しておりますので、気軽に立ち寄ってくださいね」
「また来いよ!兄ちゃんたち!」
「また来てくださいねー!」

 こうして俺たちは村人全員から見送られ、村を出発した。



 王都への帰りもミナミに運転をお願いし、馬車を走らせる。

「良い村だったな」
「うん!また行こうね!」

 俺たちは村人たちからの手厚い歓迎や村の雰囲気が好きになり、定期的に訪れることを決める。

「それより、あの村の近くにダンジョンがあるね」
「あぁ。今回、熊が村周辺まで来てた理由はダンジョン崩壊により魔物が溢れた結果だろう」

 熊が溢れた理由を賢者さんに問いかけると、ダンジョン崩壊を起こし、魔物がこの辺りを出歩いている状況を把握。
 すぐに確認へ向かうと、ゴブリンやオークなどの魔物が森の中を歩き回っていた。

「熊が住んでた場所に魔物が現れ、魔物たちに生活圏を奪われた熊が村の近くまで来てたんだ。おそらくだけど、あのダンジョンは冒険者ギルドも把握してない」
「うん。はやく帰ってレーネさんに伝えないと」

 もう少し長く滞在したかったが、レーネさんへの報告があるため、すぐに帰還することにした。

「一応、森の中を歩いていたモンスターは全て倒したけど、また溢れる可能性はある」
「だね。私たちが勝手にダンジョンに入るわけにはいかなかったし」

 本当はダンジョン崩壊を起こしたダンジョンに入って一体でも多く魔物を討伐したかったが、ダンジョン崩壊は未経験なため、レーネさんに指示を仰ぐことにした。
 一応、シャルさんにはダンジョン崩壊によって熊が村付近までいたことを伝え、今後、魔物が村までやって来る可能性を伝えてある。
 ちなみに森を徘徊していたモンスターたちを倒したおかげでレベルが上がりまくり、美味しい思いをした。

「そういえば徘徊しているモンスターの方が経験値が多かったな。なんでだろ?」

『解、ダンジョン崩壊を起こしてるダンジョンは魔物のレベルが上がります。それによりレベルアップが普段よりも簡単に起こりました。ちなみにダンジョン崩壊を起こしたダンジョンは普段よりワンランク上のダンジョンとして扱われますので注意が必要です』

 脳内で俺の疑問に答えてくれる賢者さん。

「さすが賢者さんだ」
「だね!凄すぎて賢者ちゃんって呼びたくなるよ!」
「……それ、褒めてんのか?」

 そんな会話をしながら王都を目指した。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道

コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。  主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。  こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。  そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。  修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。    それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。  不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。  記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。     メサメサメサ   メサ      メサ メサ          メサ メサ          メサ   メサメサメサメサメサ  メ サ  メ  サ  サ  メ サ  メ  サ  サ  サ メ  サ  メ   サ  ササ  他サイトにも掲載しています。

 社畜のおじさん過労で死に、異世界でダンジョンマスターと なり自由に行動し、それを脅かす人間には容赦しません。

本条蒼依
ファンタジー
 山本優(やまもとまさる)45歳はブラック企業に勤め、 残業、休日出勤は当たり前で、連続出勤30日目にして 遂に過労死をしてしまい、女神に異世界転移をはたす。  そして、あまりな強大な力を得て、貴族達にその身柄を 拘束させられ、地球のように束縛をされそうになり、 町から逃げ出すところから始まる。

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ
ファンタジー
主人公タカトはテンプレ通り事故で死亡、運よく異世界転生できることになり神様にドラゴンになりたいとお願いした。 夢にまで見た異世界生活をドラゴンパワーと現代地球の知識で全力満喫! 仲間を増やして夢を叶える王道、テンプレ、モリモリファンタジー。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

処理中です...