髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

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7章 凛くん争奪戦

修羅場が家までやって来る 2

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 自宅に到着し、真奈美たち5人を出迎える準備をする。
 寧々と手分けをして掃除などを行い、出迎える準備が完了したタイミングで“ピンポーン”とチャインが鳴る。
 俺たちは玄関まで移動し扉を開けると、真奈美たち5人がいた。

「ここが凛くんのお家なんだ」
「そういえば真奈美も俺たちの家に来たことないのか」
「うん。初めてだよ」

 子役時代、何度も交流のあった真奈美だが、家に招待したことはない。

「はやく上がれよ」
「だね。お邪魔しまーす」

 俺は玄関前で動かない5人を促し、リビングへ通す。
 あらかじめ7人が余裕で座れる空間を準備しており座布団も用意していたため、俺は適当な位置に座る。

 すると…

「事前に決めたように……」
「場所取りジャンケンね」
「ウチは負けませんよ!」

 そう言ってメラメラと燃え上がる5人。

「お、場所取りジャンケンが始まるみたいだぞ」
「そうだね。この戦いでお兄ちゃんの近くに座れた人が今日の勝ち組と言って良いくらいだからね。皆んな真剣だよ」
「ん?何で俺の隣が……あぁ、そうか。俺と話す機会が増えるからか。まぁ、たくさん話したからといって選考で有利にはしないがな」
「うぅ……真奈美ちゃんたちが可哀想だよぉ……」
「なんで泣くんだよ!」

 “シクシク”と泣き真似を始める寧々にツッコミを入れる。

「じゃあいくよー、ジャンケンっ……」
「「「「「ポンっ!」」」」」

 そんな掛け声とともにジャンケンが行われ…

「やったわ!」
「やりました!リン様の隣です!」

 香帆と美奈が勝者となる。

「「「むぅ…」」」
「はいはい嫉妬しないの」

 そして敗者に対し、寧々が声を掛ける。

「私はここです!」

 勝者である美奈が一足先に俺の左隣に腰掛ける。

「リン様っ!隣、失礼しますね!」
「あぁ、ゆっくり過ごすといいよ」

 満面の笑みを向ける美奈に声をかけたタイミングで、俺の右隣に香帆が座る。

「隣をもらうわ」
「あぁ。いいけど……無理して俺の隣に座る必要はないんだぞ?話すなら隣じゃなくても話せるから」
「な、なによ。隣に私が座られるのは嫌なの?」

 少し悲しそうな声色で言う香帆へ、俺は慌てて訂正をする。

「そ、そんなことはないぞ!俺は香帆が隣に座ってくれて嬉しいと思ってる!だって俺たちは友達だからな!香帆とはプライベートの話とかをもっとしたいと思ってたし!」
「そ、そう……な、なら凛に私のことをたくさん話してあげるわ!その……と、友達だからね!」

 そう言って嬉しそうな顔を見せる。

「香帆ちゃんって友達という関係を目一杯利用してるよね」
「侮れませんね」
「ウチもそう思います」

 そんな俺たちを見て“うんうん”と皆んなが首を縦に振る。

「うっ、うるさいっ!はやく座りなさいよ!」

 図星だったのか香帆が顔を赤くして真奈美たちに言う。
 その言葉を聞き、ようやく真奈美たちも座布団に座る。

「で、今から何するんだ?」

 集合までに時間がかかったため、現時刻は18時半。

「まずはデリバリーを取ることにするわ」

 とのことでワイワイしながら7人で料理を注文。

 そして一通り注文した後…

「今からはこれをやるよ!」

 そう言って真奈美が7本の棒を俺たちに見せる。

「この先端には『王』という文字と1~6までの数字が書かれているんだ!」
「なるほど、王様ゲームか」
「うんっ!」

 王様ゲーム。それは王様が「〇番は~~をする」といった命令を下し、その命令には絶対に従わなければならないゲーム。

「そして、ここにおみくじの時に使用する筒状の箱も用意してあるよ」

 そして今度はおみくじの時によく使用される筒状の箱を取り出す。

「この箱を逆さまにして棒を取り出す形にするんだ。これなら棒が見えないし、棒にイカサマもできないからね」
「なるほど」
「ちなみに今回は『○番は王様に~~をする』と言った命令もアリにするから」

 真奈美の説明に皆んなが頷く。

「何か質問ある人ー?」

 その問いかけに手を挙げる人はいなかったため、さっそく王様ゲームを始める。

「あ、お兄ちゃん!始める前に皆んなに飲み物をお願い!」
「そういえば飲み物の準備をしてなかったな。ちょっと待ってろ」

 俺は立ち上がって冷蔵庫まで行く。

「寧々ちゃん、ナイスだよ」
「任せて!真奈美ちゃん!」
「じゃあ凛くんも居なくなったので私たちだけのルールを説明するよ。王様を引いた人が絶対凛くんに命令できるルールをね」

 そんな不吉な話し合いが始まったが、俺の耳には届かなかった。
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