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7章 凛くん争奪戦
修羅場が家までやって来る 3
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俺は人数分の飲み物を持って皆んなが座る場所に向かう。
「――って形でいくよ。寧々ちゃんは……」
「大丈夫だよ!私が王様になったらお兄ちゃんを上手く混ぜるから!皆んなの楽しみを私が奪うわけにはいかないからね!」
そう言って立ち上がった寧々が“トコトコ”と走り去る。
「なんだ?」
「あ、凛くん!飲み物ありがとー!」
「あぁ。これくらい大したことはないよ。それより、なんの話をしてたんだ?」
「ガールズトークをしてたんだ!」
「お、それは聞かない方がいいな」
「うんうん!」
今のところ5人が喧嘩をしている様子はないので、寧々が上手く間を持っているのだろう。
「お待たせー!」
すると寧々が紙で作ったくじ引きみたいなものを持って現れた。
「……なんだ、それは?」
「あ、気にしなくていいよ!私が王様になった時に使うやつだから!」
そう言って自分の座布団に座る。
「じゃあ始めるよ!」
こうして王様ゲームが始まった。
各々がクジを引く。
「王様だーれだ!」
「私です!」
涼菜が『王』と書かれた棒を見せる。
「うーん……」
悩みながら全員を見渡した後……
「では!4番が王様であるウチを後ろから抱きしめてくださいっ!」
「嘘だろ!4番って俺なんだけど!」
運悪く涼菜が選んだ番号は俺が引いた番号だった。
俺は潔く立ち上がり、床に座っている涼菜の後ろに移動する。
そして後ろから涼菜に声をかける。
「な、なぁ、涼菜。嫌なら取り消してもいいんだぞ?」
「それはダメです。取り消すのはルール違反ですので。だからウチからの指示があるまで凛さんはウチを抱きしめないといけません」
「その通りなんだが……」
付き合ってもいないのに年頃の女の子を後ろから抱きしめるのはマズイと思い、行動に移せない。
「もしかして嫌……ですか?」
すると首だけを俺の方に向け、不安そうな目で聞いてくる。
「っ!わ、分かった。嫌だったらすぐに言ってくれよ」
俺は意を決して涼菜を後ろから抱きしめる。
「ふぁぁ~、とても良いです~」
涼菜がそんな声を上げる。
(ホントに良いのか?そんなことないと思うが……)
後ろから抱きしめてるため涼菜の顔を見ることはできないが、彼氏でもない人から抱きしめられているのだ。
きっと心の中では嫌な思いをしているだろう。
そう思うが自分から手を放すわけにはいかないので、指示が出るまで抱きしめ続ける。
その後1分ほど抱きしめ続けるが、なぜか一向に声がかからない。
「「「「じーっ」」」」
そのため、周りからの視線が痛くなる。
「涼菜、もう離れていいか?みんなからの視線が痛いんだけど」
「まだダメです。あともう少しお願いします」
とのことで却下される。
「凛くん長すぎ」
「夏目様。いつまで抱きついてるんですか?」
「さすがの私もそろそろイライラしてくるわ」
「リン様は女の子を抱きしめるのが好きなんですね」
するとハイライトの消えた目で4人から言われる。
(違うんだァァァァァァ!!!!)
俺は心の中で叫んだ。
数分後、みんなが俺と涼菜を引き剥がす。
(ヤバい、確実にみんなからの評価が下がった……泣きたい……)
そんなことを思いながら2回戦目の棒を引く。
「王様だーれだ!」
「私だよ!」
真奈美が勢いよく手を上げる。
「うーん……」
真奈美は顎に手を当てて考え込みながら皆んなを見渡す。
「うん!3番が私に膝枕をして!」
(えっ!また俺かよ!)
俺は3番の棒を見ながら思う。
「あー、3番って俺なんだけど……俺に膝枕なんかされても嬉しくないだろ?」
「そんなことないよ!凛くんの太もも、すごく寝心地良さそうだもん!」
「どこを見てそう思ったんだよ。初めて言われたわ」
そんなことを思うが王様の命令は絶対なので俺は観念して真奈美に近づく。
そして正座した後、真奈美を呼ぶ。
「俺の膝枕で満足できるかはわからないが、俺の太ももを使ってくれ」
「ありがとー!凛くん!」
そう言って俺の太ももに真奈美の頭が乗る。
その時、フワッと甘い匂いが漂う。
(めっちゃいい匂いがするんだけど……)
そんなことを思うが真奈美の匂いを堪能するわけにはいかないので、理性を振り絞って耐える。
すると仰向けで横になっている真奈美と目が合う。
「ど、どうした?」
「ううん。最高の寝心地だよ」
その言葉に嘘はないようで、すごく幸せそうな顔をしている。
「そ、そうか。疲れてるなら目をつぶって休んでもいいぞ?」
「ううん。それは勿体無いから辞めとくよ。せっかく凛くんの顔が近くにあるんだからね。記憶に焼き付けるくらい眺めないと」
そう言って真奈美が幸せそうに笑う。
「っ!そ、そうか。見つめられるのは恥ずかしいから、ほどほどに頼むぞ」
「うん!」
真奈美が嬉しそうな声を上げて俺のことを見つめる。
「夏目様は気を許しすぎです!」
「そうね。これも見ててイライラしてくるわ」
「リン様の顔がだらしないですね。真奈美さんの色気に夢中になってます」
