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3章 大学入学編
小鳥遊美奈の熱愛報道 3
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~小鳥遊美奈視点~
私は近所迷惑になるくらいの大きさで泣き続ける。
すると私のスマホが震え出す。
「ぐすん……」
私は涙を流しながらスマホを取ると、そこには『リン様』との文字が表示されていた。
「リン様……」
きっと今の現状を知り、私に連絡してきたのだろう。
「と、とりあえず泣いてたことは隠さないと!」
私は心配させないようにと無理やり涙を引っ込ませ、何度も深呼吸して電話に出る。
『美奈、週刊⚪︎春を見たぞ。その……大丈夫か?』
『あはは……撮られちゃいましたね。でも、心配いりません。また一から頑張ればいいだけですから。むしろリン様に迷惑がかかってないことを喜ばないといけないくらいです』
私は先程まで泣いていたことを悟られないよう、普段通りの声色で話す。
しかし…
『やっぱり大丈夫じゃないな』
『っ!』
リン様にはバレてしまう。
『い、いえ!私は大丈夫ですよ!ファンはいなくなりましたが、また一から頑張ればいいだけです!なんたって私は、のぞみ坂47の選抜総選挙で2連覇したアイドルです!また一から始めても余裕で……』
『美奈!』
『っ!』
私はリン様から強い口調で名前を呼ばれ、“ビクっ”と身体が跳ねる。
『美奈が無理をしているのは分かってるぞ。声だけで、さっきまで泣いていたことが伝わってくる』
泣いていたことを悟られないよう努めたつもりだったが、どうやら無駄だったようだ。
『また一から頑張ればいいという言葉は強がりだろ?』
『……そうですね。また一からなんて頑張れないと思ってます』
私は誤魔化せないと思い、リン様に自分の心境を話す。
『実はさっきまで泣いてました。ファンからの厳しいコメントや今まで通りアイドル活動ができなくなること、そして何より『のぞみ坂47』のみんなに迷惑をかけたこと。その数々を思い出すだけで……うぅ……うわぁぁぁんっ!』
リン様に心境を吐露するだけで、無理やり引っ込めた涙が再度溢れてくる。
『辛いよな。ファンからの厳しい声を聞くって』
泣きじゃくっている私に、リン様が優しく語りかける。
『俺は苦しんでる美奈を1人にしたくない。絶対、美奈を1人になんてさせないから』
『っ!』
力強くリン様が言う。
その言葉に私の心臓は“トクン”と跳ねる。
(こんな時に嬉しい言葉を言わないでください。嬉しすぎて頬が緩んじゃいますよ)
リン様からの不意打ちに、私は頬が緩んでしまう。
『俺、今日の19時から配信を始めるんだ。絶対見てくれよ』
そう言ってリン様が電話を切る。
「私、リン様の行動を止められなかった……」
リン様がやろうとしていることは想像がつく。
絶対、私と写っている男性が一般男性でなくリン様であることを伝えようとしている。
「一般男性だからリン様には迷惑をかけてないと思ったけど、盛大に迷惑をかけちゃったよ」
私の軽率な行動のせいでリン様を巻き込んでしまったことに申し訳なさを感じる。
だが、それ以上に嬉しい気持ちが勝ってしまう。
「美奈を1人にはしないって言ってくれた……うぅ……カッコ良すぎです……」
今でもリン様の発言が脳内再生されているくらい、言われて嬉しかった。
「しかもリン様は写真の男が一般男性ではなく自分であることを公表しようとしている。そうすることで自分のファンが減るかもしれないのに」
そのリスクを負ってまで私のために動いてくれる。
「うぅ……もっとリン様のことが好きになっちゃうよ……」
私は緩み切った表情で呟く。
先ほどまでファンからの厳しい声や今後のことで泣いていたのが夢だと思えるくらい、今では心の中が幸せで満たされている。
「19時ってリン様は言ってた。リン様の配信を視聴する前にご飯を食べとかないと!」
リン様のおかげで元気が出た私は、いつの間にか止まっていた涙を拭い、急いでリビングへと向かった。
リン様から電話をもらった私は、急いでリビングへ向かう。
「お母さん!急いでご飯作って!」
「美奈っ!大丈夫なの!?」
リビングに入って来た私を心配するように、お母さんが駆け寄ってくる。
「うんっ!リン様のおかげで私は大丈夫!」
リン様と電話をするまでは泣きじゃくっていたので目は充血しているが、心は幸せで満たされているため、満面の笑みでお母さんに言う。
その笑顔を見たお母さんが“ホッ”と息をつく。
「そう。それなら良かったわ。SNSで色々と言われてるから心配したのよ」
先程まで大声で泣いていたことはリビングにいたお母さんの耳にも届いているはず。
そのため、大丈夫という意味を込めて、もう一度満面の笑みで伝える。
「もう大丈夫だよ!心配してくれてありがと!」
「ふふっ、本当に大丈夫そうね。待ってて、すぐに晩御飯を作るから」
そう言ってお母さんがキッチンへ向かった。
数分後、私は晩御飯を食べながらリン様との電話の内容をお母さんに話した。
その際、お母さんが目に涙を溜めながら聞いていたので、心配をかけてしまったと反省する。
「美奈の言った通り、夏目さんは優しい方ね」
「でしょ!私、見る目はあるんだから!」
お母さんはリン様のことを顔だけの男と思っている節があった。
実際、リン様が公に出てきたのは最近のことで、有名になったのはルックスが良かったから。
性格が褒められて有名になったわけじゃないので、外見が良くて中身がクズかもしれないと、再三私に言っていた。
「ふふっ、そうね。美奈は見る目があるわ」
