髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

昼寝部

文字の大きさ
66 / 169
4章 ゴールデンウィーク編

桃ちゃん家へ 2

しおりを挟む
 桃ちゃんの使用人が運転する車で桃ちゃんの家に向かう。

「なぁ、この車ってリムジンだよな?」
「はい、そうですよ。あ、飲み物は要りますか?」
「……じゃあ遠慮なく頂こうか」

 俺の返事を聞いた桃ちゃんが、車に備え付けられている冷蔵庫からお茶を取ってくれる。

 今の俺たちは電車内のように向かい合って座っており、車に乗った時は広々とした空間や座り心地抜群のソファーに驚いた。
 ちなみに俺の隣に寧々が座り、桃ちゃんと美柑さんが俺たちの前に座っている。

「何度も言うが、今日はここまできてくれてありがとう。遠かっただろ?」
「そうですね。車で4時間くらいかかりましたので遠かったと思います。でも、遠いとかは全く思いませんでしたよ」
「……そうなのか?」
「はい。だって……」
「9年間会えなかったことに比べたら、4時間なんてあっという間だからね!」

 桃ちゃんの言葉を遮りながら美柑さんが言う。

「み、美柑っ!」

 その言葉を聞いて、桃ちゃんが顔を赤くしながら隣に座る美柑さんを“ポカポカ”と叩く。

「そ、そうだな。確かに9年と比べれば4時間はあっという間か」
「そうだよ!しかもお姉ちゃん、リン様に会うのが楽しみすぎて……」
「美柑っ!」
「んーーっ!」

 何かを言いかけていた美柑さんの口を、桃ちゃんが勢いよく塞ぐ。

「な、仲が良いな」
「そ、そんなことありませんよ。見ての通り、私のことをイジメてくる可愛くない妹です」

 顔の赤みが収まっていない状態の桃ちゃんが俺たちに向けて言う。
 そして「こほんっ!」と咳払いを挟んで話を変える。

「今回はお父様と会うために来ていただきありがとうございます」
「気にしなくていいよ。何の話をされるか分からず、内心ビクビクしているが」

 雨宮財閥の会長である桃ちゃんパパからの話だ。
 怯えない人なんていないだろう。

「2人は俺にどんな話をするか聞いてるのか?」
「もちろんです。私も夏目様に言いたかったことですから」
「……え、桃ちゃんも俺に言いたかったの?」
「はい。再会した時からずっと言いたかったことです」

(なんだろ?再会してからずっと言いたかったことって……)

 そう思い考えるが一向に思いつかないので、俺は桃ちゃんに問いかける。

「どんな話か見当がつかないから聞いても良いか?」
「ふふっ、ダメですよ。それは夜のお楽しみです」

 そう言って桃ちゃんが妖艶に笑う。
 その言葉と笑みに俺は“ドキっ”としてしまう。

「そ、そうか。ちなみに悪い話ではないんだよな?」
「はい。悪い話ではありませんので安心してください」
「お父さんもリン様のことを応援してるからね。それこそ、リン様が夏目レンとして活躍してた時から」
「そうなんだ。それなら安心だ」

 悪い話ではないと聞き、ホッと息をつく。

 その後も4人で他愛のない話をしていると…

「えっ!寧々さん、彼氏いないの!?」
「そうだよー」
「意外ですね。誰かとお付き合いされてると思ってました」
「それを言うなら桃華さんと美柑さんもです!2人とも彼氏がいないなんて驚きました!」

 話題が恋バナへと移る。

(やはり女子が3人も集まれば恋バナに発展するのが世の常なのだろう)

 そんなことを思いながら3人の会話に参加する。

「俺も彼氏がいると思ってた。許嫁や婚約者はいないのか?」

 大手財閥の娘ともなれば政略結婚は当たり前だと思っていたため、2人とも許嫁や婚約者がいると思っていた。

「あー、確かに雨宮財閥の娘ともなれば小さい頃から許嫁や婚約者がいて、将来は政略結婚の駒として使われると思ってる人が多いね」
「……違うのか?」
「はい。私たちは政略結婚の駒ではありません。自由に恋愛をして良いとお父様から言われておりますので」
「ということは、一般人と結婚してもいいのか?」
「そうだよー。もちろん、結婚相手はお父様が徹底的に調べ上げると思うけどね」

 徹底的に調べる理由は分かるのでツッコミはしないが、日本で最も大きい財閥の娘が政略結婚の駒でないことにかなり驚いている。

「理由はあるのか?」
「はい。お父様と亡き母であるお母様が政略結婚ではなく恋愛結婚だからです」
「……そういえば桃ちゃんのお母さんって女優だったな」

 桃ちゃんと美柑さんのお母さんは東條林檎さんという名前で活躍していた女優で、子役の頃、俺は1度だけ共演したことがある。
 その時に桃ちゃんと出会った。

「女優である東條さんと結婚してる時点で政略結婚じゃないな」
「はい。なので私たちに許嫁や婚約者はいません」

 ちなみに桃ちゃんと美柑さんにはお兄さんが1人おり、そのお兄さんが会長の後を継ぐことが決定しているため、恋愛自由になっているらしい。
 もしお兄さんがおらず桃ちゃんと美柑さんしか子供がいなければ、桃ちゃんたちが自由に恋愛できていたかは怪しいとのこと。

「だからはやく運命の人と出会って恋愛ドラマみたいな恋がしたいんだー!」
「ふふっ、美柑ならきっと見つかりますよ。とても可愛い女の子ですから」
「私もお兄ちゃんよりカッコいい男性とはやく出会いたいよ!」
「そ、それは……無理だと思うのでハードルを下げた方が良いと思います」
「桃華さんから現実的なアドバイスをもらっちゃったよ!」

 そんな会話をしながら俺たちは車に揺られた。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜

昼寝部
ファンタジー
 2XXX年、X月。  俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。  そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。  その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。  俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。  これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。

処理中です...