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7章 凛くん争奪戦

選考会という名の修羅場 6

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「続きまして二問目に移ります!」

 一之瀬さんの元気な声が響き渡る。

「11月を英語で何と――」

 “ピンポンっ!”

「ここで浜崎さんが押したました!では解答をどうぞ!」
「えーっと11月は確か……September?」
「残念っ!それは9月です!」
「何で11月とか中途半端なところを問題にするんですか……」

 惜しい解答をしただけに悔しそうな浜崎さん。
 そんな浜崎さんを他所に早押しボタンを連打している4人。

(だから必死すぎだろ!)

 “ピンポンっ!”

「ここで愛甲さんが押しました!答えをどうぞ!」
「Novemberです!」
「正解です!」

 “ピンポンっピンポンっ!”という正解音が鳴り響く。

「やった!」
「あー。11月ってそんな英語でしたね……」
「ふふっ、浜崎さんも惜しかったですよ」

 真奈美の答えを聞いて肩を落としている浜崎さんを桃ちゃんが慰める。

 そして…

「あれ?11月って“じゅぬありー?”じゃないんですか?」
「それは1月よ。あとJanuaryね」

 美奈が珍回答を披露していた。



 その後も早押しクイズが続き、6問が終了する。
 現在の状況は桃ちゃんと真奈美が2問正解しており、立花さんと浜崎さんが1問正解している。
 そして美奈だけが1問も正解していない。
 6問ほど問題が終われば自然とみんなの学力は把握できる。

(美奈がぶっちぎりでアホだなぁ)

 浜崎さんも頭は良くないみたいだが、美奈が浜崎さんのアホさを消し去るくらいの珍回答を連発している。

 どれくらいアホかというと、『高度経済成長期に3Cと呼ばれる電化製品がありました。その3Cとは何でしょうか?』という問題に対し、『カメラ!シャンプー!コンディショナー!』と答えるくらい。
 後半二つに至っては電化製品ではないので、周囲を笑いに包み込んだ。
 本人は本気で悔しそうだったが。

「6問目は愛甲さんが正解し、雨宮さんと共に残り1問となりました!」

 そう前置きした一之瀬さんが7問目を告げる。

「では第7問!」

 “ででんっ!”

「台形の面積を求める公式を答えよ!」

 “ピンポンっ!” 

「おーっと!雨宮さんに回答権が!ここで正解すれば1位上がりとなります!雨宮さん、回答をどうぞ!」
「(上底+下底)×高さ÷2です!」
「正解です!」
「やりましたっ!」

 桃ちゃんが胸の前でガッツポーズをする。

「雨宮さん、頭良すぎだよ」
「そうね。瞬時に答えられるのは凄すぎるわ」

 真奈美と立花さんが桃ちゃんのことを褒める。

「これで1位が雨宮さんに決まりました。今の率直な感想をどうぞ!」
「私は運動が苦手なので早押しクイズで1位を獲れて嬉しいです!このままの調子で夏目様と出演できるよう頑張ります!」

 一之瀬さんの言葉を聞き、桃ちゃんがこれからの意気込みを言う。

「意気込みありがとうございました!では雨宮さんには1位の席へ移動していただきます」

 とのことでスタッフに従い、桃ちゃんが用意された席へ移動する。

「では早押しクイズを再開します!」

 元気な声で一之瀬さんが早押しクイズを再開した。
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