先ほどの電話の件でリン様の評価が上がったらしく、リン様のことを絶賛し始めるお母さん。
その後、私とお母さんは19時になるまでリン様の話題で盛り上がった。
私は近所迷惑になるくらいの大きさで泣き続ける。
すると私のスマホが震え出す。
「ぐすん……」
私は涙を流しながらスマホを取ると、そこには『リン様』との文字が表示されていた。
「リン様……」
きっと今の現状を知り、私に連絡してきたのだろう。
「と、とりあえず泣いてたことは隠さないと!」
私は心配させないようにと無理やり涙を引っ込ませ、何度も深呼吸して電話に出る。
『美奈、週刊⚪︎春を見たぞ。その……大丈夫か?』
『あはは……撮られちゃいましたね。でも、心配いりません。また一から頑張ればいいだけですから。むしろリン様に迷惑がかかってないことを喜ばないといけないくらいです』
私は先程まで泣いていたことを悟られないよう、普段通りの声色で話す。
しかし…
『やっぱり大丈夫じゃないな』
『っ!』
リン様にはバレてしまう。
『い、いえ!私は大丈夫ですよ!ファンはいなくなりましたが、また一から頑張ればいいだけです!なんたって私は、のぞみ坂47の選抜総選挙で2連覇したアイドルです!また一から始めても余裕で……』
『美奈!』
『っ!』
私はリン様から強い口調で名前を呼ばれ、“ビクっ”と身体が跳ねる。
『美奈が無理をしているのは分かってるぞ。声だけで、さっきまで泣いていたことが伝わってくる』
泣いていたことを悟られないよう努めたつもりだったが、どうやら無駄だったようだ。
『また一から頑張ればいいという言葉は強がりだろ?』
『……そうですね。また一からなんて頑張れないと思ってます』
私は誤魔化せないと思い、リン様に自分の心境を話す。
『実はさっきまで泣いてました。ファンからの厳しいコメントや今まで通りアイドル活動ができなくなること、そして何より『のぞみ坂47』のみんなに迷惑をかけたこと。その数々を思い出すだけで……うぅ……うわぁぁぁんっ!』
リン様に心境を吐露するだけで、無理やり引っ込めた涙が再度溢れてくる。
『辛いよな。ファンからの厳しい声を聞くって』
泣きじゃくっている私に、リン様が優しく語りかける。
『俺は苦しんでる美奈を1人にしたくない。絶対、美奈を1人になんてさせないから』
『っ!』
力強くリン様が言う。
その言葉に私の心臓は“トクン”と跳ねる。
(こんな時に嬉しい言葉を言わないでください。嬉しすぎて頬が緩んじゃいますよ)
リン様からの不意打ちに、私は頬が緩んでしまう。
『俺、今日の19時から配信を始めるんだ。絶対見てくれよ』
そう言ってリン様が電話を切る。
「私、リン様の行動を止められなかった……」
リン様がやろうとしていることは想像がつく。
絶対、私と写っている男性が一般男性でなくリン様であることを伝えようとしている。
「一般男性だからリン様には迷惑をかけてないと思ったけど、盛大に迷惑をかけちゃったよ」
私の軽率な行動のせいでリン様を巻き込んでしまったことに申し訳なさを感じる。
だが、それ以上に嬉しい気持ちが勝ってしまう。
「美奈を1人にはしないって言ってくれた……うぅ……カッコ良すぎです……」
今でもリン様の発言が脳内再生されているくらい、言われて嬉しかった。
「しかもリン様は写真の男が一般男性ではなく自分であることを公表しようとしている。そうすることで自分のファンが減るかもしれないのに」
そのリスクを負ってまで私のために動いてくれる。
「うぅ……もっとリン様のことが好きになっちゃうよ……」
私は緩み切った表情で呟く。
先ほどまでファンからの厳しい声や今後のことで泣いていたのが夢だと思えるくらい、今では心の中が幸せで満たされている。
「19時ってリン様は言ってた。リン様の配信を視聴する前にご飯を食べとかないと!」
リン様のおかげで元気が出た私は、いつの間にか止まっていた涙を拭い、急いでリビングへと向かった。
リン様から電話をもらった私は、急いでリビングへ向かう。
「お母さん!急いでご飯作って!」
「美奈っ!大丈夫なの!?」
リビングに入って来た私を心配するように、お母さんが駆け寄ってくる。
「うんっ!リン様のおかげで私は大丈夫!」
リン様と電話をするまでは泣きじゃくっていたので目は充血しているが、心は幸せで満たされているため、満面の笑みでお母さんに言う。
その笑顔を見たお母さんが“ホッ”と息をつく。
「そう。それなら良かったわ。SNSで色々と言われてるから心配したのよ」
先程まで大声で泣いていたことはリビングにいたお母さんの耳にも届いているはず。
そのため、大丈夫という意味を込めて、もう一度満面の笑みで伝える。
「もう大丈夫だよ!心配してくれてありがと!」
「ふふっ、本当に大丈夫そうね。待ってて、すぐに晩御飯を作るから」
そう言ってお母さんがキッチンへ向かった。
数分後、私は晩御飯を食べながらリン様との電話の内容をお母さんに話した。
その際、お母さんが目に涙を溜めながら聞いていたので、心配をかけてしまったと反省する。
「美奈の言った通り、夏目さんは優しい方ね」
「でしょ!私、見る目はあるんだから!」
お母さんはリン様のことを顔だけの男と思っている節があった。
実際、リン様が公に出てきたのは最近のことで、有名になったのはルックスが良かったから。
性格が褒められて有名になったわけじゃないので、外見が良くて中身がクズかもしれないと、再三私に言っていた。
「ふふっ、そうね。美奈は見る目があるわ」
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