髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

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7章 凛くん争奪戦

愛甲真奈美との撮影 1

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 バチバチの雰囲気だったが、一口寿司を食べると険しい雰囲気は無くなった。
 その後は他愛もない話をしつつ1時間の休憩を終え、最後に真奈美との撮影に移る。

「凛くん!よろしくね!」
「あぁ。しっかりサポートしてくれよ」
「任せて!」

 桃ちゃんほど大きくはないが、巨乳と言って問題ないくらい大きな果実を“ぷるんっ!”と揺らして胸を張る。

「っ!」

 その仕草に一瞬見惚れてしまうがすぐに視線を外す。
 すると近くにいた香帆から声をかけられた。
 鋭い視線で。

「真奈美に変なことしたら許さないわよ」
「ひいっ!も、もちろんだ!」
「ならいいわ」

 そう言って香帆たち4人が後方へ下がる。

「では愛甲さんとの撮影を始めます」

 川端さんの言葉を聞き、カメラが周り出す。

「今からはの女優の愛甲真奈美さんと課題クリアに向け頑張っていこうと思います」

 そう言って真奈美に視線を移す。

「今からの課題は何になるんだ?」
「うんっ!今からの課題は『南青葉駅を中心に半径10キロ以内にある足湯へ行く』だよ!」
「お、今度は足湯か。ちょうど歩き疲れたから休憩したかったんだ」
「だね!じゃあ早速れっつごー!」

 可愛らしい掛け声と共に、俺たちはお寿司屋さんを出発した。



 お寿司屋さんを出発し、まずは人通りの多い場所を目指す。

「真奈美と旅番組って初めてなんじゃないか?」
「そうだね。凛くんとの旅番組は初めてだよ」

 昔から交流がありドラマやバラエティ番組で何度も共演してきたが、旅番組は初めてのこと。

「そういえば昔は撮影の合間に外へ出て遊んだりしたな」
「あ、凛くん覚えてるんだ!」
「あぁ。真奈美との遊びは楽しかったからな」
「えへへ~、私も凛くんとのデート楽しかったよ!」
「いやデートではないだろ。小学5、6年の話だし」
「むぅっ」

 デートではないことを否定すると頬を膨らませて不機嫌になる真奈美。

「いい、凛くんっ!男の子と女の子がお出かけすればそれはデートなんだよ!たとえ小学生の頃の話だったとしても!」
「な、なるほど」

 謎の迫力により、俺は首を縦に振って納得する。

「だから私と凛くんは30回以上デートしたことになるね!」
「そ、そんなにあるのか?」
「うんっ!公園で遊んだり街に出て買い物したり!だから凛くんと1番デートしたことがあるのは私になるね!」

 そう言って何故か桃ちゃんを見る。

(すごく嬉しそうな顔してるなぁ。あ、桃ちゃんがスタッフに取り押さえられてる)

 事あるごとに言い争いをする2人なので今の発言が桃ちゃんの逆鱗に触れたらしい。
 しかしスタッフに口を抑えられているので何も聞こえない。
 そんな会話をしながら歩いていると、人通りの多い場所に辿り着いた。

「じゃあ情報を集めてくるよ」
「うんっ!頑張ってね!」

 真奈美が満面の笑みで見送ってくれる。
 俺はすぐ近くにいた親子に声をかける。

「すみません、少しお尋ねしたいことがあるのですが、今お時間大丈夫ですか?」
「はい。なんでしょうか……ってリン様!?」
「あー!リン様だー!」

 俺の顔を見た30代くらいの女性が驚き、手を繋いでいる女の子はキラキラした目を向けた。

「驚かせてすみません」
「い、いえ。それで尋ねたいこととはなんでしょうか?」
「あ、はい。今、番組の撮影でこの近くにある足湯を探しておりまして……」

 そう前置きした後、撮影内容を話す。

「なるほど。南青葉駅周辺の足湯ですか。すみません、私は知りません。莉乃は知ってる?」
「うん!知ってるよ!」

 小学生くらいの女の子が元気よく返答する。

「『青葉温泉』ってところにあるよ!」
「青葉温泉?」
「うんっ!とーっても大きいお風呂なんだ!」

 その話を聞き、俺はお母さんを見る。

「青葉温泉はどこにあるのですか?」
「えーっと、ここから5分くらい歩いたところにあるのですが……多分足湯はなかったと思います」

 微妙な顔をしながら場所を教えてくれる。

「温泉なので足湯もあるかもしれません。なので行ってみたいと思います」
「莉乃も行くー!」

 俺の言葉を聞き、莉乃ちゃんが手をあげてお母さんに言う。

「ママ、いいでしょ?」
「そうね。せっかくなので行ってみようかな」
「やったー!リン様っ!莉乃が案内するよ!」

 そう言って俺の手を取る莉乃ちゃん。

「ありがとう、莉乃ちゃん」
「えへへ~!こっちだよ!」

 こうして元気な莉乃ちゃんに連れられて俺たちは青葉温泉を目指した。
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