「ウチよりも時間が長いと思います!今すぐ中止すべきです!」
そんなことを俺に向けて言っていた。
「――って形でいくよ。寧々ちゃんは……」
「大丈夫だよ!私が王様になったらお兄ちゃんを上手く混ぜるから!皆んなの楽しみを私が奪うわけにはいかないからね!」
そう言って立ち上がった寧々が“トコトコ”と走り去る。
「なんだ?」
「あ、凛くん!飲み物ありがとー!」
「あぁ。これくらい大したことはないよ。それより、なんの話をしてたんだ?」
「ガールズトークをしてたんだ!」
「お、それは聞かない方がいいな」
「うんうん!」
今のところ5人が喧嘩をしている様子はないので、寧々が上手く間を持っているのだろう。
「お待たせー!」
すると寧々が紙で作ったくじ引きみたいなものを持って現れた。
「……なんだ、それは?」
「あ、気にしなくていいよ!私が王様になった時に使うやつだから!」
そう言って自分の座布団に座る。
「じゃあ始めるよ!」
こうして王様ゲームが始まった。
各々がクジを引く。
「王様だーれだ!」
「私です!」
涼菜が『王』と書かれた棒を見せる。
「うーん……」
悩みながら全員を見渡した後……
「では!4番が王様であるウチを後ろから抱きしめてくださいっ!」
「嘘だろ!4番って俺なんだけど!」
運悪く涼菜が選んだ番号は俺が引いた番号だった。
俺は潔く立ち上がり、床に座っている涼菜の後ろに移動する。
そして後ろから涼菜に声をかける。
「な、なぁ、涼菜。嫌なら取り消してもいいんだぞ?」
「それはダメです。取り消すのはルール違反ですので。だからウチからの指示があるまで凛さんはウチを抱きしめないといけません」
「その通りなんだが……」
付き合ってもいないのに年頃の女の子を後ろから抱きしめるのはマズイと思い、行動に移せない。
「もしかして嫌……ですか?」
すると首だけを俺の方に向け、不安そうな目で聞いてくる。
「っ!わ、分かった。嫌だったらすぐに言ってくれよ」
俺は意を決して涼菜を後ろから抱きしめる。
「ふぁぁ~、とても良いです~」
涼菜がそんな声を上げる。
(ホントに良いのか?そんなことないと思うが……)
後ろから抱きしめてるため涼菜の顔を見ることはできないが、彼氏でもない人から抱きしめられているのだ。
きっと心の中では嫌な思いをしているだろう。
そう思うが自分から手を放すわけにはいかないので、指示が出るまで抱きしめ続ける。
その後1分ほど抱きしめ続けるが、なぜか一向に声がかからない。
「「「「じーっ」」」」
そのため、周りからの視線が痛くなる。
「涼菜、もう離れていいか?みんなからの視線が痛いんだけど」
「まだダメです。あともう少しお願いします」
とのことで却下される。
「凛くん長すぎ」
「夏目様。いつまで抱きついてるんですか?」
「さすがの私もそろそろイライラしてくるわ」
「リン様は女の子を抱きしめるのが好きなんですね」
するとハイライトの消えた目で4人から言われる。
(違うんだァァァァァァ!!!!)
俺は心の中で叫んだ。
数分後、みんなが俺と涼菜を引き剥がす。
(ヤバい、確実にみんなからの評価が下がった……泣きたい……)
そんなことを思いながら2回戦目の棒を引く。
「王様だーれだ!」
「私だよ!」
真奈美が勢いよく手を上げる。
「うーん……」
真奈美は顎に手を当てて考え込みながら皆んなを見渡す。
「うん!3番が私に膝枕をして!」
(えっ!また俺かよ!)
俺は3番の棒を見ながら思う。
「あー、3番って俺なんだけど……俺に膝枕なんかされても嬉しくないだろ?」
「そんなことないよ!凛くんの太もも、すごく寝心地良さそうだもん!」
「どこを見てそう思ったんだよ。初めて言われたわ」
そんなことを思うが王様の命令は絶対なので俺は観念して真奈美に近づく。
そして正座した後、真奈美を呼ぶ。
「俺の膝枕で満足できるかはわからないが、俺の太ももを使ってくれ」
「ありがとー!凛くん!」
そう言って俺の太ももに真奈美の頭が乗る。
その時、フワッと甘い匂いが漂う。
(めっちゃいい匂いがするんだけど……)
そんなことを思うが真奈美の匂いを堪能するわけにはいかないので、理性を振り絞って耐える。
すると仰向けで横になっている真奈美と目が合う。
「ど、どうした?」
「ううん。最高の寝心地だよ」
その言葉に嘘はないようで、すごく幸せそうな顔をしている。
「そ、そうか。疲れてるなら目をつぶって休んでもいいぞ?」
「ううん。それは勿体無いから辞めとくよ。せっかく凛くんの顔が近くにあるんだからね。記憶に焼き付けるくらい眺めないと」
そう言って真奈美が幸せそうに笑う。
「っ!そ、そうか。見つめられるのは恥ずかしいから、ほどほどに頼むぞ」
「うん!」
真奈美が嬉しそうな声を上げて俺のことを見つめる。
「夏目様は気を許しすぎです!」
「そうね。これも見ててイライラしてくるわ」
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そんなことを俺に向けて言っていた。
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